医療用医薬品 : 硝酸イソソルビド

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医薬品情報


総称名 硝酸イソソルビド
一般名 硝酸イソソルビド
欧文一般名 Isosorbide Dinitrate
製剤名 硝酸イソソルビド・テープ剤
薬効分類名 経皮吸収型・虚血性心疾患治療剤
薬効分類番号 2171
ATCコード C01DA08
KEGG DRUG
D00516 硝酸イソソルビド
KEGG DGROUP
DG01270 硝酸イソソルビド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
硝酸イソソルビドテープ40mg「東光」 (後発品) ISOSORBIDE DINITRATE TAPES 40mg「TOKO」 東光薬品工業 2171700S1176 33.6円/枚 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。][9.1.1参照]
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
2.3 頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
2.4 高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]
2.5 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.6 ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

狭心症心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患

5. 効能または効果に関連する注意

本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

6. 用法及び用量

通常、成人に対し、1回1枚(硝酸イソソルビドとして40mg)を胸部、上腹部又は背部のいずれかに貼付する。貼付後24時間又は48時間ごとに貼りかえる。
なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。
8.2 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。
また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。
8.3 本剤の貼付により過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を剥離し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
8.4 起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
8.5 本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.6 本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがある。このような場合には、貼付部位を変更しステロイド軟膏等を投与するか、投与中止するなど適切な処置を行うこと。[14.2.3参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低血圧の患者(重篤な低血圧のある患者を除く)
血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。[2.1参照]
9.1.2 原発性肺高血圧症の患者
心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。
9.1.3 肥大型閉塞性心筋症の患者
心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
減量するなどして使用すること。高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物(レビトラ)
タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
2.6参照]
併用により、降圧作用を増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
2.6参照]
併用により、降圧作用を増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
10.2 併用注意
下記の薬剤等との相互作用により、過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を剥離し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
アルコール摂取血圧低下等が増強されるおそれがある。血管拡張作用が増強される。
利尿剤血圧低下等が増強されるおそれがある。血圧低下作用を増強させる。
血管拡張剤
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。血管拡張作用が増強される。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上注1)0.1〜5%未満注1)0.1%未満注1)頻度不明
循環器 血圧低下めまい・ふらつき、熱感、潮紅、動悸 
精神神経系 頭痛 脱力感、不快感
過敏症皮膚の刺激感 発疹 
皮膚一次刺激性の接触皮膚炎(刺激症状、発赤、そう痒等)注2)、アレルギー性接触皮膚炎 接触性皮膚炎の後の色素沈着(軽度) 
消化器  悪心胃部不快感、食欲不振、嘔吐

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。
14.2 薬剤貼付時の注意
14.2.1 皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。
14.2.2 貼付部位に、発汗、湿潤、汚染等がみられるときは清潔なタオル等でよくふき取ってから本剤を貼付すること。特に夏期は、一般的に密封療法では皮膚症状が誘発されることが知られているので、十分に注意して投与すること。
14.2.3 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること。[8.6参照]

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。
なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある1)
15.1.2 硝酸イソソルビド製剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子20名を対象として、本剤を胸部に貼付したときの血漿中の硝酸イソソルビド濃度の推移は、投与3時間後に1.57±0.60ng/mLに達した後、投与後24時間、48時間でもそれぞれ2.04±0.18ng/mL、1.61±0.16ng/mLと持続した血漿中濃度を示した2)

17. 臨床成績

17.3 その他
17.3.1 皮膚刺激性
健康成人43名(男子30名、女子13名)を対象として、本剤を48時間貼付したときの皮膚刺激性は、除去後30分及び除去後24時間いずれも異常は認められなかった3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
硝酸イソソルビドは主に末梢の容量血管を拡張して前負荷を減少させるとともに、冠動脈に対しては拡張作用と攣縮解除作用を有し、心筋酸素需給のアンバランスを改善することにより心機能の改善をもたらす。
18.2 血行動態に及ぼす作用
狭心症・無痛性虚血性心疾患の患者に対し、硝酸イソソルビドテープ40mgを1日1枚ずつ貼付し2週間経過後の心エコー図法による検討では、拡張末期容量が観察期に比べ、平均8.5%の減少(P<0.01%)を示した。また、収縮末期容量についても同様に平均9.3%の減少(P<0.01%)を示した4)
18.3 運動耐容能の増加作用
硝酸イソソルビドテープ剤を用いた労作狭心症患者のエルゴメータ運動負荷試験では、貼付48時間後においても、投与前に比較して有意な運動耐容能の増加を示した5)。また、トレッドミル試験による運動耐容能も硝酸イソソルビドテープ剤により増加した。その増加の程度は貼付枚数に比例する傾向を示し、血漿中硝酸イソソルビド濃度と運動耐容能の間には正の用量反応関係が示された6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 硝酸イソソルビド

一般的名称 硝酸イソソルビド
一般的名称(欧名) Isosorbide Dinitrate
化学名 1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate
分子式 C6H8N2O8
分子量 236.14
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。
KEGG DRUG D00516

22. 包装

70枚[1枚×70]、100枚[1枚×100]

23. 主要文献

  1. Demots H,et al., J Am Coll Cardiol., 13 (4), 786-793, (1989) »PubMed
  2. 社内資料(1992年3月承認、申請資料)
  3. 社内資料(1992年3月承認、申請資料)
  4. 名越秀樹ほか, 薬理と治療, 14 (8), 5407-5415, (1986)
  5. 待井一男ほか, 臨床成人病, 12 (11), 2267-2277, (1982)
  6. 斎藤宗靖ほか, 心臓, 15 (3), 335-341, (1983) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ラクール薬品販売株式会社 DI室
〒123-0864 東京都足立区鹿浜1丁目9番14号
電話:03-3899-8881
FAX:03-3853-9641
製品情報問い合わせ先
ラクール薬品販売株式会社 DI室
〒123-0864 東京都足立区鹿浜1丁目9番14号
電話:03-3899-8881
FAX:03-3853-9641

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東光薬品工業株式会社
東京都足立区新田2丁目16番23号
26.2 発売元
ラクール薬品販売株式会社
東京都足立区鹿浜1丁目9番14号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/05/22 版