医療用医薬品 : アルジオキサ

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医薬品情報


総称名 アルジオキサ
一般名 アルジオキサ
欧文一般名 Aldioxa
薬効分類名 胃炎・消化性潰瘍治療剤
薬効分類番号 2329
KEGG DRUG
D02033 アルジオキサ
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2021年8月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アルジオキサ錠100mg「あすか」 (後発品) あすか製薬 2329002F2190 5.9円/錠
アルジオキサ顆粒25%「あすか」 (後発品) あすか製薬 2329002D3063 7.7円/g
アルジオキサ顆粒50%「あすか」 (後発品) あすか製薬 2329002D4329 9.4円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
透析療法を受けている患者[他のアルミニウム含有製剤で、長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれたとの報告がある。][9.2.1参照]

4. 効能または効果

下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善

6. 用法及び用量

アルジオキサとして、通常成人1日300〜400mgを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析療法を受けている患者
投与しないこと。[2.参照]
9.2.2 腎障害のある患者
長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン
ドキシサイクリン塩酸塩水和物等
テトラサイクリン系抗生物質の作用が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないこと。本剤に含まれるアルミニウムイオンとキレートを形成し、吸収が阻害される。
ニューキノロン系抗菌剤
塩酸シプロフロキサシン
ノルフロキサシン
オフロキサシン等
ニューキノロン系抗菌剤の作用が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないこと。本剤に含まれるアルミニウムイオンとキレートを形成し、吸収が阻害される。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満
消化器便秘

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
アルジオキサ-14Cをラットに経口投与した場合、消化管内でアラントインと水酸化アルミニウムに加水分解され、アラントインの大部分は吸収され、血中濃度は投与後0.5〜1時間で最高に達した1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<胃潰瘍>
17.1.1 国内二重盲検比較試験
胃潰瘍患者を対象に本剤(アルジオキサとして100mg)1日4回6週間経口投与し、対照群(ゲファルナート)と比較した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった2)
 n総合評価判定(累積有効率)Ridit検定
著効有効やや有効無効
アルジオキサ4020(50.0%)7(67.5%)5(80.0%)8N.S.
ゲファルナート4018(45.0%)5(57.5%)8(77.5%)9
<十二指腸潰瘍>
17.1.2 国内臨床試験
十二指腸潰瘍患者74例(男性59例、女性15例)を対象に本剤(アルジオキサとして100mg)1日4回6週間経口投与した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった3)
内視鏡判定による有効率(累積有効率)n著効有効やや有効無効
7426(35.1%)21(63.5%)7(73.0%)20
<胃炎>
17.1.3 国内二重盲検比較試験
急性胃炎又は慢性胃炎の急性増悪所見を有する患者を対象に本剤(アルジオキサとして100mg)1日4回1週間経口投与し、対照群(プラセボ)と比較した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった4)
 n総合判定Mann-Whitney U検定
著効有効やや有効無効悪化
アルジオキサ113235224131p<0.01
プラセボ118105236173
17.1.4 国内臨床試験
急性胃炎又は慢性胃炎患者を対象に本剤4週間経口投与し、1日2回投与(アルジオキサとして1回200mg)と1日4回投与(アルジオキサとして1回100mg)を比較した結果、以下のとおりであった。副作用は認められなかった5)
 n総合効果判定(累積有効率)Wilcoxon順位和検定
著効有効やや有効無効
1日2回投与2811(39.3%)9(71.4%)6(92.9%)2N.S.
1日4回投与2210(45.5%)3(59.1%)5(81.8%)4

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
局所傷薬であるアラントインに制酸作用を有する水酸化アルミニウムを結合させたもので、消化管内で加水分解され両者が分離する。アラントインの大部分は吸収される。持続的な制酸作用、抗ペプシン作用を現す。また、胃粘膜損傷部位に付着し被覆作用を現すと共に、肉芽形成、結合組織の増生、粘膜再生及び粘膜下血管の新生を促し、潰瘍の治癒過程を促進する6)
18.2 薬理作用
酢酸潰瘍7)、ストレス潰瘍8)等の実験潰瘍において内視鏡的あるいは肉眼的及び組織学的に治癒の促進が認められ、また、ストレス潰瘍9)、Shay潰瘍8)9)、ヒスタミン潰瘍8)、レセルピン潰瘍10)、フェニルブタゾン潰瘍10)において潰瘍の発生が抑制された(ラット、ヒスタミン潰瘍のみモルモット)。これらの実験潰瘍に対する効果は次のような薬理作用に基づくものと考えられる。
18.2.1 肉芽形成・粘膜上皮再生促進作用
酢酸潰瘍における組織学的検討から、肉芽組織の増生及び粘膜上皮の再生が早期に認められ、潰瘍の瘢痕化を促進した(ラット)7)
18.2.2 胃粘膜微小血管新生・血流改善作用
酢酸潰瘍において潰瘍部周辺の粘膜下血管及び漿膜面からの放射状血管を新生させ、早期に血管構築を完成させた(ラット)11)。また、アスピリンによる胃粘膜血流低下に対し抑制作用を示した(ラット)12)
18.2.3 粘液合成分泌促進作用
酢酸潰瘍における組織化学的検討から、再生上皮及び潰瘍底肉芽組織の酸性ムコ多糖体を増加させた(ラット)7)。また、アスピリンにより惹起された胃粘膜中のヘキソサミンの減少を用量依存的に抑制し、同時に胃液中へのヘキソサミンの遊離抑制、すなわち粘液層の破壊抑制作用も認められた(ラット)13)
18.2.4 胃粘膜PGs正常化作用
アルコール胃粘膜障害におけるPGs(PGE、6-keto-PGF)の減少に対し、有意な抑制作用を示した(ラット)14)
18.2.5 HBack diffusion抑制作用
アスピリンによる胃障害において惹起されたHのBack diffusionに対し、有意な抑制作用を示した(ラット)13)
18.2.6 抗ペプシン作用
4%溶液においてほぼ完全にペプシンの活性を抑制した(West Ellis&Scott法:in vitro8)。また、10分後すでにその活性を10%以下に抑制し、その効果は100分以上持続した(K.Schaub法:in vitro15)
18.2.7 制酸作用
0.05N塩酸100mLに対する中和能は、水酸化アルミニウムとほぼ同等の作用を示し(in vitro)、また、ヒスタミン刺激による胃液分泌に対し、遊離酸度、総酸度を減少させ、pHを上昇させた(イヌ)15)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アルジオキサ

一般的名称 アルジオキサ
一般的名称(欧名) Aldioxa
化学名 Dihydroxo[(4RS)-5-oxo-4-ureido-4,5-dihydro-1H-imidazol-2-yl]oxoaluminium
分子式 C4H7AlN4O5
分子量 218.10
融点 約230℃(分解)
物理化学的性状 白色の粉末である。
水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
フッ化ナトリウム・塩酸試液溶液(1→100)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D02033

22. 包装

<アルジオキサ錠100mg「あすか」>
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
1,000錠[10錠(PTP)×100]
1,000錠[アルミ袋、バラ]
<アルジオキサ顆粒25%「あすか」>
500g[アルミ袋]
<アルジオキサ顆粒50%「あすか」>
100g[アルミ袋]
500g[アルミ袋]

23. 主要文献

  1. 府川和永他, 応用薬理, 11 (4), 421-428, (1976)
  2. 石井信光他, 診療と新薬, 12 (4), 897-923, (1975)
  3. 大木一郎他, 基礎と臨床, 10 (12), 3429-3444, (1976)
  4. 山形敞一他, 診療と新薬, 15 (2), 287-295, (1978)
  5. 馬場滝夫他, 基礎と臨床, 24 (5), 2797-2807, (1990)
  6. 第十七改正日本薬局方解説書, C352-355, (2016), (廣川書店)
  7. 府川和永他, 応用薬理, 7 (9-10), 1339-1348, (1973)
  8. 社内資料:薬理学的研究
  9. Cahen,R.et al., Ann.Pharm.Franc., 20, 704-713, (1962) »PubMed
  10. Cahen,R.et al., Ann.Pharm.Franc., 21, 215-222, (1963) »PubMed
  11. 府川和永他, 応用薬理, 8 (1), 45-54, (1974)
  12. 河野 修他, 薬理と治療, 14 (3), 1367-1371, (1986)
  13. 府川和永他, 応用薬理, 26 (6), 921-925, (1983)
  14. 府川和永他, 応用薬理, 27 (2), 295-300, (1984)
  15. Cahen,R.et al., Ann.Pharm.Franc., 20, 693-703, (1962) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
あすか製薬株式会社 くすり相談室
〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目5番1号
電話:0120-848-339
FAX:03-5484-8358
製品情報問い合わせ先
あすか製薬株式会社 くすり相談室
〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目5番1号
電話:0120-848-339
FAX:03-5484-8358

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
あすか製薬株式会社
東京都港区芝浦二丁目5番1号
26.2 販売元
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版