医療用医薬品 : ブロモクリプチン

List   Top

医薬品情報


総称名 ブロモクリプチン
一般名 ブロモクリプチンメシル酸塩
欧文一般名 Bromocriptine Mesilate
製剤名 ブロモクリプチンメシル酸塩錠
薬効分類名 持続性ドパミン作動薬
薬効分類番号 1169
ATCコード G02CB01 N04BC01
KEGG DRUG D00780 ブロモクリプチンメシル酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ブロモクリプチン錠2.5mg「F」 (後発品) BROMOCRIPTINE tablets 富士製薬工業 1169005F1278 16.6円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者

妊娠高血圧症候群の患者[産褥期におけるけいれん、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するリスクが高い。]

産褥期高血圧の患者(2.の項参照)

心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果
用法用量

産褥性乳汁分泌抑制、乳汁漏出症

通常、ブロモクリプチンとして1日1回2.5mgを夕食直後に経口投与し、効果をみながら1日5.0〜7.5mgまで漸増し、2〜3回に分けて食直後に経口投与する。
なお、年齢・症状に応じ適宜増減する。

高プロラクチン血性排卵障害

通常、ブロモクリプチンとして1日1回2.5mgを夕食直後に経口投与し、効果をみながら1日5.0〜7.5mgまで漸増し、2〜3回に分けて食直後に経口投与する。
なお、年齢・症状に応じ適宜増減する。

高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)

通常、ブロモクリプチンとして1日1回2.5mgを夕食直後に経口投与し、効果をみながら1日5.0〜7.5mgまで漸増し、2〜3回に分けて食直後に経口投与する。
なお、年齢・症状に応じ適宜増減する。

末端肥大症、下垂体性巨人症

通常、ブロモクリプチンとして1日2.5mg〜7.5mgを2〜3回に分けて食直後に経口投与する。
なお、年齢・症状に応じ適宜増減する。

パーキンソン症候群

通常、ブロモクリプチンとして1日1回1.25mg又は2.5mgを朝食直後に経口投与から始め、1又は2週毎に1日量として2.5mgずつ増量し、維持量(標準1日15.0〜22.5mg)を定める。
1日量はブロモクリプチンとして5.0mgの場合は朝食及び夕食直後に、7.5mg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な末端肥大症(先端巨大症)及び下垂体性巨人症の患者[このような患者では手術療法が第一選択となる。]

下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者[長期投与により腺腫の線維化が起こることがある。また、腫瘍の縮小にともない、髄液鼻漏があらわれたり視野障害が再発することがある。](「2.重要な基本的注意」の項参照)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

肝障害、又はその既往歴のある患者[本剤は主として肝臓で代謝される。また、肝機能障害が報告されている。]

消化性潰瘍、又はその既往歴のある患者[胃・十二指腸潰瘍の悪化がみられたとの報告がある。]

レイノー病の患者[レイノー症状の悪化がみられたとの報告がある。]

精神病、又はその既往歴のある患者[精神症状の悪化がみられたとの報告がある。]

重篤な心血管障害、又はその既往歴のある患者[外国において心臓発作、脳血管障害等があらわれたとの報告がある。]

腎疾患、又はその既往歴のある患者[急激な血圧低下があらわれた場合、腎血流量が低下するおそれがある。]

重要な基本的注意

著しい血圧下降、前兆のない突発的睡眠、傾眠があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

本剤投与は、少量から開始し、血圧、血液学的検査等の観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。

乳汁漏出症や高プロラクチン血性排卵障害では、投与開始前に、トルコ鞍の検査を行うこと。

トルコ鞍底を破壊するように発育したプロラクチン産生下垂体腺腫の患者において、本剤投与により腺腫の著明な縮小がみられた場合、それに伴い髄液鼻漏があらわれることがあるので、このような場合には、適切な処置を行うこと。

視野障害のみられるプロラクチン産生下垂体腺腫の患者に投与する際には、本剤投与により腺腫の縮小がみられ、一旦、視野障害が改善した後、トルコ鞍の空洞化により視交叉部が鞍内に陥入することによって、再び視野障害があらわれることがある。定期的に視野検査を行い、異常が認められた場合には、減量等による腫瘍再増大の危険性を考慮しつつ、適切な処置を行うこと。

産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、死産や母親のHTLV-1又はHIV感染等の医学的に必要な患者にのみ投与すること。(氷罨法等により乳汁分泌抑制が可能である場合には投与しないこと。)

産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、場合により氷罨法等の補助的方法を併用すること。

産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、投与すること。また、投与中(特に投与初日)は観察を十分に行い、血圧上昇、頭痛、中枢神経症状等があらわれた場合には、直ちに投与を中止すること。

レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。

相互作用

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用注意

本剤は、肝代謝酵素CYP3A4で代謝され、またこれを阻害するので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には注意して投与すること。
交感神経刺激剤
アドレナリン 等
麦角アルカロイド
エルゴメトリン
メチルエルゴメトリン
エルゴタミン
ジヒドロエルゴタミン
血圧上昇、頭痛、けいれん等があらわれるおそれがある。特に産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、用量に注意して投与すること。機序は明確ではないが、本剤はこれらの薬剤の血管収縮作用、血圧上昇作用等に影響を及ぼすと考えられる。
降圧作用を有する薬剤降圧作用が強くあらわれることがある。服用開始初期には特に注意すること。本剤は末梢交感神経終末のノルアドレナリン遊離を抑制する。
アルコール胃腸系の副作用やアルコール不耐性を起こすことがある。相互に作用が増強されるため。
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン 等
ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール
スピペロン 等
イミノジベンジル系薬剤
カルピプラミン 等
非定型抗精神病剤
ペロスピロン
ブロナンセリン 等
メトクロプラミド
ドンペリドン
相互に作用を減弱することがある。本剤はドパミン作動薬であり、これらの薬剤とドパミン受容体において競合的に拮抗する。
抗パーキンソン剤
レボドパ
チオキサンテン系薬剤 等
精神神経系の副作用が増強されることがある。相互に作用が増強されるため。
シクロスポリン
タクロリムス
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。CYP3Aに対する競合的阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される。
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン
ジョサマイシン 等
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
サキナビル 等
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール 等
本剤の作用が増強されるおそれがある。CYP3Aに対する競合的阻害により本剤の代謝が阻害される。
オクトレオチド本剤のAUCが上昇したとの報告がある。機序は不明である。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

ショック、急激な血圧低下、起立性低血圧

急激な血圧低下、起立性低血圧により悪心・嘔吐、顔面蒼白、冷汗、失神等のショック症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、昇圧等の適切な処置を行うこと。

悪性症候群(Syndrome malin)

発熱、意識障害、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CK(CPK)の上昇等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。

胸膜炎、心膜炎、胸膜線維症、肺線維症

胸水、心膜液、胸膜炎、心膜炎、胸膜線維症、肺線維症があらわれることがあるので、胸痛、呼吸器症状等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。

心臓弁膜症

心臓弁膜症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、心エコー検査等を実施すること。心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。

後腹膜線維症

後腹膜線維症が報告されているので、観察を十分に行い、背部痛、下肢浮腫、腎機能障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、高用量を長期間投与した患者では発現リスクが増大するおそれがある。

幻覚・妄想、せん妄、錯乱

幻覚・妄想、せん妄、錯乱があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。

胃腸出血、胃・十二指腸潰瘍

胃腸出血、胃・十二指腸潰瘍の発現又は胃・十二指腸潰瘍の悪化がみられることがあるので、このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

けいれん、脳血管障害、心臓発作、高血圧

けいれん、脳血管障害、心臓発作、高血圧等が報告されているので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

突発的睡眠

前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
過敏症注1)発疹
精神神経系興奮注2)、不安感注2)、不眠注2)、頭痛注2)、ジスキネジア注2)、口渇、鼻閉、気力低下状態、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進)、耳鳴、傾眠、錯感覚
視覚異常注2)、霧視
肝臓注3)AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇、ALPの上昇
循環器めまい、立ちくらみ、動悸、血圧低下、起立性低血圧、胸部不快感、浮腫、顔面潮紅、夜間に脚のけいれん及び寒冷による可逆性の指趾の蒼白、頻脈、徐脈、不整脈
消化器悪心、嘔吐、便秘、食欲不振、胃痛・腹痛、胃部不快感、胸やけ、腹部膨満感、下痢、口内乾燥
泌尿器尿失禁
その他貧血、けん怠感、頭髪の脱毛、帯下の増加、しびれ感、呼吸困難、疲労
注1)このような場合には投与を中止すること。注2)このような場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。注3)観察を十分に行い異常が認められた場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

女性への投与

本剤を長期連用する場合には、プロラクチン分泌が抑制され、婦人科的異常が起こる可能性があるので、定期的に一般的な婦人科検査を実施すること。(「10.その他の注意」の項参照)

妊娠を望まない患者には避妊の方法を指導すること。

妊娠希望の患者に本剤投与中は、妊娠を早期に発見するため定期的に妊娠反応等の検査を実施すること。

高プロラクチン血性排卵障害で本剤の投与中に妊娠が確認された場合は、直ちに投与を中止すること。なお、下垂体腺腫のある患者では妊娠中に下垂体腺腫の拡大が起こることがあるので、本剤中止後も観察を十分に行い、腺腫の拡大を示す症状(頭痛、視野狭窄等)に注意すること。

妊婦への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳婦への投与

授乳を望む母親には本剤を投与しないこと。[本剤は乳汁分泌を抑制する。]

本剤は母乳中へ移行することは認められていない。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過量投与

徴候、症状

悪心、嘔吐、めまい、低血圧、起立性低血圧、頻脈、傾眠、嗜眠、昏睡、幻覚、発熱等。

処置

一般的処置法(催吐、胃洗浄、活性炭、塩類下剤等)及び対症療法が用いられる。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

動物実験(ラット)で、長期大量投与により、子宮腫瘍を起こした例があるとの報告がある。

末端肥大症(先端巨大症)、下垂体性巨人症、高プロラクチン血性下垂体腺腫の診断・治療については、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考にすること。

薬物動態

生物学的同等性試験(動物)

ブロモクリプチン錠2.5mg「F」と標準製剤をそれぞれ3錠(ブロモクリプチンとして7.5mg)日本白色種雄性家兎に単回経口投与して血清中ブロモクリプチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。[1]

ブロモクリプチン錠2.5mg「F」の薬物動態パラメータ(ウサギ、3錠単回経口投与)

AUC0→inf
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
509.95±173.7648.38±15.241.88±0.505.33±1.29
(mean±S.D.,n=16)

溶出挙動

ブロモクリプチン錠2.5mg「F」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたブロモクリプチンメシル酸塩錠の溶出規格に適合していることが確認されている。[2]

薬効薬理

ブロモクリプチンメシル酸塩は、ドパミンD2受容体作動薬である。臨床的には、パーキンソン病の初期治療にD2受容体刺激作用を利用する。また、D2受容体刺激薬はプロラクチン分泌を抑制し、末端肥大症患者では成長ホルモン分泌を抑制するので、これらの作用を臨床的に利用する場合がある。[3]

有効成分に関する理化学的知見

一般名ブロモクリプチンメシル酸塩
一般名(欧名)Bromocriptine Mesilate
化学名(5'S)-2-Bromo-12'-hydroxy-2'-(1-methylethyl)-5'-(2-methylpropyl)ergotaman-3',6',18-trione monomethanesulfonate
分子式C32H40BrN5O5・CH4O3S
分子量750.70
性状白色〜微帯黄白色又は微帯褐白色の結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。
酢酸(100)に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、無水酢酸、ジクロロメタン又はクロロホルムに極めて溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
光によって徐々に着色する。
KEGG DRUGD00780

取扱い上の注意

開封後は遮光し、湿気を避けて保存すること。

安定性試験

最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、なりゆき湿度、遮光、3年)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ブロモクリプチン錠2.5mg「F」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。[4]

包装

100錠(PTP)、500錠(PTP)

主要文献


1. 富士製薬工業株式会社 社内資料(生物学的同等性試験)
2. 富士製薬工業株式会社 社内資料(溶出挙動)
3. 第十六改正日本薬局方解説書,  C-4369,  (2011)  廣川書店
4. 富士製薬工業株式会社 社内資料(安定性試験)

作業情報


改訂履歴

2014年4月 改訂
2016年1月 第15版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
富士製薬工業株式会社
939-3515
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
076-478-0032

業態及び業者名等

製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/8/21 版