医療用医薬品 : レボメプロマジン |
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総称名 | レボメプロマジン |
一般名 | レボメプロマジンマレイン酸塩 |
欧文一般名 | Levomepromazine Maleate |
薬効分類名 | 精神神経安定剤 |
薬効分類番号 | 1172 |
ATCコード | N05AA02 |
KEGG DRUG |
D02248
レボメプロマジンマレイン酸塩
商品一覧 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG00868
レボメプロマジン
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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レボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」 (後発品) | Levomepromazine Tablets「TSURUHARA」 | 鶴原製薬 | 1172014F2163 | 5.7円/錠 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
昏睡状態、循環虚脱状態の患者〔これらの状態を悪化させるおそれがある。〕
バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる。〕
アドレナリンを投与中の患者〔アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く〕(「相互作用」の項参照)
フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者
次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること
皮質下部の脳障害(脳炎、脳腫瘍、頭部外傷後遺症等)の疑いがある患者〔高熱反応があらわれるおそれがあるので、このような場合には全身を氷で冷やすか、又は解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと。〕
レボメプロマジンとして、通常成人1日25〜200mg(レボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」:1〜8錠)を分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
肝障害又は血液障害のある患者〔肝障害又は血液障害を悪化させるおそれがある。〕
褐色細胞腫、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者〔血圧の急速な変動がみられることがある。〕
重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の患者〔呼吸抑制があらわれることがある。〕
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させることがある。〕
幼児、小児(「小児等への投与」の項参照)
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
高温環境にある患者〔体温調節中枢を抑制するため、環境温度に影響されるおそれがある。〕
脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい。〕
重要な基本的注意
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。
相互作用
併用禁忌
アドレナリン 〔アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く〕 (ボスミン) | アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 | アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。 |
併用注意
中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体・麻酔剤等) | 睡眠(催眠)・精神機能抑制の増強、麻酔効果の増強・延長、血圧降下等を起こすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。 |
降圧剤 | 起立性低血圧等を起こすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 相互に降圧作用を増強させることがある。 |
アトロピン様作用を有する薬剤 | 口渇、眼圧上昇、排尿障害、頻脈、腸管麻痺等を起こすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 相互にアトロピン様作用を増強させることがある。 |
アルコール(飲酒) | 眠気、精神運動機能低下等を起こすことがある。 | 相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。 |
ドンペリドン、メトクロプラミド | 内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現するおそれがある。 | ともに中枢ドパミン受容体遮断作用を有する。 |
リチウム | 心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性のSyndrome malin(悪性症候群)、非可逆性の脳障害を起こすおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 | 機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている。 |
ドパミン作動薬(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩) | 相互に作用を減弱させるおそれがある。 | ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。 |
接触注意
有機燐殺虫剤 | 縮瞳、徐脈等の症状があらわれることがある。 | 本剤は有機燐殺虫剤の抗コリンエステラーゼ作用を増強し毒性を強めることがある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
Syndrome malin(悪性症候群)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
突然死
血圧降下、心電図異常(QT間隔の延長、T波の平低化や逆転、二峰性T波ないしU波の出現等)につづく突然死が報告されているので、特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。また、フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は、大量投与されていた例に多いとの報告がある。
再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少
再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止すること。
麻痺性イレウス
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア
長期投与により、遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
眼障害
長期又は大量投与により、角膜・水晶体の混濁、網膜・角膜の色素沈着があらわれることがある。
SLE様症状
SLE様症状があらわれることがある。
横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。
肺塞栓症、深部静脈血栓症
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
循環器注1) | 血圧降下、頻脈、不整脈、心疾患悪化 |
血液注2) | 白血球減少症、顆粒球減少症、血小板減少性紫斑病 |
消化器 | 食欲亢進、食欲不振、舌苔、悪心・嘔吐、下痢、便秘 |
肝臓注2) | 肝障害 |
錐体外路症状 | パーキンソン症候群(手指振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(口周部、四肢等の不随意運動等)、ジストニア(眼球上転、眼瞼痙攣、舌突出、痙性斜頸、頸後屈、体幹側屈、後弓反張等)、アカシジア(静坐不能) |
眼 | 縮瞳、眼内圧亢進、視覚障害 |
内分泌 | 体重増加、女性化乳房、乳汁分泌、射精不能、月経異常、糖尿 |
精神神経系 | 錯乱、不眠、眩暈、頭痛、不安、興奮、易刺激、痙攣 |
過敏症注3) | 過敏症状、光線過敏症 |
その他 | 口渇、鼻閉、倦怠感、発熱、浮腫、尿閉、無尿、頻尿、尿失禁、皮膚の色素沈着 |
高齢者への投与
高齢者では起立性低血圧、錐体外路症状、脱力感、運動失調、排泄障害等が起こりやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。〔動物実験で、胎児死亡、流産、早産等の胎児毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。〕
授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。〔母乳中へ移行することが報告されている。〕
小児等への投与
幼児、小児には慎重に投与すること。〔幼児、小児では錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすい。〕
過量投与
症状
傾眠から昏睡までの中枢神経系の抑制、血圧低下と錐体外路症状である。その他、激越と情緒不安、痙攣、口渇、腸閉塞、心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある。
処置
本質的には対症療法かつ補助療法である。早期の胃洗浄は有効である。
適用上の注意
投与時
治療初期に起立性低血圧があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量等適切な処置を行うこと。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。
外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。
健常成人男子に空腹時レボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」2錠(レボメプロマジンとして50mg)を経口投与した場合、レボメプロマジンの血漿中濃度は1.5〜2時間で19.5〜23.8ng/mLの最高値に達した後、徐々に減少して24時間後の濃度は平均で約3.2ng/mLであった1)。
AUC0-24(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hour) |
165.9±8.6 | 21.71±0.47 | 1.92±0.06 |
溶出挙動2)
レボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたレボメプロマジンマレイン酸塩錠の溶出規格に適合していることが確認されている。
フェノチアジン系薬物の作用機序は不明な点が多いが、主として間脳、脳幹網様体における諸機能を抑制して、抗精神病作用をあらわすと考えられており、動物実験(マウス)において鎮静作用、麻酔強化作用、体温下降作用、抗アポモルヒネ作用などが認められている3)。
安定性試験4)
レボメプロマジン錠25mg「ツルハラ」は、最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、5年間)の結果、性状及び含量等は規格の範囲内であり、通常の市場流通下において5年間安定であることが確認された。
(PTP)100錠、1000錠
(バラ)1200錠
1. | 鶴原製薬株式会社 社内資料 |
2. | 鶴原製薬株式会社 社内資料 |
3. | Courvoisier,S.et al., Compt.Rend.Soc.Biol., 151, 1378, (1957) »PubMed |
4. | 鶴原製薬株式会社 社内資料 |
改訂履歴 |
2018年4月 改訂 |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内資料についても下記へご請求ください。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/1/20 版 |