医療用医薬品 : ガンマオリザノール

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医薬品情報


総称名 ガンマオリザノール
一般名 ガンマオリザノール
欧文一般名 Gamma Oryzanol
薬効分類名 高脂血症治療剤
心身症(更年期障害、過敏性腸症候群)治療剤
薬効分類番号 1129 2189
KEGG DRUG
D01221 ガンマ-オリザノール
KEGG DGROUP
DG01946 脂質低下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ガンマオリザノール錠50mg「ツルハラ」 (後発品) Gamma Oryzanol Tablets「TSURUHARA」 鶴原製薬 2900002F5290 5.9円/錠
ガンマオリザノール細粒20%「ツルハラ」 (後発品) Gamma Oryzanol Fine Granules「TSURUHARA」 鶴原製薬 2900002C1213 6.5円/g

4. 効能または効果

高脂質血症
○心身症(更年期障害、過敏性腸症候群)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ

5. 効能または効果に関連する注意

<高脂質血症>
適用の前に十分な検査を実施し、高脂質血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。

6. 用法及び用量

<高脂質血症>
ガンマオリザノールとして、通常成人1日300mgを3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
<心身症(更年期障害、過敏性腸症候群)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ>
ガンマオリザノールとして、通常成人1日10〜50mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、過敏性腸症候群に用いる場合は、1日最高50mgまでとする。

7. 用法及び用量に関連する注意

ガンマオリザノール細粒20%「ツルハラ」
<細粒>
1日あたりの製剤量は以下のとおりである。
成分量(1日投与量)製剤量(1日投与量)
ガンマオリザノールとして300mg細粒1.5g
ガンマオリザノールとして10〜50mg細粒0.05〜0.25g

8. 重要な基本的注意

<高脂質血症>
8.1 あらかじめ高脂質血症の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること。
8.2 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害又はその既往歴のある患者
症状を増悪させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
精神神経系めまい・ふらつき、浮上感眠気頭痛・頭重感、いらいら感等
消化器嘔気・嘔吐、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感、食欲不振腹部不快感、腹鳴、胸やけ、げっぷ、無味感、口内炎等 
過敏症発疹、そう痒、皮膚異常感潮紅等 
循環器血圧上昇 動悸等
肝臓  AST、ALT上昇等の肝機能障害
その他 倦怠感、体のほてり、不快感、夜間頻尿口渇、浮腫、脱力感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
<錠>
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
ラット中期発がんモデルで、ガンマオリザノールを0.2%以上の濃度で飼料に混ぜて与えると肺腫瘍発生頻度を上昇させたとの報告があるが1)2)、0.04%の濃度では肺腫瘍発生頻度は上昇しなかったことが報告されている2)。ガンマオリザノールは微生物試験系(in vitro)及び染色体試験系(in vivo)では変異原性を示さず、また、マウス(ガンマオリザノール200〜2,000mg/kg/day、78週間混餌投与)、ラット(ガンマオリザノール200〜2,000mg/kg/day、104週間混餌投与)のがん原性試験では、腫瘍誘発性は認められなかった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
血清総コレステロール低下の作用機序としては、コレステロールの消化管吸収抑制作用が主作用であり、コレステロール合成の阻害作用及びコレステロールの異化排泄促進作用の関与も考えられている3)4)
18.2 脂質代謝
18.2.1 血清脂質低下作用
高コレステロール食摂取マウス、ラット、ウサギの血清総コレステロールを有意に低下させた。このコレステロール低下作用はVLDL-コレステロール及びLDL-コレステロールの低下に基づくものであった。また、ウサギにおいてはリン脂質の有意な低下も認められた3)5)6)
18.2.2 血清過酸化脂質低下作用
ガンマオリザノール300mg/日の投与により高脂質血症患者の血清過酸化脂質を有意に低下させた7)
18.2.3 肝臓脂質に対する効果
高コレステロール食摂取ラット、ウサギの肝臓コレステロール、特にエステル型コレステロールの低下作用を示した。ラットにおいては中性脂肪も有意に低下させた5)6)
18.2.4 動脈壁における効果
高コレステロール食摂取ラットにおいて動脈壁内の中性コレステロールエステラーゼ活性を有意に亢進し、アシル-CoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ活性を有意に抑制することにより、動脈壁内のエステル型コレステロールの蓄積を阻止する方向に作用することが示唆された8)。また、高コレステロール食摂取ウサギの大動脈に形成される粥状硬化病変は、血清脂質の低下に伴い軽減した6)
18.2.5 血小板凝集抑制作用
高コレステロール食摂取ウサギにガンマオリザノールを経口投与することにより、ADPによる血小板の最大凝集率を有意に抑制した9)
18.3 内分泌・自律神経系
18.3.1 ラット間脳のノルアドレナリン代謝回転の抑制傾向を示し、ノルアドレナリン含量の増加作用を示した10)
18.3.2 ラットにストレスを負荷することにより生じる胃潰瘍及び消化管運動の亢進に対して抑制作用を示した11)12)
18.3.3 インスリン及び2-デオキシ-D-グルコースで迷走神経を刺激することにより生じるラットの胃液分泌亢進に対して抑制作用を示した13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ガンマオリザノール

一般的名称 ガンマオリザノール
一般的名称(欧名) Gamma Oryzanol
分子式 C40H58O4
分子量 602.89
物理化学的性状 白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。アセトン、クロロホルム又はベンゼンにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01221

20. 取扱い上の注意

<錠>
なるべく涼しい場所に保管すること。
<細粒>
開封後は遮光して、なるべく涼しい場所に保管すること。

22. 包装

<ガンマオリザノール錠50mg「ツルハラ」>
PTP
100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)
バラ
1,200錠(缶)
<ガンマオリザノール細粒20%「ツルハラ」>
バラ
100g、1,000g(缶、乾燥剤入り)

23. 主要文献

  1. 福島昭治 ほか, 第49回日本癌学会総会, (1990)
  2. 林 修次 ほか, 第50回日本癌学会総会, (1991)
  3. 三谷公亙 ほか, 動脈硬化, 11 (2), 411-416, (1983) »DOI
  4. 中村治雄, RADIOISOTOPES., 15 (6), 371-374, (1966) »DOI
  5. 篠宮正樹 ほか, 動脈硬化, 10 (6), 1069-1075, (1983) »DOI
  6. 平松和子 ほか, 動脈硬化, 9 (5), 813-820, (1981) »DOI
  7. 和田一成 ほか, Geriat Med., 19 (8), 1183-1186, (1981)
  8. 篠宮正樹 ほか, 動脈硬化, 10 (1), 137-141, (1982) »DOI
  9. 野崎宏幸 ほか, 動脈硬化, 9 (5), 829-834, (1981) »DOI
  10. 金田秀夫 ほか, 日薬理誌, 75 (4), 399-403, (1979) »PubMed
  11. 板谷公和 ほか, 日薬理誌, 72 (4), 475-481, (1976) »PubMed
  12. 桧山隆司, 応用薬理, 16 (6), 1095-1101, (1978)
  13. 水田和孝 ほか, 日薬理誌, 74 (4), 517-524, (1978) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252
製品情報問い合わせ先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
鶴原製薬株式会社
大阪府池田市豊島北1丁目16番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/11/19 版