医療用医薬品 : リツキサン |
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総称名 | リツキサン |
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一般名 | リツキシマブ(遺伝子組換え) |
欧文一般名 | Rituximab(Genetical Recombination) |
製剤名 | リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤 |
薬効分類名 | 抗CD20モノクローナル抗体 |
薬効分類番号 | 4291 |
ATCコード | L01FA01 |
KEGG DRUG |
D02994
リツキシマブ
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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リツキサン点滴静注100mg | Rituxan Intravenous Infusion | 全薬工業 | 4291407A1035 | 17897円/瓶 | 生物由来製品, 処方箋医薬品注) |
リツキサン点滴静注500mg | Rituxan Intravenous Infusion | 全薬工業 | 4291407A2031 | 89606円/瓶 | 生物由来製品, 処方箋医薬品注) |
効能又は効果 | 投与時期 | 注入速度 |
・B細胞性非ホジキンリンパ腫 | 初回投与 | 最初の30分は50mg/時で開始し、患者の状態を十分観察しながら、その後30分毎に50mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで上げることができる。 |
2回目以降 | 下記のいずれかに該当する場合は、当該注入速度を選択することができる。 ・初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合、100mg/時まで上げて投与を開始し、その後30分毎に100mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで上げることができる。 ・臨床的に重篤な心疾患がなく、初回投与時に発現した副作用が軽微であり、かつ投与前の末梢血リンパ球数が5,000/μL未満である場合、90分間で投与(最初の30分で投与量の20%を投与し、その後60分で投与量の80%を投与)することができる。 | |
・慢性リンパ性白血病 ・免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患 ・多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎 ・既存治療で効果不十分なループス腎炎 ・ネフローゼ症候群 ・慢性特発性血小板減少性紫斑病 ・後天性血栓性血小板減少性紫斑病 ・全身性強皮症 ・難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡 ・イブリツモマブ チウキセタンの前投与 | 初回投与 | 最初の30分は50mg/時で開始し、患者の状態を十分観察しながら、その後30分毎に50mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで上げることができる。 |
2回目以降 | 初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合、100mg/時まで上げて投与を開始し、その後30分毎に100mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで上げることができる。 | |
・視神経脊髄炎スペクトラム障害の再発予防 | 初回投与 | 最初の30分は50mg/時で開始し、患者の状態を十分観察しながら、その後30分毎に50mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで上げることができる。 |
2回目以降 | 初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合、100mg/時まで上げて投与を開始し、その後30分毎に100mg/時ずつ上げて、最大400mg/時まで上げることができる。 なお、初回投与から6ヵ月目以降の投与の場合、6ヵ月毎に1回目の投与は「初回投与」の注入速度に従って投与すること。 | |
・臓器移植時の抗体関連型拒絶反応の抑制及び治療 | 初回投与 | 最初の1時間は25mg/時とし、患者の状態を十分に観察しながら、次の1時間は100mg/時、その後は最大200mg/時までを目安とすること。 |
2回目以降 | 初回投与時に発現した副作用が軽微であった場合、100mg/時まで上げて投与を開始できる。 |
生ワクチン 又は 弱毒生ワクチン | 接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。 | Bリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。 |
不活化ワクチン | ワクチンの効果を減弱させるおそれがある。 | Bリンパ球傷害作用によりワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。 |
免疫抑制作用を有する薬剤 免疫抑制剤 副腎皮質ホルモン剤等 | 発熱などの感染症(細菌及びウイルス等)に基づく症状が発現した場合は、適切な処置を行う。 | 過度の免疫抑制作用による感染症誘発の危険性がある。 |
降圧剤 [11.1.13参照] | 一過性の血圧下降があらわれることがある。 | 血圧下降を増強させるおそれがある。 |
5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 | |
呼吸器 | 咽喉頭炎(25.5%)、鼻炎(15.8%)、口腔咽頭不快感(12.8%)、咳 | 呼吸障害、喘鳴、鼻出血 | |
循環器 | 血圧上昇(12.3%)、頻脈、潮紅 | 動悸、血管拡張、徐脈、末梢性虚血 | |
消化器 | 悪心・嘔吐(15.6%)、腹痛、口内炎、食欲不振、下痢 | 口内乾燥、便秘、しぶり腹 | |
過敏症 | 発熱(29.8%)、そう痒(14.0%)、発疹(13.6%)、悪寒(12.6%)、ほてり | 蕁麻疹、関節痛、筋肉痛、インフルエンザ様症候群 | 血清病 |
全身状態 | 疼痛(24.7%)、倦怠感(15.2%)、虚脱感(14.6%)、頭痛(13.2%)、多汗、浮腫 | 胸痛、体重増加、無力症 | |
精神神経系 | 異常感覚、しびれ感、眩暈、不眠症 | ||
血液・凝固 | 貧血(17.3%) | 好酸球増多 | フィブリン分解産物[FDP、Dダイマー]増加、血小板増加 |
腎臓 | 電解質異常、BUN上昇、クレアチニン上昇 | ||
肝臓 | ALT上昇、AST上昇 | 総ビリルビン上昇、Al-P上昇 | |
その他 | CRP上昇(13.7%)、LDH上昇 | 帯状疱疹、結膜炎、総蛋白減少、尿酸値上昇、皮脂欠乏性湿疹、投与部位反応(疼痛、腫脹等)、アルブミン減少、しゃっくり、筋攣縮 |
投与量(mg/m2) | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375×4週 | 194.3±58.3 | 387.8±188.7 | 517±248 | 118237±53412 |
投与量(mg/m2) | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375×8週 | 445.2±103.0 | 393.6±185.2 | 568±267 | 502147±174273 |
投与量(mg/m2) | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375×20回 | 367.0±78.9 | 344±349 | 496±504 | 3370000±714000 |
投与量(mg/m2) | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375×6回 | 294.0±41.4 | 270±46.1 | 389±66.6 | 548000±93900 |
375×8回 | 329.0±46.4 | 282±64.1 | 407±92.5 | 753000±119000 |
投与量 | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375mg/m2×1回 500mg/m2×5回 | 351±36.3 | 242±237 | 349±342 | 804000±155000 |
投与量 | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375mg/m2(500mg/回)×2週 | 375±45.0 | 154±64.1 | 223±92.5 | 216000±49300 |
投与量 | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375mg/m2(500mg/回)×4週 | 421±84.7 | 234±86.7 | 337±125 | 366000±110000 |
投与量 | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375mg/m2(500mg/回)×4週 | 300±58.3 | 78.8±58.5 | 114±84.3 | 171000±85100 |
投与量(mg/m2) | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs)注1) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375×4週 | 485±268 | 515±140 | 789±284 | 338000±117000 |
投与量 | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs)注2) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
1,000mg/body×2回 | 433±79.5 | 535±255 | 566±310 | 283000±90200 |
投与量(mg/m2) | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375×2回 | 192.0±49.6 | 172±112 | 248±161 | 178000±38500 |
投与量(mg/m2) | Cmax(μg/mL) | T1/2(hrs) | 平均滞留時間(hrs) | AUC(μg・hr/mL) |
375×2回 | 289.0±54.7 | 79.5±42.9注3) | 115±61.8注3) | 179000±32500 |
375×1回 | 251.0±54.8 | 94.3±27.4 | 136±39.3 | 62500±12500 |
組織型 | 適格症例 | 完全寛解 | 部分寛解 | 奏効率 95%信頼区間 | PFS中央値 95%信頼区間 |
低悪性度又はろ胞性リンパ腫 | 61 | 14 | 23 | 61% (47%、73%) | 245日 (189日、337日) |
マントル細胞リンパ腫 | 13 | 0 | 6 | 46% (19%、75%) | 111日 (50日、146日) |
副作用名 | 発現頻度 | 最低値(/μL) 中央値(範囲) | 最低値までの期間 中央値(範囲) | 回復までの期間 中央値(範囲) |
白血球減少 | 55.6% (2,000/μL未満:15.6%) | 2,510 (900〜3,900) | 12.5日 (1〜266日) | 13日 (3〜125日) |
好中球減少 | 55.6% (1,000/μL未満:20.0%) | 1,370 (250〜1,980) | 29.5日 (1〜266日) | 14日 (3〜154日) |
血小板減少 | 15.6% (5万/μL未満:3.3%) | 6.75万 (2万〜9.9万) | 2日 (0〜201日) | 5.5日 (2〜42日) |
ヘモグロビン減少 | 20.0% | 9.95注1) (9.0〜10.9) | 20日 (1〜178日) | 7日 (2〜63日) |
適格症例 | 完全寛解 | 部分寛解 | 奏効率 95%信頼区間 | PFS中央値 95%信頼区間 | |
再投与症例注2) | 13 | 0 | 5 | 38% (14%、68%) | 152日 (124日、230日) |
組織型 | 適格症例 | 完全寛解 | 部分寛解 | 奏効率 95%信頼区間 | PFS中央値 95%信頼区間 |
中・高悪性度リンパ腫注3) | 57 | 7 | 14 | 37% (24%、51%) | 54日 (35日、111日) |
副作用名 | 発現頻度 | 発現までの期間 中央値(範囲) | 回復までの期間 中央値(範囲) |
白血球減少 | 37.3% (2,000/μL未満:7.5%) | 35日 (2〜148日) | 6日 (1〜77日) |
好中球減少 | 32.8% (1,000/μL未満:16.4%) | 39日 (2〜148日) | 5日 (1〜35日) |
血小板減少 | 3.0% | 33日 (31〜35日) | 7日 (7〜7日) |
維持療法群 (n=505) | 無治療観察群 (n=513) | |
中央値 (95%信頼区間) | NE (NE、NE) | NE (34.5ヵ月、NE) |
ハザード比 (95%信頼区間) | 0.50 (0.39、0.64) | |
p値(log-rank検定) | p<0.0001 |
FCレジメン群 (n=407) | FCRレジメン群 (n=403) | |
中央値 (95%信頼区間) | 981日 (835日、1,069日) | 1,212日 (1,098日、NE) |
ハザード比 (95%信頼区間) | 0.56 (0.43、0.72) | |
p値(log-rank検定) (有意水準両側0.016) | p<0.0001 |
FCレジメン群 (n=276) | FCRレジメン群 (n=276) | |
中央値 (95%信頼区間) | 627日 (550日、731日) | 932日 (792日、1,161日) |
ハザード比 (95%信頼区間) | 0.65 (0.51、0.82) | |
p値(log-rank検定) (有意水準両側0.045) | p=0.0002 |
リツキシマブ群 (n=99) | シクロホスファミド群 (n=98) | 2群間の有効率の差 (リツキシマブ群−シクロホスファミド群) | |
完全寛解率注5) (95%信頼区間) | 64% (54%、73%) | 53% (43%、63%) | 11%注6) (−3%、24%) |
リツキシマブ群 (18例) | プラセボ群 (22例) | |
無再発期間の中央値 (95%信頼区間) | 285.0日 (173.0日、NE) | 80.5日 (66.0日、100.0日) |
再発のハザード比 (95%信頼区間)注7) | 0.266 (0.120、0.592) | |
p値注8) (有意水準両側0.05) | p=0.0006 |
リツキシマブ群 (21例) | プラセボ群 (21例) | |
無再発期間注10)の中央値 (95%信頼区間) | 234日 (170日、358日) | 100日 (76日、156日) |
再発のハザード比 (95%信頼区間)注11) | 0.1917 (0.0728、0.5043) | |
p値注12) (有意水準片側0.0025) | p=0.00015 |
例数 | Day 169時注15)に尿蛋白クレアチニン比のベースラインからの減少率が50%以上の割合 (95%信頼区間) |
6 | 83.3% (43.6%、97.0%) |
リツキシマブ群 | プラセボ群 | |
ベースライン | 14.4±3.7(28) | 15.7±5.5(26) |
投与24週時 | 8.3±4.0(27) | 18.2±8.7(22) |
ベースラインからの変化量注19) | −6.3±0.9 | 2.1±0.9 |
プラセボ群との差注19)[95%信頼区間] p値注19),注20) | −8.4[−11.0,−5.9] <0.001 | / |
リツキシマブ群(20例) | |
投与24週時の寛解率注27) (95%信頼区間) | 75.0% (50.9%、91.3%) |
リツキシマブ群 (62例) | ミコフェノール酸 モフェチル群 (63例) | |
投与開始52週までの完全寛解持続達成率注32) | 40.3% | 9.5% |
ミコフェノール酸 モフェチル群との差注33)(95%信頼区間) p値注34) | 30.80%(14.70%,45.15%) p<0.0001 |
リツキシマブ群 (19例) | プラセボ群 (19例) | |
72週時点の累積無再発率 | 100% | 63.2% |
再発までの週数 (平均値±標準偏差) | NE | 38.4±19.6 |
p値 (log-rank検定) | p=0.0058 |
例数 | 移植4週後の抗A抗B抗体関連型拒絶反応無発現率注38) (95%信頼区間) | 移植48週後の腎生着率 (95%信頼区間) | 移植48週後の生存率 (95%信頼区間) |
17 | 100% (80.5%、100%) | 100% (80.5%、100%) | 100% (80.5%、100%) |
例数 | 移植24週後時点の腎生着率注40) (95%信頼区間) | 移植48週後の抗体関連型拒絶反応無発現率注41) (95%信頼区間) | 移植48週後の腎生着率 (95%信頼区間) | 移植48週後の生存率 (95%信頼区間) |
24 | 90.8%注42) (81.3%、95.6%) | 81.8%注43) (59.7%、94.8%) | 91.7%注44) (73.0%、99.0%) | 100% (85.8%、100%) |
例数 | 本剤投与1ヵ月後の血清クレアチニン値の改善率注50) (95%信頼区間) |
25 | 76.0% (54.9%、90.6%) |
一般的名称 | リツキシマブ(遺伝子組換え) |
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一般的名称(欧名) | Rituximab(Genetical Recombination) |
分子量 | 144,510 Da(daltons) |
理化学知見その他 | ヒトBリンパ球表面に存在する分化抗原CD20(リンタンパク質)に結合するモノクローナル抗体で、CD20抗原の認識部位(可変部領域)がマウス由来、それ以外の部分(定常部領域)がヒト由来(IgG1κ)のマウス−ヒトキメラ型抗体であり、1,328個のアミノ酸から構成されている。 |
KEGG DRUG | D02994 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/09/17 版 |