14.1.1 在宅酸素療法の充てん容器等を置く位置の周囲2m以内,又液体酸素を移充てんする場合は5m以内に火気及び引火性,もしくは発火性のものを置かない。
14.1.2 吸入用のカニューラ,携帯型液化酸素装置及び延長チューブ,吸入中の患者自身も火気の直近に近寄ってはならない。
14.1.3 酸素使用場所での喫煙,火気の使用を禁止し,換気を図る。
14.1.4 超低温容器が高温にさらされるような暖房等の熱源を近くに置かない。
14.1.5 建物内で消費する場合は,換気に十分に注意する。
14.1.6 在宅酸素療法用の液化酸素については高圧ガス保安法第20条の五の周知内容を遵守する。
14.1.7 液体酸素の容器を取扱うときは,凍傷防止のため革手袋等の保護具を着用する。発火防止のため油脂のしみた手袋,作業服等は使用しない。
14.1.8 破損防止のため,配管その他の解氷は常温で行う。
14.1.9 超低温容器の圧力制御装置及び安全弁,破裂板にみだりに触れない。
14.2.1 酸素を使用する場合は,可燃物及び火気に注意する。
(1)酸素に油脂類等は厳禁であり,バルブ,圧力調整器,呼吸器の回路等本品と接触する部分に油脂類を付着させてはならない。又塵埃等の付着がないことも確かめる。
(2)酸素を使用中,電気メス,レーザーメス等は発火源となるため,ガーゼ,脱脂綿,チューブなどの可燃物が発火しないように注意する
10)11)。
(3)揮発性可燃物との同時使用を避ける。
(4)容器のバルブは静かに開閉する。急激に開けると発火の原因となる。
(5)液体酸素を取扱った直後は衣服等に酸素がしみこんでいるので,すぐに喫煙したり,火気に近づいたりしてはならない。
14.2.2 その他
(1)調整器及び圧力計等は,酸素用のものを使用する。
(2)パッキン類は,所定のものを使用する。
(3)使用後は容器バルブを必ず閉める。
(4)ガスの使用は超低温容器から直接使用しないで,気化設備を経て使用する。
(5)液体酸素の温度は,−183℃と極めて低温であるため,凍傷等を起こさないように特に注意する。
(6)液体酸素は,気化すると約860倍の体積になるため,液を密閉状態にしないよう特に注意する。
14.3.1 吸気は症状と使用条件に応じ適当な水蒸気圧を維持するように加湿すること
1)。
14.3.2 人工心肺(酸素加装置)での投与に当たっては,体外循環中の血液への直接投与であるので生物学的に清浄な酸素が要求されるため,定められた基準に合致したろ過性能と有効面積を有する滅菌済みのフィルターを用いること。