医療用医薬品 : テルミサルタン |
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総称名 | テルミサルタン |
一般名 | テルミサルタン |
欧文一般名 | Telmisartan |
薬効分類名 | 胆汁排泄型持続性AT1受容体ブロッカー |
薬効分類番号 | 2149 |
ATCコード | C09CA07 |
KEGG DRUG |
D00627
テルミサルタン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG01925
レニン・アンジオテンシン系降圧薬
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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テルミサルタン錠20mg「ケミファ」 (後発品) | Telmisartan | 日本ケミファ | 2149042F1130 | 12.5円/錠 | 処方箋医薬品 |
テルミサルタン錠40mg「ケミファ」 (後発品) | Telmisartan | 日本ケミファ | 2149042F2137 | 23.7円/錠 | 処方箋医薬品 |
テルミサルタン錠80mg「ケミファ」 (後発品) | Telmisartan | 日本ケミファ | 2149042F3133 | 35.4円/錠 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者(「1.慎重投与」の項参照)
アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。(「2.重要な基本的注意」の項参照)]
通常、成人にはテルミサルタンとして40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日20mgから投与を開始し漸次増量する。
なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日最大投与量は80mgまでとする。
肝障害のある患者に投与する場合、最大投与量は1日1回40mgとする。(「1.慎重投与」の項参照)
慎重投与
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「2.重要な基本的注意」の項参照)
高カリウム血症の患者(「2.重要な基本的注意」の項参照)
肝障害のある患者[本剤は主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者でテルミサルタン製剤の血中濃度が約3〜4.5倍上昇することが報告されている。]
重篤な腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがあるため、血清クレアチニン値3.0mg/dL以上の場合には、慎重に投与すること。]
脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
本剤の投与によって、急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、特に次の患者に投与する場合は患者の状態を十分に観察すること。また、増量する場合は徐々に行うこと。
血液透析中の患者
利尿降圧剤投与中の患者
厳重な減塩療法中の患者
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
相互作用
相互作用序文
本剤は、主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。また、本剤は薬物代謝酵素P450では代謝されない。
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
併用注意
ジゴキシン | 併用により血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告があるので、血中ジゴキシン濃度に注意すること。 | 機序不明 |
カリウム保持性利尿剤 スピロノラクトン トリアムテレン等 カリウム補給剤 | 血清カリウム濃度が上昇するおそれがあるので注意すること。 | 併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。 危険因子:特に腎機能障害のある患者 |
リチウム製剤 炭酸リチウム | アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。 | 明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、本剤がナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。 |
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) COX-2選択的阻害剤 | 糸球体ろ過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎不全を引き起こす可能性がある。 | プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) COX-2選択的阻害剤 | 降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。 | 血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。 |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤 | 急性腎不全を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 | 併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
アリスキレンフマル酸塩 | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 | 併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血管浮腫
顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
腎機能障害
急性腎不全を呈した例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック、失神、意識消失
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
低血糖
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー
呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状としてあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
過敏症注1) | そう痒、発疹、蕁麻疹、紅斑 |
精神神経系 | めまい注2)、不安感、頭痛、眠気、頭のぼんやり感、不眠、抑うつ状態 |
血液 | 白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、貧血、好酸球上昇 |
循環器 | 低血圧、ほてり、心悸亢進、ふらつき、上室性期外収縮、心房細動、上室性頻脈、起立性低血圧、徐脈 |
消化器 | 腹痛、下痢、嘔気、食欲不振、消化不良、胃炎、口渇、口内炎、鼓腸、嘔吐 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH上昇等の肝機能異常 |
呼吸器 | 咳、喀痰増加、咽頭炎 |
腎臓 | 血清クレアチニン上昇、血中尿酸値上昇 |
骨格筋 | 関節痛、背部痛、下肢痙攣、下肢痛、筋肉痛、腱炎 |
電解質 | 血清カリウム上昇 |
その他 | 耳鳴、倦怠感、CRP陽性、CK(CPK)上昇、浮腫、脱力感、発熱、頻尿、結膜炎、目のチカチカ感、羞明、視覚異常、多汗、胸痛、尿路感染、膀胱炎、敗血症、しびれ、味覚異常、上気道感染、インフルエンザ様症状 |
高齢者への投与
高齢者に投与する場合には、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[一般に過度の降圧は好ましくないとされている。(脳梗塞等が起こるおそれがある。)]
テルミサルタン製剤で実施した国内臨床試験では65歳未満の非高齢者と65歳以上の高齢者においてテルミサルタン製剤の降圧効果及び副作用に差はみられなかったと報告されている。
高齢者と非高齢者との間でAUC及びCmaxに差はみられなかったとの報告がある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。[妊娠中期及び末期にテルミサルタン製剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。]
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。また、動物実験(ラット出生前、出生後の発生及び母動物の機能に関する試験)の15mg/kg/日以上の投与群で出生児の4日生存率の低下、50mg/kg/日投与群で出生児の低体重及び身体発達の遅延が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
過量投与
症状
テルミサルタン製剤の過量服用(640mg)により、低血圧及び頻脈があらわれたとの報告がある。また、めまいがあらわれるおそれがある。
処置
過量服用の場合は、次のような処置を行うこと。なお、本剤は血液透析によって除去されない。
胃洗浄、及び活性炭投与
生理食塩液等の静脈内投与
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
服用時
本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与えること。[テルミサルタン製剤の薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は、食後投与よりも血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現するおそれがある。]
生物学的同等性試験1)
テルミサルタン錠80mg「ケミファ」
テルミサルタン錠80mg「ケミファ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(テルミサルタンとして80mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUC0→72(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) | |
テルミサルタン錠80mg「ケミファ」 | 4087.4±2342.5 | 976.35±671.95 | 1.1±0.9 | 25.7±9.9* |
標準製剤(錠剤、80mg) | 4036.0±2407.9 | 966.89±550.30 | 1.0±0.6 | 24.9±11.2** |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
テルミサルタン錠20mg「ケミファ」・テルミサルタン錠40mg「ケミファ」
テルミサルタン錠20mg「ケミファ」及びテルミサルタン錠40mg「ケミファ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、テルミサルタン錠80mg「ケミファ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
溶出挙動2)
テルミサルタン錠20mg「ケミファ」、テルミサルタン錠40mg「ケミファ」及びテルミサルタン錠80mg「ケミファ」は、日本薬局方医薬品各条に定められたテルミサルタン錠の溶出規格に適合していることが確認されている。
テルミサルタンはアンジオテンシンII受容体のサブタイプAT1受容体の拮抗薬である。内因性昇圧物質のアンジオテンシンIIに対して受容体レベルで競合的に拮抗することにより降圧作用をあらわす。なお、テルミサルタンのAT1受容体親和性は高く、作用が持続的である。
分包後は吸湿して軟化、黄変することがあるので、高温・多湿を避けて保存すること。
安定性試験4)
テルミサルタン錠20mg「ケミファ」・テルミサルタン錠40mg「ケミファ」
PTP包装(PTPシートをアルミピロー包装したもの)及びバラ包装(ポリエチレン瓶に充てん)を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
テルミサルタン錠80mg「ケミファ」
PTP包装(PTPシートをアルミピロー包装したもの)を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
テルミサルタン錠20mg「ケミファ」
100錠(10錠×10)
140錠(14錠×10)
500錠(バラ)
テルミサルタン錠40mg「ケミファ」
100錠(10錠×10)
140錠(14錠×10)
500錠(10錠×50)
500錠(バラ)
700錠(14錠×50)
テルミサルタン錠80mg「ケミファ」
100錠(10錠×10)
1. | 日本ケミファ株式会社:生物学的同等性に関する資料(社内資料) |
2. | 日本ケミファ株式会社:溶出に関する資料(社内資料) |
3. | 第十七改正日本薬局方解説書, C-3301, (2016) 廣川書店,東京 |
4. | 日本ケミファ株式会社:安定性に関する資料(社内資料) |
改訂履歴 |
2017年2月 作成 (第1版) |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 |
業態及び業者名等 |
製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/5/25 版 |