医療用医薬品 : ニルバジピン

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医薬品情報


総称名 ニルバジピン
一般名 ニルバジピン
欧文一般名 Nilvadipine
薬効分類名 Ca拮抗剤
薬効分類番号 2149
ATCコード C08CA10
KEGG DRUG
D01908 ニルバジピン
KEGG DGROUP
DG01928 ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬
DG03231 血圧降下薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ニルバジピン錠2mg「トーワ」 (後発品) NILVADIPINE TABLETS 2mg"TOWA" 東和薬品 2149022F1095 10.1円/錠 劇薬, 処方箋医薬品注)
ニルバジピン錠4mg「トーワ」 (後発品) NILVADIPINE TABLETS 4mg"TOWA" 東和薬品 2149022F2113 10.4円/錠 劇薬, 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 頭蓋内出血で止血が完成していないと推定される患者[出血を助長するおそれがある。]
2.2 脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者[頭蓋内圧の亢進を増悪するおそれがある。]
2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

本態性高血圧症

6. 用法及び用量

ニルバジピンとして、通常、成人には1回2〜4mgを1日2回経口投与する。

8. 重要な基本的注意

8.1 Ca拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。
8.2 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されることから、血中濃度が高くなることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが報告されている。[2.3参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい。一般的に過度の降圧は好ましくないとされている。

10. 相互作用

相互作用序文
本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。[16.4参照]
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
10.2 併用注意
他の血圧降下剤血圧降下作用が増強することがある。薬理学的な相加作用による。
シメチジン本剤の作用が増強するおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。シメチジンが薬物代謝酵素CYP3A4を阻害するため、本剤の血中濃度を上昇させる。
リトナビル、サキナビル、イトラコナゾール、グレープフルーツジュース本剤の作用が増強するおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。相手薬が薬物代謝酵素CYP3A4を阻害するため、本剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。
タクロリムス、シクロスポリン相手薬及び本剤の作用が増強するおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。相手薬の血中濃度に注意すること。本剤及び相手薬が薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されるため相互に代謝が阻害され、相手薬及び本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
リファンピシン本剤の作用が減弱するおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。リファンピシンが薬物代謝酵素CYP3A4を誘導するため、本剤の血中濃度を低下させる。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害(0.1%未満)
AST、ALT、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがある。
発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇 
循環器動悸、頻脈房室ブロック、心房細動、期外収縮、徐脈、血圧低下
精神神経系頭痛、頭重、めまい、ふらつき、立ちくらみ眠気、不眠、しびれ、振戦
消化器食欲不振、腹痛、腹部不快感、悪心嘔吐、便秘、下痢、口内炎、口渇、胸やけ
腎臓クレアチニン上昇BUN上昇
過敏症発疹、そう痒感光線過敏症
口腔 歯肉肥厚
その他潮紅、熱感、ほてり、のぼせ、浮腫、倦怠感胸痛、胸部不快感、頻尿、耳鳴、血清コレステロール上昇、咳嗽、結膜充血

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
<ニルバジピン錠2mg「トーワ」>
ニルバジピン錠2mg「トーワ」とニバジール錠2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ニルバジピンとして2mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、AUCがガイドラインの基準を満たすとともに治療効果と関連する定常状態における平均血漿中濃度が同じ値を示し、さらにMRT(平均血中滞留時間)、Kel(消失速度定数)及び消失過程の濃度推移に問題となる差がないことから、両剤は治療上同等の効果を期待できると判断した。1)
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-32(ng・h/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(h)t1/2(h)MRT0-32※1(h)Kel※2(h-1
ニルバジピン錠2mg「トーワ」6.858±2.6372.408±0.9790.93±0.3310.01±2.794.68±0.540.08±0.05
ニバジール錠2mg6.857±3.6852.092±1.2041.21±0.6010.43±3.144.94±0.680.07±0.04
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.4 代謝
ニルバジピンの主な代謝経路は肝薬物代謝酵素CYP3A4によるジヒドロピリジン環の酸化、さらにそれに続くエステル基の加水分解及びメチル基の水酸化である。2)3)10.参照]
16.8 その他
<ニルバジピン錠4mg「トーワ」>
ニルバジピン錠4mg「トーワ」は、ニルバジピン錠2mg「トーワ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ニルバジピン

一般的名称 ニルバジピン
一般的名称(欧名) Nilvadipine
化学名 3-Methyl 5-(1-methylethyl)(4RS)-2-cyano-6-methyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
分子式 C19H19N3O6
分子量 385.37
融点 167〜171℃
物理化学的性状 黄色の結晶性の粉末である。アセトニトリルに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。アセトニトリル溶液(1→20)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01908

22. 包装

<ニルバジピン錠2mg「トーワ」>
100錠[10錠×10:PTP]
1000錠[10錠×100:PTP]
<ニルバジピン錠4mg「トーワ」>
100錠[10錠×10:PTP]
1000錠[10錠×100:PTP]

23. 主要文献

  1. 社内資料:生物学的同等性試験(錠2mg)
  2. 金子勇人 他, 薬物動態, 12 (Suppl.), S210, (1997)
  3. 徳間洋二 他, 薬物動態, 2 (6), 649-655, (1987) »DOI
  4. 社内資料:生物学的同等性試験(錠4mg)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379
製品情報問い合わせ先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版