医療用医薬品 : アンブロキソール塩酸塩

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医薬品情報


総称名 アンブロキソール塩酸塩
一般名 アンブロキソール塩酸塩
欧文一般名 Ambroxol Hydrochloride
製剤名 アンブロキソール塩酸塩徐放口腔内崩壊錠
薬効分類名 徐放性気道潤滑去痰剤
薬効分類番号 2239
ATCコード R05CB06
KEGG DRUG
D01479 アンブロキソール塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アンブロキソール塩酸塩徐放OD錠45mg「サワイ」 (後発品) AMBROXOL HYDROCHLORIDE Sustained-release OD Tablets[SAWAI] 沢井製薬 2239001G1039 16.1円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記疾患の去痰
急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難

6. 用法及び用量

通常、成人には1回1錠(アンブロキソール塩酸塩として45mg)を1日1回経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

早朝覚醒時に喀痰喀出困難を訴える患者には、夕食後投与が有用である。[17.1.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。
9.8 高齢者
減量が必要な場合には、他の剤形(徐放性製剤を除く)を使用すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
発疹、顔面浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがある。
11.1.2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
注)発現頻度は錠、液、シロップ及び徐放カプセルの承認時までの臨床試験及び使用成績調査を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
消化器胃不快感胃痛、腹部膨満感、腹痛、下痢、嘔気、嘔吐、便秘、食思不振、消化不良(胃部膨満感、胸やけ等) 
過敏症 発疹、蕁麻疹、蕁麻疹様紅斑、そう痒血管浮腫(顔面浮腫、眼瞼浮腫、口唇浮腫等)
肝臓 肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等) 
その他 口内しびれ感、上肢のしびれ感めまい

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
健康成人男性にアンブロキソール塩酸塩として45mgを含有する徐放錠1錠とアンブロキソール塩酸塩徐放カプセル45mg1カプセルを、無作為割付け、2剤2期クロスオーバー法により絶食(n=18)又は食後(n=20)単回経口投与した。血漿中アンブロキソール未変化体濃度を測定し、薬物動態パラメータ(AUCt及びCmax)について統計解析を行った結果、対数値の平均値の差の90%信頼区間は、いずれの摂食条件でもすべて生物学的同等性の判定基準log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であることから両剤の生物学的同等性が確認された1)
血漿中アンブロキソール未変化体濃度の薬物動態パラメータ
 AUCt注1)(ng・h/mL)Cmax注1)(ng/mL)tmax注2)(h)t1/2注1)(h)
絶食徐放錠
(n=18)
579.462±166.83928.985±7.0276.012.149±3.368
徐放カプセル
(n=18)
645.866±234.57427.641±6.8544.011.531±3.051
食後徐放錠
(n=20)
689.543±237.71835.256±10.0696.012.178±2.835
徐放カプセル
(n=20)
697.838±219.15730.955±9.1406.013.384±5.355
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.1.2 生物学的同等性試験
アンブロキソール塩酸塩徐放OD錠45mg「サワイ」(水なし又は水で服用)とムコソルバンLカプセル45mg(水で服用)を健康成人男子にそれぞれ1錠又は1カプセル(アンブロキソール塩酸塩として45mg)空腹時及び食後単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中アンブロキソール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)
アンブロキソール塩酸塩として45mg投与時の薬物動態パラメータ
  Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC0-48hr(ng・hr/mL)
水なし空腹時アンブロキソール塩酸塩徐放OD錠45mg「サワイ」53.4±13.45.2±2.111.2±3.3950±192
ムコソルバンLカプセル45mg50.5±14.55.4±2.111.5±3.9956±226
食後アンブロキソール塩酸塩徐放OD錠45mg「サワイ」60.7±19.36.7±1.79.5±1.7971±329
ムコソルバンLカプセル45mg58.4±15.97.1±1.611.8±6.31038±229
水あり空腹時アンブロキソール塩酸塩徐放OD錠45mg「サワイ」65.5±23.14.2±0.910.2±2.1984±306
ムコソルバンLカプセル45mg62.3±21.44.3±1.012.6±4.71089±326
<空腹時・水なしで服用時の血中濃度曲線>
<食後・水なしで服用時の血中濃度曲線>
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験(早朝覚醒時に喀痰喀出困難を訴える患者)
早朝覚醒時に喀痰喀出困難を訴える患者を対象に行った二重盲検試験で、アンブロキソール塩酸塩徐放カプセル45mgの夕食後1回投与の有効性が認められた3)。[7.参照]

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
アンブロキソール塩酸塩は、肺表面活性物質の分泌促進作用、気道液の分泌促進作用、線毛運動亢進作用が総合的に作用して喀痰喀出効果を示すものと考えられる。この際、肺表面活性物質の役割としては、線毛の存在しない肺胞や呼吸細気管支を含め気道中の粘性物質を排出しやすくするものと考えられている4)5)6)7)8)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アンブロキソール塩酸塩

一般的名称 アンブロキソール塩酸塩
一般的名称(欧名) Ambroxol Hydrochloride
化学名 trans-4-[(2-Amino-3,5-dibromobenzyl)amino]cyclohexanol hydrochloride
分子式 C13H18Br2N2O・HCl
分子量 414.56
融点 約235℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに特異な味がある。メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01479

20. 取扱い上の注意

PTP包装はアルミピロー開封後、バラ包装はボトル開封後、湿気を避けて保存すること。

22. 包装

PTP[乾燥剤入り]
100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)
バラ[乾燥剤入り]
300錠

23. 主要文献

  1. 慶松元興他, 新薬と臨牀, 63 (12), 1964-1980, (2014)
  2. たか野和彦, 診療と新薬, 51 (3), 252-263, (2014)
  3. 長岡滋他, Therapeutic Research, 14 (2), 617-646, (1993)
  4. 長岡滋他, 薬理と治療, 9 (5), 1845-1854, (1981)
  5. 千田勝一他, 薬理と治療, 9 (2), 483-486, (1981)
  6. 前多治雄他, 薬理と治療, 9 (2), 487-490, (1981)
  7. Curti,P.C., Pneumonologie, 147 (1), 62-74, (1972) »PubMed
  8. Curti,P.C.et al., Arzneim.-Forsch., 28 (5a), 922-925, (1978) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
電話:0120-381-999
FAX:06-7708-8966
製品情報問い合わせ先
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
電話:0120-381-999
FAX:06-7708-8966

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版