医療用医薬品 : ユビデカレノン

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医薬品情報


総称名 ユビデカレノン
一般名 ユビデカレノン
欧文一般名 Ubidecarenone
製剤名 ユビデカレノン錠
薬効分類名 代謝性強心剤
薬効分類番号 2119
ATCコード C01EB09
KEGG DRUG
D01065 ユビデカレノン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年4月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ユビデカレノン錠5mg「サワイ」 UBIDECARENONE Tablets[SAWAI] 沢井製薬 2119003F1131
ユビデカレノン錠10mg「サワイ」 (後発品) UBIDECARENONE Tablets[SAWAI] 沢井製薬 2119003F2650 6.1円/錠

4. 効能または効果

基礎治療施行中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状

6. 用法及び用量

ユビデカレノンとして通常成人は1回10mgを1日3回食後に経口投与する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満
消化器胃部不快感、食欲減退、吐気、下痢
過敏症発疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
ユビデカレノン錠10mg「サワイ」とノイキノン錠10mgを健康成人男子にそれぞれ10錠(ユビデカレノンとして100mg注))食後単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ユビデカレノン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)
各製剤10錠投与時の薬物動態パラメータ
 Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC0-72hr(μg・hr/mL)
ユビデカレノン錠10mg「サワイ」1.29±0.175.00±018.9±8.160.44±10.77
ノイキノン錠10mg1.31±0.155.00±024.4±8.163.34±10.92
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
注)本剤の承認された用法及び用量は、ユビデカレノンとして通常成人は1回10mgを1日3回食後に経口投与するである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床成績
虚血性心疾患、高血圧症やリウマチ性心疾患等に基づくうっ血性心不全の自他覚症状(浮腫、肺うっ血、肝腫脹や狭心症状等)に対して、二重盲検試験及び一般臨床試験においてユビデカレノンの有用性が認められている2)3)4)5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
心筋細胞内のミトコンドリアに取り込まれて、虚血心筋に直接作用し、低酸素状態での心筋エネルギー代謝を改善するとともに酸素の利用効率を改善する6)7)8)9)
18.2 虚血心筋での酸素利用効率改善作用
モルモットの心室乳頭筋を用いた研究で、低酸素灌流条件で低下した心筋収縮力はユビデカレノンの添加で改善した9)
18.3 心筋でのATP産生賦活作用
家兎を用いた研究で、ユビデカレノンを前投与した心筋では心筋を虚血・再灌流した際に見られるATP産生速度の低下が抑制され、虚血・再灌流による心筋細胞障害が軽度に保たれた10)
18.4 低下した心機能改善作用
心筋症モデル動物を用いた研究で、心筋障害期から心肥大期までユビデカレノンを経口投与した動物では、心筋の収縮性ならびに拡張性の低下は薬物非投薬群、ジゴキシン投与群に比べ軽度であった(心筋症ハムスター)11)
また、心筋梗塞モデルを用いた研究では、心筋梗塞発生後にユビデカレノンを投与し心機能の低下が軽度に抑制された。心筋梗塞後の生命予後に対してはユビデカレノン投与では薬物非投与群に比べ長期生存率が良好に保たれた(ラット心筋梗塞モデル)12)13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ユビデカレノン

一般的名称 ユビデカレノン
一般的名称(欧名) Ubidecarenone
化学名 (2E,6E,10E,14E,18E,22E,26E,30E,34E,38E)-2-(3,7,11,15,19,23,27,31,35,39-Decamethyltetraconta-2,6,10,14,18,22,26,30,34,38-decaen-1-yl)-5,6-dimethoxy-3-methyl-1,4-benzoquinone
分子式 C59H90O4
分子量 863.34
融点 約48℃
物理化学的性状 黄色〜橙色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。ジエチルエーテルに溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に分解し、着色が強くなる。
KEGG DRUG D01065

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤は有効成分であるユビデカレノンの融点(約48℃)以上になると、まだら変色を起こすことがあるので、保管温度には注意すること。
20.2 開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

<ユビデカレノン錠5mg「サワイ」>
販売中止
<ユビデカレノン錠10mg「サワイ」>
PTP
100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)
バラ
1,000錠

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験
  2. 寺沢富士夫他, 心臓, 2 (7), 695-704, (1970) »DOI
  3. 猪岡英二他, 診断と治療, 69 (5), 872-876, (1981)
  4. 橋場邦武他, 心臓, 4 (12), 1579-1589, (1972) »DOI
  5. 岩渕勉他, 臨牀と研究, 49 (9), 2604-2608, (1972)
  6. 有田真他, 臨牀と研究, 55 (10), 3289-3294, (1978)
  7. 岡本史之他, 日本胸部外科学会雑誌, 29 (7), 1135-1148, (1981)
  8. 石川真一郎他, 心臓, 13 (9), 1060-1069, (1981) »DOI
  9. Arita, M. et al., Jpn. Heart J., 23 (6), 961-974, (1982) »PubMed
  10. Takeo, S. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 243 (3), 1131-1138, (1987) »PubMed
  11. Momomura, S. et al., Jpn. Heart J., 32 (1), 101-110, (1991) »PubMed
  12. Zimmer, H. G. et al., Basic Res. Cardiol., 84 (3), 332-343, (1989) »PubMed
  13. Bech, O. M. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 255 (1), 346-350, (1990) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
電話:0120-381-999
FAX:06-7708-8966
製品情報問い合わせ先
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
電話:0120-381-999
FAX:06-7708-8966

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版