<アレルギー性鼻炎>
17.1.1 国内前期第II相試験(成人)
アレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象にベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を4週間経口投与したときの最終全般改善度
注1)(中等度改善以上)は、65.0%(13/20例)であった。
副作用は眠気4.2%(1/24例)のみであった
8)。
17.1.2 国内後期第II相試験(成人)
アレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象にベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を4週間経口投与したときの最終全般改善度
注1)(中等度改善以上)は、65.3%(49/75例)であった。
副作用発現頻度は7.2%(6/83例)であった。主な副作用は眠気6.0%(5/83例)であった
9)。
17.1.3 国内第III相試験(成人)
アレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象にベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を4週間経口投与したときの最終全般改善度
注1)(中等度改善以上)は、62.1%(64/103例)であった。
副作用発現頻度は5.9%(7/118例)であった。主な副作用は眠気3.4%(4/118例)、口渇1.7%(2/118例)であった
10)。
17.1.4 国内第III相試験(小児)
小児(7〜15歳)のアレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象とした投与2週間の二重盲検比較試験において、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)群(240例)及びプラセボ群(232例)における鼻の3主徴(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉)合計スコア(最終評価時)のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)はそれぞれ−1.587±1.332及び−1.102±1.462であり、共分散分析(投与群を因子、投与前スコアを共変量)の結果、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日のプラセボに対する優越性が検証された(p<0.001)。
副作用発現頻度は、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日群で1.7%(4/240例)であった。副作用の内訳は尿中血陽性、ALT増加、AST増加、肝機能検査異常及び白血球数増加いずれも0.4%(1/240例)であった
11)。
17.1.5 国内第III相長期投与試験(小児)
小児(7〜15歳)のアレルギー性鼻炎患者(通年性)58例を対象とした投与12週間の長期投与試験(非盲検)において、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)の鼻の3主徴(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉)合計スコアのベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)は投与2週時−0.943±1.549、投与4週時−1.388±1.465、投与12週時−1.451±1.707であった。
副作用発現頻度は3.4%(2/58例)であった。副作用の内訳は傾眠、肝機能検査異常いずれも1.7%(1/58例)であった
12)。
<蕁麻疹>
17.1.6 国内前期第II相試験(成人)
慢性蕁麻疹患者を対象とした試験においてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与したときの最終全般改善度
注2)(中等度改善以上)は、75.0%(24/32例)であった。
副作用は眠気6.1%(2/33例)のみであった
13)。
17.1.7 国内後期第II相試験(成人)
慢性蕁麻疹患者を対象とした試験においてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与したときの最終全般改善度
注2)(中等度改善以上)は、76.1%(67/88例)であった。
副作用発現頻度は10.4%(10/96例)であった。主な副作用は眠気6.3%(6/96例)であった
14)。
17.1.8 国内第III相試験(成人)
慢性蕁麻疹患者を対象としてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与したときの最終全般改善度
注2)(中等度改善以上)は、76.9%(100/130例)であった。
副作用発現頻度は12.7%(18/142例)であった。主な副作用は眠気7.7%(11/142例)、口渇2.8%(4/142例)であった
15)。
17.1.9 国内第III相試験(成人)
投与期間を1週間(7+2日間)とし、プラセボを対照薬とした慢性蕁麻疹の二重盲検比較試験において、ベポタスチンベシル酸塩はプラセボと比較して、
そう痒及び発斑の症状スコアを有意に減少させた。
症状 | 薬剤群 | 例数 | 投与前日 | 最終投与時 | 変化量 | 検定 (無制約LSD法) |
平均値 | 標準誤差 | 平均値 | 標準誤差 | 平均値 | 標準誤差 |
そう痒 | 10mg×2 | 55 | 2.75 | 0.091 | 1.13 | 0.122 | −1.62 | 0.141 | p<0.0001 |
プラセボ | 54 | 2.70 | 0.086 | 2.56 | 0.120 | −0.15 | 0.133 |
発斑 | 10mg×2 | 55 | 2.33 | 0.064 | 0.84 | 0.118 | −1.49 | 0.124 | p<0.0001 |
プラセボ | 54 | 2.30 | 0.063 | 1.83 | 0.114 | −0.46 | 0.111 |
副作用発現頻度は、ベポタスチンベシル酸塩群で10.9%(6/55例)であった。主な副作用は、眠気5.5%(3/55例)、悪心5.5%(3/55例)、めまい3.6%(2/55例)であった
16)。
<皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症)>
17.1.10 国内第III相試験(成人)
患者217例を対象としてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与した一般臨床試験の最終全般改善度(中等度改善以上)は、全体で64.7%(119/184例)で、疾患群別では湿疹・皮膚炎群63.1%(65/103例)、痒疹群73.2%(30/41例)、皮膚
そう痒症60.0%(24/40例)であった。
副作用発現頻度は、全体で9.2%(19/206例)で、疾患群別では湿疹・皮膚炎群8.5%(10/117例)、痒疹群6.7%(3/45例)、皮膚
そう痒症13.6%(6/44例)であった。主な副作用は、いずれの群においても眠気で、全体で5.8%(12/206例)、湿疹・皮膚炎群4.3%(5/117例)、痒疹群4.4%(2/45例)、皮膚
そう痒症11.4%(5/44例)であった
17)。
<アトピー性皮膚炎>
17.1.11 国内第III相試験(小児)
小児(7〜15歳)を対象とした投与2週間の二重盲検比較試験において、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)群(151例)及びケトチフェンフマル酸塩群(152例)における
そう痒スコア(最終評価時)のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)はそれぞれ−0.674±0.723及び−0.634±0.762であり、共分散分析(投与群を因子、投与前スコアを共変量)の結果、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日のケトチフェンフマル酸塩ドライシロップに対する非劣性が検証された(スコア変化量の調整済平均値の群間差の95%信頼区間上限が0.4以下)。
副作用は、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日群で傾眠2.0%(3/151例)のみであった
18)。
17.3.1 眠気及び精神運動能に対する影響
(1)プラセボを対照薬とした慢性蕁麻疹の二重盲検群間比較試験において、ベポタスチンベシル酸塩投与群〔20mg/日〕(55例)の眠気の副作用発現頻度は、プラセボ投与群(54例)と同程度であった
16)。[
8.1参照]
(2)小児(7〜15歳)を対象とした4試験の統合解析の結果、眠気の副作用発現頻度はプラセボ群で0.3%(1/395例)、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日投与群で0.8%(5/615例)であった
11)12)18)19)。[
8.1参照]
(3)健康成人男子を対象に連続加算テストによる精神運動機能に及ぼす影響を検討した結果、ベポタスチンベシル酸塩投与群の正答数の変化率はプラセボ投与群と有意差がなく、精神運動機能に対する影響は認められなかった
20)。[
8.1参照]
注1)主症状であるくしゃみ、鼻汁、鼻閉を中心に、症状・所見の推移をもとに5段階で判定(著明改善:著しい症状の改善を認める、中等度改善:かなり症状の改善を認める、軽度改善:わずかな症状の改善を認める、不変:症状に変化がない、悪化:観察期間に比べて症状の悪化を認める)
注2)そう痒及び発斑(膨疹・紅斑)の推移をもとに5段階で判定(著明改善:いずれも消失するかそう痒が消失して発斑が著しく軽快、中等度改善:いずれもかなり軽快、軽度改善:やや軽快、不変:変化がない、悪化)