本剤投与により肝機能障害又は自己免疫性肝炎が発現することがあるため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお、投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。肝機能検査値の異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとること。
[7.1、7.2、8.1、9.3.1、9.3.2、11.1.1、11.1.2参照]
2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[
9.4、
9.5参照]
2.2 中等度あるいは重度の肝障害のある患者[
9.3.1参照]
2.5 本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
5.1 特発性又は遺伝性肺動脈性肺高血圧症及び結合組織病に伴う肺動脈性肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症における有効性・安全性は確立していない。
5.2 本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。
通常、成人には、投与開始から4週間は、ボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。投与5週目から、ボセンタンとして1回125mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。
なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日250mgまでとする。
7.1 本剤投与中に、AST又はALT値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を以下の基準を参考に行うこと。[1.、7.2、8.1、9.3.1、9.3.2、11.1.1、11.1.2参照]
| AST/ALT値 | 投与法と肝機能検査の実施時期 |
| >3及び≦5×ULN | 減量又は投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、適宜投与を継続又は再開注)する。 |
| >5及び≦8×ULN | 投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、投与の再開注)を考慮する。 |
| >8×ULN | 投与を中止し再投与してはならない。 |
7.2 AST、ALT値の上昇が肝障害又は自己免疫性肝炎の臨床症状、例えば、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛、黄疸、嗜眠又は疲労、インフルエンザ様症状(関節痛、筋痛、発熱)などを伴う場合、又はビリルビン値が基準値上限の2倍以上の場合は投与を中止すること。[1.、7.1、8.1、9.3.1、9.3.2、11.1.1、11.1.2参照]
7.3 体重40kg未満の患者では忍容性を考慮し、投与5週目以降もボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与することを考慮するなど、増量は慎重に検討すること。
7.4 本剤とボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)は生物学的に同等ではなく、ボセンタン水和物分散錠は本剤と比較してバイオアベイラビリティが低いため、互換使用を行わないこと(ボセンタン水和物分散錠64mgの本剤62.5mgに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ0.82及び0.87)。[
16.1.1参照]
7.5 本剤からボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)への切り替えやボセンタン水和物分散錠から本剤への切り替えを行う場合、曝露量が変動することがあるため、切り替え後は患者の状態に留意し、十分な観察を行うこと。
8.1 肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。[1.、7.1、7.2、9.3.1、9.3.2、11.1.1、11.1.2参照]
8.3 ヘモグロビン減少、血小板減少等が起こる可能性があるので、投与開始時及び投与開始後4ヵ月間は毎月、その後は3ヵ月に1回の頻度で血液検査を行うこと。[
11.1.3参照]
8.4 本剤の投与により肺水腫の徴候が見られた時は、肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮すること。
8.5 本剤の投与を少なくとも8週間(目標投与量に達してから最低4週間投与)行ったにも拘らず、臨床症状の悪化がみられた場合には、他の治療法を検討すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低血圧の患者
9.1.2 ワルファリンを投与中の患者
本剤投与開始時、増量・減量時及び中止時には必ずINR値の確認を行い、ワルファリン投与量の調節を行うこと。適切なINR値になるまでは2週に1回の検査が望ましい。本剤との併用によりワルファリンの効果が減弱することがある。[
8.2、
10.2、
16.7.3参照]
9.1.3 重度の左心室機能不全を合併症にもつ患者
体液貯留の徴候(例えば体重の増加)に対して経過観察を行うこと。徴候が認められた場合には、利尿剤の投与開始、又は投与中の利尿剤の増量などを考慮すること。本剤投与開始前に体液貯留が認められた患者には利尿剤の投与を検討すること。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度あるいは重度の肝障害のある患者
9.3.2 投与開始前のAST、ALT値のいずれか又は両方が基準値上限の3倍を超える患者
9.4 生殖能を有する者
避妊薬単独での避妊をさけ、本剤投与開始前及び投与期間中は、毎月妊娠検査を実施すること。[
2.1、
9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
動物実験で催奇形性が報告されている。[
2.1、
9.4参照]
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒトにおいて本剤が乳汁中に移行するとの報告がある。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児、新生児又は乳児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 小児等へボセンタンを投与する場合には、ボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)の電子添文を参照すること。
9.8 高齢者
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な肝機能障害(1.3%)
11.1.2 自己免疫性肝炎(頻度不明)
本剤の投与開始数ヵ月から数年後にあらわれることがある。[1.、
7.1、
7.2、
8.1参照]
11.1.3 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン減少)があらわれることがある。[
8.3参照]
11.1.4 心不全、うっ血性心不全(頻度不明)
心不全が増悪することがあるので、投与中は観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)が増悪あるいは発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 10%以上 | 10%未満 | 頻度不明 |
| 神経系障害 | 頭痛 | 体位性めまい | 浮動性めまい |
| 心臓障害 | | 動悸 | |
| 血管障害 | | ほてり、潮紅、血圧低下 | |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | | | 呼吸困難 |
| 胃腸障害 | | | 悪心、嘔吐、下痢 |
| 肝胆道系障害 | 肝機能異常 | | |
| 皮膚及び皮下組織障害 | | | 皮膚炎、そう痒症、発疹 |
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 筋痛 | 背部痛 | |
| 全身障害及び投与局所様態 | 倦怠感 | 下肢浮腫、疲労 | 発熱、浮腫 |
| 臨床検査 | AST上昇、ALT上昇、γ-GT(GTP)上昇、白血球数減少、ヘモグロビン減少 | ALP上昇、赤血球数減少、好酸球数増加、ヘマトクリット減少 | 血小板数減少、ビリルビン上昇 |
| 代謝及び栄養障害 | | | 体液貯留 |
13.1 症状
外国において、健康男性にボセンタン2400mgを単回経口投与した時、主な有害事象は、軽度から中等度の頭痛であった。市販後において、ボセンタン10000mgを投与された1例の男性患者では、悪心、嘔吐、低血圧、浮動性めまい、発汗、霧視が発現したが、24時間の血圧管理の下、回復した。
13.2 処置
ボセンタンは血漿タンパクとの親和性が高く、透析により除去できないと考えられる。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
海外において、本剤の投与により肝硬変及び肝不全があらわれたとの報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
エンドセリン受容体拮抗薬の一部において、10週以上の投与により雄ラットで輸精管の萎縮、精子数減少、受胎率低下が認められた。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人10例にボセンタンとして62.5mg又は125mgを食後単回経口投与した時、血漿中ボセンタン濃度は、すみやかに上昇し、投与後3-4時間でCmaxに達した。薬物動態パラメータは下表のとおりである
1)2)。
健康成人10例にボセンタンを62.5mg又は125mg単回投与時の薬物動態パラメータ
| | Cmax(ng/mL) | AUC0-∞(ng・h/mL) | t1/2(h) |
| 62.5mg(n=10) | 772(619,964) | 3721(3182,4351) | 4.3(3.7,5.0) |
| 125mg(n=10) | 1922(1364,2710) | 7996(6695,9550) | 3.6(3.0,4.3) |
健康成人16例にボセンタン水和物錠(ボセンタンとして62.5mg)又はボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)64mg(32mg錠を2錠)を空腹時に単回経口投与した時の薬物動態パラメータは以下のとおりである。また、ボセンタン水和物分散錠の薬物動態パラメータのボセンタン水和物錠に対する幾何平均比は、Cmaxでは0.82(90%信頼区間:0.65〜1.04)、AUC
0-∞では0.87(90%信頼区間:0.78〜0.97)であり、生物学的同等性の基準範囲(90%信頼区間:0.8〜1.25)から外れていた
3)(外国人データ)。[
7.4参照]
健康成人にボセンタン水和物錠又はボセンタン水和物分散錠を単回投与した時の薬物動態パラメータ
| | n | Cmax(ng/mL) | AUC0-∞(ng・h/mL) | tmax(h) | t1/2(h) |
| 62.5mg(錠) | 16 | 592(453,774) | 3494(2809,4345) | 4.0(2.0-5.0) | 8.3(6.5,10.4) |
| 64mg(分散錠) | 16 | 496(395,623) | 3118(2524,3852) | 4.0(3.0-5.0) | 9.3(7.4,11.5) |
16.1.2 反復投与
健康成人12例にボセンタンとして125mgを1日2回7.5日間経口投与した時、血漿中ボセンタン濃度は、投与後3.0時間(中央値、最小値-最大値:1.0-4.0)でCmax 1212ng/mL(95%信頼区間:940-1564)に達した。また、AUC
0-12は4640ng・h/mL(95%信頼区間:3641-5914)、血漿中濃度半減期は5.6時間(95%信頼区間:4.6-6.9)であった。反復投与においては、投与開始初期に酵素誘導が誘発され、ボセンタンのトラフ濃度は減少するが、投与開始3日目に定常状態に達した
4)5)。
WHO機能分類クラスII又はIIIの肺動脈性肺高血圧症患者6例にボセンタン1回125mgを1日2回2週間以上反復経口投与した患者にボセンタン125mgを投与した時の薬物動態パラメータは以下のとおりである
6)。
肺動脈性肺高血圧症患者にボセンタン125mg投与時の薬物動態パラメータ
| | Cmax(ng/mL) | AUC0-12(ng・h/mL) | tmax(h) | t1/2(h) |
| 125mg(n=6) | 1748(1287,2374) | 6996(6193,7904) | 4.0(2.5-4.0) | 5.0(3.4,7.2) |
WHO機能分類クラスIII又はIVの肺動脈性肺高血圧症患者13例にボセンタンとして62.5mg 1日2回を4週間経口反復投与後、引き続き125mg 1日2回に増量して4週間経口反復投与後のボセンタンの薬物動態パラメータは下表のとおりである
7)(外国人データ)。
肺動脈性肺高血圧症患者にボセンタンを62.5mg又は125mg1日2回反復投与時の薬物動態パラメータ
| | Cmax(ng/mL) | AUC0-12(ng・h/mL) | tmax(h) |
| 62.5mg(n=12) | 1187(814,1560) | 6232(4582,7881) | 3.0(1.0-4.0) |
| 125mg(n=11) | 2286(1234,3337) | 8912(6296,11531) | 2.3(1.0-6.0) |
16.1.3 生物学的同等性試験
ボセンタン錠62.5mg「モチダ」とトラクリア錠62.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ボセンタンとして62.5mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された
8)。
薬物動態パラメータ
| | 判定パラメータ | 参考パラメータ |
| AUC0-24(ng・h/mL) | Cmax(ng/mL) | tmax(h) | t1/2(h) |
| ボセンタン錠62.5mg「モチダ」 | 6730±2200 | 1630±591 | 3.7±0.7 | 3.63±0.95 |
| トラクリア錠62.5mg | 6770±2150 | 1650±607 | 3.5±0.7 | 3.67±0.93 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人16例を対象にクロスオーバー法により、ボセンタンとして125mgを空腹時又は食後に単回経口投与した時、空腹時に比べ食後投与時のAUC
0-∞、Cmaxはそれぞれ10%、22%上昇したが、臨床的影響はないと考えられた
9)(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ボセンタンの平衡透析法による
in vitroにおける血漿蛋白との結合率(n=28)は、0.211〜21.94μg/mLの濃度範囲で約98%であった
10)。
16.4 代謝
ボセンタンは主に肝臓で代謝され、その代謝物のほとんどが胆汁(糞)中に代謝物の形で排泄された。ヒト肝細胞を用いた
in vitro試験において、CYP2C9及びCYP3A4によって代謝され、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4に対し弱い阻害活性を示し、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4を誘導した
11)。[
10.参照]
16.5 排泄
健康成人4例に
14C-ボセンタン経口用懸濁液500mgを単回経口投与した時、尿及び糞中の回収率は平均97%で、投与量の90%以上が糞中に排泄され、3%が尿中への排泄であった
12)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者における体内動態
肝機能障害患者(Child-Pugh分類でA)8例にボセンタンとして125mgを単回又は反復経口投与した時の薬物動態を健康成人と比較したが、体内動態に差はみられなかった。なお、忍容性は良好であった
13)(外国人データ)。
16.6.2 腎機能障害患者における体内動態
重度腎機能障害患者(15<クレアチニンクリアランス≦30mL/min)8例にボセンタンとして125mgを単回投与した時の薬物動態を健康成人と比較した。両群ともに投与後約4時間でCmaxに達した。ボセンタンのCmaxは、健康成人に比し重度腎機能障害患者で約37%低かったが、AUC
0-∞は、類似した数値を示した。なお、忍容性は良好であった
14)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 シクロスポリン
健康成人にボセンタン500mg含有懸濁液を1日2回7.5日間反復投与し、さらにシクロスポリンを血漿中トラフ濃度が200〜250ng/mLで安定するように1日2回7.0日間併用投与した時、ボセンタン単独投与時に比較して、シクロスポリン併用での単回投与後のボセンタンのトラフ濃度は約30倍、定常状態では約3〜4倍に上昇した(各n=8)。また、シクロスポリンのAUC
0-12はシクロスポリン単独投与時(n=9)と比較してボセンタン併用時(n=8)には平均49%減少した
15)16)(外国人データ)。[
2.3、
10.1参照]
16.7.2 グリベンクラミド
健康成人12例にボセンタンとして125mgを1日2回9.5日間反復投与し、6〜10日目の4.5日間についてグリベンクラミドとして2.5mgを1日2回で併用投与した時、ボセンタンのCmax、AUC
0-12は単独投与時に比べ、それぞれ24%及び29%減少した。また、グリベンクラミドのCmax及びAUC
0-12は単独投与時に比較してそれぞれ22%及び40%有意に減少した
17)(外国人データ)。[
2.4、
10.1参照]
16.7.3 ワルファリン
健康成人12例にボセンタンとして500mg又はプラセボを1日2回10日間投与し、6日目の朝のみ、ワルファリン26mgを単回投与した時、ワルファリン単独投与時に比較して(ボセンタン併用時は)R-ワルファリンとS-ワルファリンのAUC
0-∞はそれぞれ平均38%及び29%減少した
18)(外国人データ)。また、国内臨床試験において、ワルファリン併用14例中1例にINR値の低下が認められ、ボセンタン中止時にINR値の上昇が認められた
19)。[
8.2、
9.1.2、
10.2参照]
16.7.4 ケトコナゾール
健康成人10例にボセンタンとして62.5mgを1日2回及びケトコナゾール200mg 1日1回を5.5日間併用にて反復投与した時、ボセンタンのAUC
0-12及びCmaxはボセンタン単独投与時に比較して、約2倍に増加した
20)(外国人データ)。[
10.2参照]
16.7.5 シンバスタチン
健康成人9例にボセンタンとして125mgを1日2回5.5日間とシンバスタチンとして40mgを1日1回6日間併用投与した時、シンバスタチン単独投与時に比較して、シンバスタチンとその代謝物β-ヒドロキシ酸シンバスタチンのAUC
0-12をそれぞれ34%及び46%減少させた。シンバスタチンとの併用により、ボセンタンとその代謝物の薬物動態に対する影響は見られなかった
21)(外国人データ)。[
8.2、
10.2参照]
16.7.6 リファンピシン
健康成人9例にボセンタンとして1回125mgを1日2回6.5日間及びリファンピシンとして1回600mgを1日1回6日間併用にて反復投与した。併用開始後6日目のボセンタンの平均AUCτは、単独投与時に比較して58%低下した
22)(外国人データ)。[
10.2参照]
16.7.7 経口避妊薬
健康成人19例にボセンタンとして125mgを1日2回及び経口避妊薬(1mgノルエチステロン及び35μgエチニルエストラジオール含有)をボセンタン投与後7日目に併用にて単回投与した時、経口避妊薬単独投与時に比較して、ノルエチステロンとエチニルエストラジオールのAUC
0-∞はそれぞれ14%及び31%減少した
23)(外国人データ)。[
10.2参照]
16.7.8 シルデナフィルクエン酸塩
健康成人19例にボセンタンとして1回125mgを1日2回6日間及びシルデナフィルとして最初の3日間は1回20mgを1日3回、引き続き2日間は1回80mgを1日3回、最終日は1回80mgを計6日間併用投与した。併用開始後6日目のシルデナフィルのAUCτ及びCmaxはそれぞれ63%及び55%低下し、ボセンタンのAUCτ及びCmaxは、それぞれ50%及び42%増加した
24)(外国人データ)。[
10.2参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相試験(WHO機能分類クラスIII又はIV)
WHO機能分類クラスIII又はIVの原発性肺高血圧症患者あるいは強皮症に合併する肺高血圧症患者を対象とし、運動耐容能、肺血行動態、呼吸困難指数、WHO機能分類に対する効果及び安全性を検討するためプラセボ対照無作為二重盲検比較試験を実施した(n=32)。
その結果、ボセンタン125mg 1日2回投与はプラセボに比べ、原発性肺高血圧症及び強皮症に合併する肺高血圧症患者の6分間歩行試験による歩行距離及び肺血行動態を有意に改善した。また、臨床症状の悪化、呼吸困難指数及びWHO機能分類によって評価した臨床症状についても、ボセンタンによる改善が認められた。
安全性解析対象例21例中9例(42.9%)20件に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛3例(14.3%)、呼吸困難、関節痛及び胸痛がそれぞれ2例(9.5%)であった
25)26)。
17.1.2 海外第III相試験(WHO機能分類クラスIII又はIV)
WHO機能分類クラスIII又はIVの肺動脈性肺高血圧症患者を対象とし、プラセボ対照無作為二重盲検比較試験を実施した(n=213)。本試験において、用量相関効果を探索するために125mg 1日2回の比較群に加え、高用量群(250mg 1日2回投与)を設定した。
その結果、ボセンタンの低用量及び高用量の両群とプラセボ群との比較において、有意な運動耐容能の改善及び当該疾患の臨床症状悪化の抑制が認められた。
有害事象が最低1件発現した症例は、ボセンタン群全体で94.4%、プラセボ群で92.8%であり、最も頻度の高かった有害事象は頭痛であった(ボセンタン群全体:20.8%、プラセボ群:18.8%)
27)28)。
17.1.3 海外第III相試験(WHO機能分類クラスII)
WHO機能分類クラスIIの肺動脈性肺高血圧症患者を対象とし、プラセボ対照無作為二重盲検比較試験を実施した(n=185)。その結果、ボセンタン125mg 1日2回投与はプラセボに比べ、肺血行動態の有意な改善、6分間歩行試験による歩行距離の改善及び臨床症状悪化の抑制が認められた
29)。
17.1.4 国内第III相試験(WHO機能分類クラスIII又はIV)
海外で実施した各種臨床試験及び日本人と白人を対象とした単回/反復投与試験によるボセンタンの安全性並びに体内動態の類似性をもとに、WHO機能分類クラスIII又はIVの原発性肺高血圧症15例及び膠原病を合併した肺高血圧症6例の計21例を対象とし、肺動脈性肺高血圧症に対する有効性(n=18)及び安全性(n=21)を検討した。
その結果、海外で認められた主要評価項目である肺血行動態及び6分間歩行試験において、ボセンタン125mg 1日2回投与で投与前と12週後の間に有意な改善が認められ、また、身体活動能力指数の有意な改善及びWHO機能分類の重症度の有意な改善が認められた。
安全性解析対象例21例中14例(66.7%)35件に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛8件(38.1%)、倦怠感4件(19.0%)、筋痛3件(14.3%)であった。また、21例中10例(47.6%)47件に臨床検査値異常が認められた。主な臨床検査値異常は、AST上昇及びALT上昇がそれぞれ8件(38.1%)、γ-GT(GTP)上昇が6件(28.6%)、ヘモグロビン減少及び白血球数減少がそれぞれ3件(14.3%)であった
30)31)。
17.1.5 国内第III相試験(WHO機能分類クラスII)
WHO機能分類クラスIIの日本人肺動脈性肺高血圧症患者19例を対象にボセンタン125mg 1日2回を経口投与し、有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である投与開始12週後の肺血行動態(肺血管抵抗)において投与前に比べ有意な改善が認められた
32)。