医療用医薬品 : ヒアルロン酸Na

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医薬品情報


総称名 ヒアルロン酸Na
一般名 精製ヒアルロン酸ナトリウム
欧文一般名 Purified Sodium Hyaluronate
薬効分類名 関節機能改善剤
薬効分類番号 3999
ATCコード D03AX05 M09AX01
KEGG DRUG
D03354 精製ヒアルロン酸ナトリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ヒアルロン酸Na関節注25mg「日新」 (後発品) Hyaluronate Na Intra-Articular Inj.25mg"NISSIN" 日新製薬-山形 3999408A1309 258円/管 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○変形性膝関節症、肩関節周囲炎
関節リウマチにおける膝関節痛(下記(1)〜(4)の基準を全て満たす場合に限る)
(1)抗リウマチ薬等による治療で全身の病勢がコントロールできていても膝関節痛のある場合
(2)全身の炎症症状がCRP値として10mg/dL以下の場合
(3)膝関節の症状が軽症から中等症の場合
(4)膝関節のLarsen X線分類がGradeIからGradeIIIの場合

5. 効能または効果に関連する注意

<関節リウマチにおける膝関節痛>
5.1 膝関節以外の使用経験はなく、他の関節については有効性・安全性が確立していないため本剤を投与しないこと。
5.2 関節リウマチでは膝関節の器質的変化が高度なものは有効性・安全性が確立していないため本剤を投与しないこと。

6. 用法及び用量

<変形性膝関節症、肩関節周囲炎>
通常、成人1回1アンプルを1週間ごとに連続5回膝関節腔内又は肩関節(肩関節腔、肩峰下滑液包又は上腕二頭筋長頭腱腱鞘)内に投与するが、症状により投与回数を適宜増減する。
<関節リウマチにおける膝関節痛>
通常、成人1回2.5mLを1週間毎に連続5回膝関節腔内に投与する。
本剤は関節内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行うこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 症状の改善が認められない場合は、5回を限度として投与を中止すること。
<関節リウマチにおける膝関節痛>
7.2 本剤による治療は原因療法ではなく局所に対する対症療法であるので抗リウマチ薬等と併用すること。本剤は漫然と連用する薬剤ではない。

8. 重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与により、ときに局所痛があらわれることがあるので、投与後の局所安静を指示するなどの措置を講じること。
8.2 関節腔外に漏れると疼痛を起こすおそれがあるので、関節腔内に確実に投与すること。
<変形性膝関節症、関節リウマチにおける膝関節痛>
8.3 投与関節の炎症又は関節液貯留が著しい場合は、本剤の投与により局所炎症症状の悪化を招くことがあるので、炎症症状を抑えてから本剤を投与することが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 他の薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 投与関節部に皮膚疾患又は感染のある患者
本剤は関節内に投与するため。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝障害又はその既往歴のある患者
肝障害の既往歴のある患者においてAST、ALT異常値例がみられた。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)では催奇形性は認められていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
ショック症状があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
過敏症 蕁麻疹等の発疹、そう痒感、浮腫(顔面、眼瞼等)、顔面発赤
投与関節疼痛(主に投与後の一過性の疼痛)、熱感、局所の重苦しさ腫脹、水腫、発赤、関節周囲のしびれ感
肝臓 AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇
血液 好酸球増多、ヘマトクリット低下、白血球増多
その他 嘔気・嘔吐、発熱、倦怠感、蛋白尿、尿沈渣異常、動悸、ほてり、総蛋白低下、BUN上昇

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 関節液の貯留があるときには、必要に応じ穿刺により排液すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は膝関節腔内又は肩関節内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行うこと。
14.2.2 本剤は粘稠なため、アンプルの頭部に注射液が付着することがあるので、アンプルを振り、付着した注射液をアンプルの底部に流下させ、ゆっくりと注射筒へ吸入すること。18〜20G程度の太めの注射針を用いて注射筒に吸引し、22〜23G程度の注射針を用いて投与することが望ましい。
14.2.3 眼科用には使用しないこと。
14.2.4 血管内へは投与しないこと。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
精製ヒアルロン酸ナトリウムは関節軟骨表面の被覆・保護作用などにより、疼痛の緩解や関節可動域の改善をもたらす1)
18.2 関節拘縮改善作用
実験的関節拘縮モデル(ウサギ)の関節可動域を改善し、関節拘縮を抑制した2)
18.3 疼痛抑制作用
ブラジキニン誘発実験的関節疼痛モデル(ラット)に対し、滑膜等に存在する痛覚受容器を被覆し、発痛物質の作用を抑制し、鎮痛効果を示した2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 精製ヒアルロン酸ナトリウム

一般的名称 精製ヒアルロン酸ナトリウム
一般的名称(欧名) Purified Sodium Hyaluronate
分子式 (C14H20NNaO11)n
分子量 平均分子量 50万〜149万
物理化学的性状 白色の粉末、粒又は繊維状の塊である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。
KEGG DRUG D03354

22. 包装

2.5mL×10管(ガラスアンプル)

23. 主要文献

  1. 第十七改正日本薬局方解説書, C-4033, (2016), (廣川書店)
  2. 近野保他, Therapeutic Research, 16 (12), 4479, (1995)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp
製品情報問い合わせ先
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
電話:023-655-2131
FAX:023-655-3419
Email:d-info@yg-nissin.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版