医療用医薬品 : フルオシノニド

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医薬品情報


総称名 フルオシノニド
一般名 フルオシノニド
欧文一般名 Fluocinonide
製剤名 フルオシノニド製剤
薬効分類名 外用合成副腎皮質ホルモン剤
薬効分類番号 2646
ATCコード D07AC08
KEGG DRUG
D00325 フルオシノニド
KEGG DGROUP
DG01955 副腎皮質ステロイド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年11月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
フルオシノニド軟膏0.05%「テイコク」 (後発品) Fluocinonide Ointment 0.05%「TEIKOKU」 帝國製薬 2646708M1283 10.2円/g 劇薬
フルオシノニドクリーム0.05%「テイコク」 (後発品) Fluocinonide Cream 0.05%「TEIKOKU」 帝國製薬 2646708N1319 10.2円/g 劇薬

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染症を悪化させるおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]

4. 効能または効果

○湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)
○痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹を含む)
乾癬
掌蹠膿疱症
○円形脱毛症(悪性を含む)
尋常性白斑

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法及び用量

1日1〜3回、適量を患部に塗布する。

8. 重要な基本的注意

8.1 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。[9.59.79.811.1.2参照]
8.2 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化がみられる場合は使用を中止すること。
8.3 症状改善後はできるだけ速やかに使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物実験(ラット、マウス:連日皮下投与)で催奇形作用(外形異常)があらわれたとの報告がある。[8.1参照]
9.7 小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。
また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。[8.1参照]
9.8 高齢者
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。[8.1参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼圧亢進、緑内障(いずれも頻度不明)
眼瞼皮膚へ使用した際に起こることがある。
11.1.2 後嚢白内障、緑内障(いずれも頻度不明)
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがある。[8.1参照]
注)発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
皮膚の感染症注1) 皮膚の真菌性(カンジダ症、白癬等)及び細菌性(伝染性膿痂疹、毛嚢炎等)感染症注2)
その他の皮膚症状注3)魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失、刺激感、乾燥ざ瘡疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)
過敏症紅斑、丘疹、腫脹接触皮膚炎
下垂体・副腎皮質系機能 大量又は長期にわたる広範囲の使用又は密封法(ODT)による下垂体・副腎皮質系機能の抑制

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
化粧下やひげそり後等に使用しないよう、患者に指導すること。
14.2 薬剤使用時の注意
眼科用として使用しないこと。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
コルチコステロイドは、標的細胞の細胞質内に入り、そこに存在するレセプターと結合後、核内に移行して遺伝子を活性化し、合成されたメッセンジャーRNAが細胞質内に特異的蛋白リポコルチンを合成する。
細胞膜を形成するリン脂質に含まれるアラキドン酸は、ホスホリパーゼA2(PLA2)により遊離後、代謝を受けて各種のプロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンとなり炎症に関与するが、リポコルチンはこのPLA2を阻害することにより、抗炎症作用を発現するものと考えられている1)
18.2 薬理作用
In vitroにおける線維芽細胞抑制試験2)、ライソゾーム膜安定試験3)等のほか、クロトン油皮膚炎4)5)(ヒト)、灯油皮膚炎5)(ヒト)等の実験皮膚炎抑制試験、毛細血管収縮試験6)7)(ヒト)及び病巣皮膚を用いた乾癬試験8)(ヒト)において、優れた生物活性を有することが認められている。
18.3 生物学的同等性
フルオシノニド軟膏0.05%「テイコク」/フルオシノニドクリーム0.05%「テイコク」及びトプシム軟膏0.05%/トプシムクリーム0.05%を、健康成人男子24名を対象として左前腕屈側に16時間塗布(閉塞状態)した後、薬剤を除去し1、4、8及び12時間後の塗布部位の皮膚の蒼白化程度を検討した結果、両剤は生物学的に同等であると判断された9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. フルオシノニド

一般的名称 フルオシノニド
一般的名称(欧名) Fluocinonide
化学名 6α,9-Difluoro-11β,21-dihydroxy-16α,17-(1-methylethylidenedioxy)pregna-1,4-diene-3,20-dione 21-acetate
分子式 C26H32F2O7
分子量 494.52
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。クロロホルムにやや溶けにくく、アセトニトリル、メタノール、エタノール(95)又は酢酸エチルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
KEGG DRUG D00325

22. 包装

<フルオシノニド軟膏0.05%「テイコク」>
[チューブ]
5g×10、5g×100
[ボトル]
100g
<フルオシノニドクリーム0.05%「テイコク」>
[チューブ]
5g×10、5g×100
[ボトル]
100g

23. 主要文献

  1. 鹿取信, 炎症とプロスタグランジン, 73-92, (1986)
  2. Ruhmann AG,et al., Endocrinology., 76, 916-927, (1965) »PubMed
  3. 木下啓ほか, 西日本皮膚科, 36 (5), 680-687, (1974) »DOI
  4. Ortega E,et al., Acta Derm Venereol Suppl(Stockh)., 52 (67), 95-97, (1971) »PubMed
  5. Kaidbey KH,et al., J Invest Dermatol., 63 (3), 292-297, (1974) »PubMed
  6. Stoughton RB., Arch Dermatol., 99 (6), 753-756, (1969) »PubMed
  7. Place VA,et al., Arch Dermatol., 101 (5), 531-537, (1970) »PubMed
  8. Dumas KJ,et al., Acta Derm Venereol., 52 (1), 43-48, (1972) »PubMed
  9. 帝國製薬株式会社 社内資料(生物学的同等性に関する資料)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
帝國製薬株式会社 医薬営業部 製品情報室
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町6番6号
電話:0120-189-567
製品情報問い合わせ先
帝國製薬株式会社 医薬営業部 製品情報室
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町6番6号
電話:0120-189-567

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
帝國製薬株式会社
香川県東かがわ市三本松567番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版