医療用医薬品 : ザルティア

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医薬品情報


総称名 ザルティア
一般名 タダラフィル
欧文一般名 Tadalafil
製剤名 タダラフィル錠
薬効分類名 前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤(ホスホジエステラーゼ5阻害剤)
薬効分類番号 2590
ATCコード G04BE08
KEGG DRUG D02008 タダラフィル
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 保険給付上の注意 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ザルティア錠2.5mg Zalutia 日本イーライリリー 2590016F1020 111.7円/錠 処方箋医薬品
ザルティア錠5mg Zalutia 日本イーライリリー 2590016F2027 218円/錠 処方箋医薬品

警告

本剤と硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること。[「禁忌」の項参照]

死亡例を含む心筋梗塞等の重篤な心血管系等の有害事象が報告されているので、本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること。[「禁忌」の項及び「副作用」の項参照]

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

次に掲げる心血管系障害を有する患者[「その他の注意」の項参照。また、これらの患者に対する使用経験がない。]

不安定狭心症のある患者

心不全(NYHA分類III度以上)のある患者

コントロール不良の不整脈、低血圧(血圧<90/50mmHg)又はコントロール不良の高血圧(安静時血圧>170/100mmHg)のある患者

心筋梗塞の既往歴が最近3ヵ月以内にある患者

脳梗塞・脳出血の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者

重度の腎障害のある患者[重度の腎障害のある患者では本剤の血漿中濃度が上昇すること及び使用経験が限られているため。(「薬物動態」の項参照)]

重度の肝障害のある患者[重度の肝障害のある患者における使用経験がないため。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

前立腺肥大症に伴う排尿障害

効能効果に関連する使用上の注意

本剤の適用にあたっては、前立腺肥大症の診断・診療に関する国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、適切な検査により診断を確定すること。

用法用量

通常、成人には1日1回タダラフィルとして5mgを経口投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

中等度の腎障害のある患者では、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性があること及び投与経験が限られていることから、患者の状態を観察しながら1日1回2.5mgから投与を開始するなども考慮すること。[「薬物動態」の項参照]

チトクロームP450 3A4(CYP3A4)を強く阻害する薬剤を投与中の患者では、本剤の血漿中濃度が上昇することが認められているので、1日1回2.5mgから投与を開始し、患者の状態を観察しながら適宜5mgへ増量すること。[「相互作用」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

α遮断剤を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

軽度・中等度の腎障害のある患者[「薬物動態」の項参照]

軽度・中等度の肝障害のある患者[投与経験が限られている。]

ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害剤を投与中の患者[PDE5阻害剤との併用使用の経験がない。]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者[本剤の薬理作用により勃起が起こり、その結果陰茎に痛みを引き起こす可能性がある。]

持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者

出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者[in vitro試験でニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている。出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない。]

網膜色素変性症患者[網膜色素変性症の患者にはPDEの遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。]

重要な基本的注意

他のPDE5阻害剤と同様に、本剤は血管拡張作用を有するため一過性の軽度の血圧低下があらわれる場合がある。本剤投与の前に、心血管系障害の有無等を十分確認すること。

α遮断剤と併用する場合は、降圧作用を増強するおそれがあるため、患者背景を考慮して治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ慎重に投与すること。[「相互作用」の項参照]

4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国にてごくまれに報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。

本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[「その他の注意」の項参照]

臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

本剤投与後に急激な聴力低下又は突発性難聴(耳鳴り、めまいを伴うことがある)があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、速やかに耳鼻科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[「副作用」の項及び「その他の注意」の項参照]

国内において他の前立腺肥大症治療薬と併用した際の臨床効果は確認されていない。

本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合は、手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。

相互作用

相互作用序文

本剤は主にCYP3A4により代謝される。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

硝酸剤及びNO供与剤
ニトログリセリン
亜硝酸アミル
硝酸イソソルビド等
併用により、降圧作用を増強するとの報告がある[1] [2] [3]NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。
sGC刺激剤
リオシグアト(アデムパス)
併用により、血圧低下を起こすおそれがある。併用により、細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。

併用注意

CYP3A4阻害剤
イトラコナゾール
クラリスロマイシン
テラプレビル
グレープフルーツジュース等
強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤、国内未発売)との併用により、本剤のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある[4]。[「薬物動態」の項参照]CYP3A4阻害によるクリアランスの減少。
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
インジナビル
サキナビル
ダルナビル等
リトナビルとの併用により、本剤のAUCが124%増加するとの報告がある[4]。[「薬物動態」の項参照]CYP3A4阻害によるクリアランスの減少。
CYP3A4誘導剤
リファンピシン
フェニトイン
フェノバルビタール等
リファンピシンとの併用により、本剤のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある[5]CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
α遮断剤
ドキサゾシン
テラゾシン等
ドキサゾシンとの併用により、立位収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg下降するとの報告がある[6]。[「薬物動態」の項参照]また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
降圧剤
アムロジピン
メトプロロール
エナラプリル
カンデサルタン等
アンジオテンシンII受容体拮抗剤(単剤又は多剤)との併用により、自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ8mmHg及び4mmHg下降するとの報告がある[7]本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
カルペリチド併用により降圧作用が増強するおそれがある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までに、日本を含むアジアで実施されたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(3試験)において、本剤を投与された総症例894例(日本人患者680例を含む)中98例(11.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、消化不良15例(1.7%)、頭痛12例(1.3%)、CK(CPK)上昇8例(0.9%)、筋肉痛8例(0.9%)、ほてり8例(0.9%)等であった。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

過敏症(発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

本剤の投与により(男性勃起不全治療剤及び肺動脈性肺高血圧症治療剤としての投与を含む)、発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群等の過敏症が、ごくまれに報告されている。このような症状が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 1%以上1%未満頻度不明注1)
循環器 動悸、ほてり、潮紅心筋梗塞、胸痛、心突然死、失神、低血圧
感覚器  眼痛、霧視、結膜充血、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、眼瞼腫脹、視野欠損、非動脈炎性前部虚血性視神経症、突発性難聴
消化器消化不良胃食道逆流性疾患、下痢、胃炎腹痛
腎臓 腎クレアチニン・クリアランス減少 
筋骨格 筋肉痛、背部痛四肢痛
精神・神経系頭痛浮動性めまい片頭痛、脳卒中
泌尿・生殖器 勃起増強、自発陰茎勃起持続勃起症、勃起の延長
呼吸器  呼吸困難、鼻出血
皮膚  多汗症
その他 CK(CPK)上昇 
注1)自発報告等を含む情報であるため、頻度不明。

高齢者への投与

高齢者では一般に生理機能が低下しているため、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。

過量投与

徴候・症状

外国において、健康成人に本剤を500mgまで単回投与した場合及び勃起不全患者に本剤100mgを反復投与した場合の副作用は、低用量で認められたものと同様であった。

処置

過量投与の際の特異的な薬物療法はないが、適切な対症療法を行うこと。なお、腎透析によるクリアランスの促進は期待できない。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルの市販後の自発報告において、心筋梗塞、心突然死、心室性不整脈、脳出血、一過性脳虚血発作等の重篤な心血管系障害がタダラフィル投与後に発現している。これらの多くが心血管系のリスクファクターを有している患者であった。多くの事象が、性行為中又は性行為後に認められ、少数例ではあるが、性行為なしにタダラフィル投与後に認められたものもあった。その他は、タダラフィルを投与し性行為後の数時間から数日後に報告されている。これらの症例について、タダラフィル、性行為、本来患者が有していた心血管系障害、これらの要因の組み合わせ又は他の要因に直接関連するかどうかを確定することはできない。なお、性行為を控える必要がある心血管系障害を有する患者には、タダラフィルを勃起不全治療剤として使用することは禁忌とされている。

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において男性勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルを含むPDE5阻害剤投与後に、まれに視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されている[8][9]。これらの患者の多くは、NAIONの危険因子[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]を有していた[10]
外国において、NAIONを発現した45歳以上の男性を対象として実施された自己対照研究では、PDE5阻害剤の投与から消失半減期(T1/2)の5倍の期間内(タダラフィルの場合約4日以内に相当)は、NAION発現リスクが約2倍になることが報告されている[11]

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、痙攣発作の発現が報告されている[12][13]

薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されている。これらの患者では、耳鳴りやめまいを伴うことがある。

アルコール飲用時に本剤を投与した外国の臨床薬理試験(本剤10mg、20mg)注)において、アルコール血中濃度、本剤の血漿中濃度のいずれも相互に影響を受けなかったが、アルコールを高用量(0.7g/kg)飲用した被験者において、めまいや起立性低血圧が報告された[14][15]

25mg/kg/day以上の用量でタダラフィルをイヌに3〜12ヵ月間連日経口投与した毒性試験において、精巣重量の低下、精細管上皮の変性、精巣上体の精子数の減少が認められたとの報告がある。ヒトにおける精子形成能に対する影響を検討した外国臨床試験の一部では平均精子濃度の減少が認められたが、精子運動率、精子形態及び生殖ホルモン値はいずれの試験においても変化が認められなかった[16][17]

注)本剤の承認された用法・用量は、1日1回タダラフィルとして5mgである。[「用法・用量」の項参照]

薬物動態

血漿中濃度

単回投与

日本人健康成人36例にタダラフィル5、10、20、40mgを単回経口投与注)したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与0.5〜4時間(Tmaxの中央値、3時間)の間にピークに達した後、消失した。消失半減期は約14〜15時間であった[18]

≪健康成人にタダラフィル5、10、20、40mgを単回投与注)したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ≫

用量nAUC0-∞(μg・h/L)Cmax(μg/L)Tmax注1)(h)T1/2(h)
5mg241784(35.3)95.6(30.0)3.00(0.500〜4.00)14.2(19.9)
10mg233319(32.5)174(26.5)3.00(0.500〜4.00)14.6(20.9)
20mg245825(23.2)292(26.1)3.00(1.00〜4.03)13.6(17.1)
40mg2310371(32.3)446(20.2)3.00(0.500〜4.00)14.9(20.0)
幾何平均値(変動係数%)注1)中央値(範囲)

≪健康成人にタダラフィル5、10、20、40mgを単回投与注)したときの血漿中タダラフィル濃度推移≫

反復投与

前立腺肥大症に伴う排尿障害日本人患者12例にタダラフィル5mgを1日1回10日間反復経口投与した。定常状態でのタダラフィルのAUC及びCmaxは初回投与時と比べて約2倍に増加した[19]

≪前立腺肥大症に伴う排尿障害日本人患者にタダラフィル5mgを1日1回10日間反復投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ≫

日数nAUC0-24(μg・h/L)Cmax(μg/L)Tmax(h)注1) T1/2(h)
1日目121410(31)102(27)4.00(1.00〜4.00)
10日目122710(27)173(24)3.00(2.00〜4.00)23.9(25)
幾何平均値(変動係数%)注1)中央値(範囲)

前立腺肥大症に伴う排尿障害日本人患者を対象とした第II相二重盲検比較臨床試験において、タダラフィル2.5mg又は5mgのいずれかを1日1回反復経口投与注)した。5mgを投与したときの血漿中タダラフィル濃度は2.5mgの約2倍となった[20]

血漿蛋白結合率

タダラフィルの血漿蛋白結合率は94%(in vitro、平衡透析法)であり[21]、主にアルブミン及びα1酸性糖蛋白と結合する[22]

吸収・代謝・排泄(外国人での成績)

健康成人6例に14C-タダラフィル100mgを単回経口投与注)したときの、投与後312時間までの放射能回収率は糞便中60.5%、尿中36.1%であった。糞便中には主にメチルカテコール体、カテコール体、尿中には主にメチルカテコールグルクロン酸抱合体及びカテコールグルクロン酸抱合体が認められた。血漿中には主にタダラフィル未変化体及びメチルカテコールグルクロン酸抱合体が認められた[23]。血漿中のメチルカテコール体はメチルカテコールグルクロン酸抱合体の10%未満であった[24]

食事の影響(外国人での成績)

健康成人18例にタダラフィル20mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与注)したとき、AUC0-∞及びCmax共に食事摂取による影響は認められなかった[25]

高齢者(外国人での成績)

健康高齢者12例(65〜78歳)及び健康若年者12例(19〜45歳)にタダラフィル10mgを単回経口投与注)したとき、Cmaxは高齢者と若年者とでほぼ同様であったが、高齢者のAUC0-∞は若年者に比べ約25%高値であった[26]

≪高齢者及び若年者にタダラフィル10mgを単回投与注)したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ≫

 nAUC0-∞(μg・h/L)Cmax(μg/L)Tmax(h)注1) T1/2(h)
高齢者124881(31.7)196(26.9)2.00(1.00〜4.00)21.6(39.0)
若年者123896(42.6)183(25.5)2.50(1.00〜6.00)16.9(29.1)
幾何平均値(変動係数%)注1)中央値(範囲)

前立腺肥大症に伴う排尿障害の高齢者12例(70〜76歳)及び非高齢者12例(42〜59歳)にタダラフィル20mgを1日1回10日間反復経口投与注)したとき、高齢者のAUC0-24とCmaxは非高齢者に比べわずかに(約13%)低かった[27]

≪高齢者及び非高齢者にタダラフィル20mgを10日間反復投与注)したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ≫

  nAUC0-24(μg・h/L)Cmax(μg/L)Tmax(h)注1) T1/2(h)
単回(Day1)高齢者123900(39)273(32)4.00(2.00〜8.00)
非高齢者10注2) 4500(26)328(23)4.00(3.00〜8.00)
反復(Day10)高齢者127360(40)472(33)3.52(2.00〜4.03)25.7(21)
非高齢者10注2) 8280(41)536(35)3.50(2.00〜4.00)23.6(20)
幾何平均値(変動係数%)注1)中央値(範囲)注2)非高齢者の要約統計量は軽度腎障害を有する被験者及び投与前サンプルに血漿中タダラフィル濃度が検出された被験者を除く10例(42〜58歳)から算出

腎障害患者(外国人での成績)

軽度及び中等度腎障害患者

健康成人12例、軽度腎障害患者(CLcr=51〜80mL/min)8例、中等度腎障害患者(CLcr=31〜50mL/min)8例にタダラフィル5mg及び10mgを単回経口投与注)したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約100%及び20〜30%増加した[24][26]

血液透析を受けている末期腎不全患者

血液透析を受けている末期腎不全患者16例にタダラフィル5mg、10mg及び20mgを単回経口投与注)したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約109%及び41%増加した[26]

肝障害患者(外国人での成績)

健康成人8例及び肝障害患者25例注1)にタダラフィル10mgを単回経口投与注)したとき、軽度肝障害患者(Child-Pugh class A)と中等度肝障害患者(Child-Pugh class B)のAUC0-∞は健康成人とほぼ同様であった[26]

注1)軽微肝障害(脂肪肝が認められた患者)、n=8;軽度肝障害(Child-Pugh class A)、n=8;中等度肝障害(Child-Pugh class B)、n=8;重度肝障害(Child-Pugh class C)、n=1。

薬物相互作用試験(外国人での成績)

経口ケトコナゾール

健康成人12例にケトコナゾール400mg(1日1回経口投与、国内未発売)とタダラフィル20mgを併用投与注)したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxは、それぞれ312%及び22%増加した[4]

健康成人11例にケトコナゾール200mg(1日1回経口投与)とタダラフィル10mgを併用投与注)したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ107%及び15%増加した[5]

リトナビル

健康成人16例にリトナビル500mg又は600mg(1日2回)とタダラフィル20mgを併用投与注)したとき、タダラフィルのCmaxは30%低下したが、AUC0-∞は32%増加した[28]

健康成人8例にリトナビル200mg(1日2回)とタダラフィル20mgを併用投与注)したとき、タダラフィルのCmaxは同程度であったが、AUC0-∞は124%増加した[4]

α遮断剤

ドキサゾシン

健康成人18例にドキサゾシン8mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル20mgを単回経口投与注)したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.64mmHg及び2.78mmHgであった[6]

健康成人45例にドキサゾシン(4mgまで漸増)とタダラフィル5mgを1日1回反復経口投与したとき、ドキサゾシンの血圧降下作用に増強がみられた。この試験において、失神等の症状を伴う血圧変化に関する有害事象がみられた。

タムスロシン

健康成人18例にタムスロシン0.4mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル10mg又は20mgを単回投与注)したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ2.3mmHg及び2.2mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.2mmHg及び3.0mmHgであり、明らかな血圧への影響は認められなかった[6]

健康成人39例にタムスロシン0.4mgとタダラフィル5mgを1日1回反復経口投与したとき、明らかな血圧への影響は認められなかった[29]

その他、他剤(ニザチジン、制酸配合剤)又はアルコールが本剤(10又は20mg)注)に及ぼす影響について検討した結果、ニザチジン、制酸配合剤又はアルコールによる本剤の薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった。また、本剤(10又は20mg)注)が他剤(ミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン及びアムロジピン)又はアルコールに及ぼす影響について検討した結果、本剤によるミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン、アムロジピン又はアルコールの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった[14][15][30][31][32][33][34][35]

注)本剤の承認された用法・用量は、1日1回タダラフィルとして5mgである。[「用法・用量」の項参照]

臨床成績

1.第II相二重盲検比較臨床試験

日本人の前立腺肥大症に伴う排尿障害患者(422例)を対象にプラセボ、タダラフィル2.5mg注)又は5mgを1日1回12週間投与した結果、IPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で−3.8、タダラフィル2.5mg注)群で−4.5、5mg群で−4.9であった。変化量のプラセボ群との差は、5mg群(−1.1)が2.5mg注)群(−0.7)に比べて57%大きく、用量依存的な改善傾向が認められた[36]。(試験[1])

2.第III相二重盲検比較臨床試験

日本、韓国及び台湾の前立腺肥大症に伴う排尿障害患者(309例)を対象に、プラセボ又はタダラフィル5mgを1日1回12週間投与した結果、IPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で−3.0、タダラフィル5mg群で−4.7であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した。5mg群では投与2週後の早期からIPSSトータルスコアの改善が認められた[37]。また、日本人患者(173例)におけるIPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で−3.1、タダラフィル5mg群で−4.8であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した(プラセボ群との差:−1.7、p=0.036)。(試験[2])

日本及び韓国の前立腺肥大症に伴う排尿障害患者(610例)を対象に、プラセボ又はタダラフィル5mgを1日1回12週間投与した結果、IPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で−4.5、タダラフィル5mg群で−6.0であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した。5mg群では投与4週後からIPSSトータルスコアの改善が認められた[38]。また、日本人患者(449例)におけるIPSSトータルスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)はプラセボ群で−4.8、タダラフィル5mg群で−6.0であり、5mg群はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善を示した(プラセボ群との差:−1.2、p=0.017)。(試験[3])

≪IPSSトータルスコアの投与前後における変化量≫

 投与群n投与前(平均値)投与12週後(平均値)変化量(最小二乗平均値)プラセボ群との差p値
第II相注1)臨床試験(試験[1])プラセボ14016.512.8−3.8
2.5mg14216.312.0−4.5−0.70.201
5mg14016.411.7−4.9−1.10.062
第III相注1)臨床試験(試験[2])プラセボ15416.813.6−3.0
5mg15517.212.2−4.7−1.70.004
第III相注2)臨床試験(試験[3])プラセボ30418.713.9−4.5
5mg30618.712.1−6.0−1.5<0.001
注1)共分散分析モデル解析(LOCFを使用)注2)経時測定データの混合効果モデル解析

≪IPSSトータルスコアの投与前後における変化量の推移(第III相二重盲検比較臨床試験(試験[2]))≫

≪IPSSトータルスコアの投与前後における変化量の推移(第III相二重盲検比較臨床試験(試験[3]))≫

3.長期投与非盲検試験

第II相試験を完了した394例の被験者が42週の長期投与非盲検試験に参加した。前立腺肥大症に伴う排尿障害患者にタダラフィル5mgを1日1回54週間(二重盲検期間12週を含む)長期継続投与した結果、IPSSトータルスコアの継続的な改善の維持が認められ、長期の安全性及び良好な忍容性が確認された[36]

注)本剤の承認された用法・用量は、1日1回タダラフィルとして5mgである。[「用法・用量」の項参照]

薬効薬理

PDE5阻害作用(in vitro)

タダラフィルは選択的PDE5阻害剤である。ヒト遺伝子組み換えPDE5を約1nMのIC50値で阻害し、PDE6及びPDE11と比較するとそれぞれ700及び14倍、その他のPDEサブタイプと比較すると9000倍以上の選択性を示した[39]

作用機序

タダラフィルはPDE5を阻害することにより、前立腺及び膀胱平滑筋、並びに下部尿路血管の平滑筋内cGMP濃度を上昇させる。タダラフィルによる血管拡張作用を介した血流増加が前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状緩和に寄与していると考えられる。また、前立腺及び膀胱における平滑筋弛緩が血管に対する作用を補完している可能性がある。

有効成分に関する理化学的知見

一般名タダラフィル
一般名(欧名)Tadalafil
化学名(6R,12aR)-6-(1,3-benzodioxol-5-yl)-2-methyl-2,3,6,7,12,12a-hexahydropyrazino[1',2':1,6]pyrido[3,4-b]indole-1,4-dione
分子式C22H19N3O4
分子量389.40
性状白色の粉末である。
ジメチルスルホキシドに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
分配係数2.89(1-オクタノール/水系)
KEGG DRUGD02008

包装

錠剤2.5mg

100錠PTP(10錠×10)

錠剤5mg

100錠PTP(10錠×10)

保険給付上の注意

本製剤の効能・効果は、「前立腺肥大症に伴う排尿障害」であること。

本製剤が「前立腺肥大症に伴う排尿障害」以外の治療目的で処方された場合には、保険給付の対象としないこととする。

主要文献


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作業情報


改訂履歴

2016年4月 改訂
2018年8月 第4版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/1/23 版