医療用医薬品 : カルボシステイン

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医薬品情報


総称名 カルボシステイン
一般名 L-カルボシステイン
欧文一般名 L-Carbocisteine
製剤名 カルボシステインシロップ
薬効分類名 気道粘液調整・粘膜正常化剤
薬効分類番号 2233
ATCコード R05CB03
KEGG DRUG
D00175 L-カルボシステイン
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
カルボシステインシロップ小児用5%「トーワ」 (後発品) CARBOCISTEINE SYRUP FOR PEDIATRIC 5%"TOWA" 東和薬品 2233002Q1124 5.8円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○下記疾患の去痰
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
○滲出性中耳炎の排液

6. 用法及び用量

通常、幼・小児に、体重kg当り、L-カルボシステインとして1日30mg(本剤0.6mL)を3回に分割して経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心障害のある患者
類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある。
9.3 肝機能障害患者
肝機能が悪化することがある。[11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な措置を行うこと。
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等があらわれることがある。[9.3参照]
11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な措置を行うこと。
 0.1〜5%未満注)0.1%未満注)頻度不明
消化器食欲不振、下痢、腹痛悪心、嘔吐、腹部膨満感、口渇 
過敏症発疹湿疹、紅斑浮腫、発熱、呼吸困難
その他 そう痒感 

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
カルボシステインシロップ小児用5%「トーワ」とムコダインシロップ5%を、クロスオーバー法によりそれぞれ10mL(L-カルボシステインとして500mg)健康成人男子に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。1)
表 薬物動態パラメータ
 製剤投与量(L-カルボシステインとして)判定パラメータ参考パラメータ
AUC0→8(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
カルボシステインシロップ小児用5%「トーワ」10mL(500mg)20.25±4.436.34±1.261.31±0.251.45±0.09
ムコダインシロップ5%10mL(500mg)19.88±4.416.13±1.331.54±0.381.43±0.15
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<急性気管支炎及び気管支喘息の去痰>
17.1.1 国内プラセボ対照二重盲検比較試験
咳、痰を伴う気管支喘息、急性気管支炎などの小児呼吸器疾患患者を対象に、カルボシステインシロップ2%(カルボシステインとして30mg/kg/日)又はプラセボを7日間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団140例での軽度改善以上を有効とした有効率は、カルボシステイン群80.6%(54/67例)、プラセボ群63.0%(46/73例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。また、痰の切れの難易度及び喘鳴に対し、カルボシステイン群はプラセボ群に比べ有意に改善した(p<0.05)。
カルボシステイン群で副作用は認められなかった。2)
<慢性副鼻腔炎の排膿>
17.1.2 国内実薬対照二重盲検比較試験
慢性副鼻腔炎患者を対象に、カルボシステイン又は実薬対照であるL-システインエチル塩酸塩を4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団242例での全般改善度は下表のとおりであり、カルボシステインの有用性が認められている。
カルボシステイン群の副作用発現頻度は1.5%(2/134例)、嘔吐1例、口渇感1例であった。3)
表 全般改善度
薬剤改善率
カルボシステインL-システインエチル塩酸塩
評価項目著明改善20.2%(25/124例)6.8%(8/118例)
中等度改善以上53.2%(66/124例)32.2%(38/118例)
軽度改善以上91.1%(113/124例)84.7%(100/118例)
<滲出性中耳炎の排液>
17.1.3 国内プラセボ対照二重盲検比較試験
小児滲出性中耳炎患者を対象に、カルボシステインシロップ5%又はプラセボを4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団214例での軽度改善以上の改善率は、カルボシステイン群79.8%(83/104例)、プラセボ群58.2%(64/110例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、貯留液の量、性状、標準純音聴力及びティンパノグラムに対し、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。
副作用発現頻度はカルボシステイン群2.5%(3/121例)、プラセボ群1.6%(2/122例)であった。カルボシステイン群で認められた副作用は、嘔吐2例、湿疹1例であった。4)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
カルボシステインは、粘液の調整作用及び粘膜の正常化作用により粘液線毛輸送能を改善し、喀痰、鼻汁、中耳貯留液の排泄を促進する。5)
18.2 粘液構成成分調整作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
慢性気道疾患患者の喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化した。6)
亜硫酸ガス曝露により変化するシアル酸/フコース分解酵素及びシアル酸/フコース合成酵素活性を正常化した。同時に、その分泌粘液の主成分であるムチン(Muc-5acタンパク質)生成の増加を抑制した(ラット)。7)
18.3 杯細胞過形成抑制作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
慢性気道疾患患者の組織学的検査において気道粘膜の杯細胞過形成を抑制した(外国人データ)。8)
亜硫酸ガス曝露モデルにおいて気道の杯細胞過形成を抑制した(ラット)。9)
18.4 気道炎症抑制作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
亜硫酸ガス曝露により増加する気道への炎症細胞浸潤(数)、活性酸素量及びエラスターゼ活性を抑制した(ラット)。9)10)
fMLPにより刺激したヒト好中球の活性化を抑制した(in vitro)。11)
18.5 粘膜正常化作用
<上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰>
慢性気管支炎患者の気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進した。12)
18.6 粘液線毛輸送能改善作用
<慢性副鼻腔炎の排膿>
慢性副鼻腔炎患者で、低下した鼻粘膜粘液線毛輸送能を改善した。13)
18.7 粘膜正常化作用
<慢性副鼻腔炎の排膿>
エンドトキシン注入あるいは亜硫酸ガス曝露による副鼻腔粘膜の障害を軽減し、修復を促進した(ウサギ)。14)15)
18.8 粘液線毛輸送能改善作用
<滲出性中耳炎の排液>
滲出性中耳炎患者で耳管の粘液線毛輸送能を改善した。16)
18.9 粘膜正常化作用
<滲出性中耳炎の排液>
亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による中耳粘膜の障害を軽減し、更に粘膜の修復を促進した。17)18)
18.10 中耳貯留液排泄促進作用
<滲出性中耳炎の排液>
亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による実験的滲出性中耳炎病態モデルにおいて、中耳腔貯留液の排泄を促進した。17)18)
18.11 炎症抑制作用
<滲出性中耳炎の排液>
滲出性中耳炎モデルにおいて好中球の活性酸素産生能を抑制した(モルモット)。19)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. L-カルボシステイン

一般的名称 L-カルボシステイン
一般的名称(欧名) L-Carbocisteine
化学名 (2R)-2-Amino-3-carboxymethylsulfanylpropanoic acid
分子式 C5H9NO4S
分子量 179.19
融点 約186℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに酸味がある。水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
KEGG DRUG D00175

20. 取扱い上の注意

開栓後は汚染防止のため、使用の都度必ず密栓し冷所に保存すること。

22. 包装

500mL[瓶]

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験
  2. 中山喜弘,他, 小児科臨床, 30 (10), 1823-1830, (1977)
  3. 馬場駿吉,他, 耳鼻と臨床, 34 (1), 33-47, (1988) »DOI
  4. 熊沢忠躬,他, 耳鼻咽喉科展望, 30 (6), 719-735, (1987) »DOI
  5. 第十八改正日本薬局方解説書, C-1415-1418, (2021)
  6. 安岡劭,他, 気管支学, 8 (3), 312-320, (1986) »DOI
  7. Ishibashi,Y.et al., Eur.J.Pharmacol., 487, 7-15, (2004) »PubMed
  8. Miskovits,G.et al., Forum.Ser.R.Soc.Med., 5, 1-3, (1982)
  9. Sueyoshi,S.et al., Int.Arch.Allergy Immunol., 134, 273-280, (2004) »PubMed
  10. 石橋祐二,他, 日本呼吸器学会雑誌, 39, 17-23, (2001)
  11. Ishii,Y.et al., Eur.J.Pharmacol., 449, 183-189, (2002) »PubMed
  12. 荻原正雄,他, 気管支学, 4 (3), 235-244, (1982) »DOI
  13. 間島雄一,他, 耳鼻臨床, 80, 1313-1319, (1987) »DOI
  14. 前山拓夫,他, 耳鼻咽喉科展望, 29, 447-457, (1986) »DOI
  15. 大橋淑宏,他, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 88, 1056-1060, (1985) »DOI
  16. 三谷幸恵,他, 耳鼻咽喉科展望, 39, 69-76, (1996) »DOI
  17. 大橋淑宏,他, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 88, 1051-1055, (1985) »DOI
  18. 大橋淑宏,他, 日本耳鼻咽喉科学会会報, 91, 71-87, (1988)
  19. 太神尚士,他, 耳鼻咽喉科免疫アレルギー, 19, 158-159, (2001)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379
製品情報問い合わせ先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/05/20 版