7.1 4週間を超えて投与した経験は少ないので、本剤の投与期間は4週間以内をめどとすること。
7.2 本剤の投与開始から10分程度で活性化全血凝固時間(ACT)を測定し、術後4時間まではACTが250〜450秒となるように持続投与量を調節すること。患者の状態により、術後4時間以降の抗凝固療法の継続の要否を判断するが、その後も抗凝固療法の継続が必要な場合は、0.7μg/kg/分に減量後、適宜aPTTを測定し、aPTTが投与前値の1.5〜3倍程度となるよう持続投与量を適宜調節し、目標とする範囲に達した後は1日に1回aPTTを測定すること。
7.3 本剤のクリアランスが低下している肝機能障害のある患者に対して術後4時間以降も抗凝固療法が必要な場合は、0.2μg/kg/分に減量するなど注意すること。aPTTが目標とする範囲に達するまでは、適宜aPTTを測定し、目標とする範囲に達した後は1日に1回aPTTを測定すること。
7.4 本剤による治療開始及び投与量変更時には、以下の表を参考に投与すること。
本剤を希釈せずに、6μg/kg/分で投与する場合の投与速度
体重 | 6μg/kg/分 |
アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) |
40kg | 14.4 | 28.8 |
50kg | 18.0 | 36.0 |
60kg | 21.6 | 43.2 |
70kg | 25.2 | 50.4 |
本剤を希釈せずに、0.7μg/kg/分あるいは0.2μg/kg/分で投与する場合の投与速度
体重 | 0.7μg/kg/分 | 0.2μg/kg/分 |
アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) | アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) |
40kg | 1.7 | 3.4 | 0.5 | 1.0 |
50kg | 2.1 | 4.2 | 0.6 | 1.2 |
60kg | 2.5 | 5.0 | 0.7 | 1.4 |
70kg | 2.9 | 5.8 | 0.8 | 1.6 |
7.5 術後4時間以降も抗凝固療法を継続する必要があり、本剤を0.7μg/kg/分に減量後、aPTTが投与前値の3倍を超えた場合は、本剤の投与を中止すること。本剤投与を再開する場合には、aPTTが治療域(投与前値の1.5〜3倍以下)に回復したことを確認し、再開時の投与量は、投与中止前の1/2の用量を目安にすること。
7.6 本剤のクリアランスが低下している肝機能障害のある患者、又は出血のリスクのある患者に対しては、低用量(0.2μg/kg/分)から投与を開始するなど注意すること。
7.7 本剤による治療開始時には、以下の表を参考に投与を開始すること。
本剤を希釈せずに、0.7μg/kg/分あるいは0.2μg/kg/分で投与する場合の投与速度
体重 | 0.7μg/kg/分 | 0.2μg/kg/分 |
アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) | アルガトロバン水和物として(mg/時) | 本剤として(mL/時) |
40kg | 1.7 | 3.4 | 0.5 | 1.0 |
50kg | 2.1 | 4.2 | 0.6 | 1.2 |
60kg | 2.5 | 5.0 | 0.7 | 1.4 |
70kg | 2.9 | 5.8 | 0.8 | 1.6 |
7.8 本剤投与開始後は、aPTTを投与前値の1.5〜3倍の範囲かつ100秒以下となるように用量を調節すること。なお、出血のリスクのある患者ではaPTTが、投与前値の1.5〜2倍となるように用量を調節すること。[
8.3参照]
7.9 本剤投与開始2時間後及び本剤の投与量の変更2時間後を目安にaPTTを測定し、投与量を調節する。肝機能障害がある患者又は出血のリスクがある患者に対しては、本剤投与開始あるいは投与量変更6時間後にもaPTTを測定することが望ましい。aPTTが目標とする範囲に達するまでは、適宜aPTTを測定し、目標とする範囲に達した後は1日に1回aPTTを測定すること。[
8.3参照]
7.10 aPTTが投与前値の3倍又は100秒を超えた場合は、本剤の投与を中止すること。
本剤投与を再開する場合には、aPTTが治療域(投与前値の1.5〜3倍かつ100秒以下)に回復したことを確認し、投与中止前の1/2の用量を目安に開始すること。[
8.3参照]
7.11 本剤を使用することにより血小板数が回復し、安定した場合には、経口抗凝固薬(ワルファリン等)による治療の開始を考慮すること。なお、ワルファリンに切り替える場合は、本剤とワルファリンを5日間程度併用すること。
本剤とワルファリンとの併用時は、aPTT及びプロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR)をモニタリングすること。なお、本剤とワルファリンとの相互作用によりPT-INRが延長することから、本剤中止後にPT-INRが短縮することに注意すること。[
10.2参照]
7.12 経口抗凝固療法への移行が困難な患者を除き、本剤を漫然と使用しないこと(国内外の臨床試験において本剤投与期間はおおむね7〜14日間であった。また、国内で実施された臨床試験では、ワルファリンへの切り替えができなかった患者1例での投与期間は最長35日であった)。