医療用医薬品 : チキジウム臭化物

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医薬品情報


総称名 チキジウム臭化物
一般名 チキジウム臭化物
欧文一般名 Tiquizium bromide
薬効分類名 キノリジジン系抗ムスカリン剤
薬効分類番号 1231
KEGG DRUG
D01875 チキジウム臭化物
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2024年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
チキジウム臭化物カプセル5mg「ツルハラ」 Tiquizium bromide Capsules「TSURUHARA」 鶴原製薬 1231013M1083 6.1円/カプセル
チキジウム臭化物カプセル10mg「ツルハラ」 (後発品) Tiquizium bromide Capsules「TSURUHARA」 鶴原製薬 1231013M2195 6.1円/カプセル
チキジウム臭化物顆粒2%「ツルハラ」 (後発品) Tiquizium bromide Granules「TSURUHARA」 鶴原製薬 1231013D1083 8.2円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.2 前立腺肥大による排尿障害のある患者[膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により排尿困難を悪化させるおそれがある。]
2.3 重篤な心疾患のある患者[心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。]
2.4 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、腸炎、過敏性大腸症候群、胆のう・胆道疾患、尿路結石症

6. 用法及び用量

チキジウム臭化物として、通常成人1回5〜10mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

羞明等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 前立腺肥大のある患者(ただし前立腺肥大による排尿障害のある患者を除く)
膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により排尿困難を悪化させるおそれがある。[9.8参照]
9.1.2 甲状腺機能亢進症の患者
心悸亢進等の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 うっ血性心不全のある患者(ただし重篤な心疾患のある患者を除く)
心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。
9.1.4 不整脈のある患者(ただし重篤な心疾患のある患者を除く)
心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。
9.1.5 潰瘍性大腸炎の患者
中毒性巨大結腸があらわれることがある。
9.1.6 高温環境にある患者
汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。
9.1.7 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続及び中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に前立腺肥大を伴っている場合が多い。[9.1.1参照]

10. 相互作用

10.2 併用注意
三環系抗うつ剤
アミトリプチリン
イミプラミン等
フェノチアジン系薬剤
プロクロルペラジン
クロルプロマジン等
抗ヒスタミン剤
クロルフェニラミン
ジフェンヒドラミン等
本剤の作用が増強されることがある。本剤及びこれらの薬剤はともに抗コリン作用を持つ。
モノアミン酸化酵素阻害剤本剤の作用が増強されるおそれがある。MAO阻害剤は抗コリン作用を増強させるおそれがある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、呼吸困難、発赤、蕁麻疹、血管浮腫等があらわれることがある。
11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症 発疹 
羞明  
精神神経系 頭重感、耳鳴頭痛
消化器口渇、便秘、下痢、悪心・嘔吐胸やけ、胃不快感、食欲不振腹部膨満感
循環器心悸亢進  
泌尿器排尿障害頻尿 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
<カプセル>
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2 薬剤調製時の注意
<顆粒>
調剤時粉砕を避けること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
<チキジウム臭化物カプセル10mg「ツルハラ」>
チキジウム臭化物カプセル10mg「ツルハラ」とチアトンカプセル10mg各2カプセル(チキジウム臭化物として20mg注))を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)
 AUC0-8(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
チキジウム臭化物カプセル10mg「ツルハラ」51.6±1.917.7±0.71.6±0.11.7±0.1
チアトンカプセル10mg53.3±2.118.5±0.81.6±0.11.6±0.2
<チキジウム臭化物顆粒2%「ツルハラ」>
チキジウム臭化物顆粒2%「ツルハラ」とチアトン顆粒各1g(チキジウム臭化物として20mg注))を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)
 AUC0-8(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
チキジウム臭化物顆粒2%「ツルハラ」49.8±2.017.5±0.81.6±0.11.6±0.1
チアトン顆粒52.5±1.717.7±0.71.6±0.11.7±0.2
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.8 その他
<チキジウム臭化物カプセル5mg「ツルハラ」>
チキジウム臭化物カプセル5mg「ツルハラ」は、チキジウム臭化物カプセル10mg「ツルハラ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた3)
注)チキジウム臭化物の承認された成人の1回用量は5〜10mgである。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
摘出標本及び生体位において強力な抗アセチルコリン作用を有し、神経節遮断作用をほとんど示さないことから、副交感神経末端で抗ムスカリン作用をあらわすと考えられる4)5)6)7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. チキジウム臭化物

一般的名称 チキジウム臭化物
一般的名称(欧名) Tiquizium bromide
化学名 (5RS,9aRS)-3-(Di-2-thienylmethylene)octahydro-5-methyl-2H-quinolizinium bromide
分子式 C19H24BrNS2
分子量 410.43
融点 約272℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末である。
メタノール又はクロロホルムにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水又は無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
クロロホルム溶液(1→40)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01875

22. 包装

<チキジウム臭化物カプセル5mg「ツルハラ」>
PTP
100カプセル(10カプセル×10)
<チキジウム臭化物カプセル10mg「ツルハラ」>
PTP
100カプセル(10カプセル×10)
1,200カプセル(10カプセル×120、乾燥剤入り)
バラ[缶]
1,200カプセル(乾燥剤入り)
<チキジウム臭化物顆粒2%「ツルハラ」>
バラ[缶]
100g、1,000g

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験(カプセル10mg)
  2. 社内資料:生物学的同等性試験(顆粒2%)
  3. 社内資料:生物学的同等性試験(カプセル5mg)
  4. 久保信治ほか, 薬学雑誌, 101 (2), 174-181, (1981) »DOI
  5. 山崎光雄ほか, 応用薬理, 23 (3), 423-431, (1982)
  6. Oshita M,et al., Jpn J Pharmacol., 44 (2), 222-224, (1987) »PubMed
  7. 久保信治ほか, 日薬理誌, 78, 483-490, (1981) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252
製品情報問い合わせ先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
鶴原製薬株式会社
大阪府池田市豊島北1丁目16番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版