医薬品情報
総称名 |
キョウミノチン |
一般名 |
グリチルリチン酸一アンモニウム
グリシン
L-システイン塩酸塩水和物 |
欧文一般名 |
Monoammonium Glycyrrhizinate
Glycine
L-Cysteine Hydrochloride Hydrate |
製剤名 |
グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩水和物配合注射剤 |
薬効分類名 |
肝臓疾患用剤
アレルギー用薬 |
薬効分類番号 |
3919 4490 |
KEGG DRUG |
D04990
グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸塩
|
JAPIC |
添付文書(PDF)
|
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添付文書情報2024年3月 改訂(第1版)
販売名 |
欧文商標名 |
製造会社 |
YJコード |
薬価 |
規制区分 |
キョウミノチン静注PL
(後発品)
|
KYOMINOTIN Inj.PL |
原沢製薬工業 |
3919502A1422 |
57円/管 |
処方箋医薬品注) |
2. 禁忌
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 アルドステロン症、ミオパチー、低カリウム血症の患者[低カリウム血症、高血圧症等を悪化させるおそれがある。]
4. 効能または効果
○小児ストロフルス、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症、口内炎、フリクテン、薬疹・中毒疹
○慢性肝疾患における肝機能異常の改善
6. 用法及び用量
<小児ストロフルス、湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、皮膚そう痒症、口内炎、フリクテン、薬疹・中毒疹>
通常、成人には1日1回5〜20mLを静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
<慢性肝疾患における肝機能異常の改善>
1日1回40〜60mLを静脈内に注射または点滴静注する。年齢、症状により適宜増減する。なお、増量する場合は1日100mLを限度とする。
8. 重要な基本的注意
8.1 ショック等の発現を予測するため、十分な問診を行うこと。
8.2 ショック発現時に救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.3 投与後、患者を安静な状態に保たせ、十分な観察を行うこと。
8.4 甘草を含有する製剤との併用は、本剤に含まれるグリチルリチン酸が重複し、偽アルドステロン症があらわれやすくなるので注意すること。[
11.1.3参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。グリチルリチン酸一アンモニウムを大量投与したときの動物実験(ラット)において腎奇形等が認められている
1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。グリチルリチン酸一アンモニウムを投与したときの動物実験(ラット)において乳汁移行が認められている
2)。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。臨床での使用経験において、低カリウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められている。
10. 相互作用
10.2 併用注意
ループ利尿剤 エタクリン酸、 フロセミド等 チアジド系及びその類似降圧利尿剤 トリクロルメチアジド、 クロルタリドン等 | 低カリウム血症(脱力感、筋力低下等)があらわれるおそれがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を行うなど十分に注意すること。 | これらの利尿作用が、本剤に含まれるグリチルリチン酸のカリウム排泄作用を増強し、血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。 |
モキシフロキサシン塩酸塩 | 心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。 | 本剤が有するカリウム排泄作用により血清カリウム濃度が低下すると、モキシフロキサシン塩酸塩による心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長が発現するおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシーショック(頻度不明)
血圧低下、意識消失、呼吸困難、心肺停止、潮紅、顔面浮腫等があらわれることがある。
11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、潮紅、顔面浮腫等があらわれることがある。
11.1.3 偽アルドステロン症(頻度不明)
増量又は長期連用により高度の低カリウム血症、低カリウム血症の発現頻度の上昇、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等があらわれるおそれがある。
また、低カリウム血症の結果として、脱力感、筋力低下などがあらわれるおそれがある。[
8.4参照]
頻度は使用成績調査を含む
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
過敏症 | | 発疹 | 蕁麻疹、そう痒 |
体液・電解質 | 血清カリウム値の低下注) | | 浮腫 |
循環器 | 血圧上昇注) | | |
消化器 | | 上腹部不快感 | 嘔気・嘔吐 |
呼吸器 | | | 咳嗽 |
眼 | | | 一過性の視覚異常(目のかすみ、目のチカチカ等) |
その他 | | 全身倦怠感、筋肉痛、異常感覚(しびれ感、ピリピリ感等)、発熱、過呼吸症状(肩の熱感、四肢冷感、冷汗、口渇、動悸)、尿糖陽性 | 頭痛、熱感、気分不良 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤投与時の注意
静脈内投与は、患者の状態を観察しながらできるだけ投与速度を緩徐にすること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
グリチルリチン酸又は甘草を含有する製剤の経口投与により、横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
18.1.1 グリチルリチン酸一アンモニウム
グリチルリチン酸は甘草の主成分で、抗炎症作用、抗アレルギー作用、解毒作用などが報告されている
3)。
18.1.2 グリシン
解毒作用を示し、クレアチン、グルタチオン、ポルフィリンなど、生理的に重要な物質の生合成に関与する
4)。
18.1.3 L-システイン塩酸塩水和物
生体内でSH供与体として働き、SH酵素の賦活剤としての作用を示す。その結果として皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒などの作用が期待され、各種皮膚疾患に応用される
5)。
19. 有効成分に関する理化学的知見
19.1. グリチルリチン酸一アンモニウム
一般的名称 |
グリチルリチン酸一アンモニウム |
一般的名称(欧名) |
Monoammonium Glycyrrhizinate |
化学名 |
Monoammonium of 20β-carboxy-11-oxo-30-norolean-12-en-3β-yl-2-O-β-D-glucopyranuronosyl-β-D-glucopyranosiduronic acid |
分子式 |
C42H65NO16 |
分子量 |
839.96 |
物理化学的性状 |
白色の微細な結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、特異な甘味がある。 |
理化学知見その他 |
19.1 グリチルリチン酸一アンモニウム |
KEGG DRUG |
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19.2. グリシン
一般的名称 |
グリシン |
一般的名称(欧名) |
Glycine |
化学名 |
Aminoacetic acid |
分子式 |
C2H5NO2 |
分子量 |
75.07 |
物理化学的性状 |
白色の結晶又は結晶性の粉末で、味は甘い。 水又はギ酸に溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。 結晶多形が認められる。 |
理化学知見その他 |
19.2 グリシン |
KEGG DRUG |
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19.3. L-システイン塩酸塩水和物
一般的名称 |
L-システイン塩酸塩水和物 |
一般的名称(欧名) |
L-Cysteine Hydrochloride Hydrate |
化学名 |
(2R)-2-Amino-3-sulfanylpropanoic acid monohydrochloride monohydrate |
分子式 |
C3H7NO2S・HCl・H2O |
分子量 |
175.63 |
物理化学的性状 |
白色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおい及び強い酸味がある。 水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。 6mol/L塩酸試液に溶ける。 |
理化学知見その他 |
19.3 L-システイン塩酸塩水和物 |
KEGG DRUG |
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20. 取扱い上の注意
20.1 アンプルを包む包装は使用直前まで開封しないこと。開封後は、速やかに使用すること。
20.2 内容液の漏出が認められるものや着色、混濁又は結晶が認められるものは使用しないこと。
22. 包装
20mL×50管(プラスチックアンプル、脱酸素剤入り)
23. 主要文献
-
Mantovani, A.,et al.,
Food Chem. Toxicol., 26 (5), 435-440, (1988)
»PubMed
-
Yoshida, T., et al.,
薬理と治療, 39 (3), 309-327, (2011)
-
第十八改正日本薬局方解説書, D-221-230, (2021), (廣川書店)
-
第十八改正日本薬局方解説書, C-1617-1620, (2021), (廣川書店)
-
第十八改正日本薬局方解説書, C-2222-2225, (2021), (廣川書店)
24. 文献請求先及び問い合わせ先
文献請求先
原沢製薬工業株式会社
〒108-0074
東京都港区高輪三丁目19番17号
電話:03-3441-5191
FAX:03-5475-5485
製品情報問い合わせ先
原沢製薬工業株式会社
〒108-0074
東京都港区高輪三丁目19番17号
電話:03-3441-5191
FAX:03-5475-5485
26. 製造販売業者等
26.1 製造販売元(輸入)
原沢製薬工業株式会社
東京都港区高輪三丁目19番17号