本剤は局所治療を目的とした薬剤であるため、発熱、汎発疹等の全身症状がみられる場合又は使用中にあらわれた場合には重症化することがあるので、他の全身的治療を考慮すること。
7.1 本剤の使用は、発病初期に近い程効果が期待できるので、原則として発症から5日以内に使用開始すること。
7.2 本剤を7日間使用し、改善の兆しがみられないか、あるいは悪化する場合には他の治療に切り替えること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。静脈投与による動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
14.2 薬剤使用時の注意
17.1 有効性及び安全性に関する試験
<帯状疱疹>
17.1.1 国内第II相臨床試験、第III相臨床試験及び一般臨床試験
帯状疱疹に対して実施した二重盲検比較試験及び一般臨床試験において、ビダラビン軟膏剤3%を1日1回10日間又は14日間
注)貼布したところ、有用性評価がなされた210例中、極めて有用37例、有用98例で有用以上の有用率は64.3%であった。
副作用発現頻度は、1.7%(4/232例)であった。副作用は、刺激感0.9%(2/232例)、びらん・潰瘍部の二次感染0.4%(1/232例)、そう痒感0.4%(1/232例)であった
4)5)6)。
<単純疱疹>
17.1.2 国内第III相臨床試験及び一般臨床試験
単純疱疹に対して実施した二重盲検比較試験及び一般臨床試験において、ビダラビン軟膏剤3%を1日1〜数回10日間又は14日間
注)塗布又は貼布したところ、有用性評価がなされた233例中、極めて有用75例、有用94例で有用以上の有用率は72.5%であった。
副作用発現頻度は、1.6%(4/253例)であった。副作用は、いずれも接触皮膚炎様症状であった
7)8)9)10)11)。
17.1.3 国内第III相臨床試験
性器ヘルペス症に対してビダラビン軟膏剤3%又はプラセボを1日3〜4回10日間
注)塗布又は貼布した二重盲検比較試験においてウイルス学的効果の検討がなされ、ウイルスの陰性化率はプラセボ投与群に比し有意に優れていた。副作用は認められなかった
7)。
注)投与期間中に治癒した場合はその時点で試験を終了し、有用性評価等の最終判定を実施した。