医療用医薬品 : チトラミン

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医薬品情報


総称名 チトラミン
一般名 クエン酸ナトリウム水和物
欧文一般名 Sodium Citrate Hydrate
製剤名 クエン酸ナトリウム液
薬効分類名 血液凝固阻止剤
薬効分類番号 3331
ATCコード B05CB02
KEGG DRUG
D01781 クエン酸ナトリウム水和物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2020年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
チトラミン液「フソー」−4% (後発品) Citramin Solution"FUSO"-4% 扶桑薬品工業 3331401A2029 965円/袋 処方箋医薬品

4. 効能または効果

血液抗凝固

5. 効能または効果に関連する注意

本剤はクエン酸ナトリウム水和物4w/v%を含む単味の抗凝固剤であるため、全血及び赤血球成分の保存剤としては使用しないこと。

6. 用法及び用量

通常、血液100mLにつき10mLの割合で混和して用いる。
なお、使用量は必要に応じて適宜調節する。

8. 重要な基本的注意

クエン酸血を短時間に大量輸血した場合には、また、血漿成分採血時等の体外循環血液の抗凝固剤として使用する際に血液との混合比率を高めたり、返血速度を早めたりした場合には、クエン酸が多量輸注され、血中カルシウムイオン濃度の低下によるクエン酸中毒(心機能の抑制、心電図異常、テタニー等)を起こすことがある。このような場合には必要に応じてグルコン酸カルシウム水和物等の投与を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低温麻酔時の患者
クエン酸中毒(心機能の抑制、心電図異常、テタニー等)を起こしやすい。
9.3 肝機能障害患者
クエン酸中毒(心機能の抑制、心電図異常、テタニー等)を起こしやすい。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
循環器注)心機能の抑制、心電図異常(QT延長等)、血圧の低下等
骨格筋注)テタニー、痙攣等
感覚器注)知覚異常
呼吸器苦悶感、呼吸困難
消化器悪心・嘔吐
その他血色素尿、悪寒、戦慄、発熱、めまい、冷感、全身倦怠感、代謝性アルカローシス、小児に緑褐色便、ビリルビン尿

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意
14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺すと、ゴム栓や容器内壁の削り片が薬液中に混入するおそれや、容器を刺通し液漏れの原因となるおそれがある。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.2.2 残液は決して使用しないこと。

17. 臨床成績

17.3 その他
17.3.1 成分献血時の抗凝固作用と安全性を検討した国内臨床試験
本剤を血漿成分献血時の体外循環血液の抗凝固剤として用い、85例(膜法75例、遠心法10例)の健康成人より血漿分離(採漿)を行った。採取した血漿中の総蛋白、蛋白分画、免疫グロブリン、凝固因子等はいずれも高い回収率が得られ、高品質の血漿採取が可能であった。また、供血者の赤血球等の血液成分、総蛋白、蛋白分画等の生化学検査値の採漿前値への回復も速やかであった。
膜法75例中5例(5件)に冷感、しびれ、不快感が、また、遠心法では10例中1例(3件)に同様の症状がみられたが、これらの多くは血漿採取操作そのものに起因するものと考えられ、クエン酸に基づくものと思われる副作用はしびれの1例のみであった1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
クエン酸ナトリウム水和物の血液凝固阻止作用は、クエン酸塩が血液凝固の第IV因子であるカルシウムイオンを捕捉し、解離度の低いクエン酸カルシウムとするため血液凝固を阻止するものと説明されている2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クエン酸ナトリウム水和物

一般的名称 クエン酸ナトリウム水和物
一般的名称(欧名) Sodium Citrate Hydrate
化学名 Trisodium 2-hydroxypropane-1,2,3-tricarboxylate dihydrate
分子式 C6H5Na3O7・2H2O
分子量 294.10
物理化学的性状 無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはなく、清涼な塩味がある。水に溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01781

20. 取扱い上の注意

20.1 以下の場合には使用しないこと。
・容器から薬液が漏れている場合
・性状その他薬液に異状が認められる場合
・ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

500mL 20袋 ソフトバッグ

23. 主要文献

  1. 関口定美 ほか, 日本輸血学会誌, 35, 322-331, (1989) »DOI
  2. 第十八改正日本薬局方解説書, C-1587-1589, (2021), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室 (9:00〜17:30/土日祝日を除く)
〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号
電話:06-6964-2763
FAX:06-6964-2706
製品情報問い合わせ先
扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室 (9:00〜17:30/土日祝日を除く)
〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号
電話:06-6964-2763
FAX:06-6964-2706

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
扶桑薬品工業株式会社
大阪市城東区森之宮二丁目3番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版