医療用医薬品 : トコフェロール酢酸エステル

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医薬品情報


総称名 トコフェロール酢酸エステル
一般名 トコフェロール酢酸エステル
欧文一般名 Tocopherol Acetate
製剤名 トコフェロール酢酸エステル錠
薬効分類名 ビタミンE剤
薬効分類番号 3150
ATCコード A11HA03
KEGG DRUG
D01735 トコフェロール酢酸エステル
KEGG DGROUP
DG00129 トコフェロール (ビタミンE)
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年10月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トコフェロール酢酸エステル錠50mg「トーワ」 (後発品) TOCOPHEROL ACETATE TABLETS 50mg"TOWA" 東和薬品 3150002F1280 5.9円/錠

4. 効能または効果

(1)ビタミンE欠乏症の予防及び治療
(2)末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症凍瘡、四肢冷感症)
(3)過酸化脂質の増加防止
(1)以外の効能については、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきではない。

6. 用法及び用量

通常、成人にはトコフェロール酢酸エステルとして、1回50〜100mgを、1日2〜3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
消化器便秘、胃部不快感下痢
過敏症 発疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人男性12名にトコフェロール酢酸エステルカプセル200mg注)を経口投与したとき、投与後19.2±7.1hrで最高血漿中濃度(Cmax=1412.0±98.7μg/dL)を示した。1)
注)本剤の承認された用量は、1回50〜100mgである。
16.1.2 生物学的同等性試験
トコフェロール酢酸エステル錠50mg「トーワ」とユベラ錠50mgをクロスオーバー法によりそれぞれ6錠(トコフェロール酢酸エステルとして300mg)ビーグル犬(n=10)に絶食単回経口投与し、血清中遊離型トコフェロール濃度について比較検討した結果、両製剤間の生物学的利用率には有意差は認められなかった。2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 臨床効果
(1)ビタミンE欠乏症
ビタミンE欠乏症は低出生体重児、新生児、無β-リポタンパク血症、肝・胆・膵疾患に伴う脂肪吸収障害患者において認められ、眼や肺の障害、赤血球溶血亢進と寿命低下、筋萎縮、神経機能の異常などが発現し、トコフェロール酢酸エステルの投与により改善することが認められている。3)4)
(2)末梢循環障害
間歇性跛行症(閉塞性末梢動脈硬化症)については二重盲検試験で有用性が認められている。凍瘡、四肢冷感などの末梢循環障害に対しても一般臨床試験で有用であることが認められている。5)6)7)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は明確でない。
18.2 微小循環系の賦活作用
末梢循環不全に対し、末梢血行を促すとともに、血小板粘着・凝集能の抑制により微小循環系の動態を改善する。8)9)10)
18.3 膜安定化作用
毛細血管壁内皮細胞や中膜筋細胞の原形質膜、ミトコンドリア、小胞体、ライソソームなどの生体膜を安定化させることにより、血管壁の透過性や血管抵抗性を改善する。11)12)
18.4 抗酸化作用
異常酸化(過酸化)を抑制し、過酸化脂質の生成を抑制する。13)
18.5 内分泌系の賦活作用
下垂体−副腎系に作用して、E欠乏ラットの内分泌系を賦活・調整し、内分泌の失調を是正する。14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トコフェロール酢酸エステル

一般的名称 トコフェロール酢酸エステル
一般的名称(欧名) Tocopherol Acetate
化学名 2,5,7,8-Tetramethyl-2-(4,8,12-trimethyltridecyl)chroman-6-yl acetate
分子式 C31H52O3
分子量 472.74
物理化学的性状 無色〜黄色澄明の粘性の液で、においはない。エタノール(99.5)、アセトン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ヘキサン又は植物油と混和する。エタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
旋光性を示さない。空気及び光によって変化する。
KEGG DRUG D01735

20. 取扱い上の注意

バラ包装は開栓後、湿気を避けて保存すること(変色することがある)。

22. 包装

100錠[10錠×10:PTP]
1000錠[10錠×100:PTP]
1000錠[バラ]

23. 主要文献

  1. 美濃 真ら, 現代医療, 20, 3353-3359, (1988)
  2. 社内資料:生物学的同等性試験
  3. 美濃 真, 日本医師会雑誌, 88, 961-972, (1982)
  4. Muller.D.P.R.et al., Lancet., 29, 225-227, (1983)
  5. Williams.H.T.G.et al., Surg.Gynecol.Obstet., 132, 662-666, (1971)
  6. 神村瑞夫, 新薬と臨牀, 3, 789-797, (1954)
  7. 石井次男, 臨床婦人科産科, 12, 297-300, (1958)
  8. Kamimura M., Am.J.Clin.Nutr., 27, 1110-1116, (1974) »PubMed
  9. Steiner M.et al., J.Clin.Invest., 57, 732-737, (1976)
  10. Steiner M., J.Nutr.Sci.Vitaminol., 38 (Spec No), 191-195, (1992)
  11. Tappel A.L., Fed.Proc., 32 (8), 1870-1874, (1973) »PubMed
  12. 杉山 尚ら, 新薬と臨床, 16 (12), 1497-1499, (1967)
  13. 武内 望ら, 脂質生化学研究, 18, 259-264, (1976)
  14. Kitabchi A.E.et al., J.Biol.Chem., 248 (3), 835-840, (1973)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379
製品情報問い合わせ先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版