医療用医薬品 : トフィソパム

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医薬品情報


総称名 トフィソパム
一般名 トフィソパム
欧文一般名 Tofisopam
製剤名 トフィソパム錠
薬効分類名 自律神経調整剤
薬効分類番号 1239
ATCコード N05BA23
KEGG DRUG
D01254 トフィソパム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トフィソパム錠50mg「サワイ」 (後発品) TOFISOPAM Tablets[SAWAI] 沢井製薬 1124026F1332 6.1円/錠 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
ロミタピドメシル酸塩を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

下記疾患における頭痛・頭重、倦怠感、心悸亢進、発汗等の自律神経症状
自律神経失調症、頭部・頸部損傷、更年期障害・卵巣欠落症状

6. 用法及び用量

通常、成人にはトフィソパムとして1回50mg、1日3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 急性閉塞隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.2 重症筋無力症の患者
筋弛緩作用を若干有する。
9.1.3 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれることがある。
9.1.4 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
呼吸機能が低下することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.1 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
9.5.2 ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
9.5.3 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
ロミタピドメシル酸塩
ジャクスタピッド
[2.参照]
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。本剤がCYP3Aを阻害することにより、ロミタピドメシル酸塩の代謝が阻害される。
10.2 併用注意
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体 等
中枢神経抑制作用が増強することがある。両薬剤の中枢神経抑制作用が相加的に増強する可能性がある。
アルコール中枢神経抑制作用が増強することがある。両者の中枢神経抑制作用が相加的に増強する可能性がある。
タクロリムス水和物タクロリムスの血中濃度が上昇することがあるので、本剤を減量又は休薬する等適切な処置を行うこと。本剤がCYP3A4によるタクロリムスの代謝を抑制することによると考えられる。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
依存性注) 薬物依存
精神神経系眠気、めまい・ふらつき、不眠、頭痛不安、焦躁、抑うつ症状、手足のふるえ、しびれ等
消化器口渇、腹痛、悪心・嘔吐、便秘食欲不振、下痢等
過敏症発疹そう痒感、発熱、顔面浮腫等
肝臓 AST・ALTの上昇等
その他脱力感、動悸倦怠感、血圧上昇、ほてり、乳房痛、乳汁分泌、月経異常

13. 過量投与

13.1 処置
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
トフィソパム錠50mg「サワイ」とグランダキシン錠50を健康成人男子にそれぞれ2錠(トフィソパムとして100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中トフィソパム濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された1)
各製剤2錠投与時の薬物動態パラメータ
 Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)AUC0-24hr(ng・hr/mL)
トフィソパム錠50mg「サワイ」89.5±38.41.2±0.35.3±4.3194.9±74.3
グランダキシン錠5088.1±38.31.1±0.34.3±1.8206.7±62.6
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
トフィソパムは、主として自律神経系の高位中枢を介して交感及び副交感神経間の緊張不均衡を改善するが、末梢性にも自律神経系の過度の興奮を抑制することが認められている。
18.2 自律神経系の緊張不均衡改善作用
18.2.1 視床下部の電気刺激によって生ずる血管収縮、耳朶温の低下、瞳孔径の増大など、交感神経中枢の興奮による異常反応の改善が認められた2)(ウサギ)。
18.2.2 ストレス負荷時にみられる交感及び副交感神経間の緊張不均衡の改善が認められた3)(ラット)。
18.2.3 アドレナリン又はノルアドレナリンによる平滑筋収縮を軽度抑制し4)5)6)in vitro)、交感神経の節前・節後刺激及び副交感神経刺激による興奮を軽度抑制する6)(イヌ)。
18.2.4 ヒトのpolyplethysmographを用いた試験において、局所血流量増加作用を有すると共に全身末梢の血流配分バランスの改善が認められた7)
18.3 循環系及び不安に対する作用
末梢血流量の増加作用4)5)(イヌ、ウサギ)、馴化作用・抗コンフリクト作用8)(マウス、ラット)が認められた。また、筋弛緩作用及び睡眠増強作用はほとんど有さないか、もしくは極めて弱い6)8)9)(マウス)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トフィソパム

一般的名称 トフィソパム
一般的名称(欧名) Tofisopam
化学名 (5RS)-1-(3,4-Dimethoxyphenyl)-5-ethyl-7,8-dimethoxy-4-methyl-5H-2,3-benzodiazepine
分子式 C22H26N2O4
分子量 382.45
融点 155〜159℃
物理化学的性状 微黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、アセトンにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。エタノール(95)溶液(1→100)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01254

22. 包装

PTP
100錠(10錠×10)、1,000錠(10錠×100)

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験
  2. 大西治夫他, 日本薬理学雑誌, 78 (3), 139-144, (1981) »PubMed
  3. 佐藤正巳他, 日本薬理学雑誌, 79 (4), 307-315, (1982) »PubMed
  4. 北川晴雄他, 応用薬理, 19 (1), 161-168, (1980)
  5. 伊藤千尋他, 医薬品研究, 12 (2), 587-600, (1981)
  6. 古川達雄他, 福岡大学医学紀要, 8 (3), 283-296, (1981)
  7. 竹宮敏子他, 日本臨床生理学会雑誌, 15 (3), 165-181, (1985)
  8. 伊藤千尋, 東京医科大学雑誌, 39 (3), 369-384, (1981)
  9. 君島健次郎他, 米子医学雑誌, 30 (2), 137-147, (1979)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
電話:0120-381-999
FAX:06-7708-8966
製品情報問い合わせ先
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
電話:0120-381-999
FAX:06-7708-8966

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版