医療用医薬品 : オキシブプロカイン塩酸塩

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医薬品情報


総称名 オキシブプロカイン塩酸塩
一般名 オキシブプロカイン塩酸塩
欧文一般名 Oxybuprocaine Hydrochloride
製剤名 オキシブプロカイン塩酸塩点眼液
薬効分類名 眼科用表面麻酔剤
薬効分類番号 1313
ATCコード S01HA02
KEGG DRUG
D01768 オキシブプロカイン塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
オキシブプロカイン塩酸塩点眼液0.4%「ニットー」 Oxybuprocaine Hydrochloride Ophthalmic Solution 0.4%「NITTO」 日東メディック 1313700Q2097 41.8円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分又は安息香酸エステル(コカインを除く)系局所麻酔剤に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

眼科領域における表面麻酔

5. 効能または効果に関連する注意

鎮痛のみの目的に使用しないこと。

6. 用法及び用量

通常成人では1〜4滴を点眼する。
なお、年令、体質により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、使用上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
使用上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
悪心、顔面蒼白、紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症過敏症状
角膜びらん

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
・角膜障害等の副作用をおこすことがあるので、頻回に使用しないこと。
・本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合には、点眼前にレンズを外し、点眼後少なくとも5〜10分間の間隔をあけて再装用すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・鎮痛等を目的とした使用を防止するため、患者には渡さないこと。

16. 薬物動態

16.3 分布
ウサギ摘出角膜を1%オキシブプロカイン塩酸塩液に3分間浸した後に組織の薬物濃度を測定すると、角膜上皮では70.6mg/100mL、角膜実質では7.55mg/100mLであり、上皮では実質の約10倍の取り込みが認められた。
また、同様にウサギ摘出角膜を1%オキシブプロカイン塩酸塩液に3分間浸した後、1分、15分及び30分放置してから角膜中の薬物濃度を測定すると、1分放置後では21.95mg/100mL、15分放置後では1分値の約1/3の7.39mg/100mLとなり、30分放置後では4.24mg/100mLにまで低下した1)in vitro)。
16.4 代謝
ヒト血清にオキシブプロカイン塩酸塩を加え37℃でインキュベートすると、N-ジエチルアミノエタノールと3-ブトキシ-4-アミノ安息香酸に速やかに分解された2)in vitro)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
白内障嚢外摘出術、虹彩切除術、切裂術、水晶体嚢虹彩切開術等の諸種内眼手術施行例22例を対象に、局所麻酔剤として0.4%オキシブプロカイン塩酸塩点眼液を2分おきに6〜7滴点眼し、血管収縮剤として1000倍アドレナリン液を併用して内眼手術を行った結果、十分無痛に手術を行うことができた。
副作用は認められなかった3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
神経細胞膜のNaチャネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する4)
18.2 麻酔作用
18.2.1 麻酔効果の発現及び持続時間
健康人5例10眼に0.4%オキシブプロカイン塩酸塩点眼液を1滴点眼し、Freyの角膜知覚測定法に従い3g/mm2の圧迫力をもつ毛髪で角膜中央部を圧迫したときの角膜知覚消失を基準として麻酔効果を判定した。その結果、0.4%オキシブプロカイン塩酸塩点眼液の麻酔効果発現時間は平均16秒、麻酔持続時間は平均13分51秒であった5)
18.2.2 表面麻酔強度
ウサギ角膜麻酔法においてオキシブプロカイン塩酸塩の表面麻酔強度はコカインの約20倍であった6)
18.3 生物学的同等性試験
オキシブプロカイン塩酸塩点眼液0.4%「ニットー」とベノキシール点眼液0.4%について麻酔効果を比較するため、ウサギの角膜刺激による瞬目反射を指標として試験を実施した。両製剤をウサギに点眼し、点眼直後から瞬目反射が消失するまでの時間(麻酔開始時間)及び瞬目反射が消失してから瞬目反射が回復するまでの時間(麻酔持続時間)を測定した。その結果、両製剤間で麻酔開始時間及び麻酔持続時間に統計学的な有意差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された7)
 麻酔開始時間(秒)麻酔持続時間(分)
オキシブプロカイン塩酸塩点眼液0.4%「ニットー」15±852±11
ベノキシール点眼液0.4%15±552±12

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. オキシブプロカイン塩酸塩

一般的名称 オキシブプロカイン塩酸塩
一般的名称(欧名) Oxybuprocaine Hydrochloride
化学名 2-(Diethylamino)ethyl 4-amino-3-butyloxybenzoate monohydrochloride
分子式 C17H28N2O3・HCl
分子量 344.88
融点 158〜162℃
物理化学的性状 オキシブプロカイン塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は塩辛く、舌を麻痺する。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)又はクロロホルムに溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
オキシブプロカイン塩酸塩1.0gを水10mLに溶かした液のpHは5.0〜6.0である。
光によって徐々に着色する。
KEGG DRUG D01768

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10本

23. 主要文献

  1. Schlegel,H.E.et al., Arch.Ophthalmol., 51, 663-670, (1954)
  2. Iselin,H.et al., Schweiz.med.Wschr., 96, 219-222, (1966) »PubMed
  3. 亀井俊郎, 日本眼科学会雑誌, 68, 151-153, (1964) »PubMed
  4. 第十八改正日本薬局方解説書, C1222-1223, (2021), (廣川書店)
  5. 岡村治彦, 日本眼科学会雑誌, 66, 557-562, (1962)
  6. Buchi,J.et al., Helv.Chim.Acta., 34, 1002-1013, (1951)
  7. 社内資料:オキシブプロカイン塩酸塩点眼液0.4%「ニットー」の生物学的同等性試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086
製品情報問い合わせ先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日東メディック株式会社
富山県富山市八尾町保内1-14-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版