医療用医薬品 : ジメモルファンリン酸塩

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医薬品情報


総称名 ジメモルファンリン酸塩
一般名 ジメモルファンリン酸塩
欧文一般名 Dimemorfan Phosphate
製剤名 ジメモルファンリン酸塩シロップ
薬効分類名 非麻薬性鎮咳剤
薬効分類番号 2229
ATCコード R05DA11
KEGG DRUG
D01506 ジメモルファンリン酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年10月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ジメモルファンリン酸塩シロップ小児用0.25%「TCK」 DIMEMORFAN PHOSPHATE Syrup for Pediatric「TCK」 辰巳化学 2229001Q1070 6.9円/mL

4. 効能または効果

下記疾患に伴う鎮咳
上気道炎、急性気管支炎、肺炎

6. 用法及び用量

通常、下記1日量を3回に分けて経口投与する。
2才未満3.0〜4.5mL
2〜3才5.0〜8.0mL
4〜6才8.0〜11.0mL
7〜14才12.0〜14.0mL
但し、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 糖尿病又はその疑いのある患者
耐糖能に軽度の変化を来たすことがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹
精神神経系めまい、眠気、頭痛・頭重脱力感、倦怠感
消化器口渇、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢
循環器頻脈、動悸、顔面潮紅

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性2名にジメモルファンリン酸塩90mg注)を単回経口投与したとき、速やかに吸収されて1〜2時間で血中濃度は最高に達し、その濃度は0.007〜0.008μg/mLであった1)
注)本剤の承認された用量は、14才以下の小児に対して1日最大14.0mL(ジメモルファンリン酸塩として35.0mg)である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
小児等の急性呼吸器疾患に伴う咳嗽に対する一般臨床試験では、有効率60.3%(64/106)の成績であった。また、Cough Recorderにより咳の頻度を薬物投与前後に記録して、その解析結果にもとづく客観的効果判定基準を設定した上での、ジメモルファンリン酸塩シロップの頓用効果に関する比較対照試験により、有用性が認められた2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
非麻薬性中枢性鎮咳薬で、鎮咳効果は麻薬性のものに及ばないが、耐性や依存性がないという利点がある。作用機序は咳中枢の抑制であるが、オピオイド受容体とは異なる受容部位に結合することによると考えられている3)
18.2 鎮咳作用
ジメモルファンリン酸塩は、ネコ及びモルモットを用いた薬理実験では、コデインリン酸塩水和物やデキストロメトルファンよりも優れた鎮咳効果を発揮する4)5)
18.3 非麻薬性
ジメモルファンリン酸塩をサルに1カ月投与して検討した薬物依存性試験の結果、身体依存性及び精神依存性は認められず、非麻薬性であることが証明されている6)
18.4 腸管輸送能の抑制作用
ジメモルファンリン酸塩はマウスを用いた動物試験で、コデインリン酸塩水和物投与時にみられるような腸管輸送能の抑制作用(便秘作用)を示さない4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジメモルファンリン酸塩

一般的名称 ジメモルファンリン酸塩
一般的名称(欧名) Dimemorfan Phosphate
化学名 (9S,13S,14S)-3,17-Dimethylmorphinan monophosphate
分子式 C18H25N・H3PO4
分子量 353.39
融点 約265℃(分解)
物理化学的性状 白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01506

20. 取扱い上の注意

本剤を冷所で保存後、振盪することにより、瓶内部に黄色様物質が付着することがあるが、成分・含量等には影響はない。なお、常温で保存することが望ましい。

22. 包装

500mL(ガラス瓶)

23. 主要文献

  1. 関隆 ほか, 臨床薬理, 3, 302-304, (1972) »DOI
  2. 鈴木栄 ほか, 医学のあゆみ, 101, 564-572, (1977)
  3. 第十八改正 日本薬局方解説書, C2377-C2380, (2021), (廣川書店)
  4. 井田昶 ほか, 応用薬理、, 6, 1207-1231, (1972)
  5. Kase,Y.et al., Arzneimittel-Forschung., 26, 361-366, (1976) »PubMed
  6. 柳田知司 ほか, 実中研・前臨床研究報, 1, 35-41, (1975)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
辰巳化学株式会社 薬事・学術課
〒921-8164 金沢市久安3丁目406番地
電話:076-247-2132
FAX:076-247-5740
製品情報問い合わせ先
辰巳化学株式会社 薬事・学術課
〒921-8164 金沢市久安3丁目406番地
電話:076-247-2132
FAX:076-247-5740

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
辰巳化学株式会社
金沢市久安3丁目406番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版