医療用医薬品 : インフリキシマブBS

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医薬品情報


総称名 インフリキシマブBS
一般名 インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]
欧文一般名 Infliximab(Genetical Recombination)[Infliximab Biosimilar 3]
製剤名 インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤
薬効分類名 抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤
薬効分類番号 2399
ATCコード L04AB02
KEGG DRUG D02598 インフリキシマブ
商品一覧 米国の商品
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」 (後発品) Infliximab BS for I.V.Infusion 100mg[Pfizer] ファイザー 2399406F1024 50042円/瓶 生物由来製品 , 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

本剤投与により、結核、敗血症を含む重篤な感染症及び脱髄疾患の悪化等があらわれることがあり、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで投与し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。

感染症

重篤な感染症

敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症があらわれることがあるため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。

結核

播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(髄膜、胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、先行バイオ医薬品§において死亡例も認められている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、結核の既感染者には、抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も先行バイオ医薬品§において報告されている。

本剤投与に関連する反応

Infusion reaction

本剤投与中あるいは投与終了後2時間以内に発現するinfusion reactionのうち、重篤なアナフィラキシー(呼吸困難、気管支痙攣、血圧上昇、血圧低下、血管浮腫、チアノーゼ、低酸素症、発熱、蕁麻疹等)、痙攣があらわれることがある。本剤は緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]

遅発性過敏症(再投与の場合)

本剤投与後3日以上経過後に重篤なものを含む遅発性過敏症(筋肉痛、発疹、発熱、多関節痛、そう痒、手・顔面浮腫、嚥下障害、蕁麻疹、咽頭痛、頭痛等)があらわれることがある。再投与には遅発性過敏症の発現に備え、十分な観察を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]

脱髄疾患の臨床症状及び/又は画像診断上の悪化が、本剤を含むTNF抑制作用を有する薬剤であらわれることがある。脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者には投与しないこととし、脱髄疾患を疑う患者や家族歴を有する患者に投与する場合には、適宜画像診断等の検査を実施するなど、十分な観察を行うこと。

関節リウマチ患者では、本剤の治療を行う前に、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。

乾癬では、本剤の治療を行う前に、既存の全身療法(紫外線療法を含む)の使用を十分勘案すること。また、乾癬の治療経験を持つ医師と本剤について十分な知識を有する医師が連携をとり使用すること。

クローン病患者では、本剤の治療を行う前に、既存治療薬の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とクローン病治療の経験をもつ医師が使用すること。

潰瘍性大腸炎患者では、本剤の治療を行う前に、既存治療薬の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること。

§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

本剤の成分又はマウス由来の蛋白質(マウス型、キメラ型、ヒト化抗体等)に対する過敏症の既往歴のある患者

脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者[症状の再燃及び悪化のおそれがある。]

うっ血性心不全の患者[症状を悪化させるおそれがある。「その他の注意」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

既存治療で効果不十分な下記疾患

関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

尋常性乾癬関節症性乾癬膿疱性乾癬乾癬性紅皮症

次のいずれかの状態を示すクローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

中等度から重度の活動期にある患者

外瘻を有する患者

中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)

効能効果に関連する使用上の注意

関節リウマチ

過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ薬(メトトレキサート製剤を含む)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与を行うこと。また、メトトレキサート製剤に本剤を上乗せすることのリスク・ベネフィットを判断した上で使用すること。本剤による効果は、通常投与開始から14週以内に得られることが確認されている。14週以内に全く効果が得られない場合や、増量や投与間隔の短縮を行っても効果が得られない場合には、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。

本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと。[「重要な基本的注意」の項参照]

乾癬

過去の治療において、既存の全身療法(紫外線療法を含む)等の適切な治療を行っても、皮疹が体表面積の10%以上に存在する場合、もしくは難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する場合に本剤の投与を行うこと。

クローン病

過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に本剤の投与を行うこと。
なお、寛解維持投与は漫然と行わず経過を観察しながら行うこと。

潰瘍性大腸炎

過去の治療において、他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に本剤の投与を行うこと。寛解維持効果は確認されていないため、寛解導入後には本剤の継続投与の必要性を検討し、他の治療法への切替えを考慮すること。

用法用量

<関節リウマチ>

通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]として、体重1kg当たり3mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、投与量の増量や投与間隔の短縮が可能である。これらの投与量の増量や投与間隔の短縮は段階的に行う。1回の体重1kg当たりの投与量の上限は、8週間の間隔であれば10mg、投与間隔を短縮した場合であれば6mgとする。また、最短の投与間隔は4週間とする。本剤は、メトトレキサート製剤による治療に併用して用いること。

<乾癬>

通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果不十分又は効果が減弱した場合には、投与量の増量や投与間隔の短縮が可能である。これらの投与量の増量や投与間隔の短縮は患者の状態に応じて段階的に行う。1回の体重1kg当たりの投与量の上限は、8週間の間隔であれば10mg、投与間隔を短縮した場合であれば6mgとする。また、最短の投与間隔は4週間とする。

<クローン病>

通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。なお、6週の投与以後、効果が減弱した場合には、投与量の増量又は投与間隔の短縮が可能である。投与量を増量する場合は、体重1kg当たり10mgを1回の投与量とすることができる。投与間隔を短縮する場合は、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし、最短4週間の間隔で投与することができる。

<潰瘍性大腸炎>

通常、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]として、体重1kg当たり5mgを1回の投与量とし点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行うこと。

用法用量に関連する使用上の注意

溶解及び希釈方法

本剤1バイアル当たり10mLの日局注射用水で溶解する。患者の体重から換算した必要溶解液量を成人は約250mL、体重が25kg未満の小児は約50mL、25kg以上の小児は約100mLの日局生理食塩液に希釈し、他の注射剤、輸液等とは混合しないこと。体重が100kgを超える患者に投与する場合には、希釈後のインフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]濃度が4mg/mLを超えないよう、日局生理食塩液の量を調整すること。[「適用上の注意」の項参照]

投与方法

本剤投与時には、1.2ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。また、本剤は独立した点滴ラインにより、原則、2時間以上をかけて緩徐に点滴静注すること。[「適用上の注意」の項参照]

メトトレキサート製剤の併用(関節リウマチ)

国内及び海外の先行バイオ医薬品§の臨床試験により、メトトレキサート製剤併用での有効性及び安全性が確認されている。国内臨床試験におけるメトトレキサート製剤の併用量は、6mg/週以上であり、メトトレキサート併用時の先行バイオ医薬品§に対する抗体の産生率は、メトトレキサート非併用時よりも低かった。なお、関節リウマチ患者におけるメトトレキサート製剤以外の抗リウマチ薬併用の有用性は確立していない。

関節リウマチにおいて、初回、2週、6週投与までは10mg/kg等への増量投与は行わないこと。また、増量により感染症の発現頻度が高まる恐れがあるため、感染症の発現には十分注意すること。[先行バイオ医薬品§において、10mg/kg等の高用量を初回投与から行うことにより、重篤な感染症の発現頻度が高まったとの報告がある。「その他の注意」の項参照]

乾癬において、初回、2週、6週投与までは10mg/kg等への増量投与は行わないこと。また、増量により感染症の発現頻度が高まる恐れがあるため、感染症の発現には十分注意すること[先行バイオ医薬品§において、関節リウマチ患者に10mg/kg等の高用量を初回投与から行うことにより、重篤な感染症の発現頻度が高まったとの報告がある。「その他の注意」の項参照]。本剤による効果が全く認められない場合や、増量や投与間隔の短縮を行っても症状の改善が認められない場合には、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。

クローン病において、本剤を初回投与後、2週、6週と投与した後、臨床症状や内視鏡所見等により治療効果を評価すること。効果が認められない場合には、さらに継続投与を行っても効果が得られない可能性があり、他の治療法を考慮すること。また、10mg/kgへの増量や投与間隔の短縮は、5mg/kg8週間隔投与による治療により効果は認められたものの、維持療法中に効果が減弱し、症状の再燃が認められた患者に対して行うこと。増量又は投与間隔の短縮を行っても効果が認められない場合には、他の治療法を考慮すること。

潰瘍性大腸炎において、本剤を初回投与後、2週、6週と投与した後、8週時点で臨床症状や内視鏡所見等により治療効果を評価すること。効果が認められない場合には、さらに継続投与を行っても効果が得られない可能性があり、他の治療法を考慮すること。

§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

使用上の注意

慎重投与

感染症の患者又は感染症が疑われる患者[本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性があるので、適切な処置と十分な観察が必要である。]

結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)[結核を活動化させるおそれがあるので、胸部レントゲン検査等を定期的に行うなど、結核症状の発現に十分注意すること。]

脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者及び家族歴のある患者[脱髄疾患発現のおそれがあるため、適宜画像診断等の検査を実施し、十分注意すること。]

間質性肺炎の既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪又は再発することがある。「重大な副作用」の項参照]

重篤な血液疾患(汎血球減少、再生不良性貧血等)の患者又はその既往歴のある患者[血液疾患が悪化するおそれがある。「重大な副作用」の項参照]

本剤を含むインフリキシマブ製剤の投与経験のある患者[「警告」の項参照]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

小児等[「小児等への投与」の項参照]

重要な基本的注意

本剤は血中濃度が長期にわたり持続するため(5mg/kg投与時は少なくとも8〜12週間)、この間には副作用の発現に注意すること。また、他の生物製剤との切り替えの際も注意すること。

本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。

胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により、既感染が強く疑われる患者

結核患者との濃厚接触歴を有する患者

また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。

先行バイオ医薬品§を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。なお、これらの報告の多くは、他の免疫抑制作用をもつ薬剤を併用投与した患者に起きている。

間質性肺炎があらわれることがあるので、本剤を投与した後、発熱、咳嗽、呼吸困難等の症状があらわれた場合には速やかに主治医に連絡するよう患者に説明するとともに、このような症状があらわれた場合には胸部レントゲン検査及び胸部CT検査等を行い、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。主としてメトトレキサート製剤併用時において、間質性肺炎を発現し致命的な経過をたどった症例が先行バイオ医薬品§において報告されている。

メトトレキサート製剤と併用する場合、メトトレキサート製剤の添付文書についても熟読し、リスク・ベネフィットを判断した上で本剤を投与すること。

本剤治療中は、生ワクチン接種を行わないこと。また、本剤の投与と生ワクチン接種との間隔は十分にあけることが望ましい。やむを得ず生ワクチン接種から本剤の投与まで十分な間隔をあけることができない場合には、リスク・ベネフィットを慎重に判断した上で使用すること(生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できない)。

先行バイオ医薬品§を含む抗TNF療法において、中枢神経系(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎等)及び末梢神経系(ギラン・バレー症候群等)の脱髄疾患の発現や悪化が報告されている。そのため脱髄疾患及びその既往歴のある患者へは本剤を投与しないこと。脱髄疾患が疑われる患者については、神経学的評価や画像診断等の検査を行い、慎重に危険性と有益性を評価した上で本剤適用の妥当性を検討し、投与後は十分に観察を行うこと。

本剤投与によりinfusion reactionが発現する可能性があるため、適切な薬剤治療(アドレナリン、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤又はアセトアミノフェン等)や緊急処置を直ちに実施できるようにしておくこと。また、遅発性過敏症(3日以上経過後)が発現する可能性もあることから、患者に十分説明し、発疹、発熱、そう痒、手・顔面浮腫、蕁麻疹、頭痛等が発現した場合、主治医に連絡するよう指示するなど適切な対応をとること。

先行バイオ医薬品§の臨床試験における投与後3年間の追跡調査で、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍の発現が報告されている。慢性炎症性疾患のある患者に長期の免疫抑制剤を投与した場合、感染症や悪性リンパ腫の発現の危険性が高まることが報告されている。また、先行バイオ医薬品§を含む抗TNF製剤を使用した小児や若年成人においても、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍が報告されている。本剤に起因するか明らかでないが、悪性腫瘍等の発現には注意すること。

本剤はマウス蛋白由来部分があるため、ヒトには異種蛋白であり、投与後、本剤に対する抗体が産生されることがある。本剤又は先行バイオ医薬品§の臨床試験において本剤又は先行バイオ医薬品§に対する抗体の産生が確認された患者群は、抗体が産生されなかった患者群に比べ、infusion reactionの発現が多い傾向にあり、また、本剤の血中濃度の持続が短くなる傾向がみられ、血中濃度が低下した患者では効果の減弱の可能性がある。なお、先行バイオ医薬品§の臨床試験において、メトトレキサート等の免疫抑制剤の投与を受けていた患者では、先行バイオ医薬品§に対する抗体の産生率は低かった。

本剤投与後にループス様症候群が発現し、さらに抗dsDNA抗体陽性となった場合は、投与を中止すること(本剤投与により抗dsDNA抗体の陽性化及びループス様症候群を疑わせる症状が発現することがある)。

本剤又は先行バイオ医薬品§を投与した患者において、乾癬が悪化又は新規発現したとの報告がある。重症な場合には本剤投与の中止を考慮すること。

本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、先行バイオ医薬品§を含む抗TNF製剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が先行バイオ医薬品§を含む抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった。また、本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。

§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

副作用

副作用発現状況の概要

メトトレキサートで効果不十分な関節リウマチ患者を対象とした国際共同第3相試験(54週)において、メトトレキサート併用下で本剤が投与された安全性評価対象323例中、98例(30.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、注入に伴う反応(7.1%)、ALT(GPT)増加(4.0%)、AST(GOT)増加(3.1%)、発疹(2.8%)、気道感染(2.2%)、鼻咽頭炎(2.2%)及びそう痒症(2.2%)であった。そのうち、日本人23例中、16例(69.6%)に副作用が認められ、主な副作用は鼻咽頭炎(17.4%)、気道感染(13.0%)、気管支炎(8.7%)、注入に伴う反応(8.7%)、自己抗体陽性(8.7%)及び発疹(8.7%)であった。(承認時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

感染症(0.3%注1))

敗血症、肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)、真菌感染症、脳炎、髄膜炎(リステリア菌性髄膜炎を含む)、骨髄炎等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与中止等の適切な処置を行うこと。なお、死亡に至った症例の多くは、感染症によるものであった。

結核(頻度不明注2))

本剤投与による結核の発症は、投与初期からあらわれる可能性があるため、結核の既感染者には、本剤投与後、問診及び胸部レントゲン検査等を定期的(投与開始後2ヵ月間は可能な限り1ヵ月に1回、以降は適宜必要に応じて)に行うことにより、結核症状の発現に十分に注意すること。また、肺外結核(髄膜、胸膜、リンパ節等)もあらわれることがあることから、その可能性も十分考慮した観察を行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重篤なinfusion reaction(0.3%注1))

ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、気管支痙攣、血圧上昇、血圧低下、血管浮腫、チアノーゼ、低酸素症、発熱、蕁麻疹等の重篤な副作用)、痙攣があらわれることがある。重篤なinfusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤投与の際には、infusion reactionの発現に備えて適切な薬剤治療(アドレナリン、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤又はアセトアミノフェン等)や緊急処置ができるよう十分な体制のもとで、投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。

脱髄疾患(頻度不明注2))

脱髄疾患(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群等)があらわれることがある。異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

間質性肺炎(0.3%注1))

間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤及びメトトレキサート製剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意すること。[「重要な基本的注意」の項参照]

肝機能障害(頻度不明注2))

AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDH等の著しい上昇を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

遅発性過敏症(頻度不明注2))

遅発性過敏症(3日以上経過後)が発現する可能性もあることから、患者に十分説明し、発疹、発熱、そう痒、手・顔面浮腫、蕁麻疹、頭痛等が発現した場合、主治医に連絡するよう指示するなど適切な対応をとること。

抗dsDNA抗体の陽性化を伴うループス様症候群(頻度不明注2))

抗dsDNA抗体が陽性化し、関節痛、筋肉痛、皮疹等の症状があらわれることがある。このような場合には、投与を中止すること。

重篤な血液障害(頻度不明注2))

汎血球減少、血小板減少、白血球減少、顆粒球減少、血球貪食症候群、血小板減少性紫斑病があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

横紋筋融解症(頻度不明注2))

横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋肉痛、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

注1:副作用の発現頻度は承認時の臨床試験の結果に基づいている。

注2:本剤の承認時の臨床試験で認められていないため頻度不明であるが、先行バイオ医薬品§で認められているもの。

§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

その他の副作用

 2%以上注1)0.5%以上2%未満注1)0.5%未満注1)頻度不明注2)
精神・神経系 頭痛浮動性めまい、不安、錯感覚感覚鈍麻、異常感覚、頭部不快感、体位性めまい、知覚過敏、失神、嗅覚錯誤、味覚異常、神経痛、不随意性筋収縮、片頭痛、振戦、運動過多、ジスキネジー、脳梗塞、協調運動異常、不眠症、神経過敏、うつ病、感情不安定、多幸気分、錯乱、傾眠(眠気)、ニューロパシー、てんかん発作、多発性神経障害
血液 貧血(鉄欠乏性貧血、溶血性貧血、低色素性貧血)、白血球増加症、リンパ球形態異常(異形リンパ球)、好中球減少症、白血球減少症、血小板減少症リンパ球減少症カリウム減少、血小板数増加、リンパ節炎、脾腫、単球減少症、リンパ球増加症、単球増加症、好中球増加症、好酸球増加症、赤血球異常、低カリウム血症、好酸球数減少、骨髄球数増加、アミラーゼ増加、総蛋白減少、総蛋白増加、アルブミン減少、クロール減少、ナトリウム減少、血沈亢進、リンパ節症、後骨髄球数増加、尿酸増加、カリウム増加、CRP増加、ヘマトクリット減少、血栓性血小板減少性紫斑病
循環器 高血圧、低血圧、血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、白血球破砕性血管炎)ほてり、潮紅、動悸、血圧低下、狭心症、心血管障害、チアノーゼ血圧上昇、血腫、蒼白、末梢性虚血、徐脈、不整脈、頻脈、心室性期外収縮、心不全、心拍数増加
呼吸器気道感染、鼻咽頭炎咽喉頭炎、呼吸困難、気管支炎、副鼻腔炎、鼻出血喘息、KL-6増加、過換気、副鼻腔うっ血咳嗽、鼻炎、発声障害、咽喉絞扼感、胸膜炎、胸水、気管支痙攣、胸部X線(CT)異常、PaO2低下、扁桃炎、間質性肺線維症
肝臓ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加ALP増加 脂肪肝、肝炎、胆嚢炎、肝腫大、高ビリルビン血症
泌尿器  尿路感染、尿中蛋白陽性、腎盂腎炎、尿中白血球陽性、細菌尿、尿中ケトン体陽性血尿(尿潜血)、尿中ブドウ糖陽性、BUN増加、尿沈渣、排尿困難、頻尿、クレアチニン増加、尿中ウロビリノーゲン増加、膀胱炎
消化器 悪心、嘔吐、胃腸炎下痢、腹痛、上腹部痛、逆流性食道炎、消化不良、ノロウイルス性胃腸炎便秘、嚥下障害、腸閉塞、腸管狭窄、血便、腸管穿孔、胃炎、痔核、肛門周囲痛、憩室炎、腹部膨満、胃ポリープ、胃潰瘍、腹膜炎、腹部不快感、腸炎、胃不快感、軟便、放屁
消化器 口内炎口腔内潰瘍形成、歯周炎歯周病、歯痛、口唇炎、口腔内痛、齲歯、唾液腺炎、口渇、舌炎
皮膚発疹(膿疱性皮疹、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、小水疱性皮疹、そう痒性皮疹、湿疹、紅斑性皮疹、頭部粃糠疹、丘疹、血管炎性皮疹)、そう痒症皮膚炎(脂漏性皮膚炎、水疱性皮膚炎、乾癬様皮膚炎、ざ瘡様皮膚炎)、蕁麻疹、乾癬白癬、紅斑(発赤)、脱毛症、アレルギー性皮膚炎、乾皮症、皮膚感染毛包炎、多汗症、麦粒腫、せつ、皮膚真菌感染、皮膚裂傷、皮膚嚢腫、ざ瘡、皮膚乾燥、皮膚変色、皮膚剥脱、斑状出血、点状出血、皮膚潰瘍、脂漏、過角化、光線過敏性反応、皮膚腫瘤、多毛症、アトピー性皮膚炎
投与部位   注射部位反応(注射部位疼痛、注射部位炎症、注射部位腫脹、注射部位出血、注射部位そう痒感)
  視覚障害眼内炎、涙器障害、角膜炎、眼瞼炎、眼痛、眼球乾燥、羞明、強膜炎、緑内障、眼圧上昇、眼脂、結膜炎、結膜充血、視野欠損、網膜静脈閉塞
   耳痛、回転性めまい、耳鳴、耳不快感(耳閉感)、耳感染(外耳炎、中耳炎、迷路炎)
筋・骨格系  滑膜炎、骨粗鬆症関節痛、筋痛、関節腫脹、背部痛、筋骨格硬直、頚部痛、関節炎、骨痛、腱炎、筋力低下、滑液包炎、CPK増加、筋骨格痛、多発性筋炎、皮膚筋炎
抵抗機構 自己抗体陽性(抗DNA抗体陽性、抗カルジオリピン抗体陽性、抗核抗体陽性、抗dsDNA抗体陽性)、ウイルス感染(帯状疱疹、単純ヘルペス、インフルエンザ様疾患、インフルエンザ、口腔ヘルペス)食道カンジダ症、蜂巣炎、ヘリコバクター感染、感染性骨膜炎、結核菌群検査陽性、口腔カンジダ症、細菌性関節炎膿瘍、免疫グロブリン増加、爪周囲炎、限局性感染、サイトメガロウイルス抗原陽性、非結核性マイコバクテリア感染(非結核性抗酸菌症)、クリプトコッカス症、ニューモシスチス症、サルモネラ症、サルコイドーシス
代謝  高血糖高コレステロール血症、糖尿病、抗利尿ホルモン不適合分泌、コレステロール減少、トリグリセリド増加
その他注入に伴う反応発熱、悪寒、疲労、胸痛、膣感染、過敏症熱感、倦怠感、浮腫(末梢性浮腫、顔面浮腫、全身性浮腫、眼窩周囲浮腫、血管浮腫、咽頭浮腫、喉頭浮腫)、体重減少、顎痛疼痛、勃起不全、乳房肥大、亀頭包皮炎、不規則月経、膣出血、性器分泌物(白帯下)、無力症、不快感、胸部不快感、嚢胞、食欲不振、食欲亢進、体重増加、子宮平滑筋腫、リビドー減退、末梢腫脹
注1:副作用の発現頻度は承認時の臨床試験の結果に基づいている。注2:本剤の承認時の臨床試験で認められていないため頻度不明であるが、先行バイオ医薬品§で認められているもの。§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能(免疫機能等)が低下しているので、感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[本剤投与による生殖発生毒性試験は実施されていない。また、マウスTNFαを中和する抗体投与により、マウスを用いて検討された結果では、催奇形性、母体毒性、胎児毒性は認められていない。]

先行バイオ医薬品§は胎盤通過性があるとの報告がある。従って、本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、感染のリスクが高まる可能性があるため、生ワクチンを接種する際には注意が必要である。

授乳中の婦人には、授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]

§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

小児等への投与

クローン病及び潰瘍性大腸炎

先行バイオ医薬品§の国内臨床試験において、6歳未満の幼児等に対する使用経験が得られていないため、これらの患者には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与し、副作用の発現に十分注意すること。

上記1.以外の効能

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

適用上の注意

投与器具

本剤は無菌・パイロジェンフリーのインラインフィルター(ポアサイズ1.2ミクロン以下)を用いて投与すること。

投与経路及び投与速度

本剤は点滴静注用としてのみ用い、皮下・筋肉内には投与しないこと。本剤は独立したラインにて投与するものとし、他の注射剤、輸液等と混合しないこと。また、原則、2時間以上をかけて緩徐に点滴静注すること。
なお、6週の投与以後、それまでの投与でinfusion reactionが認められなければ、点滴速度を上げて点滴時間を短縮することができる。ただし、平均点滴速度は1時間当たり5mg/kgを投与する速度を超えないこと(臨床試験において投与経験がない)。
また、点滴時間を短縮した際にinfusion reactionが認められた場合には、次回以降の投与では、点滴時間を短縮せずに投与すること。[「重要な基本的注意」の項、「重大な副作用」の項参照]

溶解方法

本剤は用時溶解とすること。(溶解後3時間以内に投与開始をすること。)

ゴム栓をエタノール綿等で清拭した後、21-Gあるいはさらに細い注射針を用いて、1バイアル当たり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)を静かに注入すること。(その際に陰圧状態でないバイアルは使用しないこと。)

バイアルを回転させながら緩やかに溶解し、溶解後は5分間静置すること。(抗体蛋白が凝集するおそれがあるため、決して激しく振らず、長時間振り混ぜないこと。)本剤1バイアルを10mLの日局注射用水で溶解したときのインフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]濃度は、10mg/mLとなる。

溶解後の性状は、無色から微褐色及び乳白色である。(完全に溶解していない状態で使用しないこと。また、変色、異物を認めたものは使用しないこと。)

溶解後の残液の再使用や保存は行わないこと。

希釈方法

患者の体重当たりで計算した必要量を成人は約250mL、体重が25kg未満の小児は約50mL、25kg以上の小児は約100mLの日局生理食塩液に希釈すること。(ブドウ糖注射液等を含め日局生理食塩液以外の注射液は用いないこと。)日局生理食塩液で希釈する際は、溶解液を緩徐に注入し、混和の際も静かに行うこと。希釈後のインフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]濃度は、0.4〜4mg/mLとすること。

その他の注意

本剤の国際共同第3相試験は、78週間までの期間で実施されている。この期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。

150例の中等度から重度のうっ血性心不全の患者(左室駆出率35%以下で、NYHA心機能分類III/IV度)に、プラセボ及び先行バイオ医薬品§5、10mg/kgを初回、2週後、6週後に3回投与した海外での臨床試験が実施されている。その結果、先行バイオ医薬品§投与群、特に10mg/kg群において心不全症状の悪化及び死亡が高率に認められたと報告されている。初回投与後28週時点において、10mg/kg群で3例、5mg/kg群で1例の死亡が認められ、プラセボ群では死亡例はなかった。また、症状悪化による入院は、10mg/kg群51例中11例、5mg/kg群50例中3例、プラセボ群49例中5例であった。さらに、1年後の評価における死亡例は、10mg/kg群で8例であったのに対し、5mg/kg群及びプラセボ群ではそれぞれ4例であった。

本剤においてがん原性試験は実施されていない。

海外で行われた関節リウマチ患者を対象とした先行バイオ医薬品§の市販後臨床試験において、初回から10mg/kgを投与された患者では、3mg/kgを投与された患者よりも重篤な感染症の発現頻度が有意に高かったとの報告がある。

乾癬患者において、本剤と紫外線療法又は既存の全身治療との併用に対する有効性と安全性は確立していない(使用経験がない)。

§)「先行バイオ医薬品」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤を指す。なお、「本剤」は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]製剤を指す。

薬物動態

外国第1相試験[1]

外国人健康被験者を対象として、本剤又は先行バイオ医薬品#を10mg/kgの用量で単回静脈内投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示した。先行バイオ医薬品#に対する本剤のCmax、AUClast及びAUCinfの幾何平均値の比及びその90%信頼区間は、いずれも事前に規定した許容範囲内(80.00%〜125.00%)に含まれたことから、両剤の薬物動態における同等性/同質性が確認された。

図1.外国人健康被験者に本剤又は先行バイオ医薬品#を10mg/kgの用量で単回静脈内投与したときの血清中濃度推移(中央値)注)

注:定量下限(0.1μg/mL)未満は0μg/mLとして統計量を算出した。

表1.外国人健康被験者に本剤又は先行バイオ医薬品#を10mg/kgの用量で単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータ

パラメータ(単位)算術平均値±標準偏差
本剤(n=41)先行バイオ医薬品(n=45)
Cmax(μg/mL)221.9±43.8202.7±46.1
AUClast(μg・hr/mL)56960±1215751180±12868
AUCinf(μg・hr/mL)61460±1438656130±15972
CL(mL/hr/kg)0.1725±0.04560.1918±0.0527
Vss(mL/kg)79.58±20.7392.06±25.85
t1/2(hr)344.5±99.72367.6±106.7

#)先行バイオ医薬品:Remicade(EUで承認されたインフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤)

臨床成績

国際共同第3相試験[2]

メトトレキサートで効果不十分な関節リウマチ患者(全集団650例、うち日本人46例を含む)を対象とし、本剤と先行バイオ医薬品#の有効性における同等性の検証を目的とした国際共同第3相試験において、メトトレキサート併用下で本剤及び先行バイオ医薬品#3mg/kgを初回、2週間後、6週間後に投与し、引き続き8週間隔で30週間反復投与した。14週時点で規定の臨床反応を達成しなかった場合、もしくは14週時点で規定の臨床反応を達成したものの、その後臨床反応が減弱した場合には投与量を5mg/kgに増量した。主要評価項目とした14週時のACR20%改善率は、本剤及び先行バイオ医薬品#群でそれぞれ61.1%(198/324例)及び63.5%(207/326例)であり、群間差の点推定値の95%信頼区間は同等性許容域(−13.5%,13.5%)に含まれ、両剤の有効性の同等性が確認された。

表2.14週時におけるACR20%改善率

 本剤先行バイオ医薬品 ACR20%改善率の群間差(本剤−先行バイオ医薬品
点推定値95%信頼区間
ACR20%改善率61.1(198/324)63.5(207/326)−2.39(−9.92,5.11)
%(例数/評価対象例数)

#)先行バイオ医薬品:Remicade(EUで承認されたインフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤)

薬効薬理

本剤はin vitro試験において、可溶型及び膜結合型TNFαに対して選択的に結合し、以下の作用を示した。[3]

可溶型及び膜結合型TNFαに対して、先行バイオ医薬品#と同程度の結合親和性を示した。

ヒト単球系細胞株U937細胞に対するTNFα誘発アポトーシスを阻害し、そのTNFα中和活性は先行バイオ医薬品#と同程度であった。

ヒトIgG1のFc領域を有することから、抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)により膜結合型TNFαを発現するTNFα産生細胞を傷害し、そのCDC活性及びADCC活性は先行バイオ医薬品#と同程度であった。

膜結合型TNFα発現細胞に対してreverse signalingによってアポトーシスを誘導し、そのアポトーシス誘導活性は先行バイオ医薬品#と同程度であった。

#)先行バイオ医薬品:Remicade(EUで承認されたインフリキシマブ(遺伝子組換え)製剤)

有効成分に関する理化学的知見

一般名インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]
一般名(欧名)Infliximab(Genetical Recombination)[Infliximab Biosimilar 3]
分子量約149,000
本質インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]は、遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト腫瘍壊死因子αモノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1の定常部からなる。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続3]は、450個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
KEGG DRUGD02598

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

インフリキシマブBS点滴静注用100mg「ファイザー」

1バイアル

主要文献


1. 社内資料:外国第1相試験
2. 社内資料:国際共同第3相試験
3. 社内資料:In vitro薬効薬理試験

作業情報


改訂履歴

2018年7月 作成
2018年9月 第2版 改訂

文献請求先

ファイザー株式会社
151-8589
東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467

業態及び業者名等

製造販売
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/10/1 版