医療用医薬品 : タクロリムス |
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総称名 | タクロリムス |
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一般名 | タクロリムス水和物 |
欧文一般名 | Tacrolimus Hydrate |
製剤名 | タクロリムス錠 |
薬効分類名 | 免疫抑制剤 |
薬効分類番号 | 3999 |
ATCコード | L04AD02 |
KEGG DRUG |
D00107
タクロリムス水和物
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KEGG DGROUP |
DG03129
カルシニュリン阻害薬
DG01985
疾患修飾性抗リウマチ薬 (DMARD)
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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タクロリムス錠5mg「トーワ」 (後発品) | TACROLIMUS TABLETS 5mg"TOWA" | 東和薬品 | 3999014F5029 | 569.7円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
生ワクチン 乾燥弱毒生麻しんワクチン 乾燥弱毒生風しんワクチン 経口生ポリオワクチン 等 [2.4参照] | 類薬による免疫抑制下で、生ワクチン接種により発症したとの報告がある。 | 免疫抑制作用により発症の可能性が増加する。 |
シクロスポリン (サンディミュン、 ネオーラル) [2.2参照] | 副作用が増強されたとの報告5)がある。なお、シクロスポリンより本剤に切り換える場合はシクロスポリンの最終投与から24時間以上経過後に本剤の投与を開始することが望ましい。 | 本剤との併用によりシクロスポリンの血中濃度が上昇したとの報告がある5)。シクロスポリンはCYP3A4で代謝されるため、併用した場合、競合的に拮抗しシクロスポリンの代謝が阻害される。 |
ボセンタン (トラクリア) [2.2参照] | ボセンタンの副作用が発現する可能性がある。 | 本剤との併用によりボセンタンの血中濃度が上昇する可能性がある。また、ボセンタンはCYP3A4で代謝されるとともにCYP3A4誘導作用も有するため、併用により本剤の血中濃度が変動する可能性がある。 |
カリウム保持性利尿剤 スピロノラクトン (アルダクトンA) カンレノ酸カリウム (ソルダクトン) トリアムテレン (トリテレン) [2.3、8.2参照] | 高カリウム血症が発現することがある。 | 本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。 |
抗生物質 エリスロマイシン ジョサマイシン クラリスロマイシン アゾール系抗真菌剤 イトラコナゾール フルコナゾール ボリコナゾール 等 カルシウム拮抗剤 ニフェジピン ニルバジピン※ ニカルジピン ジルチアゼム 等 HIVプロテアーゼ阻害剤 リトナビル その他の薬剤 ブロモクリプチン ダナゾール エチニルエストラジオール オメプラゾール ランソプラゾール トフィソパム アミオダロン 飲食物 グレープフルーツジュース | 腎障害、不整脈等の副作用が発現することがある。併用開始後数日以内に本剤血中濃度が上昇し、副作用が発現した症例も報告されていることから、患者の状態を十分に観察するとともに、本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。 | CYP3A4で代謝される薬剤又はCYP3A4の阻害作用を有する薬剤や飲食物との併用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。 |
レテルモビル | 腎障害、不整脈等の副作用が発現することがある。併用開始後数日以内に本剤血中濃度が上昇し、副作用が発現した症例も報告されていることから、患者の状態を十分に観察するとともに、本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。 | CYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する。 |
抗てんかん剤 カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン※※ 抗生物質 リファンピシン リファブチン | 拒絶反応出現の可能性がある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ増量等の処置を行う。 | 薬物代謝酵素が誘導され、本剤の代謝が促進されるため、本剤の血中濃度が低下する。 |
飲食物 セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されるため、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
腎毒性のある薬剤 アムホテリシンB アミノ糖系抗生物質 スルファメトキサゾール・トリメトプリム 非ステロイド性抗炎症剤 等 | 腎障害が発現することがある。併用が必要な場合には、腎機能と本剤の血中濃度を継続的にモニターし、必要に応じ減量・休薬等の処置を行う。 | 本剤と相手薬の腎毒性が相互に増強される。 |
カンナビジオール含有製品 | 本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現した症例も報告されていることから、本剤投与時はカンナビジオール含有製品を摂取しないよう注意すること。 | 機序不明 |
カスポファンギン | 本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。本剤血中濃度のモニターを行い、必要に応じ用量調節等の処置を行う。 | 機序不明 |
mTOR阻害剤 [11.1.5参照] | 移植患者において、mTOR阻害剤との併用は、血栓性微小血管障害の発現リスクを高める可能性があるとの報告がある。 | 機序不明 |
不活化ワクチン インフルエンザHAワクチン 等 | ワクチンの効果を減弱させることがある。 | 本剤の免疫抑制作用により、接種されたワクチンに対する抗体産生が抑制される。 |
免疫抑制作用を有する薬剤 免疫抑制剤 副腎皮質ホルモン剤等 抗リウマチ薬(DMARD) メトトレキサート等 [8.7参照] | 過度の免疫抑制が起こることがある。 | ともに免疫抑制作用を有する。 |
エプレレノン | 血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること。 | 本剤と相手薬の副作用が相互に増強される。 |
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
腎臓 | 腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿蛋白)(23.1%) | 尿量減少、血尿、多尿 | 頻尿、残尿感 | |
代謝異常 | 高カリウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症 | アシドーシス、高コレステロール血症、高リン酸血症、低リン酸血症、高クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低蛋白血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、尿糖 | CK上昇 | |
循環器 | 血圧上昇 | 浮腫、頻脈、動悸、心電図異常、血圧低下 | 徐脈 | |
精神神経系 | 振戦 | しびれ、不眠、失見当識、せん妄、不安、頭痛、感覚異常 | めまい、眼振、外転神経麻痺、四肢硬直、傾眠、意識混濁、うつ病、興奮 | 運動失調、幻覚 |
消化器 | 腸管運動障害、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸炎、口内炎、悪心、嘔吐、腹部膨満感 | 下血 | 胸やけ、消化管出血 | |
膵臓 | アミラーゼ上昇 | |||
肝臓 | 肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇) | |||
血液 | 貧血、血小板増多、血小板減少、白血球増多、白血球減少 | リンパ球減少 | 好中球減少 | |
皮膚 | 発疹、紅斑、そう痒、脱毛 | |||
その他 | 胸水、腹水、喘息、発熱、全身倦怠感、体重減少、ほてり、月経過多 | 咽喉頭異和感、筋肉痛、関節痛、味覚異常 | 疼痛、発赤、眼痛、多汗、口渇、冷感、胸痛 |
Tmax(h) | Cmax(ng/mL) | AUC0-12h(ng・h/mL) | トラフ値※(ng/mL) | F※※(%) |
4.2±2.9 | 44±45 | 274±198 | 16±12 | 20±17.8 |
Tmax(h) | Cmax(ng/mL) | AUC0-12h(ng・h/mL) |
2.4±1.4 | 22±13 | 136±105 |
症例番号 | 投与量(mg/回) | カプセル | 顆粒 | 比(顆粒/カプセル) | |||
Cmax(ng/mL) | AUC0-12h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | AUC0-12h(ng・h/mL) | Cmax | AUC0-12h | ||
1 | 2 | 10 | 42.7 | 18 | 94.4 | 1.80 | 2.21 |
2 | 1 | 10 | 70.2 | 9.3 | 68.6 | 0.93 | 0.98 |
3 | 3 | 27 | 165.4 | 23 | 113.3 | 0.85 | 0.69 |
4 | 1 | 14 | 105.6 | 7.2 | 41.8 | 0.51 | 0.40 |
6 | 1 | 9.9 | 61.5 | 14 | 69.2 | 1.41 | 1.13 |
7 | 2 | 13 | 92.0 | 13 | 103.8 | 1.00 | 1.13 |
8 | 1 | 6.2 | 36.7 | 6.8 | 27.6 | 1.10 | 0.75 |
9 | 1 | 4.1 | 32.6 | 3.8 | 34.1 | 0.93 | 1.05 |
10 | 3 | 20 | 230.8 | 42 | 320.0 | 2.10 | 1.39 |
平均値±S.D. | − | − | − | − | − | 1.18±0.50 | 1.08±0.51 |
判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUC0-72h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) | |
タクロリムス錠5mg「トーワ」 | 244.2±101.6 | 33.17±8.99 | 1.30±0.49 | 31.61±3.93 |
プログラフカプセル5mg | 240.6±91.9 | 31.58±10.36 | 1.53±0.65 | 30.31±3.71 |
改善例/症例数(%) | ||
タクロリムス群 | プラセボ群 | |
DAIスコアによる改善度※ | 16/32(50.0) | 4/30(13.3) |
用量調節機会 | 血中トラフ濃度の測定時期 | 用量調節方法 |
1回目※1 原則、投与4日目 | 投与1日目(12及び24時間値) | Dnew=Dold×12.5/((C12h+C24h)/2×3) |
2回目※2 原則、投与10日目 | 1回目の調節から2、3日経過時点(原則、投与7、8日目)で2時点 | Dnew=Dold×12.5/C$ |
3回目※3 投与15日目 | 2回目の調節から1.5日以上経過時点(原則、投与12日目)で1時点 | Dnew=Dold×7.5/C# |
3回目の調節以降随時(必要に応じて) | 3、4、6、8、10、12週時又は中止/終了時 | Dnew=Dold×7.5/Ctrough |
体重(kg) | 30≦〜<50.0 | 50.0≦〜<70.0 | 70.0≦〜<90.0 | 90.0≦〜≦100.0 |
投与量(mg/回) | 1 | 1.5 | 2 | 2.5 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/05/21 版 |