2.1 本剤の成分又はジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 肝代謝能が低下していると考えられる以下のような患者
2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦[
9.5、
9.6参照]
2.4 グレカプレビル・ピブレンタスビルを投与中の患者[
10.1参照]
本剤(アムロジピン・アトルバスタチン配合剤)は、アムロジピン及びアトルバスタチンによる治療が適切である以下の患者に使用する。
なお、アムロジピンとアトルバスタチンの効能・効果は以下のとおりである。
<アムロジピン>
<アトルバスタチン>
5.1 原則として、アムロジピン及びアトルバスタチンを併用、あるいはいずれか一方を使用している場合に、本剤の使用を検討すること。なお、両有効成分のいずれか一方を服用している患者に本剤を使用する場合は、患者の状態を十分に考慮した上で、各単剤の併用よりも本剤の投与が適切であるか慎重に判断すること。
5.2 アムロジピンは効果発現が緩徐であるため、本剤は緊急な治療を要する不安定狭心症には効果が期待できない。
5.3 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
5.4 家族性高コレステロール血症ホモ接合体については、LDL-アフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。
本剤(アムロジピン・アトルバスタチン配合剤)は、1日1回経口投与する。なお、以下のアムロジピンとアトルバスタチンの用法・用量に基づき、患者毎に用量を決めること。
・アムロジピン
<高血圧症>
通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
<狭心症>
通常、成人にはアムロジピンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減する。
・アトルバスタチン
<高コレステロール血症>
通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日20mgまで増量できる。
<家族性高コレステロール血症>
通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日40mgまで増量できる。
本剤(アムロジピン・アトルバスタチン配合剤)は次の4製剤がある。
1番:アムロジピン2.5mg/アトルバスタチン5mg
2番:アムロジピン2.5mg/アトルバスタチン10mg
3番:アムロジピン5mg/アトルバスタチン5mg
4番:アムロジピン5mg/アトルバスタチン10mg
上記配合用量以外の用量を投与する場合は、個別のアムロジピン製剤又はアトルバスタチン製剤を用いることができるが、それぞれの成分の用法・用量の範囲内で投与すること。
8.1 本剤は、アムロジピン2.5mgあるいは5mgとアトルバスタチン5mgあるいは10mgとの配合剤であり、アムロジピンとアトルバスタチン双方の副作用が発現するおそれがあることに留意すること。[
11.参照]
8.2 アムロジピンの降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.3 アムロジピンは血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
8.4 あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や高血圧、喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
8.5 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
8.6 アトルバスタチン投与により劇症肝炎等の肝炎があらわれることがあるので、悪心・嘔吐、倦怠感等の症状があらわれた場合には本剤を中止し、医師等に連絡するよう患者に指導すること。投与中は投与開始又は増量時より12週までの間に1回以上、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行うこと。[
11.1.7参照]
8.7 アトルバスタチン投与により無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど十分な観察を行うこと。[
11.1.9参照]
8.8 アトルバスタチン投与により高血糖、糖尿病があらわれることがあるので、口渇、頻尿、全身倦怠感等の症状の発現に注意するとともに、定期的に検査を行うなど十分な観察を行うこと。[
11.1.11参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 過度に血圧の低い患者
アムロジピン投与により、さらに血圧が低下するおそれがある。
9.1.2 糖尿病の患者
アトルバスタチン投与により、糖尿病を悪化させることがある。
9.1.3 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある以下の患者
・甲状腺機能低下症の患者
・遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者
・薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
・アルコール中毒の患者
9.1.4 重症筋無力症又はその既往歴のある患者
アトルバスタチン投与により重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある。[
11.1.13参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
アムロジピンによる降圧に伴い腎機能が低下することがある。
9.2.2 腎障害又はその既往歴のある患者
アトルバスタチン投与による横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。[
11.1.5参照]
9.2.3 腎機能検査値異常のある患者
本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。アトルバスタチンとフィブラート系薬剤を併用すると、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。[
10.2、
11.1.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝代謝能が低下していると考えられる以下のような患者
急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸
投与しないこと。アトルバスタチンの血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、アトルバスタチンは主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。[
2.2、
16.6.2参照]
9.3.2 肝機能障害患者
増量時には慎重に投与すること。アムロジピン高用量(10mg)において副作用の発現率が高まる可能性がある。本剤は主に肝で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。[
16.6.2参照]
9.3.3 肝障害又はその既往歴のある患者(9.3.1に該当する患者を除く)
アトルバスタチンは主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。[
16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。アムロジピンの動物実験において、妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている
1)。アトルバスタチンの動物実験において、出生児数の減少及び生存、発育に対する影響が認められ、胎児にも生存率低下と発育抑制が認められている。また、ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3カ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。[
2.3参照]
9.6 授乳婦
投与しないこと。アムロジピンはヒト母乳中に移行することが報告されている
2)。アトルバスタチンの動物実験(ラット)において、乳汁中へ移行することが報告されている。[
2.3参照]
9.7 小児等
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下しており、アムロジピン及びアトルバスタチンの血中濃度が増加することがある
3)。
アムロジピンは低用量(2.5mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。
副作用が発現した場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。高齢者では、アトルバスタチン投与により横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。[
11.1.5、
16.6.3参照]
相互作用序文
アトルバスタチンは、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。また、P-糖蛋白質(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP)、有機アニオントランスポーター(OATP)1B1/1B3の基質である。アムロジピンの代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
薬物代謝酵素用語
P-糖蛋白質(P-gp)
薬物代謝酵素用語
乳癌耐性蛋白(BCRP)
薬物代謝酵素用語
有機アニオントランスポーター(OATP)1B1
薬物代謝酵素用語
有機アニオントランスポーター(OATP)1B3
10.1 併用禁忌
<アトルバスタチン>
グレカプレビル・ピブレンタスビル (マヴィレット) [2.4参照] | グレカプレビル・ピブレンタスビル(400mg・120mg)との併用により、アトルバスタチンのAUCが8.28倍、Cmaxが22.0倍に上昇したとの報告がある。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 機序:グレカプレビルのOATP1B1/1B3及びBCRP阻害、ピブレンタスビルのOATP1B1及びBCRP阻害に基づく作用によるものと考えられている。 |
10.2 併用注意
<アムロジピン>
降圧作用を有する薬剤 | 降圧作用が増強されるおそれがある。 | 相互に作用を増強するおそれがある。 |
CYP3A4阻害剤 エリスロマイシン ジルチアゼム リトナビル ニルマトレルビル・リトナビル イトラコナゾール等 | エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 | アムロジピンの代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。 |
CYP3A4誘導剤 リファンピシン等 | アムロジピンの血中濃度が低下するおそれがある。 | アムロジピンの代謝が促進される可能性が考えられる。 |
グレープフルーツジュース | アムロジピンの降圧作用が増強されるおそれがある。 | グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる。 |
タクロリムス | 併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 | アムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。 |
13.1 症状
アムロジピンの過量投与において、過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。
13.2 処置
特異的な解毒薬はない。アムロジピンは蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。
また、アムロジピン服用直後に活性炭を投与した場合、アムロジピンのAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、アムロジピン過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であると報告されている
4)。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
因果関係は明らかでないが、アムロジピンによる治療中に心筋梗塞や不整脈(心室性頻拍を含む)がみられたとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 アムロジピン・アトルバスタチン配合剤の成績
(1)健康成人16例ずつにアムロジピン・アトルバスタチン配合剤(アムロジピン2.5mg/アトルバスタチン5mg又はアムロジピン5mg/アトルバスタチン10mg;以下、配合剤)をそれぞれ空腹時に単回投与したときのアムロジピン、アトルバスタチン未変化体及び主代謝物であるアミド結合位置のベンゼン環の2位の水酸化体(M-2)の血漿中薬物動態パラメータを表に示した。アムロジピン及びアトルバスタチンのCmax及びAUCは投与量に応じて増加し、両薬剤のTmax及びアムロジピンのT
1/2は投与量に依存せず同様の値を示した。健康成人16例に配合剤(アムロジピン5mg/アトルバスタチン10mg)を空腹時及び食後に単回投与した結果、アムロジピンの薬物動態に食事による大きな影響は認められず、アトルバスタチンのCmaxは食事により低下するもののAUCは影響を受けなかった。なお、日本人と外国人において配合剤投与時のアムロジピン及びアトルバスタチンの薬物動態を比較した結果、両薬剤の薬物動態に民族差は認められなかった。
5)
健康成人における配合剤単回投与時の薬物動態パラメータ
配合剤投与量 | 薬物名 | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | AUC0-Tlast(ng・h/mL) | T1/2(h) |
2.5mg/5mg (N=16) | アムロジピン | 1.46±0.347 | 6.3±1.2 | 55.4±19.9 | 43.5±10.6 |
アトルバスタチン | 1.42±0.708 | 1.0±1.4 | 9.51±4.77 | NC |
M-2 | 0.568±0.295 | 5.5±3.1 | 9.11±4.67 | NC |
5mg/10mg (N=16) | アムロジピン | 3.15±0.545 | 6.6±1.0 | 125±31.8 | 43.2±6.6 |
アトルバスタチン | 3.61±1.54 | 1.0±0.7 | 21.4±8.73 | 11.0±3.6a) |
M-2 | 1.57±0.943 | 2.6±2.8 | 21.4±10.7 | NC |
(2)生物学的同等性
健康成人(4試験の合計170例)にアムロジピン・アトルバスタチン配合剤(アムロジピン/アトルバスタチンとして2.5mg/5mg、2.5mg/10mg、5mg/5mg又は5mg/10mgを含有;以下、配合剤)1錠と、アムロジピン錠(配合剤と同量のアムロジピンを含有)及びアトルバスタチン錠(配合剤と同量のアトルバスタチンを含有)各1錠を空腹時に単回投与した結果、配合剤投与とアムロジピン錠及びアトルバスタチン錠の併用投与は生物学的に同等であった。配合剤投与時のアムロジピン及びアトルバスタチンの薬物動態パラメータを表に示した(外国人データを含む)。
6)7)8)9)
生物学的同等性試験における配合剤単回投与時の薬物動態パラメータ
配合剤投与量 | アムロジピン | アトルバスタチン |
Cmax(ng/mL) | AUCt(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | AUCt(ng・h/mL) |
2.5mg/5mg (N=36) | 1.26 | 50.5 | 1.40 | 11.5 |
2.5mg/10mg (N=40) | 1.18 | 50.4 | 3.31 | 24.9 |
5mg/5mg (N=39) | 3.32 | 125 | 1.34 | 8.84 |
5mg/10mg (N=55) | 2.84 | 124 | 3.18 | 21.3 |
16.1.2 アムロジピンとアトルバスタチン併用投与での成績
(1)単回投与
健康成人25例にアムロジピン10mg及びアトルバスタチン80mg
注)の併用と、各製剤を単独で単回投与した結果、アムロジピンの薬物動態に対するアトルバスタチン併用投与の影響は認められなかった。アトルバスタチンのAUC
0-∞はアムロジピン併用投与時に18%増加したが、Cmaxに対する影響は認められなかった(外国人データ)。
10)
(2)反復投与
健康成人16例にアムロジピン10mg及びアトルバスタチン80mg
注)の併用と、アトルバスタチン80mgを単独で1日1回8日間反復投与した結果、アトルバスタチンのCmaxに対するアムロジピン併用投与の影響は認められず、AUC
0-lastは16%増加したが有意差は認められなかった(外国人データ)。
11)
注)アトルバスタチンの国内承認用量は、高コレステロール血症では1日20mgまで、家族性高コレステロール血症では1日40mgまでである。
16.1.3 アムロジピン単独投与での成績
健康成人6例にアムロジピン2.5mgを1日1回14日間反復投与した場合の血清中濃度は投与開始6日目以降に定常状態に達した。最終投与日(14日目)のCmax及びAUC
0-24hはそれぞれ3.5ng/mL及び61.8ng・h/mLであり、初回投与時(1.4ng/mL及び19.3ng・h/mL)の約3倍であった。投与中止後、血清中濃度は漸減し、投与中止5日目には0.24ng/mLとなった。
12)
16.1.4 アトルバスタチン単独投与での成績
健康成人6例にアトルバスタチン10mg及び20mgを1日1回朝食後、7日間反復投与した結果、血漿中薬物濃度は投与開始後4日目までに定常状態に到達した。また、1日目と7日目の血漿中薬物濃度を比較すると、20mg投与群で上昇しているものの有意な差ではなく、蓄積性は認められなかった。
13)
16.1.5 生物学的同等性試験
<アマルエット配合錠2番「トーワ」>
アマルエット配合錠2番「トーワ」とカデュエット配合錠2番を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アムロジピンとして2.5mg及びアトルバスタチンとして10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った。その結果、アムロジピンにおいては、AUC及びCmaxについて対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)〜log(1.25)の範囲内であった。また、アトルバスタチンにおいて、AUCについては対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、Cmaxについては対数値の平均値の差がlog(0.90)〜log(1.11)で、かつ、溶出試験で規定するすべての条件で溶出挙動が類似していた。これより両剤の生物学的同等性が確認された。
14)(1)アムロジピン
薬物動態パラメータ
| 判定パラメータ | 参考パラメータ |
AUC0-72h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) |
アマルエット配合錠2番「トーワ」 | 58.47±14.76 | 1.623±0.394 | 7.8±1.7 | 41.39±10.15 |
カデュエット配合錠2番 | 61.60±16.12 | 1.682±0.416 | 7.8±1.2 | 41.10±8.35 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)アトルバスタチン
薬物動態パラメータ
| 判定パラメータ | 参考パラメータ |
AUC0-36h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) |
アマルエット配合錠2番「トーワ」 | 37.70±13.53 | 5.627±2.822 | 1.00±1.12 | 9.79±1.55 |
カデュエット配合錠2番 | 37.27±11.38 | 4.821±1.997 | 1.38±1.24 | 10.05±1.84 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<アマルエット配合錠3番「トーワ」>
アマルエット配合錠3番「トーワ」とカデュエット配合錠3番を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アムロジピンとして5mg及びアトルバスタチンとして5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った。その結果、アムロジピン及びアトルバスタチンともに、AUC及びCmaxについて対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)〜log(1.25)の範囲内であった。これより両剤の生物学的同等性が確認された。
14)(1)アムロジピン
薬物動態パラメータ
| 判定パラメータ | 参考パラメータ |
AUC0-72h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) |
アマルエット配合錠3番「トーワ」 | 120.2±33.0 | 3.324±0.789 | 7.4±1.4 | 43.41±10.84 |
カデュエット配合錠3番 | 117.7±30.7 | 3.251±0.738 | 7.4±1.6 | 40.33±9.26 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)アトルバスタチン
薬物動態パラメータ
| 判定パラメータ | 参考パラメータ |
AUC0-36h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) |
アマルエット配合錠3番「トーワ」 | 16.37±4.91 | 1.932±0.557 | 1.33±1.54 | 9.83±2.61 |
カデュエット配合錠3番 | 16.27±5.62 | 2.040±0.957 | 0.74±0.37 | 9.72±2.81 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
<アマルエット配合錠4番「トーワ」>
アマルエット配合錠4番「トーワ」とカデュエット配合錠4番を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アムロジピンとして5mg及びアトルバスタチンとして10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った。その結果、アムロジピンにおいては、AUC及びCmaxについて対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)〜log(1.25)の範囲内であった。また、アトルバスタチンにおいて、AUCについては対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、Cmaxについては対数値の平均値の差がlog(0.90)〜log(1.11)で、かつ、溶出試験で規定するすべての条件で溶出挙動が類似していた。これより両剤の生物学的同等性が確認された。
14)(1)アムロジピン
薬物動態パラメータ
| 判定パラメータ | 参考パラメータ |
AUC0-72h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) |
アマルエット配合錠4番「トーワ」 | 108.0±37.1 | 3.140±1.010 | 6.7±1.4 | 40.70±8.59 |
カデュエット配合錠4番 | 109.9±33.2 | 3.158±0.961 | 7.0±1.0 | 40.95±10.93 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)アトルバスタチン
薬物動態パラメータ
| 判定パラメータ | 参考パラメータ |
AUC0-36h(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(h) | T1/2(h) |
アマルエット配合錠4番「トーワ」 | 29.34±12.09 | 4.126±1.569 | 1.08±0.61 | 8.67±1.39 |
カデュエット配合錠4番 | 31.83±14.87 | 4.622±2.801 | 1.34±1.33 | 8.72±1.54 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 アムロジピン単独投与での成績
アムロジピンのヒト血漿蛋白との結合率は97.1%(
in vitro、平衡透析法)であった。
15)
16.3.2 アトルバスタチン単独投与での成績
ヒト血漿を用いた
in vitroの実験で、アトルバスタチンの血漿蛋白結合率は95.6〜99.0%以上を示した。
16)
16.4 代謝
健康成人6例にアトルバスタチン10mg及び40mgを単回投与したとき、血漿中にアミド結合位置のベンゼン環の4位の水酸化体(M-1)及び2位の水酸化体(M-2)の2種類が確認されているが、血漿中主活性代謝物はM-2であった。
17)アトルバスタチンの主要代謝臓器は肝臓であり、M-1及びM-2はCYP3A4によって生成することが明らかにされている。
18)
16.5 排泄
16.5.1 アムロジピン単独投与での成績
アムロジピン2.5mg又は5mgを健康成人6例に単回経口投与した場合の投与後6日目までの尿中累積排泄率は、いずれの用量においても約8%であった。またアムロジピン2.5mgを1日1回14日間反復投与した場合の尿中排泄率は投与開始6日目でほぼ定常状態に達し、6日目以降の1日当たりの未変化体の尿中排泄率は6.3〜7.4%であった。
12)健康成人2例に
14C-標識アムロジピン15mgを単回経口投与した場合、投与12日目までに投与放射能の59.3%は尿中、23.4%は糞中に排泄され、尿中放射能の9%は未変化体であり、その他に9種の代謝物が認められた(外国人データ)。
19)なお、これら代謝物にはアムロジピンをしのぐ薬理作用は認められていない。
19)
16.5.2 アトルバスタチン単独投与での成績
健康成人に
14C-アトルバスタチンを投与したとき、放射能の尿中排泄率は極めて低く(<2%)、糞中に未変化体、M-1及びM-2がそれぞれ糞中放射能の8.3%、11.7%及び18.2%排泄された。更に、
14C-アトルバスタチンを用いたヒト胆汁中排泄試験では、投与された放射能の43.7〜70.2%が胆汁中に排泄され、未変化体のほかにM-1、M-2及びM-2のグルクロン酸抱合体が同定された。
20)21)22)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者8例及び腎機能障害者11例にアトルバスタチン10mgを1日1回14日間反復投与したとき、腎機能障害は、アトルバスタチンの薬効及び体内動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
23)
16.6.2 肝機能障害患者
(1)アムロジピン単独投与での成績
肝硬変患者(Child分類A,B)5例にアムロジピン2.5mgを単回投与した結果、健康成人に比し、投与72時間後の血中濃度が有意に上昇し、T
1/2、AUC
0-∞はやや高値を示したが有意差は認められなかった。
24)[
9.3.2参照]
(2)アトルバスタチン単独投与での成績
健康成人及び肝硬変患者8例ずつにアトルバスタチン10mgを1日1回14日間反復投与したとき、肝硬変患者では健康成人に比べてChild-Pugh A患者及びChild-Pugh B患者において、Cmaxではそれぞれ5.5倍及び14.4倍、AUC
0-24hではそれぞれ4.4倍及び9.8倍の増加、Tmaxではいずれも1/2の短縮が認められたがT
1/2はほとんど変化しなかった。また、血清脂質に対する作用には差がなかった(外国人データ)。
25)[
2.2、
9.3.1、
9.3.3参照]
16.6.3 高齢者
(1)アムロジピン単独投与での成績
高齢高血圧患者6例(平均年齢79.7歳)にアムロジピン5mgを単回、及び8日間反復投与した結果、若年健康者(平均22.3歳)に比し、Cmax、AUC
0-48hは有意に高値を示したが、T
1/2に有意差は認められなかった。
3)[
9.8参照]
(2)アトルバスタチン単独投与での成績
健康高齢者(66〜73歳)6例及び若年者(20〜22歳)6例に、アトルバスタチン10mgを空腹時に単回投与した結果、高齢者は若年者に比べてCmax及びAUC
0-∞は約2倍に増加したが、Tmax及びT
1/2に差は認められなかった。
26)[
9.8参照]
16.8 その他
<アマルエット配合錠1番「トーワ」>
アマルエット配合錠1番「トーワ」は、アマルエット配合錠4番「トーワ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。
14)
<アマルエット配合錠1番「トーワ」>
100錠[10錠×10:PTP、乾燥機能付き脱酸素剤入り]
<アマルエット配合錠2番「トーワ」>
100錠[10錠×10:PTP、乾燥機能付き脱酸素剤入り]
<アマルエット配合錠3番「トーワ」>
100錠[10錠×10:PTP、乾燥機能付き脱酸素剤入り]
<アマルエット配合錠4番「トーワ」>
100錠[10錠×10:PTP、乾燥機能付き脱酸素剤入り]