医療用医薬品 : ジャクスタピッド

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医薬品情報


総称名 ジャクスタピッド
一般名 ロミタピドメシル酸塩
欧文一般名 Lomitapide Mesilate
製剤名 ロミタピドメシル酸塩カプセル
薬効分類名 高脂血症治療剤
薬効分類番号 2189
ATCコード C10AX12
KEGG DRUG D09638 ロミタピドメシル酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG01946 脂質異常症治療薬
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む)
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2021年7月 改訂 (第3版)


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 承認条件 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ジャクスタピッドカプセル5mg Juxtapid レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン 2189020M1023 81160.4円/カプセル 劇薬 , 処方箋医薬品
ジャクスタピッドカプセル10mg Juxtapid レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン 2189020M2020 92815.6円/カプセル 劇薬 , 処方箋医薬品
ジャクスタピッドカプセル20mg Juxtapid レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン 2189020M3026 105660.9円/カプセル 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

本剤投与により、肝機能障害が発現するため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても投与開始から1年間は、増量前もしくは月1回のいずれか早い時期に肝機能検査(少なくともAST(GOT)とALT(GPT))を実施すること。2年目以降は少なくとも3ヵ月に1回かつ増量前には必ず検査を実施すること。肝機能検査値の異常が認められた場合にはその程度及び臨床症状に応じて、減量又は投与中止等適切な処置をとること。[「用法・用量に関連する使用上の注意」「重要な基本的注意」の項参照]

禁忌

次の患者には投与しないこと

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

中等度又は重度の肝機能障害のある患者及び血清中トランスアミナーゼ高値が持続している患者[肝機能障害を増悪させるおそれがある。また、本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]

中程度又は強いCYP3A阻害作用を有する薬剤を投与中の患者[本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果
効能効果に関連する使用上の注意

他の経口脂質低下薬で効果不十分又は忍容性が不良な場合に本剤投与の要否を検討すること。

用法用量

通常、成人には、1日1回夕食後2時間以上あけて、ロミタピドとして5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題がなく、効果不十分な場合には2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合には、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量することができる。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤を投与中に血清トランスアミナーゼ高値を認めた場合の用量調節及び肝機能検査の実施時期は以下を参考に行うこと。

AST(GOT)又はALT(GPT)値投与法と肝機能検査の実施時期
基準値上限の3倍以上かつ5倍未満1週間以内に再検査を実施する。
高値が確認された場合は減量を行い、他の肝機能検査(アルカリホスファターゼ、総ビリルビン、プロトロンビン時間国際標準比[PT-INR]等の測定)を行う。
毎週肝機能検査を実施し、肝機能異常(ビリルビン上昇又はPT-INR延長)を認めた場合、血清トランスアミナーゼ値が基準値上限の5倍を超えた場合、又は4週間程度経過しても基準値上限の3倍を下回らない場合には休薬する。
血清トランスアミナーゼ値が基準値上限の3倍未満まで回復した後、本剤の投与を再開する場合、減量を検討するとともに肝機能検査をより頻回に実施すること。
基準値上限の5倍以上投与を中止し、他の肝機能検査(アルカリホスファターゼ、総ビリルビン、PT-INR等の測定)を行う。
血清トランスアミナーゼ値が基準値上限の3倍を下回った場合は、投与の再開を考慮する。再開する場合は、投与中止時の用量よりも低い用量で投与を開始するとともに肝機能検査をより頻回に実施すること。

血清トランスアミナーゼ値の上昇が肝機能障害の臨床症状(悪心、嘔吐、腹痛、発熱、黄疸、嗜眠、インフルエンザ様症状等)を伴う場合、もしくは基準値上限の2倍以上のビリルビン高値又は活動性肝疾患を伴う場合には、本剤の投与を中止すること。

胃腸障害の発現を抑えるために服用時期(夕食後2時間以上の間隔をあけて服用)を遵守するよう指導すること。[臨床試験において食直後に服用したときに胃腸障害の発現割合が高くなる傾向が認められている。]

軽度の肝機能障害のある患者では、1日20mgを超えて投与しないこと。[肝機能障害を増悪させるおそれがある。また、肝機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「慎重投与」、「薬物動態」の項参照)]

腎機能障害患者では増量間隔の延長や最大用量の減量を考慮し、末期腎不全患者では1日20mgを超えて投与しないこと。[腎機能障害患者では本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「慎重投与」、「薬物動態」の項参照)]

使用上の注意

慎重投与

軽度の肝機能障害のある患者[肝機能障害を増悪させるおそれがある。また、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)]

腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)]

吸収不良をきたしやすい慢性の腸又は膵疾患を有する患者[脂溶性栄養素欠乏のリスクが高まるおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]

出血傾向及びその素因のある患者[出血の危険性が増大するおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

本剤の投与に際しては、妊娠する可能性のある女性に対して以下について説明及び指導し、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認すること。[「禁忌」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

妊娠中に本剤を服用した場合に胎児に影響を及ぼすおそれがあること。

避妊薬単独での避妊を避けること。なお、本剤を服用中に嘔吐や下痢が発現した場合に経口避妊薬からのホルモン吸収が不完全になるおそれがあること。

妊娠した場合もしくは疑いがある場合には直ちに医師に連絡すること。

肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても投与開始から1年間は、増量前もしくは月1回のいずれか早い時期に肝機能検査(少なくともAST(GOT)とALT(GPT))を実施すること。2年目以降は少なくとも3ヵ月に1回かつ増量前には必ず検査を実施すること。投与中に肝機能検査値の異常が認められた場合にはその程度及び臨床症状に応じて、減量又は投与中止等適切な処置をとること。[「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]

本剤投与により肝脂肪の増加が認められ、脂肪性肝炎や肝臓の線維化に至るおそれがあることから、投与中は定期的に超音波検査や血液検査等を行うこと。

飲酒によって肝脂肪が増加し、肝機能障害を誘発又は悪化させるおそれがあるため、飲酒を控えるよう指導すること。

肝機能障害を生じるおそれのある他の薬剤と本剤を併用する場合には慎重に行い、肝機能検査をより頻回に実施することが望ましい。

本剤投与による胃腸障害を低減するため、本剤服用中は低脂肪食(脂肪由来のカロリーが摂取カロリーの20%未満)を摂取するよう指導すること。

本剤投与によって小腸における脂溶性栄養素の吸収が低下するおそれがあるため、本剤服用中は、食事に加えてビタミンE、リノール酸、αリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を毎日摂取するよう指導すること。

本剤投与によりビタミンKの吸収が低下し、出血が発現するおそれがあるため、本剤投与時には、定期的にPT-INRを測定し、出血の発現に注意すること。

相互作用

相互作用序文

本剤は、主に肝代謝酵素CYP3Aで代謝される。本剤はCYP3A、CYP2C9、P-糖タンパク質(in vitro)阻害作用を有する。

薬物代謝酵素用語

CYP3A

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

薬物代謝酵素用語

P-糖タンパク質

併用禁忌

強いCYP3A阻害剤
クラリスロマイシン(クラリス)
インジナビル(クリキシバン)
イトラコナゾール(イトリゾール)
ネルフィナビル(ビラセプト)
サキナビル(インビラーゼ)
テラプレビル(テラビック)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)
コビシスタット含有製剤(スタリビルド)
本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。
中程度のCYP3A阻害剤
アプレピタント(イメンド)
アタザナビル(レイアタッツ)
シプロフロキサシン(シプロキサン)
クリゾチニブ(ザーコリ)
ジルチアゼム(ヘルベッサー)
エリスロマイシン(エリスロシン)
フルコナゾール(ジフルカン)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
イマチニブ(グリベック)
ベラパミル(ワソラン)
イストラデフィリン(ノウリアスト)
ミコナゾール(ゲル剤・注射剤)(フロリードゲル経口用、フロリードF注)
トフィソパム(グランダキシン)
本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。

併用注意

弱いCYP3A阻害剤
アトルバスタチン、シメチジン、シロスタゾール、経口避妊薬等
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量した上で、患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。(「薬物動態」の項参照)これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される。
CYP3A誘導剤
リファンピシン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、モダフィニル等
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。(「薬物動態」の項参照)これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が促進される。
CYP3Aの基質となる薬剤
シンバスタチン、トリアゾラム、ロスバスタチン等
CYP3Aの基質の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤と併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の減量を考慮すること。(「薬物動態」の項参照)本剤がCYP3Aを阻害することにより、CYP3Aの基質の代謝が阻害される。
ワルファリンワルファリンの血中濃度が上昇し、PT-INRが上昇するおそれがある。ワルファリンを服用している患者ではPT-INRを定期的に測定し、特に本剤の用量を変更した場合は必ずPT-INRを測定すること。PT-INRに応じてワルファリンの用量を調節すること。(「薬物動態」の項参照)本剤がCYP2C9を阻害することにより、ワルファリンの代謝が阻害される。
P-糖タンパク質の基質となる薬剤
コルヒチン、ジゴキシン、フェキソフェナジン等
P-糖タンパク質による消化管からの排泄が阻害され、P-糖タンパク質の基質となる薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤と併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の減量を考慮すること。本剤がP-糖タンパク質を阻害することにより、P-糖タンパク質の基質の排泄が阻害される。
陰イオン交換樹脂
コレスチラミン等
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるため、本剤と併用する場合は間隔をあけて服用すること。同時に服用した場合に、本剤の吸収が遅延するおそれがある。
グレープフルーツジュース本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。グレープフルーツに含まれる成分により、本剤の代謝が阻害される。
抗凝固剤
ヘパリン、エドキサバン、ワルファリン等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
アスピリン、クロピドグレル等
出血の危険性を増大させるおそれがある。併用する場合には、患者の状態を十分に観察する等注意すること。本剤投与により、ビタミンKの吸収が低下し、これらの薬剤による出血の危険性が増大するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

国内第III相試験において、安全性解析対象9例中9例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢8例(89%)及び肝機能検査異常3例(33%)であった。海外第III相試験において、安全性解析対象29例中25例(86%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢23例(79%)、悪心18例(62%)、嘔吐9例(31%)、腹部不快感8例(28%)、消化不良7例(24%)及び腹痛7例(24%)であった。(承認時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

肝炎(頻度不明)注1)、肝機能障害(32%)注2)

肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止し、適切な措置を行うこと。

胃腸障害(90%)注2)

重度の下痢等、胃腸障害があらわれることがあるので、観察を十分行い、このような症状があらわれた場合には、減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。

注1)海外の自発報告のみで認められている副作用については、頻度不明とした。

注2)国内第III相試験及び海外第III相試験より算出した。

その他の副作用

 10%以上注2) 5〜10%未満注2) 5%未満注2) 頻度不明注1)
胃腸障害腹部不快感、腹部膨満、腹痛、上腹部痛、下痢、消化不良、放屁、悪心、嘔吐便秘、便意切迫、胃炎、胃腸音異常、胃食道逆流性疾患、直腸しぶり下腹部痛、空気嚥下、おくび、軟便、胃拡張、胃障害、痔出血腹部圧痛、便通不規則、口の乾燥、嚥下障害、便失禁、変色糞、胃腸障害、胃腸痛、血便、過敏性腸症候群、直腸出血
一般・全身障害及び投与部位の状態  疲労、倦怠感無力症、胸痛、悪寒、異常感、歩行困難、空腹、インフルエンザ様疾患、疼痛、末梢腫脹、発熱
肝胆道系障害 脂肪肝 肝腫大
感染症及び寄生虫症 胃腸炎 気管支炎、ウイルス性胃腸炎、感染、インフルエンザ、鼻咽頭炎、肺炎、副鼻腔炎、上気道感染症、尿路感染、ウイルス性感染
臨床検査体重減少、ALT(GPT)増加AST(GOT)増加、肝機能検査異常ALP増加、カリウム減少、INR異常、トランスアミナーゼ上昇血中ビリルビン上昇、血中コレステロール増加、血中CK(CPK)上昇、血中ブドウ糖減少、血中ブドウ糖上昇、血圧上昇、血中トリグリセライド上昇、血中尿素増加、ヘモグロビン減少、心拍数増加、肝酵素上昇、高比重リポ蛋白減少、体重増加
代謝及び栄養障害 食欲減退 脱水、体重変動
神経系障害 頭痛めまい、片頭痛平衡障害、脳血管障害、味覚障害、嗜眠、意識消失、錯感覚、痙攣発作、傾眠
皮膚及び皮下組織障害  薬疹、斑状出血、湿疹、丘疹、アレルギー性そう痒症、発疹、紅斑性皮疹脱毛症、紅斑、毛髪異常成長、多汗症、そう痒症、蕁麻疹
血液及びリンパ系障害  鉄欠乏性貧血貧血、血液疾患、内出血発生の増加傾向、リンパ節症
筋骨格系及び結合組織障害  筋肉痛関節痛、背部痛、関節硬直、筋萎縮、筋攣縮、筋力低下、筋骨格系胸痛、筋骨格系不快感、筋骨格痛、筋骨格硬直、四肢痛
心臓障害   狭心症、冠動脈狭窄、心筋梗塞、心筋虚血、動悸
耳および迷路障害   耳鳴
免疫系障害   過敏症
精神障害   異常な夢、怒り、不安、うつ病、初期不眠症、不眠症
腎および尿路障害   頻尿
呼吸器、胸郭および縦隔障害   咳嗽、呼吸困難、鼻出血、口腔咽頭痛、鼻漏、咽喉刺激感
血管障害   潮紅、ほてり、高血圧、低血圧、血栓症
注1)海外の自発報告のみで認められている副作用については、頻度不明とした。注2)国内第III相試験及び海外第III相試験より算出した。

高齢者への投与

一般に、高齢者では生理機能が低下しているので、慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット、フェレット)で催奇形性(臍ヘルニア、内臓奇形、四肢奇形、骨格異常等)が認められており、このときのラットの曝露量は臨床曝露量(AUC0-24換算)と同等以下であった1)2)。]

授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[本剤の母乳中への移行は不明である。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内での使用経験がない)。[幼若ラットを用いた反復毒性試験において、性成熟遅延(包皮分離や膣開口の遅延)及び運動機能低下(後肢握力低下)が認められている3)。]

その他の注意

マウスを用いたがん原性試験4)において、臨床曝露量と同等以下の曝露量(AUC0-24換算)から肝臓及び小腸の腺腫、癌腫又はそれらの混合腫瘍の増加が認められた。また、ラットを用いたがん原性試験5)では、臨床曝露量と同等の曝露量(AUC0-24換算)において雄で膵腺房細胞腺腫、多発性膵臓腺腫及び空腸癌腫が認められた。

薬物動態

血中濃度

LDL-C高値の成人

LDL-C高値の日本人被験者に本剤を10mg、20mg、又は40mgの用量で単回投与し、その7日後から各用量を1日1回14日間反復経口投与したとき、ロミタピドの薬物動態パラメータは表1及び図1のとおりであった6)

表1:LDL-C高値の日本人成人における薬物動態パラメータ

 10mg
(10例)
20mg
(6例)
40mg
(6例)
Cmaxa(ng/mL)単回0.570
(0.285)
1.70
(0.49)
3.93
(0.75)
反復2.46
(0.88)
5.96
(2.79)
19.7
(6.2)
Tmaxb(hr)単回4.00
(2.00,6.00)
9.00
(4.00,12.0)
4.00
(2.0,6.0)
反復4.0
(1.0,4.0)
4.0
(1.0,8.0)
4.0
(4.0,4.0)
AUC0-∞ a(ng・hr/mL)単回37.3
(16.7)c
68.6
(17.4)
168
(58.9)
AUCτa(ng・hr/mL)反復38.1
(14.1)
91.3
(29.5)
263
(64)
t1/2 a(hr)単回79.5
(5.55)c
50.5
(2.59)
58.8
(13.3)
反復62.6
(10.1)
56.1
(9.9)
49.7
(11.3)
a 平均値(標準偏差)b 中央値(最小値、最大値)c 7例のデータを用いた。

図1:LDL-C高値の日本人成人における単回漸増投与時の血漿中濃度(平均(標準偏差))

ホモ接合体家族性高コレステロール血症患者

日本人ホモ接合体家族性高コレステロール血症患者に、本剤を1日1回経口投与(ロミタピドとして5mgを開始用量とし、各被験者の最大耐量に達するまで漸増)したとき、血漿中のロミタピドのトラフ濃度は表2のとおりであった。

表2:本剤を反復漸増投与したときのロミタピドのトラフ濃度

 5mg10mg20mg40mg
例数9871
測定サンプル数2119357
トラフ濃度(ng/mL)1.00±0.351.78±0.703.61±1.3613.39±4.15

食事の影響(外国人データ)

食事の影響試験において、ロミタピドのCmax及びAUCは空腹時と比べて高脂肪食後ではそれぞれ77%及び58%、低脂肪食後ではそれぞれ70%及び28%増加した。

吸収(外国人データ)

本剤の絶対生物学的利用率は約7%であった7)

分布(外国人データ)

定常状態における本剤の分布容積の平均値は985〜1292Lであった。血漿タンパク結合率は99.8%であった8)

代謝

本剤は主にCYP3A4により代謝され、主な代謝物はM1(ピペリジニルN-脱プロピル化体)及びM3(酸化的脱ピペリジニル体)であった9)

排泄(外国人データ)

マスバランス試験において、糞便中及び尿中への排泄率の平均はそれぞれ52.9%及び35.1%であった10)

肝機能障害患者における薬物動態(外国人データ)

軽度又は中等度の肝機能障害患者(それぞれChild-Pughスコア5〜6及び7〜9)にロミタピドとして60mg注)を投与したとき、中等度の肝機能障害患者では、健康被験者と比べてロミタピドのAUC0-infが164%、Cmaxが361%高かった。軽度の肝機能障害患者では、健康被験者と比べてAUC0-infが47%、Cmaxが4%高かった11)

腎機能障害患者における薬物動態(外国人データ)

血液透析を受けている末期腎不全患者にロミタピドとして60mg注)を投与したとき、健康被験者と比べて、血液透析を受けている末期腎不全患者ではロミタピドのAUC0-infが40%、Cmaxが50%高かった12)

薬物相互作用

In vitro試験

本剤はP-糖タンパク質阻害作用を有することが示された13)。また、M1はCYP1A2の時間依存的阻害作用を有し、M3はCYP2C8の時間依存的阻害作用を有することが示された14)

併用薬がロミタピドの薬物動態に及ぼす影響15)16)17)18)(外国人データ)

併用薬との薬物相互作用試験の結果を表3に示す。

表3:併用薬がロミタピドの薬物動態に及ぼす影響

併用薬併用薬の用法・用量本剤の用法・用量例数ロミタピドの薬物動態パラメータ比
併用時/非併用時
 AUCCmax
ケトコナゾール 200mgを1日2回
9日間
60mg注)単回投与30同時併用投与27.2514.82
アトルバスタチン80mgを1日1回
11日間
20mg単回投与32同時併用投与1.902.13
12時間間隔で投与1.301.25
経口避妊薬
(エチニルエストラジオール/ノルゲスチメート**
0.035mg/0.2mgを1日1回
21日間
20mg単回投与32同時併用投与1.321.41
12時間間隔で投与1.171.25
モダフィニル200mgを1日1回
11日間
20mg単回投与18同時併用投与0.871.13
*:経口剤・注射剤は、国内未発売**:ノルゲスチメートは、国内未承認

併用薬の薬物動態に及ぼす本剤の影響19)20)(外国人データ)

併用薬との薬物相互作用試験の結果を表4に示す。

表4:本剤が併用薬の薬物動態に及ぼす影響

併用薬併用薬の用法・用量本剤の用法・用量例数併用薬の薬物動態パラメータ比
併用時/非併用時
 AUCCmax
シンバスタチン40mg単回投与60mg注)を1日1回
7日間
16シンバスタチン1.992.02
シンバスタチン酸1.711.57
20mg単回投与10mgを1日1回
7日間
15シンバスタチン1.621.65
シンバスタチン酸1.391.35
ワルファリン10mg単回投与60mg注)を1日1回
12日間
16R体ワルファリン1.281.14
S体ワルファリン1.301.15
アトルバスタチン20mg単回投与60mg注)を1日1回
7日間
15アトルバスタチン酸1.521.63
2-ヒドロキシアトルバスタチン1.071.01
4-ヒドロキシアトルバスタチン1.491.38
活性代謝物の合計1.291.38
20mg単回投与10mgを1日1回
7日間
16アトルバスタチン酸1.111.19
2-ヒドロキシアトルバスタチン1.011.02
4-ヒドロキシアトルバスタチン1.410.97
活性代謝物の合計1.051.12
ロスバスタチン20mg単回投与60mg注)を1日1回
7日間
18ロスバスタチン1.321.04
20mg単回投与10mgを1日1回
7日間
10ロスバスタチン1.021.06
フェノフィブラート145mg単回投与10mgを1日1回
7日間
10フェノフィブリン酸0.900.71
エゼチミブ10mg単回投与10mgを1日1回
7日間
10エゼチミブ(非抱合体)1.181.08
エゼチミブ抱合体1.041.03
ナイアシン1000mg単回投与10mgを1日1回
7日間
20ニコチン酸1.101.11
ニコチン尿酸0.790.85
N-メチル-2-ピロリドン-5-カルボキシアミド0.960.98
N-メチルニコチンアミド1.361.05
経口避妊薬
(エチニルエストラジオール/ノルゲスチメート
0.035mgを1日1回28日間50mg注)を1日1回
8日間
28エチニルエストラジオール0.920.92
17-ジアセチルノルゲスチメート1.061.02
*:ノルゲスチメートは、国内未承認

注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人には、1日1回夕食後2時間以上あけて、ロミタピドとして5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題がなく、効果不十分な場合には2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合には、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量することができる。」である。(「用法・用量」の項参照)

臨床成績

最大耐量の脂質低下療法(アフェレーシス治療を含む)を受けている日本人のホモ接合体家族性高コレステロール血症の成人患者9例を対象とした56週間の非盲検試験が実施された。1日1回就寝前(夕食後2時間以降)に、ロミタピドとして5mgを開始用量として、各被験者の最大耐量に達するまで、10、20、40及び60mg注)へ漸増(増量間隔は、5mgから10mgで2週間、それ以外は4週間)することとした。試験期間中は、低脂肪食(脂肪由来のカロリーが摂取カロリーの20%未満)を摂取することとし、ビタミンE(400IU)、リノール酸(200mg)、αリノレン酸(ALA)(210mg)、エイコサペンタエン酸(EPA)(110mg)及びドコサヘキサエン酸(DHA)(80mg)を含む栄養補助食品を毎日摂取することとされた。最大耐量の用量分布は、5mgが2例、10mgが1例、20mgが5例及び40mgが1例であった。主要評価項目であるLDL-Cのベースラインからの変化率は表5のとおりであった21)

表5:ベースラインからのLDL-C変化率(最大の解析対象集団)

例数ベースラインa(mg/dL)26週時a,b(mg/dL)変化量a,b(mg/dL)変化率(%)
最小二乗平均値c
(標準誤差)
95%信頼区間c p値c
9199.3
(65.93)
117.9
(62.07)
−81.4
(37.26)
−32.02
(4.67)
[−41.17,−22.86]p<0.0001
a 平均値(標準偏差)b LOCFc 最終漸増投与量、ベースラインのLDL-C値、評価週を説明変数とした混合効果モデルによる反復測定分散分析

注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人には、1日1回夕食後2時間以上あけて、ロミタピドとして5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題がなく、効果不十分な場合には2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合には、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量することができる。」である。(「用法・用量」の項参照)

薬効薬理

本剤は、小胞体内腔に存在するミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)に直接結合して脂質転送を阻害することにより、肝臓細胞及び小腸細胞内においてトリグリセリドとアポBを含むリポタンパク質の会合を阻害する。その結果、肝臓細胞でのVLDLや小腸細胞でのカイロミクロンの形成を阻害する。VLDLの形成が阻害されるとVLDLの肝臓からの分泌が低下し、血漿中LDL-C濃度が低下する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名ロミタピドメシル酸塩
一般名(欧名)Lomitapide Mesilate
化学名N-(2,2,2-Trifluoroethyl)-9-[4-({4-[4'-(trifluoromethyl)biphenyl-2-yl]carboxamido}piperidin-1-yl)butyl]-9H-fluorene-9-carboxamide monomethanesulfonate
分子式C39H37F6N3O2・CH4O3S
分子量789.83
性状白色〜ほとんど白色の粉末である。pH2〜5の水溶液に溶けにくい。アセトン、エタノール及びメタノールに溶けやすく、2-ブタノール、ジクロロメタン及びアセトニトリルにやや溶けやすく、1-オクタノール及び2-プロパノールにやや溶けにくく、酢酸エチルに溶けにくく、ヘプタンにほとんど溶けない。
KEGG DRUGD09638

取扱い上の注意

開封後は、キャップを閉め、高温、多湿を避け保管すること。

無包装状態での安定性を確認していないため、気密容器以外に分包しないこと。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

5mg製剤

14カプセル入り瓶

10mg製剤

14カプセル入り瓶

20mg製剤

14カプセル入り瓶

主要文献


1. 社内資料:BMS-96039ラット経口投与による胚・胎児発生に関する試験
2. 社内資料:BMS-97008妊娠フェレットにおける17日間経口投与試験
3. 社内資料:AEGR-733PC0031幼若ラットにおける90日間経口投与試験
4. 社内資料:AEGR-733PC0003マウス104週間経口投与がん原性試験
5. 社内資料:AEGR-733PC0002ラット104週間経口投与がん原性試験
6. 社内資料:高コレステロール血症被験者を対象とした第I相試験
7. 社内資料:CV145-003バイオアベイラビリティ試験
8. 社内資料:BMS-910060036血漿蛋白結合試験
9. 社内資料:AEGR-733PC009肝細胞を用いた代謝試験
10. 社内資料:AEGR-733-010経口投与時の代謝試験
11. 社内資料:AEGR-733-017肝機能障害を有する被験者における安全性及び薬物動態
12. 社内資料:AEGR-733-021腎機能障害を有する被験者における安全性及び薬物動態
13. 社内資料:p-gpとの薬物相互作用試験
14. 社内資料:AEGR-733PC0021代謝物のP-450の阻害作用
15. 社内資料:AEGR-733-018ケトコナゾールとの薬物相互作用
16. 社内資料:AEGR-733-024アトルバスタチンとの薬物相互作用
17. 社内資料:AEGR-733-029エストラジオール/ノルゲスチメート合剤との薬物相互作用
18. 社内資料:AEGR-733-101モダフィニルとの薬物相互作用
19. 社内資料:AEGR-733-002薬物相互作用
20. 社内資料:AEGR-733-013ワルファリンとの薬物相互作用
21. 社内資料:AEGR-733-030国内臨床試験

作業情報


改訂履歴

2020年1月 改訂
2021年7月 改訂 (第3版)

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主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社
102-0082
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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/8/18 版