頭蓋内出血発作後、止血が完成していないと考えられる患者
<イフェンプロジル酒石酸塩錠10mg「ツルハラ」>
通常成人には、1回2錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。
<イフェンプロジル酒石酸塩錠20mg「ツルハラ」>
通常成人には、1回1錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。
本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脳梗塞発作直後の患者
9.1.2 低血圧のある患者
9.1.3 心悸亢進のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
18.1 作用機序
イフェンプロジル酒石酸塩は血管平滑筋弛緩作用、交感神経α受容体遮断作用などに基づく脳血流増加作用、脳ミトコンドリア呼吸機能の促進による脳代謝改善作用並びに血小板凝集能の抑制による血液性状改善作用の3作用が認められる。
18.2 脳循環に対する作用
イフェンプロジル酒石酸塩は、脳動脈血流量特に椎骨動脈(イヌ)
7)及びその流域である扁桃核、視床下部、小脳皮質(ネコ)
8)、内耳(モルモット)
9)の著明な血流増加を示す。
脳血管障害患者を対象にした臨床薬理学的検討では、N
2O法
10)、
133Xeクリアランス法
11)、超音波ドプラー法
12)にて全脳及び病巣部局所の血流増加が確認されている。これら循環改善作用は、血管平滑筋直接弛緩作用
7)並びに非選択的な交感神経α受容体遮断作用によると考えられている
13)14)。
18.3 脳代謝に対する作用
イフェンプロジル酒石酸塩は、脳虚血時の乳酸、ATP、グルコースなどの脳組織における代謝異常を改善し(SHRラット)
15)、脳ミトコンドリア機能の低下を改善する(脳梗塞家兎)
16)。
18.4 血小板機能に対する作用
イフェンプロジル酒石酸塩は、ADP、コラーゲン、アドレナリンなどによる血小板凝集を抑制する。この作用は、イフェンプロジル酒石酸塩がセロトニン摂取並びに放出反応を抑制することから、血小板膜の安定化作用によるものと考えられている(健康成人男子:
in vitro)
17)。また、アラキドン酸代謝におけるLASS(Labile Aggregation Stimulating Substance)凝集抑制作用も認められている(ヒト:
in vitro)
18)。さらに、血小板のα
2受容体を介して凝集を抑制することが示されている(健康成人:
in vitro)
19)。
脳血管障害患者による臨床薬理学的検討では、血小板粘着能の抑制の他、ADP等各種の血小板凝集惹起物質に対する抑制作用
18)20)、血小板α
2受容体遮断に基づく血小板凝集抑制作用が報告されている
21)。
<イフェンプロジル酒石酸塩錠10mg「ツルハラ」>
<イフェンプロジル酒石酸塩錠20mg「ツルハラ」>
PTP
100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100、乾燥剤入り)
バラ