医療用医薬品 : ヘパリン類似物質

List   Top

医薬品情報


総称名 ヘパリン類似物質
一般名 ヘパリン類似物質
欧文一般名 Heparinoid
製剤名 ヘパリン類似物質クリーム・ローション
薬効分類名 血行促進・皮膚保湿剤
薬効分類番号 3339
KEGG DRUG
D04799 ヘパリン類似物質
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2025年7月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ヘパリン類似物質クリーム0.3%「ラクール」 (後発品) HEPARINOID CREAM 0.3%「RAKOOL」 東光薬品工業 3339950N1086 3円/g
ヘパリン類似物質ローション0.3%「ラクール」 (後発品) HEPARINOID LOTION 0.3%「RAKOOL」 東光薬品工業 3339950Q1120 3円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]
2.2 僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]

4. 効能または効果

血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頚(乳児期)

6. 用法及び用量

ヘパリン類似物質クリーム0.3%「ラクール」
<クリーム>
通常、症状により適量を、1日1〜数回塗布またはガーゼ等にのばして貼付する。
ヘパリン類似物質ローション0.3%「ラクール」
<ローション>
通常、1日1〜数回適量を患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
過敏症皮膚炎、そう痒、発赤、発疹、潮紅等皮膚刺激感
皮膚(投与部位) 紫斑

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 潰瘍、びらん面への直接塗布を避けること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<クリーム>
17.1.1 国内臨床試験
0.3%ヘパリン類似物質クリームの効能追加時までに実施された国内総計2192例を対象とした、二重盲検比較試験1)を含む臨床試験における有効率は、次のとおりであった。
表 対象疾患別の有効率
対象疾患名有効率(%)(有効以上)
皮脂欠乏症91.2(259/284)
進行性指掌角皮症71.6(68/95)
凍瘡90.8(129/142)
肥厚性瘢痕・ケロイド75.5(369/489)
血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患100(8/8)
血栓性静脈炎78.0(71/91)
外傷後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎75.5(508/673)
筋性斜頸88.3(362/410)
<ローション>
17.1.2 国内一般臨床試験
皮脂欠乏症患者54例、進行性指掌角皮症患者27例を対象に0.3%ヘパリン類似物質ローションの適量を1日2〜3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験2)における改善率は、次のとおりであった。
副作用は認められなかった。
表 対象疾患別の改善率
対象疾患名改善率(%)(改善以上)
皮脂欠乏症98.1(53/54)
進行性指掌角皮症85.2(23/27)
17.1.3 国内一般臨床試験
肥厚性瘢痕・ケロイド患者20例を対象に0.3%ヘパリン類似物質ローションの適量を1日1〜数回、8週間単純塗擦又はガーゼ等にのばして貼付した一般臨床試験3)における改善率(改善以上)は、66.7%(10/15例)であった。
副作用は認められなかった。
17.1.4 国内一般臨床試験
外傷(捻挫、挫傷)患者20例を対象に0.3%ヘパリン類似物質ローションの適量を1日数回、10日間塗擦した一般臨床試験4)における改善率(改善以上)は、100%(18/18例)であった。
副作用は認められなかった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は明確ではない。
18.2 血液凝固抑制作用
血液凝固抑制作用試験において、血液凝固時間を延長した5)(ウサギ)。
18.3 血腫消退促進作用
実験的血種の消退促進を認めた6)(ウサギ)。
18.4 角質水分保持増強作用
実験的乾燥皮膚モデルにおいて、角質水分保持時間を延長した7)(モルモット)。
18.5 線維芽細胞増殖抑制作用
組織癒着防止に関する実験で、線維芽細胞増殖の抑制を認めた8)9)(ウサギ)。
18.6 抗炎症作用
紫外線紅斑抑制作用を有する10)(モルモット)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ヘパリン類似物質

一般的名称 ヘパリン類似物質
一般的名称(欧名) Heparinoid
物理化学的性状 帯黄白色の無晶性の粉末である。
水に溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、アセトン又は1-ブタノールにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D04799

22. 包装

<クリーム>
50g[1チューブ]×10
<ローション>
50g[1チューブ]×10

23. 主要文献

  1. ヒルドイド研究班, 臨床医薬, 4 (10), 1903-1911, (1988)
  2. 原田昭太郎ら, 臨床医薬, 17 (7), 1051-1062, (2001)
  3. 大島良夫ら, 臨床医薬, 17 (7), 1079-1087, (2001)
  4. 山崎 誠ら, 臨床医薬, 17 (7), 1071-1078, (2001)
  5. 社内資料(2003年3月承認、申請資料)
  6. 木戸裕子ら, 基礎と臨床, 30 (3), 463-469, (1996)
  7. 社内資料(2003年3月承認、申請資料)
  8. 中安国裕, 東京慈恵会医科大学雑誌, 76 (2), 494-514, (1961)
  9. 間狩 孝, 日本外科宝函, 28 (9), 3757-3776, (1959)
  10. Raake W., Arzneim.-Forsch./Drug Res., 34 (4), 449-451, (1984) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ラクール薬品販売株式会社 DI室
〒123-0864 東京都足立区鹿浜1丁目9番14号
電話:03-3899-8881
FAX:03-3853-9641
製品情報問い合わせ先
ラクール薬品販売株式会社 DI室
〒123-0864 東京都足立区鹿浜1丁目9番14号
電話:03-3899-8881
FAX:03-3853-9641

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東光薬品工業株式会社
東京都足立区新田2丁目16番23号
26.2 発売元
ラクール薬品販売株式会社
東京都足立区鹿浜1丁目9番14号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版