17.1.1 国際共同第II相試験(A2202試験)
骨髄線維症患者
※1を対象とした非盲検非対照試験において、ベースラインの血小板数に基づき本剤を経口投与した。本剤の開始用量は、ベースラインの血小板数が10万〜20万/mm
3の場合15mg1日2回、20万/mm
3超の場合20mg1日2回とした。
合計120例(日本人患者30例を含む)に本剤が投与された。骨髄線維症患者における合併症の主な要因
13)である脾腫に関して、主要評価項目である24週時に脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した被験者の割合は31.7%であった
14)。
副作用発現頻度は、本剤投与群で92.5%(111/120例(日本人30例を含む))であった。主な副作用は、貧血58.3%(70/120例)、血小板数減少28.3%(34/120例)、血小板減少症26.7%(32/120例)等であった。
(2013年6月7日カットオフ)
17.1.2 海外第III相試験(351試験)
骨髄線維症患者
※1を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、ベースラインの血小板数に基づき本剤を経口投与した。本剤の開始用量は、ベースラインの血小板数が10万〜20万/mm
3の場合15mg1日2回、20万/mm
3超の場合20mg1日2回とした。
合計309例がルキソリチニブ群(155例)又はプラセボ群(154例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である24週時に脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した被験者の割合はルキソリチニブ群で41.9%、プラセボ群で0.7%であり、プラセボ群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった
15)(Fisherの正確検定p<0.0001)。
副作用発現頻度は、本剤投与群で76.1%(118/155例)であった。主な副作用は、本剤投与群では血小板減少症34.2%(53/155例)、貧血25.2%(39/155例)、疲労12.9%(20/155例)等であった。
(2013年1月25日カットオフ)
17.1.3 海外第III相試験(A2352試験)
骨髄線維症患者
※1を対象とした非盲検無作為化比較試験において、ベースラインの血小板数に基づき本剤を経口投与した。本剤の開始用量は、ベースラインの血小板数が10万〜20万/mm
3の場合15mg1日2回、20万/mm
3超の場合20mg1日2回とした。
合計219例がルキソリチニブ群(146例)又はBest Available Therapy群(73例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である48週時に脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した被験者の割合はルキソリチニブ群で28.5%、Best Available Therapy群で0%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった
16)(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszelの正確検定)。
副作用発現頻度は、本剤投与群で82.9%(121/146例)であった。主な副作用は、本剤投与群では血小板減少症43.8%(64/146例)、貧血32.9%(48/146例)、体重増加11.0%(16/146例)等であった。
(2012年12月1日カットオフ)
※1:試験対象患者
・原発性骨髄線維症、真性多血症又は本態性血小板血症から移行した骨髄線維症患者(WHO分類
17)及びIWG-MRT規準
18)に基づき診断)
・IWG-MRTリスク分類
19)の高リスク又は中間-2リスクの患者
・造血幹細胞移植が不適応の患者
・季肋下に5cm以上の脾腫を有する患者
17.1.4 国際共同第III相試験(B2301試験)
真性多血症患者
※2を対象とした非盲検無作為化比較試験において、開始用量10mg1日2回とし、被験者の状態により5mg1日1回から25mg1日2回の範囲で本剤を経口投与した。合計222例(日本人患者18例を含む)がルキソリチニブ群(110例)又はBest Available Therapy群(112例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である32週時の奏効
※3率はルキソリチニブ群で22.7%、Best Available Therapy群で0.9%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった
20)(p<0.0001、層別Cochran-Mantel-Haenszel検定)。
48週時点での副作用発現頻度は、本剤投与群で70.9%(78/110例(日本人6例を含む))であった。主な副作用は、貧血21.8%(24/110例)、血小板減少症10.9%(12/110例)、体重増加8.2%(9/110例)等であった。
※2:試験対象患者
・ヒドロキシカルバミド抵抗性又は不耐容で瀉血依存
21)の患者
・脾臓容積が450cm3以上の脾腫を有する患者
※3:奏効は、以下の両基準に該当した場合
・ヘマトクリットコントロール
瀉血実施基準を「連続2回の検査で、ヘマトクリット値が45%超かつベースライン値より3%以上高い、又は48%超のいずれかに該当する場合」とし、無作為化から8週時まで瀉血実施1回以下、かつ8週時から32週時まで瀉血実施不要。
・脾臓容積35%以上縮小
32週時のMRI又はCTに基づく脾臓容積がベースラインから35%以上縮小。
17.1.5 国際共同第III相試験(C2301試験)
造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(GVHD)患者
※4を対象とした非盲検無作為化比較試験において、開始用量10mg1日2回とし本剤を経口投与した。合計309例(日本人患者30例を含む)がルキソリチニブ群(154例)又はBest Available Therapy群(155例)に無作為に割付けされた。主要評価項目である投与28日時の奏効
※5率はルキソリチニブ群で62.3%、Best Available Therapy群で39.4%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった
22)(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。
副作用発現頻度は、本剤投与群で66.4%(101/152例(日本人9例を含む))であった。主な副作用は、血小板減少症23.0%(35/152例)、貧血16.4%(25/152例)、血小板数減少14.5%(22/152例)等であった。
(2020年1月6日カットオフ)
※4:12歳以上のステロイド抵抗性急性GVHD(グレードII〜IV)の患者
※5:追加の全身治療がなく、国際標準基準
23)で完全奏効又は部分奏効を得られた患者
17.1.6 国際共同第III相試験(D2301試験)
造血幹細胞移植後の慢性GVHD患者
※6を対象とした非盲検無作為化比較試験において、開始用量10mg1日2回とし本剤を経口投与した。合計329例(日本人患者37例を含む)がルキソリチニブ群(165例)又はBest Available Therapy群(164例)に無作為に割付けされた。中間解析を行い、主要評価項目及び2つの主な副次的評価項目のいずれかで統計学的有意差が認められなかった場合には試験を続行する計画であった。中間解析(2019年7月9日カットオフ)において、ルキソリチニブ群97例、Best Available Therapy群99例が評価され、主要評価項目である投与24週時の奏効
※7率はルキソリチニブ群で50.5%、Best Available Therapy群で26.3%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で有意に高かった
24)(p=0.0003、Cochran-Mantel-Haenszel検定、有意水準片側1.176%)。
最終解析(2020年5月8日カットオフ)において、主要評価項目である投与24週時の奏効
※7率はルキソリチニブ群で49.7%、Best Available Therapy群で25.6%であり、Best Available Therapy群と比較してルキソリチニブ群で高かった
24)。
副作用発現頻度は、本剤投与群で67.9%(112/165例(日本人22例を含む))であった。主な副作用は、貧血23.6%(39/165例)、好中球減少症10.9%(18/165例)、ALT増加10.3%(17/165例)等であった。
※6:12歳以上のステロイド抵抗性慢性GVHD(中等症又は重症)の患者
※7:追加の全身治療がなく、NIH基準
25)で完全奏効又は部分奏効を得られた患者
17.1.7 国際共同第I/II相試験(F12201試験)
造血幹細胞移植後の小児急性GVHD患者
※8を対象とした非盲検単群試験において、ルキソリチニブの錠剤、カプセル剤
※9又は液剤を年齢グループ別の開始用量(12歳以上18歳未満では10mg、6歳以上12歳未満では5mg、2歳以上6歳未満では4mg/m
2)で1日2回経口投与した。合計45例(日本人患者6例を含む)にルキソリチニブが投与された。主要評価項目である投与28日時の奏効
※10率は84.4%(90%CI:72.8%,92.5%)であった
8)。なお、ステロイド抵抗性の患者の投与28日時の奏効率は90.6%(90%CI:77.5%,97.4%(29/32例)であった。
副作用発現頻度は、51.1%(23/45例)であった。主な副作用は、貧血20.0%(9/45例)、好中球数減少17.8%(8/45例)、白血球数減少15.6%(7/45例)等であった。
(2023年2月2日カットオフ)
※8:28日齢以上18歳未満の未治療又はステロイド抵抗性急性GVHD(グレードII〜IV)の患者。なお、本剤の承認された効能又は効果は「造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」である。
※9:国内未承認
※10:追加の全身治療がなく、国際標準基準
23)で完全奏効又は部分奏効を得られた患者
17.1.8 国際共同第II相試験(G12201試験)
造血幹細胞移植後の小児慢性GVHD患者
※11を対象とした非盲検単群試験において、ルキソリチニブの錠剤又は液剤を年齢グループ別の開始用量(12歳以上18歳未満では10mg、6歳以上12歳未満では5mg、2歳以上6歳未満では4mg/m
2)で1日2回経口投与した。合計45例(日本人患者7例を含む)にルキソリチニブが投与された。中間解析(2022年10月19日カットオフ)において、主要評価項目である投与24週時の奏効
※12率は40.0%(90%CI:27.7%,53.3%)であった
26)。なお、ステロイド抵抗性の患者の投与24週時の奏効率は39.3%(90%CI:23.8%,56.5%)(11/28例)であった。
副作用発現頻度は、57.8%(26/45例)であった。主な副作用は、貧血15.6%(7/45例)、好中球減少症13.3%(6/45例)、好中球数減少11.1%(5/45例)、血小板数減少11.1%(5/45例)等であった。
※11:28日齢以上18歳未満の未治療又はステロイド抵抗性慢性GVHD(中等症又は重症)の患者。なお、本剤の承認された効能又は効果は「造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」である。
※12:追加の全身治療がなく、NIH基準
25)で完全奏効又は部分奏効を得られた患者