医療用医薬品 : アテディオ

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医薬品情報


総称名 アテディオ
一般名 バルサルタン
シルニジピン
欧文一般名 Valsartan
Cilnidipine
製剤名 バルサルタン・シルニジピン配合錠
薬効分類名 選択的AT1受容体ブロッカー・持続性Ca拮抗薬合剤
薬効分類番号 2149
KEGG DRUG
D10525 バルサルタン・シルニジピン
KEGG DGROUP
DG03231 血圧降下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2025年9月 改訂(第3版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アテディオ配合錠 ATEDIO Combination Tablets EAファーマ 2149120F1027 37.9円/錠 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.3 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1参照]

4. 効能または効果

高血圧症

5. 効能または効果に関連する注意

過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
原則として、バルサルタン80mg及びシルニジピン10mgを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に本剤への切り替えを検討すること。

6. 用法及び用量

成人には1日1回1錠(バルサルタンとして80mg及びシルニジピンとして10mg)を朝食後に経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

7. 用法及び用量に関連する注意

以下のバルサルタンとシルニジピンの用法及び用量を踏まえ、患者毎に本剤の適応を考慮すること。
・バルサルタン
通常、成人にはバルサルタンとして40〜80mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、1日160mgまで増量できる。
・シルニジピン
通常、成人にはシルニジピンとして1日1回5〜10mgを朝食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。効果不十分の場合には、1日1回20mgまで増量することができる。
ただし、重症高血圧患者には1日1回10〜20mgを朝食後経口投与する。
8.1参照]

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤は、バルサルタン80mg及びシルニジピン10mgの配合剤であり、バルサルタンとシルニジピン双方の副作用が発現するおそれがあるので、適切に本剤の使用を検討すること。[7.参照]
8.2 本剤の成分であるバルサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]
8.3 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン−アンジオテンシン系の抑制作用による低血圧を起こす可能性がある。
8.4 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.5 本剤の成分であるシルニジピンを含むカルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は他剤に変更する等の処置を行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。
9.1.4 厳重な減塩療法中の患者
初回投与後、一過性の急激な血圧低下(失神及び意識消失等を伴う)を起こすおそれがある。[11.1.5参照]
9.1.5 カルシウム拮抗剤による重篤な副作用発現の既往のある患者
シルニジピンの臨床試験では除外された。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害(血清クレアチニン値が3.0mg/dL以上)のある患者
腎機能障害を悪化させるおそれがある1)
9.2.2 血液透析中の患者
初回投与後、一過性の急激な血圧低下(失神及び意識消失等を伴う)を起こすおそれがある。[11.1.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
シルニジピンは主として肝臓で代謝されるため、シルニジピンの血中濃度が上昇する可能性がある。
9.3.2 肝障害のある患者、特に胆汁性肝硬変及び胆汁うっ滞のある患者
バルサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、バルサルタンの血中濃度が上昇する可能性がある。外国において、軽度〜中等度の肝機能障害のある患者でバルサルタンの血漿中濃度が、健康成人と比較して約2倍に上昇することが報告されている。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性
妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている2)3)
本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。[9.5参照]
(1)本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
(2)次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
・妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
・妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
・妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。バルサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期〜末期に投与された患者に胎児・新生児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれたとの報告がある1)4)。また、海外で実施されたアンジオテンシン変換酵素阻害剤におけるレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある5)。また、シルニジピンにおける動物実験(ラット)で、胎児毒性並びに妊娠期間及び分娩時間の延長が報告されている6)7)8)。[2.29.4.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。バルサルタンにおける動物実験(ラットの授乳期経口投与)の3mg/kg/日で、乳汁中へ移行するとの報告がある。シルニジピンも動物実験(ラット)で、母乳中へ移行することが報告されている9)。また、バルサルタンにおける動物実験(ラットの周産期及び授乳期経口投与)の600mg/kg/日で出生児の低体重及び生存率の低下が認められており、200mg/kg/日以上で外表分化の遅延が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
9.8.1 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
9.8.2 バルサルタン単独投与による高齢者での薬物動態試験で、バルサルタンの血漿中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められている。

10. 相互作用

相互作用序文
本剤の成分であるシルニジピンは、主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される10)。[16.4参照]
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
10.1 併用禁忌
アリスキレンフマル酸塩
ラジレス
(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)
2.3参照]
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。レニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
10.2 併用注意
アリスキレンフマル酸塩腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
レニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。レニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
利尿降圧剤
フロセミド
トリクロルメチアジド 等
11.1.5参照]
初回投与後、一過性の急激な血圧低下(失神及び意識消失等を伴う)を起こすおそれがある。利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、バルサルタンが奏効しやすい。
重度のナトリウムないし体液量の減少した患者では、まれに症候性の低血圧が生じることがある。
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン
トリアムテレン 等
カリウム補給製剤
塩化カリウム
血清カリウム値が上昇することがある。バルサルタンのアルドステロン分泌抑制によりカリウム貯留作用が増強する可能性がある。
危険因子:腎機能障害
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール血清カリウム値が上昇することがある。バルサルタンによる血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる。
危険因子:腎障害患者、血清カリウム値の高い患者
シクロスポリン血清カリウム値が上昇することがある。高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる。
トリメトプリム含有製剤
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
血清カリウム値が上昇することがある。血清カリウム値の上昇が増強されるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
インドメタシン 等
バルサルタンの降圧作用が減弱することがある。NSAIDsの腎プロスタグランジン合成阻害作用により、バルサルタンの降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
インドメタシン 等
腎機能を悪化させるおそれがある。NSAIDsの腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
危険因子:高齢者
ビキサロマーバルサルタンの血中濃度が約30〜40%に低下したとの報告がある。バルサルタンの作用が減弱するおそれがある。リン酸結合性ポリマーにより、同時に服用した場合、バルサルタンの吸収を遅延あるいは減少させる可能性がある。
リチウムリチウム中毒を起こすことが報告されている。バルサルタンのナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。
降圧作用を有する薬剤血圧が過度に低下するおそれがある。相加的あるいは相乗的に作用を増強することが考えられている。
ジゴキシン他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)でジゴキシンの血中濃度を上昇させることが報告されている。
ジゴキシン中毒症状(悪心・嘔吐、頭痛、視覚異常、不整脈等)が認められた場合、症状に応じジゴキシンの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
機序は完全には解明されていないが、ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスが減少するためと考えられている。
シメチジン他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)の作用が増強されることが報告されている。シメチジンが肝血流量を低下させ、カルシウム拮抗剤の肝ミクロソームでの酵素代謝を抑制する一方で、胃酸を低下させ、カルシウム拮抗剤の吸収を増加させるためと考えられている。
リファンピシン他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)の作用が減弱されることが報告されている。リファンピシンにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP-450)がカルシウム拮抗剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール
ミコナゾール 等
シルニジピンの血中濃度が上昇するおそれがある。アゾール系抗真菌剤がシルニジピンの薬物代謝酵素のCYP3A4を阻害するためと考えられる。
グレープフルーツジュースシルニジピンの血中濃度が上昇することが確認されている11)発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分がシルニジピンの薬物代謝酵素のCYP3A4を抑制するためと考えられる。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血管性浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭、舌の腫脹等が症状としてあらわれることがある。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。
11.1.2 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.3 腎不全(頻度不明)
11.1.4 高カリウム血症(頻度不明)
11.1.5 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.49.2.210.2参照]
11.1.6 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8 低血糖(頻度不明)
脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。
11.1.9 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.10 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
11.1.11 天疱瘡、類天疱瘡(いずれも頻度不明)
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談すること。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.5〜5%未満0.5%未満頻度不明
肝臓肝機能異常、ALT増加、AST増加Al-P増加、γ-GTP増加LDH増加、ビリルビン増加
腎臓高尿酸血症尿素窒素増加、尿蛋白陽性クレアチニン増加、尿酸値減少、尿沈渣陽性
精神神経系頭痛めまい頭重感、立ちくらみ、眠気、不眠、手指振戦、もの忘れ、しびれ
循環器顔面潮紅(ほてり)動悸、血圧低下熱感、冷感、胸痛、心胸郭比増加、頻脈、心電図異常(ST低下、T波逆転)、房室ブロック、期外収縮、心房細動、徐脈
消化器便秘腹部不快感、胸やけ嘔気・嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振、口渇、歯肉肥厚
過敏症 発疹発赤、そう痒、光線過敏症
血液 白血球数増加、好酸球数増加、貧血好酸球数減少、好中球数変動、リンパ球数変動、ヘモグロビン変動、赤血球数変動、ヘマトクリット変動
呼吸器  咳嗽、咽頭炎
電解質血中K増加血中K減少、血中Ca減少、血中P増加血中Ca増加、血中P減少、低ナトリウム血症
筋骨格系 肩こり筋肉痛、腰背部痛、関節痛、腓腸筋痙直(こむら返り)
その他高脂血症(血中コレステロール、トリグリセリド増加)CK増加、CK減少、血糖増加、頻尿浮腫(顔、下肢等)、脱力感、倦怠感、疲労感、味覚異常、目の充血刺激感、眼周囲の乾燥、発熱、耳鳴、尿糖陽性、総蛋白の変動、CRPの変動

13. 過量投与

13.1 徴候・症状
本剤の成分であるバルサルタンの過量投与により、著しい血圧低下が生じ、意識レベルの低下、循環虚脱に至るおそれがある。
13.2 処置
著しい低血圧の場合には、患者を仰臥位にし、速やかに生理食塩液等の静脈注射など適切な処置を行うこと。なお、バルサルタンの血漿タンパクとの結合率は93%以上であり、血液透析によって除去できない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性に本剤を食後に単回経口投与した時、血中のバルサルタン及びシルニジピンは、それぞれ投与後3及び2時間で最高濃度に達し、それぞれ半減期5.4及び7.7時間で消失した12)
 本剤投与時
バルサルタンシルニジピン
例数1313
Cmax(ng/mL)2697±87916.1±5.9
Tmax(hr)3.0(1.0〜4.0)2.0(1.0〜6.0)
AUC24hr(ng・hr/mL)13508±499561.1±10.5
t1/2(hr)5.4±0.67.7±1.5
16.1.2 生物学的同等性
健康成人男性に本剤を空腹時に単回経口投与した時、血中のバルサルタン及びシルニジピンは、それぞれ投与後2及び3時間で最高濃度に達し、それぞれ半減期5.6及び7.0時間で消失した。本剤投与時とバルサルタン80mg錠・シルニジピン10mg錠の併用投与時とのCmax及びAUClastはいずれも同様であり、本剤と各単剤の併用は生物学的に同等であることが確認された13)
 本剤投与時バルサルタン80mg錠・シルニジピン10mg錠
併用投与時
バルサルタンシルニジピンバルサルタンシルニジピン
例数102102100100
Cmax(ng/mL)3566±12447.0±3.43608±12347.0±3.2
Tmax(hr)2.0(1.0〜4.0)3.0(1.0〜8.0)3.0(1.0〜4.0)2.5(0.5〜6.0)
AUClast(ng・hr/mL)20479±673340.3±15.720632±694438.3±15.0
t1/2(hr)5.6±1.07.0±1.35.5±0.96.8±1.4
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性14例に本剤を単回経口投与した時、バルサルタンは空腹時投与と比較して食後投与でCmaxは約0.8倍、AUC24hrは約0.6倍であった。一方、シルニジピンは空腹時投与と比較して食後投与でCmaxは約2.8倍、AUC24hrは約1.6倍であった12)
16.4 代謝
バルサルタン
健康成人男性に14Cバルサルタン80mgを空腹時単回経口投与した時、投与8時間後の血漿中には、主に未変化体が存在し、代謝物として4-ヒドロキシ体が認められた14)(外国人のデータ)。なお、4-ヒドロキシ体への代謝にはCYP2C9が関与することが報告されている15)in vitro)。
シルニジピン
健康成人男性における血漿中及び尿中で認められた代謝物16)から、主代謝経路はメトキシエチル基の脱メチル化、それに続くシンナミルエステル基の加水分解及びジヒドロピリジン環の酸化と考えられている。なお、代謝過程におけるメトキシエチル基の脱メチル化反応には主としてCYP3A4が関与し、また、一部CYP2C19が関与しているものと考えられている10)in vitro)。[10.参照]
16.5 排泄
バルサルタン
健康成人男性に14Cバルサルタン80mgを空腹時単回経口投与した時、投与後168時間までに投与放射能の13%が尿中に、86%が糞中に排泄され、ほとんどが未変化体であった14)(外国人のデータ)。
シルニジピン
健康成人男性にシルニジピン10mgを1日2回注)7日間反復経口投与した時、尿中に未変化体は検出されず、代謝物として総投与量の5.2%が排泄された16)
16.7 薬物相互作用
健康成人男性18例に、バルサルタン80mg錠とシルニジピン10mg錠を併用で単回経口投与した時の各成分の薬物動態は各単剤単独投与時と違いはなく、バルサルタンとシルニジピンの間に薬物動態学的な相互作用は認められなかった17)
注)本剤の承認された用法は、1日1回朝食後経口投与である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
本態性高血圧症患者を対象に実施した二重盲検比較試験の結果、本剤を1日1回朝食後に8週間投与したときの血圧下降度は、バルサルタン80mg単剤投与及びシルニジピン10mg単剤投与と比較して有意に優れていた18)
投与群本剤バルサルタン80mgシルニジピン10mg
例数195例187例189例
収縮期血圧ベースライン160.5±9.6160.3±9.0160.7±9.5
血圧下降度−21.3(−22.9〜−19.7)−17.1(−18.7〜−15.4)−16.5(−18.2〜−14.9)
拡張期血圧ベースライン100.9±4.9100.1±4.8100.5±5.0
血圧下降度−13.9(−15.1〜−12.8)−9.7(−10.8〜−8.6)−10.6(−11.8〜−9.5)
副作用発現頻度は13.8%(27/195例)であり、主な副作用は高尿酸血症3.1%(6/195例)、ALT増加2.1%(4/195例)、AST増加1.5%(3/195例)であった。
17.1.2 国内長期投与試験
バルサルタン80mg単剤投与又はシルニジピン10mg単剤投与にて血圧コントロールが不十分な本態性高血圧症患者、又はバルサルタン80mg及びシルニジピン10mgの併用で血圧が安定している本態性高血圧症患者を対象に、本剤を1日1回朝食後に52週間経口投与したところ、長期間にわたり安定した降圧効果が認められた19)
副作用発現頻度は11.7%(15/128例)であり、主な副作用は頭痛1.6%(2/128例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤はバルサルタン及びシルニジピンの配合剤である。バルサルタンはアンジオテンシンII受容体のサブタイプであるAT1受容体に結合し、昇圧系として作用するアンジオテンシンIIに対して拮抗することによって降圧効果を発揮する。シルニジピンはジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬であり、血管平滑筋細胞膜のL型Caチャネルに作用してCa2+の流入をブロックすることにより血管収縮を抑制し降圧効果を発揮する20)21)。さらにシルニジピンは交感神経の終末に存在するN型Caチャネルも同時にブロックすることにより、降圧時の交感神経興奮によって引き起こされるノルアドレナリンの放出を抑制し、心拍数の上昇やストレス性昇圧を抑制する22)23)24)25)26)27)
18.2 降圧作用
高血圧自然発症ラットに、バルサルタン及びシルニジピンを1日1回14日間反復経口投与すると、両薬剤の併用投与はそれぞれの単独投与を上回る降圧作用を示し、その作用は投与期間を通して安定していた。この試験において、バルサルタン及びシルニジピンの併用投与による心拍数への影響は認められなかった28)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. バルサルタン

一般的名称 バルサルタン
一般的名称(欧名) Valsartan
化学名 (2S)-3-Methyl-2-(N-{[2'-(1H-tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl}pentanamido)butanoic acid
分子式 C24H29N5O3
分子量 435.52
融点 約103℃
物理化学的性状 バルサルタンは白色の粉末である。
メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水にほとんど溶けない。
分配係数 log P:3.62(1-オクタノール/水)、0.46(1-オクタノール/pH7.0緩衝液)
[pH7.0緩衝液の組成(mol/L):リン酸水素二ナトリウム十二水和物(0.164)、クエン酸一水和物(0.018)、塩化カリウム(0.573)]
理化学知見その他 <バルサルタン>
KEGG DRUG D00400

19.2. シルニジピン

一般的名称 シルニジピン
一般的名称(欧名) Cilnidipine
化学名 3-(2-Methoxyethyl)5-[(2E)-3-phenylprop-2-en-1-yl](4RS)-2,6-dimethyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
分子式 C27H28N2O7
分子量 492.52
融点 107〜112℃
物理化学的性状 シルニジピンは、淡黄色の結晶性の粉末である。
アセトニトリルに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
シルニジピンのアセトニトリル溶液(1→100)は旋光性を示さない。
光によって徐々に帯赤黄色となり、分解する。
分配係数 log P:5.7(pH3及び7)、5.9(pH11)
1-オクタノール/Britton-Robinson Buffer(20±2℃)
理化学知見その他 <シルニジピン>
KEGG DRUG D01173

22. 包装

100錠(PTP、10錠×10)、500錠(PTP、10錠×50)
500錠(ポリエチレンボトル、バラ、乾燥剤入り)

23. 主要文献

  1. The Joint National Committee on Prevention,Detection,Evaluation,and Treatment of High Blood Pressure, Arch.Intern.Med., 157 (21), 2413-2446, (1997)
  2. 阿部真也 他, 周産期医学, 47, 1353-1355, (2017)
  3. 齊藤大祐 他, 鹿児島産科婦人科学会雑誌, 29, 49-54, (2021)
  4. Briggs,G.G.et al., Ann.Pharmacother., 35 (7-8), 859-861, (2001) »PubMed
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  7. 舘田智昭 他, 薬理と治療, 20 (Suppl.7), S1925-S1943, (1992)
  8. 和田重次 他, 薬理と治療, 20 (Suppl.7), S1975-S1988, (1992)
  9. EAファーマ株式会社:社内資料(乳汁移行性に関する検討)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.7.4.5.4)
  10. 松本 一 他, 薬理と治療, 28 (4), 253-258, (2000)
  11. EAファーマ株式会社:社内資料(グレープフルーツ摂取の薬物動態への影響の検討)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.7.4.5.3)
  12. 持田製薬株式会社:社内資料(健康成人男性における配合剤投与時の食事の影響の検討)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.7.6.1)
  13. EAファーマ株式会社:社内資料(健康成人男性における配合剤投与と併用投与との生物学的同等性の検討)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.7.6.2)
  14. Waldmeier,F.et al., Xenobiotica., 27 (1), 59-71, (1997) »PubMed
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  17. 持田製薬株式会社:社内資料(健康成人男性における併用投与時の薬物相互作用の検討)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.7.6.3)
  18. EAファーマ株式会社:社内資料(本態性高血圧症患者における配合剤の有効性及び安全性の検討)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.7.6.5)
  19. 持田製薬株式会社:社内資料(本態性高血圧症患者における配合剤の長期投与時の安全性及び忍容性の検討)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.7.6.6)
  20. Oike,M.et al., Circ.Res., 67 (4), 993-1006, (1990) »PubMed
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  23. 細野昌宏 他, 薬理と治療, 23 (11), 3029-3040, (1995)
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  26. 細野昌宏 他, 薬理と治療, 23 (12), 3187-3191, (1995)
  27. 栽原伸一郎 他, 薬理と治療, 21 (Suppl.1), S271-S276, (1993)
  28. EAファーマ株式会社:社内資料(高血圧自然発症ラット(SHR/Izm)におけるシルニジピン、バルサルタン及び両薬物の併用による降圧作用試験)(承認年月日:2014年3月24日、承認申請資料概要2.6.2.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
持田製薬株式会社 くすり相談窓口
〒160-8515 東京都新宿区四谷1丁目7番地
電話:03-5229-3906
0120-189-522
FAX:03-5229-3955
製品情報問い合わせ先
持田製薬株式会社 くすり相談窓口
〒160-8515 東京都新宿区四谷1丁目7番地
電話:03-5229-3906
0120-189-522
FAX:03-5229-3955

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
EAファーマ株式会社
東京都中央区入船二丁目1番1号
26.2 販売
持田製薬株式会社
東京都新宿区四谷1丁目7番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/01/21 版