医療用医薬品 : ポビドンヨード

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医薬品情報


総称名 ポビドンヨード
一般名 ポビドンヨード
欧文一般名 Povidone-Iodine
製剤名 10%ポビドンヨード液含浸綿棒
薬効分類名 外用殺菌消毒剤
薬効分類番号 2612
ATCコード D08AG02 D09AA09 D11AC06 G01AX11 R02AA15 S01AX18
KEGG DRUG
D00863 ポビドンヨード
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年11月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ポビドンヨード液10%綿棒12「ケンエー」 Povidone-Iodine Solution 10% Cotton Swab「KENEI」 健栄製薬 261270AX2030
ポビドンヨード液10%綿棒16「ケンエー」 Povidone-Iodine Solution 10% Cotton Swab「KENEI」 健栄製薬 261270AX3037
ポビドンヨード液10%綿棒27「ケンエー」 Povidone-Iodine Solution 10% Cotton Swab「KENEI」 健栄製薬 261270AX7032

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒、熱傷皮膚面の消毒、感染皮膚面の消毒

6. 用法及び用量

効能又は効果用法及び用量
手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒本剤を塗布する。
皮膚・粘膜の創傷部位の消毒、熱傷皮膚面の消毒、感染皮膚面の消毒本剤を患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 甲状腺機能に異常のある患者
血中ヨウ素の調節ができず甲状腺ホルモン関連物質に影響を与えるおそれがある1)
9.1.2 重症の熱傷患者
ヨウ素の吸収により、血中ヨウ素値が上昇することがある。
9.5 妊婦
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
長期にわたる広範囲の使用を避けること2)
本溶液を妊婦の膣内に長期間使用し、新生児に一過性の甲状腺機能低下があらわれたとの報告がある3)
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
長期にわたる広範囲の使用を避けること2)
ポビドンヨード製剤を膣内に使用し、乳汁中の総ヨウ素値が一過性に上昇したとの報告がある4)
9.7 小児等
本溶液を新生児に使用し、一過性の甲状腺機能低下を起こしたとの報告がある5)

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(0.1%未満)
呼吸困難、不快感、浮腫、潮紅、蕁麻疹等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%未満
過敏症発疹
皮膚接触皮膚炎、そう痒感、灼熱感、皮膚潰瘍、皮膚変色
甲状腺血中甲状腺ホルモン値(T3、T4値等)の上昇あるいは低下などの甲状腺機能異常

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

酸化反応を利用した潜血試験において、本剤が検体に混入すると偽陽性を示すことがある6)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 本剤は外用剤であるので、経口投与、体腔内(腹腔内、胸腔内等)に使用しないこと。
14.1.2 開封時及び開封後は、微生物による汚染に注意すること。脱脂綿部に指が触れないよう注意すること。
14.1.3 開封後は速やかに使用すること。
14.1.4 大量かつ長時間の接触によって接触皮膚炎、皮膚変色があらわれることがあるので、溶液の状態で長時間皮膚と接触させないこと7)。本溶液が手術時に体の下にたまった状態や、ガーゼ・シーツ等にしみ込み湿った状態で、長時間皮膚と接触しないよう消毒後は拭き取るか乾燥させるなど注意すること。
14.1.5 眼に入らないように注意すること。入った場合には、水でよく洗い流すこと。
14.1.6 石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落してから使用すること。
14.1.7 電気的な絶縁性をもっているので、電気メスを使用する場合には、本溶液が対極板と皮膚の間に入らないよう注意すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
ポビドンヨード製剤を膣内に使用し、血中総ヨウ素値及び血中無機ヨウ素値が一過性に上昇したとの報告がある8)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤はヨウ素(I2)を遊離することにより殺菌作用を現す。すなわち、遊離ヨウ素が水を酸化して生じるH2OIが微生物表面の膜タンパクと反応することにより、細菌、ウイルスなどを死滅させる9)
18.2 抗菌作用
18.2.1 ポビドンヨードは、栄養型細菌(グラム陽性菌、グラム陰性菌)、結核菌、真菌、一部のウイルスに有効である。
18.2.2 本剤の絞り液の殺菌効果(in vitro10)
供試菌株殺菌時間*
clean条件下dirty条件下
(2%酵母添加)
dirty条件下
(0.2%アルブミン添加)
Staphylococcus aureus NBRC 12732≦15秒間≦15秒間≦15秒間
Staphylococcus aureus(臨床分離株MRSA-01)≦15秒間60秒間≦15秒間
Staphylococcus epidermidis ATCC 12228≦15秒間≦15秒間≦15秒間
Escherichia coli NBRC 3806≦15秒間30秒間≦15秒間
Proteus vulgaris NBRC 3988≦15秒間≦15秒間≦15秒間
Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275≦15秒間≦15秒間≦15秒間
Burkholderia cepacia NBRC 15124≦15秒間≦15秒間≦15秒間
Serratia marcescens NBRC 12648≦15秒間≦15秒間≦15秒間
Candida albicans NBRC 1594≦15秒間30秒間≦15秒間
18.3 生物学的同等性試験
ポビドンヨード液10%綿棒12「ケンエー」、ポビドンヨード液10%綿棒16「ケンエー」及びポビドンヨード液10%綿棒27「ケンエー」と10w/v%ポビドンヨード液標準製剤の殺菌効果について、in vitroの最小発育阻止濃度(MIC)法、最小殺菌濃度(MBC)法及びKelsey-Sykes法により比較した結果、両剤の生物学的同等性が確認された11)12)13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ポビドンヨード

一般的名称 ポビドンヨード
一般的名称(欧名) Povidone-Iodine
化学名 Poly[1-(2-oxopyrrolidin-1-yl)ethylene]iodine
分子式 (C6H9NO)n・xI
物理化学的性状 ポビドンヨードは暗赤褐色の粉末で、僅かに特異なにおいがある。
水又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは1.5〜3.5である。
KEGG DRUG D00863

20. 取扱い上の注意

直射日光を避けて保管すること。

22. 包装

<ポビドンヨード液10%綿棒12「ケンエー」>
56本[2本(2連トレー)×28]
<ポビドンヨード液10%綿棒16「ケンエー」>
56本[2本(2連トレー)×28]
<ポビドンヨード液10%綿棒27「ケンエー」>
20本[1本(トレー)×20]

23. 主要文献

  1. 石突吉持, 日本医師会雑誌, 97 (7), 1247-1250, (1987)
  2. Danziger,Y.,et al., Arch.Dis.Child., 62, 295-296, (1987) »PubMed »DOI
  3. 大塚春美ほか, 日本新生児学会雑誌, 30 (4), 765, (1994)
  4. 北村隆ほか, Prog.Med., 7 (5), 1031-1034, (1987)
  5. Jackson,H.J.,et al., Lancet., 8253, 992, (1981)
  6. Bar-Or,D.,et al., Lancet., 8246, 589, (1981)
  7. Okano,M., J.Am.Acad.Dermatol., 20 (5), 860, (1989)
  8. Vorherr,H.,et al., JAMA., 244 (23), 2628-2629, (1980) »PubMed
  9. 松原肇ほか, 日本医事新報, 3847, 117, (1998)
  10. 健栄製薬株式会社 社内資料:ポビドンヨード液10%綿棒「ケンエー」の殺菌効力について
  11. 健栄製薬株式会社 社内資料:ポビドンヨード液10%綿棒12「ケンエー」の生物学的同等性について
  12. 健栄製薬株式会社 社内資料:ポビドンヨード液10%綿棒16「ケンエー」の生物学的同等性について
  13. 健栄製薬株式会社 社内資料:ポビドンヨード液10%綿棒27「ケンエー」の生物学的同等性について

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
健栄製薬株式会社 学術情報部
〒541-0044 大阪市中央区伏見町2丁目5番8号
電話:06-6231-5822
FAX:06-6204-0750
製品情報問い合わせ先
健栄製薬株式会社 学術情報部
〒541-0044 大阪市中央区伏見町2丁目5番8号
電話:06-6231-5822
FAX:06-6204-0750

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
健栄製薬株式会社
大阪市中央区伏見町2丁目5番8号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版