医療用医薬品 : ユビデカレノン

List   Top

医薬品情報


総称名 ユビデカレノン
一般名 ユビデカレノン
欧文一般名 Ubidecarenone
薬効分類名 代謝性強心剤
薬効分類番号 2119
ATCコード C01EB09
KEGG DRUG
D01065 ユビデカレノン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ユビデカレノンカプセル5mg「ツルハラ」 (後発品) Ubidecarenone Cap.「TSURUHARA」 鶴原製薬 2119003M1297 6.1円/カプセル
ユビデカレノン錠10mg「ツルハラ」 (後発品) Ubidecarenone Tab.「TSURUHARA」 鶴原製薬 2119003F2642 6.1円/錠
ユビデカレノン顆粒1%「ツルハラ」 (後発品) Ubidecarenone Gra.「TSURUHARA」 鶴原製薬 2119003D1173 6.7円/g

4. 効能または効果

基礎治療施行中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状

6. 用法及び用量

ユビデカレノンとして通常成人は1回10mgを1日3回食後に経口投与する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満
消化器胃部不快感、食欲減退、吐気、下痢
過敏症発疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績
虚血性心疾患、高血圧症やリウマチ性心疾患等に基づくうっ血性心不全の自他覚症状(浮腫、肺うっ血、肝腫脹や狭心症状等)に対して、二重盲検試験及び一般臨床試験において本剤の有用性が認められている1)2)3)4)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
心筋細胞内のミトコンドリアに取り込まれて、虚血心筋に直接作用し、低酸素状態での心筋エネルギー代謝を改善するとともに酸素の利用効率を改善する5)6)7)8)
18.2 虚血心筋での酸素利用効率改善作用
モルモットの心室乳頭筋を用いた研究で、低酸素灌流条件で低下した心筋収縮力はユビデカレノンの添加で改善した8)
18.3 心筋でのATP産生賦活作用
家兎を用いた研究で、ユビデカレノンを腹腔内に前投与した心筋では心筋を虚血・再灌流した際に見られるATP産生速度の低下が抑制され、虚血・再灌流による心筋細胞障害が軽度に保たれた9)
18.4 低下した心機能改善作用
心筋症モデル動物を用いた研究で、心筋障害期から心肥大期までユビデカレノンを経口投与した動物では、心筋の収縮性ならびに拡張性の低下は薬物非投薬群、ジゴキシン投与群に比べ軽度であった(心筋症ハムスター)10)
また、心筋梗塞モデルを用いた研究では、心筋梗塞発生後にユビデカレノンを投与し心機能の低下が軽度に抑制された。心筋梗塞後の生命予後に対してはユビデカレノン投与では薬物非投与群に比べ長期生存率が良好に保たれた(ラット心筋梗塞モデル)11)12)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ユビデカレノン

一般的名称 ユビデカレノン
一般的名称(欧名) Ubidecarenone
化学名 (2E,6E,10E,14E,18E,22E,26E,30E,34E,38E)-2-(3,7,11,15,19,23,27,31,35,39-Decamethyltetraconta-2,6,10,14,18,22,26,30,34,38-decaen-1-yl)-5,6-dimethoxy-3-methyl-1,4-benzoquinone
分子式 C59H90O4
分子量 863.34
融点 約48℃
物理化学的性状 ユビデカレノンは黄色〜だいだい色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。
ジエチルエーテルに溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
光によって徐々に分解し、着色が強くなる。
KEGG DRUG D01065

20. 取扱い上の注意

20.1 本品の物性(主成分の融点約48℃)より室温(1〜30℃)で保存すること。
20.2 開封後は変色及び含量が低下することがあるので、光を避けて保存すること。

22. 包装

<ユビデカレノンカプセル5mg「ツルハラ」>
PTP
100カプセル(10カプセル×10)、1,200カプセル(10カプセル×120、乾燥剤入り)
<ユビデカレノン錠10mg「ツルハラ」>
PTP
100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)
バラ
1,200錠[缶]
<ユビデカレノン顆粒1%「ツルハラ」>
バラ
100g、1,000g[缶]

23. 主要文献

  1. 寺沢富士夫ら, 心臓, 2 (7), 695-704, (1970) »DOI
  2. 猪岡英二ら, 診断と治療, 69 (5), 872-876, (1981)
  3. 橋場邦武ら, 心臓, 4 (12), 1579-1589, (1972) »DOI
  4. 岩渕 勉ら, 臨牀と研究, 49 (9), 2604-2608, (1972)
  5. 有田 真ら, 臨牀と研究, 55 (10), 3289-3294, (1978)
  6. 岡本史之ら, 日本胸部外科学会雑誌, 29 (7), 1135-1148, (1981)
  7. 石川真一郎ら, 心臓, 13 (9), 1060-1069, (1981) »DOI
  8. Arita,M.et al., Jpn.Heart J., 23 (6), 961-974, (1982) »PubMed
  9. Takeo,S.et al., J.Pharmacol.Exp.Ther., 243 (3), 1131-1138, (1987) »PubMed
  10. Momomura,S.et al., Jpn.Heart J., 32 (1), 101-110, (1991) »PubMed
  11. Zimmer,H.G.et al., Basic Res.Cardiol., 84 (3), 332-343, (1989) »PubMed
  12. Bech,O.M.et al., J.Pharmacol.Exp.Ther., 255 (1), 346-350, (1990) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252
製品情報問い合わせ先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
鶴原製薬株式会社
大阪府池田市豊島北1丁目16番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版