医療用医薬品 : アマルエット |
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総称名 | アマルエット |
一般名 | アムロジピンベシル酸塩, アトルバスタチンカルシウム水和物 |
欧文一般名 | Amlodipine Besilate, Atorvastatin Calcium Hydrate |
製剤名 | アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤 |
薬効分類名 | 持続性Ca拮抗薬, HMG-CoA還元酵素阻害剤 |
薬効分類番号 | 2190 |
ATCコード | C10BX03 |
KEGG DRUG |
D08488
アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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アマルエット配合錠1番「ケミファ」 (後発品) | AMALUET | 日本ケミファ | 2190101F1071 | 22.3円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
アマルエット配合錠2番「ケミファ」 (後発品) | AMALUET | 日本ケミファ | 2190102F1076 | 35.4円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
アマルエット配合錠3番「ケミファ」 (後発品) | AMALUET | 日本ケミファ | 2190103F1070 | 27.9円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
アマルエット配合錠4番「ケミファ」 (後発品) | AMALUET | 日本ケミファ | 2190104F1075 | 41円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分又はジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
肝代謝能が低下していると考えられる以下のような患者
急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸[肝硬変患者において、アトルバスタチンの血漿中HMG-CoA還元酵素阻害活性体濃度が健康成人に比べて上昇した(AUCで4.4〜9.8倍)臨床試験成績がある。したがって、これらの患者ではアトルバスタチンの血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、アトルバスタチンは主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
グレカプレビル・ピブレンタスビルを投与中の患者[「3.相互作用」の項参照]
本剤(アムロジピン・アトルバスタチン配合剤)は、アムロジピン及びアトルバスタチンによる治療が適切である以下の患者に使用する。
高血圧症又は狭心症と、高コレステロール血症又は家族性高コレステロール血症を併発している患者
なお、アムロジピンとアトルバスタチンの効能・効果は以下のとおりである。
アムロジピン
アトルバスタチン
アムロジピン
アムロジピンは効果発現が緩徐であるため、本剤は緊急な治療を要する不安定狭心症には効果が期待できない。
アトルバスタチン
適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
家族性高コレステロール血症ホモ接合体については、LDL-アフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。
本剤(アムロジピン・アトルバスタチン配合剤)は、1日1回経口投与する。なお、以下のアムロジピンとアトルバスタチンの用法・用量に基づき、患者毎に用量を決めること。
アムロジピン
高血圧症
通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
狭心症
通常、成人にはアムロジピンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減する。
アトルバスタチン
高コレステロール血症
通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日20mgまで増量できる。
家族性高コレステロール血症
通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日40mgまで増量できる。
原則として、アムロジピン及びアトルバスタチンを併用、あるいはいずれか一方を使用している場合に、本剤の使用を検討すること。なお、両有効成分のいずれか一方を服用している患者に本剤を使用する場合は、患者の状態を十分に考慮した上で、各単剤の併用よりも本剤の投与が適切であるか慎重に判断すること。
本剤(アムロジピン・アトルバスタチン配合剤)は次の4製剤がある。
アマルエット配合錠「ケミファ」
1番:アムロジピン2.5mg/アトルバスタチン5mg
2番:アムロジピン2.5mg/アトルバスタチン10mg
3番:アムロジピン5mg/アトルバスタチン5mg
4番:アムロジピン5mg/アトルバスタチン10mg
上記配合用量以外の用量を投与する場合は、個別のアムロジピン製剤又はアトルバスタチン製剤を用いることができるが、それぞれの成分の用法・用量の範囲内で投与すること。
慎重投与
アムロジピン
過度に血圧の低い患者[さらに血圧が低下するおそれがある。]
肝機能障害のある患者[本剤は主に肝で代謝されるため、肝機能障害患者では、血中濃度半減期の延長及び血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。高用量(10mg)において副作用の発現率が高まる可能性があるので、増量時には慎重に投与すること。(「4.副作用」の項参照)]
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
重篤な腎機能障害のある患者[一般的に腎機能障害のある患者では、降圧に伴い腎機能が低下することがある。]
アトルバスタチン
肝障害又はその既往歴のある患者、アルコール中毒の患者[アトルバスタチンは主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。また、アルコール中毒の患者は、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
腎障害又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。]
フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)、免疫抑制剤(シクロスポリン等)、ニコチン酸製剤(ニセリトロール等)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、エリスロマイシンを投与中の患者[一般にHMG-CoA還元酵素阻害剤との相互作用により横紋筋融解症があらわれやすい。「3.相互作用」、アトルバスタチンの項参照]
糖尿病の患者[糖尿病を悪化させることがある。]
甲状腺機能低下症の患者、遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性の筋障害の既往歴のある患者[横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
本剤は、アムロジピン2.5mgあるいは5mgとアトルバスタチン5mgあるいは10mgとの配合剤であり、アムロジピンとアトルバスタチン双方の副作用が発現するおそれがあることに留意すること。[「4.副作用」の項参照]
アムロジピン
降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
アムロジピンは血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
アトルバスタチン
あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧、喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
近位筋脱力、CK(CPK)高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
劇症肝炎等の肝炎があらわれることがあるので、悪心・嘔吐、倦怠感等の症状があらわれた場合には本剤を中止し、医師等に連絡するよう患者に指導すること。
投与中は投与開始又は増量時より12週までの間に1回以上、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行うこと。
相互作用
相互作用序文
アトルバスタチンは、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。また、P-糖蛋白質(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP)、有機アニオントランスポーター(OATP)1B1/1B3の基質である。アムロジピンの代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
併用禁忌
グレカプレビル・ピブレンタスビル (マヴィレット) | グレカプレビル・ピブレンタスビル(400mg・120mg)との併用により、アトルバスタチンのAUCが8.28倍、Cmaxが22.0倍に上昇したとの報告がある。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 機序:グレカプレビルのOATP1B1/1B3及びBCRP阻害、ピブレンタスビルのOATP1B1及びBCRP阻害に基づく作用によるものと考えられている。 |
併用注意
降圧作用を有する薬剤 | 相互に作用を増強するおそれがある。慎重に観察を行うなど注意して使用すること。 | 相互に作用を増強するおそれがある。 |
CYP3A4阻害剤 エリスロマイシン ジルチアゼム リトナビル イトラコナゾール等 | エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 | アムロジピンの代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。 |
CYP3A4誘導剤 リファンピシン等 | アムロジピンの血中濃度が低下するおそれがある。 | アムロジピンの代謝が促進される可能性が考えられる。 |
グレープフルーツジュース | アムロジピンの降圧作用が増強されるおそれがある。同時服用をしないように注意すること。 | グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる。 |
タクロリムス | 併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 | アムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。 |
フィブラート系薬剤 ベザフィブラート等 | 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。 | 機序:フィブラート系薬剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用が示唆されている。 危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者 |
ニコチン酸製剤 ニセリトロール等 | 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。 | 機序:ニコチン酸製剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用が示唆されている。 危険因子:腎機能障害 |
免疫抑制剤 シクロスポリン等 | 1)筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。 2)シクロスポリンとの併用により、アトルバスタチンのAUC0-24hが8.7倍に上昇したとの報告がある。 | 機序:1)シクロスポリンとHMG-CoA還元酵素阻害剤との副作用誘発性の相加作用、2)シクロスポリンによるHMG-CoA還元酵素阻害剤の代謝・胆汁中排泄に対する競合阻害に基づく相互作用、3)シクロスポリンによるアトルバスタチンの肝への取り込み阻害に基づく相互作用が示唆されている。 危険因子:腎機能障害 |
アゾール系抗真菌薬 イトラコナゾール等 エリスロマイシン | 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。 | 機序:アゾール系抗真菌薬又はエリスロマイシンのCYP3Aに対する阻害作用が考えられている。
危険因子:腎機能障害 |
クラリスロマイシン | アトルバスタチンの血漿中薬物濃度の有意な上昇(Cmax:+55.9%、AUC0-Tlast:+81.8%)がみられた。 | 機序:クラリスロマイシンのCYP3A4に対する阻害作用が考えられている。 |
HIVプロテアーゼ阻害剤 ロピナビル・リトナビル メシル酸ネルフィナビル等 | ロピナビル・リトナビルとの併用によりアトルバスタチンのAUCが5.88倍、メシル酸ネルフィナビルとの併用によりアトルバスタチンのAUCが約1.7倍に上昇するとの報告がある。 | 機序:これらの薬剤によるCYP3A4の阻害が考えられている。 |
グラゾプレビル | グラゾプレビル(200mg)との併用によりアトルバスタチンの血漿中薬物濃度が上昇した(Cmax:5.66倍、AUC0-∞:3.00倍)との報告がある。 | 機序:グラゾプレビルによる腸管のCYP3A及びBCRPの阻害が考えられている。 |
レテルモビル | レテルモビルとの併用によりアトルバスタチンの血漿中薬物濃度が上昇した(Cmax:2.17倍、AUC0-∞:3.29倍)との報告がある。 | 機序:レテルモビルによるCYP3A、OATP1B1/1B3及びBCRPの阻害が考えられている。 |
グレープフルーツジュース | グレープフルーツジュース1.2L/日との併用により、アトルバスタチンのAUC0-72hが約2.5倍に上昇したとの報告がある。 | 機序:グレープフルーツジュースによるCYP3A4の阻害が考えられている。 |
エファビレンツ | アトルバスタチンの血漿中薬物濃度が低下した(Cmax:−12%、AUC0-24h:−43%)との報告がある。 | 機序:エファビレンツによるCYP3A4の誘導が考えられている。 |
リファンピシン | リファンピシン投与17時間後にアトルバスタチンを投与したところアトルバスタチンの血漿中薬物濃度が低下した(Cmax:−40%、AUC:−80%)との報告がある。 | 機序:リファンピシンによるCYP3A4の誘導が考えられている。 |
ベキサロテン | ベキサロテンとの併用により本剤のAUCが約50%低下したとの報告がある。 | 機序:ベキサロテンによるCYP3A4の誘導が考えられている。 |
陰イオン交換樹脂 | アトルバスタチンの血漿中薬物濃度が約25%低下したが、LDL-コレステロールの低下率はそれぞれを単独で使用したときより大きかった。 | 機序:これらの薬剤によるアトルバスタチンの吸収阻害(吸着)に基づく血漿中薬物濃度の低下が考えられている。 |
ジゴキシン | 定常状態において血漿中ジゴキシン濃度が上昇する(アトルバスタチン10mg投与でCmax:+9.9%、AUC0-24h:+3.6%、CLr:129→128mL/min、80mg投与でCmax:+20.0%、AUC0-24h:+14.8%、CLr:160→149mL/min)ことが報告されている。併用する場合は、血漿中薬物濃度のモニターを十分に行うこと。 | 機序:アトルバスタチンによるジゴキシンのP-gpを介した排出の抑制が示唆されている。 |
経口避妊薬 ノルエチンドロン−エチニルエストラジオール | ノルエチンドロン(Cmax:+24%、AUC0-24h:+28%)及びエチニルエストラジオール(Cmax:+30%、AUC0-24h:+19%)の血漿中濃度の上昇が認められた。 | 機序:アトルバスタチンによるノルエチンドロン及びエチニルエストラジオールの初回通過効果の減少が考えられている。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
アムロジピン
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
房室ブロック
房室ブロック(初期症状:徐脈、めまい等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
アトルバスタチン
横紋筋融解症、ミオパチー
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止すること。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCK(CPK)の上昇があらわれた場合には投与を中止すること。
免疫介在性壊死性ミオパチー
免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸
定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
過敏症
血管神経性浮腫、アナフィラキシー反応、蕁麻疹を含む過敏症状があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症
無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑等の水疱性発疹があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高血糖、糖尿病
高血糖、糖尿病があらわれることがあるので、口渇、頻尿、全身倦怠感等の症状の発現に注意するとともに、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
間質性肺炎があらわれることがあるので、長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
過敏症注2) | そう痒、光線過敏、発疹、多形紅斑、蕁麻疹、血管炎、血管浮腫 |
皮膚 | 脱毛、帯状疱疹、発赤、皮膚変色、皮膚乾燥、皮膚亀裂、多汗、爪の障害 |
血液 | 好酸球増加、血小板減少、白血球減少、白血球増加、貧血、紫斑 |
肝臓 | 肝機能障害、Al-P上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、黄疸、腹水 |
消化器 | 歯肉障害、膵炎、胃炎、胃食道逆流性疾患、胃不快感、腹部膨満、過敏性腸症候群、嘔気・嘔吐、便秘、口内炎、舌痛、舌炎、舌のしびれ、口のしびれ、口唇炎、口渇、(連用により)歯肉肥厚注2)、消化不良、アミラーゼ上昇、食欲不振、腹痛、下痢・軟便、排便回数増加、胃腸炎 |
呼吸器 | 咳、呼吸困難、咽頭不快感、肺炎、鼻炎、鼻出血 |
筋骨格系 | 筋肉痛、CK(CPK)上昇、血中ミオグロビン上昇、無力症、筋痙攣、筋緊張亢進、筋炎、関節痛、背部痛、腱炎、腱痛 |
感覚器 | 視力異常、霧視、耳鳴、味覚異常 |
精神・神経系 | 頭痛、眩暈・ふらつき、片頭痛、不眠症、振戦、眠気、気分動揺、末梢神経障害、健忘症、抑うつ、悪夢、錐体外路症状 |
内分泌 | 甲状腺腫、テストステロン低下、コリンエステラーゼ上昇、TSH上昇、ACTH上昇、アルドステロン低下、女性化乳房 |
代謝異常 | 血清コレステロール上昇、HbA1c上昇、高血糖、糖尿病、尿中ブドウ糖陽性、低血糖症、血清鉄低下 |
循環器 | 動悸、浮腫注1)、ほてり(熱感、顔面潮紅等)、期外収縮、血圧上昇、洞房又は房室ブロック、洞停止、心房細動、頻脈、徐脈、血圧低下、失神 |
腎臓・泌尿器 | BUN上昇、クレアチニン上昇、血中カリウム増加、血中カリウム減少、頻尿・夜間頻尿、排尿困難、勃起障害、尿管結石、尿潜血陽性、尿中蛋白陽性 |
その他 | 脳梗塞、全身倦怠感、脱力感、疲労、しびれ、発熱、体重増加、体重減少、疼痛、異常感覚、胸痛、着色尿 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しており、アムロジピン及びアトルバスタチンの血中濃度が増加することがある。
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされているので、アムロジピンは低用量(2.5mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(アムロジピンによる)
副作用が発現した場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[高齢者では、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある(アトルバスタチンによる)。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[アムロジピンの動物実験において、妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている。アトルバスタチンの動物実験において、出生児数の減少及び生存、発育に対する影響が認められ、胎児にも生存率低下と発育抑制が認められている。また、ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3カ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。]
授乳中の婦人には投与しないこと。[アムロジピンはヒト母乳中に移行することが報告されている1)。アトルバスタチンの動物実験において、乳汁中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
過量投与
症状
アムロジピンの過量投与において、過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。
処置
心・呼吸機能のモニターを行い、頻回に血圧を測定する。著しい血圧低下が認められた場合は、四肢の挙上、輸液の投与等、心血管系に対する処置を行う。症状が改善しない場合は、循環血液量及び排尿量に注意しながら昇圧剤の投与を考慮する。アムロジピンは蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。
また、アムロジピン服用直後に活性炭を投与した場合、アムロジピンのAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、アムロジピン過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であると報告されている。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
因果関係は明らかでないが、アムロジピンによる治療中に心筋梗塞や不整脈(心室性頻拍を含む)がみられたとの報告がある。
使用上の注意その他
本剤は、アムロジピンとアトルバスタチンの配合剤であるため、以下の【使用上の注意】は、各々の成分の【使用上の注意】及び、本剤あるいは各成分併用投与の試験成績より記載している。
生物学的同等性試験2)
アマルエット配合錠1番「ケミファ」
アマルエット配合錠1番「ケミファ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、アマルエット配合錠3番「ケミファ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
アマルエット配合錠2番「ケミファ」
アマルエット配合錠2番「ケミファ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、アマルエット配合錠4番「ケミファ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
アマルエット配合錠3番「ケミファ」
アマルエット配合錠3番「ケミファ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アムロジピン5mg及びアトルバスタチン5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された(表1、図1、図2)。
表1 薬物動態パラメータ
判定パラメータ | 参考パラメータ | ||||
AUC0→72(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) | ||
アムロジピン | アマルエット配合錠3番「ケミファ」 | 87.63±23.44 | 2.4630±0.5333 | 6.73±0.98 | 38.88±8.49 |
標準製剤(配合錠) | 89.97±25.66 | 2.5089±0.6174 | 6.53±1.04 | 38.10±7.45 | |
アトルバスタチン | アマルエット配合錠3番「ケミファ」 | 13.33±4.97 | 1.7466±0.8162 | 0.80±0.48 | 12.04±2.93 |
標準製剤(配合錠) | 13.57±4.57 | 1.6898±0.6612 | 0.91±0.89 | 12.00±3.62 |
図1 アムロジピンの血漿中濃度推移
図2 アトルバスタチンの血漿中濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
アマルエット配合錠4番「ケミファ」
アマルエット配合錠4番「ケミファ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アムロジピン5mg及びアトルバスタチン10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された(表2、図3、図4)。
表2 薬物動態パラメータ
判定パラメータ | 参考パラメータ | ||||
AUC0→72(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) | ||
アムロジピン | アマルエット配合錠4番「ケミファ」 | 89.23±15.07 | 2.6067±0.3284 | 6.33±1.37 | 43.00±11.56 |
標準製剤(配合錠) | 94.64±17.30 | 2.7455±0.4570 | 6.27±1.34 | 41.13±8.07 | |
アトルバスタチン | アマルエット配合錠4番「ケミファ」 | 26.84±7.74 | 4.1982±1.4189 | 1.14±0.69 | 10.77±2.32 |
標準製剤(配合錠) | 28.19±11.99 | 4.3683±2.0086 | 1.13±0.88 | 10.78±2.41 |
図3 アムロジピンの血漿中濃度推移
図4 アトルバスタチンの血漿中濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
アムロジピン3)
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬としての作用を示すが、作用の発現が緩徐で持続的であるという特徴を有する。ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬は膜電位依存性L型カルシウムチャネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させることにより、冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。
アトルバスタチン4)
コレステロール生合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を選択的に阻害することによってコレステロールの生合成を抑制する。
安定性試験5)
PTP包装(PTPシートをアルミピロー包装したもの)を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、2年)の結果、アマルエット配合錠1番「ケミファ」、アマルエット配合錠2番「ケミファ」、アマルエット配合錠3番「ケミファ」及びアマルエット配合錠4番「ケミファ」は、通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。
アマルエット配合錠1番「ケミファ」
100錠(10錠×10)
アマルエット配合錠2番「ケミファ」
100錠(10錠×10)
アマルエット配合錠3番「ケミファ」
100錠(10錠×10)
アマルエット配合錠4番「ケミファ」
100錠(10錠×10)
1. | Naito,T.et al., J.Hum.Lact., 31 (2), 301, (2015) »PubMed »DOI |
2. | 日本ケミファ株式会社:生物学的同等性に関する資料(社内資料) |
3. | 第十七改正日本薬局方解説書, C-288, (2016) 廣川書店,東京 |
4. | 第十七改正日本薬局方解説書, C-173, (2016) 廣川書店,東京 |
5. | 日本ケミファ株式会社:安定性に関する資料(社内資料) |
改訂履歴 |
2018年10月 改訂 |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/1/20 版 |