<アレルギー性鼻炎>
17.1.1 国内第III相比較試験(成人、オロパタジン塩酸塩錠)
通年性アレルギー性鼻炎患者(211例)を対象に、オキサトミドを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。オロパタジン塩酸塩(5mg錠又はプラセボ錠)及びオキサトミド(30mg錠又はプラセボ錠)を1日2回4週間反復経口投与した結果、最終全般改善度の改善率(「改善」以上)はオロパタジン塩酸塩62.4%(53/85例)、オキサトミド56.6%(47/83例)であった。10%上乗せ方式による同等性の検証の結果、同等性が確認された(p=0.018)。概括安全度の安全率(「安全性に問題なし」)はオロパタジン塩酸塩68.0%(70/103例)、オキサトミド61.4%(62/101例)であった。両群間に有意差は認められなかった(p=0.301;U検定、p=0.403;χ
2検定)。
副作用発現頻度はオロパタジン塩酸塩群29.1%(30/103例)、オキサトミド群30.7%(31/101例)であった。オロパタジン塩酸塩群の主な副作用は、眠気25.2%(26/103例)であった。
10)
<じん麻疹>
17.1.2 国内第III相比較試験(成人、オロパタジン塩酸塩錠)
慢性じん麻疹患者(256例)を対象に、ケトチフェンを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。オロパタジン塩酸塩(5mg錠又はプラセボ錠)及びケトチフェンフマル酸塩(1mgカプセル又はプラセボカプセル)を1日2回2週間反復経口投与した結果、最終全般改善度の改善率(「改善」以上)はオロパタジン塩酸塩77.7%(87/112例)、ケトチフェンフマル酸塩66.9%(81/121例)であった。主たる検定であるU検定において、オロパタジン塩酸塩はケトチフェンフマル酸塩と比べ有意な改善を示した(p=0.019;U検定、p=0.093;χ
2検定)。概括安全度の安全率(「安全性に問題なし」)はオロパタジン塩酸塩77.2%(95/123例)、ケトチフェンフマル酸塩53.9%(69/128例)であった。オロパタジン塩酸塩はケトチフェンフマル酸塩と比べ有意に概括安全度が高かった(p=0.0001;U検定、p=0.0001;χ
2検定)。
副作用発現頻度はオロパタジン塩酸塩群21.1%(26/123例)、ケトチフェン群41.4%(53/128例)であった。オロパタジン塩酸塩群の主な副作用は、眠気19.5%(24/123例)であった。
11)
<皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)>
17.1.3 国内第III相一般試験(成人、オロパタジン塩酸塩錠)
皮膚疾患に伴うそう痒の患者(湿疹・皮膚炎152例、痒疹72例、皮膚そう痒症80例、尋常性乾癬70例及び多形滲出性紅斑24例、計398例)を対象に、オロパタジン塩酸塩10mg/日(1回5mg、1日2回)を2週間反復投与した。各皮膚疾患に対する有効率は、湿疹・皮膚炎74.6%(91/122例)、痒疹50.8%(31/61例)、皮膚そう痒症49.3%(33/67例)、尋常性乾癬52.8%(28/53例)、多形滲出性紅斑83.3%(15/18例)であり、全体での有効率は61.7%(198/321例)であった。
副作用発現頻度は19.0%(74/390例)であった。主な副作用は、眠気11.3%(44/390例)であった。
12)
17.1.4 高齢者(65歳以上)における臨床成績
承認時までの高齢者(65歳以上)への使用経験191例(気管支喘息57例、アレルギー性鼻炎3例、じん麻疹31例、そう痒性皮膚疾患100例)における副作用発現率は22.5%(43/191例)であり、主な副作用は眠気23件(12.0%)、倦怠感7件(3.7%)、腹痛4件(2.1%)、顔面・四肢等の浮腫3件(1.6%)、頭痛・頭重感3件(1.6%)、めまい2件(1.0%)、下痢2件(1.0%)、胸部不快感2件(1.0%)等であった。高齢者における副作用発現率は65歳未満15.3%(238/1,555例)に比べ高かった。また、高齢者に対する有効率は気管支喘息25.5%(12/47例)、アレルギー性鼻炎100%(2/2例)、じん麻疹80.6%(25/31例)、皮膚疾患に伴うそう痒全体で58.3%(49/84例)であった。
13)[
9.8参照]
<アレルギー性鼻炎>
17.1.5 国内二重盲検比較試験(小児、オロパタジン塩酸塩錠)
小児通年性アレルギー性鼻炎患者(7〜16歳)を対象に、オロパタジン塩酸塩(1回2.5mg、1日2回、もしくは1回5mg、1日2回)
注)あるいは、対照薬としてプラセボを2週間投与した。主要評価項目である「鼻の3主徴(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)合計スコアの観察期からの変化量」について共分散分析を行った結果、オロパタジン塩酸塩5mg群はプラセボ群に対し有意な改善を示した。
小児通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした比較試験成績
投与群 | 症例数 | 投与前(mean±S.D.) | 変化量(mean±S.D.) | 解析結果(共分散分析a)) |
オロパタジン塩酸塩5mg/回 | 100 | 6.14±1.44 | −1.41±1.99 | 最小二乗平均の差(プラセボ群−5mg群):0.51 95%信頼区間:0.04〜0.98 p値:0.019b) |
プラセボ | 97 | 5.99±1.17 | −0.84±1.58 | − |
副作用発現頻度はオロパタジン塩酸塩2.5mg群12.6%(13/103例)
注)、5mg群16.0%(16/100例)、プラセボ群8.2%(8/98例)であった。オロパタジン塩酸塩5mg群で発現した主な副作用は、ALT増加6.0%(6/100例)、白血球数増加4.0%(4/100例)であった。
14)15)注)7歳以上の小児における本剤の承認用量は1回5mg、1日2回である。
17.1.6 国内非盲検試験(小児、オロパタジン塩酸塩錠)
小児通年性アレルギー性鼻炎患者(7〜16歳、30kg以上、33例)を対象に、オロパタジン塩酸塩1回5mgを1日2回12週間投与した結果、鼻の3主徴(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)合計スコアの観察期からの変化量(mean±S.D.)は投与2週後−2.08±1.73、投与12週後−2.41±2.09であり、効果は投与終了時まで減弱することなく安定していた。
副作用発現頻度は15.2%(5/33例)であった。主な副作用は、傾眠9.1%(3/33例)であった。
16)
<アトピー性皮膚炎>
17.1.7 国内二重盲検比較試験(小児、オロパタジン塩酸塩錠)
小児アトピー性皮膚炎患者(7〜16歳)を対象に、オロパタジン塩酸塩(1回5mg、1日2回)あるいは、対照薬としてケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ(1回1g、1日2回)を2週間投与した。主要評価項目である「そう痒スコアの治験薬投与前からの変化量」について共分散分析を行った結果、ケトチフェンフマル酸塩ドライシロップに対するオロパタジン塩酸塩の非劣性が検証された(95%信頼区間の上限が0.4以下)。
小児アトピー性皮膚炎患者を対象とした比較試験成績
投与群 | 症例数 | 投与前(mean±S.D.) | 変化量(mean±S.D.) | 解析結果(共分散分析a)) |
オロパタジン塩酸塩 | 152 | 2.36±0.46 | −0.78±0.84 | 最小二乗平均の差(オロパタジン塩酸塩群−ケトチフェンフマル酸塩群):−0.08 95%信頼区間:−0.25〜0.09 |
ケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ | 153 | 2.38±0.44 | −0.71±0.76 |
副作用発現頻度はオロパタジン塩酸塩群11.8%(18/152例)、ケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ群6.5%(10/153例)であった。オロパタジン塩酸塩群で発現した主な副作用は、傾眠5.9%(9/152例)、ALT増加4.6%(7/152例)及びAST増加2.6%(4/152例)であった。
17)