医療用医薬品 : デュアック

List   Top

医薬品情報


総称名 デュアック
一般名 クリンダマイシンリン酸エステル水和物, 過酸化ベンゾイル
欧文一般名 Clindamycin Phosphate Hydrate, Benzoyl Peroxide
製剤名 クリンダマイシン1%−過酸化ベンゾイル3%ゲル
薬効分類名 尋常性ざ瘡治療配合剤
薬効分類番号 2699
ATCコード D10AE51 D10AF51
KEGG DRUG D10602 クリンダマイシンリン酸エステル・過酸化ベンゾイル
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2020年1月 改訂(製造販売元社名変更に伴う改訂) (第4版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
デュアック配合ゲル Duac Combination Gel サンファーマ 2699803Q1020 123.9円/g 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には使用しないこと

本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果
効能効果に関連する使用上の注意

結節及び嚢腫には、他の適切な処置を行うこと。

用法用量

1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、12週間で効果が認められない場合には使用を中止すること。また、炎症性皮疹が消失した場合には、他の適切な維持治療を検討すること。なお、本剤を12週間を超えて塗布した際の有効性及び安全性は検討されていないため、12週間を超えて塗布する際はその必要性を慎重に判断すること。

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること。

使用上の注意

慎重投与

抗生物質に関連した下痢又は大腸炎の既往歴のある患者[偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある(「副作用」の項参照)。]

アトピー性体質の患者[重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。]

重要な基本的注意

過度に塗布しても上乗せ効果は期待されず、皮膚刺激が増すおそれがあるので注意すること。

本剤の使用中に皮膚剥脱、紅斑、刺激感、腫脹等があらわれることがある。紅斑や腫脹が顔面全体や頚部にまで及ぶ症例、水疱、びらん等があらわれ、重症化した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

全身性の過敏反応や重度の皮膚刺激症状が認められた場合には本剤の使用を中止すること。

本剤の使用中は日光への曝露を最小限にとどめ、日焼けランプの使用や紫外線療法は避けること。

相互作用

併用注意

エリスロマイシン含有製剤本剤の効果が減弱する可能性がある。クリンダマイシンの作用と拮抗する可能性がある。
末梢性筋弛緩剤神経筋遮断作用が増強する可能性がある。クリンダマイシンは神経筋遮断作用を有する。
外用スルホンアミド製剤
スルファジアジン
スルフィソミジン等
同一部位に重ねて塗布した場合、皮膚及び顔毛に一過性の変色(黄色又は橙色)を呈する可能性がある。機序は不明であるが、過酸化ベンゾイルによる反応と考えられる。

副作用

副作用発現状況の概要

日本人の尋常性ざ瘡患者を対象に、本剤を1日1回又は1日2回、12週間塗布した国内第III相比較試験(STF115287試験)の結果、500例中153例(30.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された(本剤の承認用法・用量は1日1回投与)。その主なものは、乾燥49例(9.8%)、接触皮膚炎34例(6.8%)、紅斑29例(5.8%)、皮膚剥脱29例(5.8%)、そう痒症26例(5.2%)であった。(承認時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

大腸炎

限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、抗生物質関連大腸炎(偽膜性大腸炎を含む)等の大腸炎、出血性下痢(いずれも頻度不明注))があらわれることがある。遷延性又は重症の下痢、出血性下痢あるいは腹部疝痛が認められた場合、それらの症状が大腸炎の可能性もあるため、直ちに本剤の使用を中止し、適切な検査を行うこと。

注)自発報告又は海外臨床試験、及びクリンダマイシン含有ゲルの海外臨床試験由来又はクリンダマイシン1%ゲルの添付文書に記載の副作用については頻度不明とした。

その他の副作用

 5%以上5%未満頻度不明注)
消化器  下痢、腹痛
皮膚乾燥、皮膚炎(接触皮膚炎、湿疹を含む)、皮膚剥脱、紅斑、適用部位反応(疼痛、皮膚刺激、発赤、変色を含む)、そう痒症灼熱感、蕁麻疹、ざ瘡悪化光線過敏性反応、紅斑性皮疹、錯感覚、つっぱり感、グラム陰性菌毛嚢炎、脂性肌、腫脹、水疱、びらん
肝臓  AST、ALT、Al-P、総ビリルビンの上昇、ウロビリノーゲン陽性
その他 過敏症頭痛、白血球増加、血小板増加、総コレステロール低下、尿蛋白、尿糖
発現頻度は承認時までの国内臨床試験の結果に基づき算出した。注)自発報告又は海外臨床試験、及びクリンダマイシン含有ゲルの海外臨床試験由来又はクリンダマイシン1%ゲルの添付文書に記載の副作用については頻度不明とした。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳中の婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせること。[母乳中への移行は不明である。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は12歳未満の小児に対する安全性は確立されていない(使用経験がない)。

過量投与

徴候、症状

重度の皮膚刺激感があらわれる可能性がある。過酸化ベンゾイルの外用により全身性の作用の発現に至る量は吸収される可能性が低い。一方、クリンダマイシンの過量の外用により全身性の作用の発現に至る量が吸収される可能性がある。

処置

使用を中止し、皮膚刺激感に対する対症療法を行う等適切な処置を行うこと。

適用上の注意

使用時

他のざ瘡治療外用剤と併用する場合には、刺激感が増すおそれがあるので注意すること。

本剤は、毛髪や着色・染色された布織物を退色させるおそれがあるため、毛髪、布織物、家具及び絨毯に付着させないこと。

使用部位

外用としてのみ使用すること。口腔、眼、口唇、その他の粘膜、刺激及び傷のある皮膚には使用しないこと。これらの部位に本剤が付着した場合は水で洗い流すこと。

誤飲により、クリンダマイシンを全身性に投与した場合と同様の消化器系の副作用が発現する可能性がある。そのような場合には対症療法を行い患者の状態を慎重に観察すること。

その他の注意

過酸化ベンゾイルとトレチノインを混合すると、トレチノインが分解されるとの報告がある1)ため、本剤とトレチノインを同一部位に塗布した場合、トレチノインの効果が減弱する可能性がある。

ヘアレスマウスを用いた1年間光がん原性試験で紫外線照射と2500mg/kg/日(7500mg/m2/日)までのクリンダマイシン1%−過酸化ベンゾイル5%ゲルを経皮投与した結果、紫外線照射単独群と比べ皮膚腫瘍発現時間の軽度短縮が認められた。

薬物動態

デュアック配合ゲル

In vitroにおいて、ヒト皮膚に本剤15.63mg/cm2を塗布したとき、安息香酸、クリンダマイシン(CLDM)リン酸エステル又はCLDMとして塗布6時間後までに経時的に皮膚を透過したが、過酸化ベンゾイル(BPO)としての皮膚透過は確認されなかった2)

クリンダマイシン

代謝

CLDMリン酸エステルは生体内で速やかにCLDMに加水分解された3)4)5)。また、in vitro試験において、CLDMは主にCYP3A4でS-酸化体に代謝された6)

日本人における成績7)

健康成人男性(6例)の背部皮膚にCLDM1%ゲル2gを単回塗布したときの血漿中CLDM濃度は多くの被験者で定量限界(13.2pg/mL)以下であった。また、CLDM1%ゲル2gを12時間毎に9回反復塗布したときの塗布後12時間の血漿中CLDM濃度は3回塗布でほぼ一定となり、最終塗布後のCmaxは平均161.3pg/mLであった。CLDMの尿中排泄率は単回及び反復塗布のいずれにおいても塗布量の0.01%以下であった。

外国人における成績8)

中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(24例)の顔面にCLDM1%-BPO5%ゲルの1gを1日1回及びCLDM1%ローションの0.5gを1日2回それぞれ4週間塗布したときの血漿中CLDM及びその代謝物であるS-酸化体の濃度を表-1に示す。CLDM1%-BPO5%ゲルの最終投与後24時間における尿中濃度はCLDM及びS-酸化体でそれぞれ5.8及び5.4μg/mLとCLDM1%ローション塗布時と同程度であった。

表-1 尋常性ざ瘡患者にCLDM1%-BPO5%ゲルの1gを1日1回及びCLDM1%ローションの0.5gを1日2回4週間塗布したときの血漿中CLDM及びS-酸化体濃度

 CLDM1%-BPO5%CLDM1%
CLDM(pg/mL)S-酸化体(pg/mL)CLDM(pg/mL)S-酸化体(pg/mL)
塗布後1〜4週439.2±574.2(39)93.3±93.1(39)386.0±398.9(37)77.4±88.5(37)
最終塗布後96時間67.8±223.3(35)13.4±36.9(36)73.0±226.2(30)44.5±51.3(30)
平均値±標準偏差(例数)

中等度から重度の尋常性ざ瘡患者(24例)の顔面、上胸部、上背部、肩に本剤約4gを1日1回5日間塗布したときのCLDM及びS-酸化体の薬物動態パラメータを表-2に示す。

表-2 尋常性ざ瘡患者に本剤約4gを1日1回5日間塗布したときの血漿中CLDM及びS-酸化体の薬物動態パラメータ

パラメータCLDM(24例)S-酸化体(23例)
Cmax(pg/mL)1294.2±1011.3220.0±139.1
tmax(hr)5.8±2.687.9±3.47
AUC(0-t)(pg・h/mL)17786.3±14769.43956.5±2860.3
平均値±標準偏差

過酸化ベンゾイル

吸収・代謝9)

In vitroにおいて、ヒト皮膚に14C-BPOの4556μgを塗布したときの塗布後8時間には安息香酸として真皮側から1.9%が回収された。皮膚中には塗布量の2.6%(BPO及び安息香酸がおおむね同量)が、皮膚表面には95.5%(BPO)が残った。

日本人における成績

尋常性ざ瘡患者の顔面に本剤約0.7gを1日2回7日間塗布したときの血漿中安息香酸濃度は12例中2例で定量可能(定量下限:100ng/mL)であった。塗布前及び反復塗布後の血漿中馬尿酸濃度は、それぞれ46.7〜84.8ng/mL及び38.2〜100.3ng/mLであった。また、尿中安息香酸濃度は12例中3例で定量可能(定量下限:100ng/mL)であり、塗布前及び反復塗布後の尿中馬尿酸濃度は、それぞれ36.0〜42.4μg/mL及び53.7〜55.6μg/mLであった。

臨床成績

日本人の尋常性ざ瘡患者を対象に、本剤を1日1回又は1日2回、12週間、顔面に塗布時の有効性及び安全性を検討することを目的として実施した無作為化単盲検並行群間比較試験(対照:CLDM1%ゲル)の結果は、以下のとおりであった(本剤の承認用法・用量は1日1回投与)。

表-3 塗布12週後の総皮疹数のベースラインからの変化量(ITT集団)

 本剤1日1回群本剤1日2回群CLDM1%1日2回群
ベースライン76.3±30.05(204)80.2±36.05(296)79.6±37.76(299)
塗布12週後20.7±24.35(201)19.8±20.73(289)30.6±36.22(299)
変化量−55.1±29.59(201)−60.4±34.58(289)−48.9±34.92(299)
CLDM1%1日2回群との群間差[95%信頼区間]a) −8.2[−12.9,−3.6]−11.0[−15.0,−7.0]
p値a) P<0.001
平均値±標準偏差(例数)a)塗布群、ベースライン値、医療機関を説明変数とした共分散分析モデル

薬効薬理

クリンダマイシン

薬理作用

クリンダマイシンリン酸エステルは生体内で加水分解され、クリンダマイシンとして尋常性ざ瘡の原因菌であるアクネ菌に対して抗菌活性を示す。また、アクネ菌のリパーゼ産生を抑制し、皮脂中の遊離脂肪酸を低下させ、白血球の遊走を抑制することで抗炎症作用を示す。

作用機序

感受性菌のリボソーム50Sサブユニットに結合し、ペプチド転移酵素反応を阻害して蛋白合成を阻害することにより、細菌の増殖を抑制する。

交差耐性

クリンダマイシンはエリスロマイシン等のマクロライド系抗菌薬との間で交差耐性が報告されている10)。エリスロマイシンによる耐性誘導によってクリンダマイシンに耐性を示すこともある。

過酸化ベンゾイル

薬理作用

アクネ菌に対して殺菌的な抗菌活性を示す11)。アクネ菌の薬剤耐性株に対して、それぞれの感受性株と同程度の抗菌活性を示す12)13)。また、抗炎症作用、角質剥離作用及び面皰減少作用を示す14)15)16)

作用機序

過酸化ベンゾイルが安息香酸に分解される過程で生成される活性酸素が細菌膜に作用し、細菌の必須構成成分を酸化することによって抗菌活性を示す9)17)

有効成分に関する理化学的知見

一般名クリンダマイシンリン酸エステル水和物
一般名(欧名)Clindamycin Phosphate Hydrate
化学名Methyl 7-chloro-6,7,8-trideoxy-6-[(2S,4R)-1-methyl-4-propylpyrrolidine-2-carboxamido]-1-thio-L-threo-α-D-galacto-octopyranoside 2-(dihydrogen phosphate) monohydrate
分子式C18H34ClN2O8PS・H2O
分子量522.98
融点約200℃
性状白色〜微黄白色の結晶性の粉末
KEGG DRUGD10531

有効成分に関する理化学的知見

一般名過酸化ベンゾイル
一般名(欧名)Benzoyl Peroxide
化学名Dibenzoyl peroxide
分子式C14H10O4
分子量242.23
融点103〜106℃
性状白色の不定形又は細粒状の粉末
KEGG DRUGD03093

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

デュアック配合ゲル

10g×10(チューブ)

主要文献


1. Martin B,et al.,  Br J Dermatol,  139,  8-11,  (1998) »PubMed »DOI
2. サンファーマ株式会社 社内資料:皮膚透過性試験
3. Flaherty JF,et al.,  Antimicrob Agents Chemother,  32,  1825-1829,  (1988) »PubMed »DOI
4. Plaisance KI,et al.,  Antimicrob Agents Chemother,  33,  618-620,  (1989) »PubMed »DOI
5. Amr S,et al.,  J Appl Microbiol,  90,  550-554,  (2001) »PubMed »DOI
6. Wynalda MA,et al.,  Drug Metab Dispos,  31,  878-887,  (2003) »PubMed »DOI
7. 原田昭太郎,  臨床医薬,  15,  567-582,  (1999)
8. サンファーマ株式会社 社内資料:薬物動態試験、バイオアベイラビリティ試験
9. Nacht S,et al.,  J Am Acad Dermatol,  4,  31-37,  (1981) »PubMed »DOI
10. Eady EA,et al.,  Br J Dermatol,  121,  51-57,  (1989) »PubMed »DOI
11. Decker LC,et al.,  Antimicrob Agents Chemother,  33,  326-330,  (1989) »PubMed »DOI
12. Pannu J,et al.,  Antimicrob Agents Chemother,  55,  4211-4217,  (2011) »PubMed »DOI
13. Eady EA,et al.,  Br J Dermatol,  131,  331-336,  (1994) »PubMed »DOI
14. Hegemann L,et al.,  Br J Dermatol,  130,  569-575,  (1994) »PubMed »DOI
15. Loux JJ,et al.,  J Soc Cosmet Chem,  25,  473-479,  (1974)
16. Mills OHJr,et al.,  Animal Models in Dermatology,  176-183,  (1975)
17. Cove JH,et al.,  J Appl Bacteriol,  54,  379-382,  (1983) »PubMed »DOI

作業情報


改訂履歴

2016年7月 改訂
2020年1月 改訂(製造販売元社名変更に伴う改訂) (第4版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
サンファーマ株式会社
141-0031
東京都品川区西五反田8-9-5
0120-22-6880

業態及び業者名等

製造販売元(輸入)
サンファーマ株式会社
東京都港区芝公園1-7-6


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2022/6/22 版