医療用医薬品 : ケトコナゾール

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医薬品情報


総称名 ケトコナゾール
一般名 ケトコナゾール
欧文一般名 ketoconazole
薬効分類名 外用抗真菌剤
薬効分類番号 2655
ATCコード D01AC08 G01AF11 J02AB02
KEGG DRUG
D00351 ケトコナゾール
KEGG DGROUP
DG01883 イミダゾール系抗真菌薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ケトコナゾールクリーム2%「イワキ」 (後発品) Ketoconazole Cream 2% "IWAKI" 岩城製薬 2655709N1096 13.3円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記の皮膚真菌症の治療
白癬、体部白癬、股部白癬
指間糜爛症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)
癜風
脂漏性皮膚炎

6. 用法及び用量

<白癬、皮膚カンジダ症、癜風>
白癬、皮膚カンジダ症、癜風に対しては、1日1回患部に塗布する。
<脂漏性皮膚炎>
脂漏性皮膚炎に対しては、1日2回患部に塗布する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
2%ケトコナゾールクリームは、皮膚からはほとんど吸収されないが、経口投与における動物実験で催奇形作用が報告されている1)
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
皮膚接触皮膚炎、そう痒、発赤、刺激感、紅斑、糜爛、皮膚剥脱水疱、亀裂、疼痛、皮膚灼熱感、発疹、皮膚のべとつき感蕁麻疹
全身障害及び投与局所様態 適用部位反応(乾燥、浮腫)適用部位反応(出血、不快感、炎症、錯感覚)
免疫系障害  過敏症

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 眼科用として角膜、結膜に使用しないこと。
14.1.2 著しい糜爛面には使用しないこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
2%ケトコナゾールクリーム5gを健康成人の背部に単純塗布した時、ケトコナゾールの血中濃度は検出限界(1ng/mL)以下であった2)
16.5 排泄
2%ケトコナゾールクリーム5gを健康成人の背部に単純塗布した時、尿中への未変化体の排泄は検出限界(1ng/mL)以下であった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成阻害作用を介して抗真菌作用を示す3)
18.2 抗真菌作用
ケトコナゾールは皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、Candida属、癜風菌(Malassezia furfur)に対して強い抗真菌作用を示した4)5)
18.3 実験的治療効果
モルモット実験的白癬(Microsporum canis及びTrichophyton mentagrophytes感染)モデルに対し、感染後3日目から2%ケトコナゾールクリームを1日1回塗布した実験では、2週間の塗布で高い治療効果を示した。また、同様にモルモット実験的カンジダ症(Candida albicans感染)モデルに対しても優れた治療効果を示した6)
18.4 抗真菌作用の持続性
モルモットの背部に、2%ケトコナゾールクリーム0.3gを塗布し、24、48、72時間後にMicrosporum canis又はTrichophyton mentagrophytesを接種した実験では、塗布72時間後でも感染防御効果があり、抗真菌作用の持続性が認められ、皮膚貯留性が高いことが考えられた6)
18.5 生物学的同等性試験
18.5.1 抗真菌作用(in vitro
皮膚糸状菌(Trichophyton rubrumTrichophyton mentagrophytesMicrosporum canisEpidermophyton floccosum)、酵母糸状菌(Candida albicans)、癜風菌(Malassezia furfur)を用いて抗菌作用を検討した結果、5〜30分の接触で顕著な抗真菌効果を示した。また、ケトコナゾールクリーム2%「イワキ」とニゾラールクリーム2%の抗真菌作用に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された7)
18.5.2 実験的感染症治療効果
・モルモット白癬菌感染モデル(n=10)に対し、ケトコナゾールクリーム2%「イワキ」及びニゾラールクリーム2%を感染3日目から2週間にわたり塗布したが(500mg/body)、病変の進行を抑制し感染部位の菌を死滅させるなど高い治療効果が示された7)
・同様にMalassezia furfurを感染させたモルモット脂漏性皮膚炎病態モデル(n=10)において、ケトコナゾールクリーム2%「イワキ」及びニゾラールクリーム2%を感染11日目から2週間にわたり塗布したが(500mg/body)、同様に高い治療効果を示した7)
いずれの試験においてもケトコナゾールクリーム2%「イワキ」とニゾラールクリーム2%の効果に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ケトコナゾール

一般的名称 ケトコナゾール
一般的名称(欧名) ketoconazole
化学名 1-Acetyl-4-(4-{[(2RS,4SR)-2-(2,4-dichlorophenyl)-2-(1H-imidazol-1-ylmethyl)-1,3-dioxolan-4-yl]methoxy}phenyl)piperazine
分子式 C26H28Cl2N4O4
物理化学的性状 白色〜淡黄白色の粉末である。
メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
メタノール溶液(1→20)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D00351

20. 取扱い上の注意

小児の手の届かない所に保管すること。

22. 包装

10本[10g(チューブ)×10]
50本[10g(チューブ)×50]

23. 主要文献

  1. 西川智 他, 基礎と臨床, 18, 1433-1448, (1984)
  2. 小林孝志 他, 薬理と治療, 19, 1857-1861, (1991)
  3. Vanden Bossche H,et al., Br J Clin Pract., 44 (Suppl.71), 41-46, (1990)
  4. Van Cutsem J,et al., Am J Med., 74 (1B), 9-15, (1983) »PubMed
  5. Van Gerven,F.et al., Mycoses., 38, 389-393, (1995) »PubMed
  6. 藤原豊博, 薬局, 45 (9), 1907-1917, (1994)
  7. 岩城製薬株式会社 社内資料(生物学的同等性試験)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
岩城製薬株式会社 マーケティング部 学術グループ
〒103-8434 東京都中央区日本橋本町4-8-2
電話:03-6626-6251
FAX:03-6626-6261
製品情報問い合わせ先
岩城製薬株式会社 マーケティング部 学術グループ
〒103-8434 東京都中央区日本橋本町4-8-2
電話:03-6626-6251
FAX:03-6626-6261

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
岩城製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町4-8-2

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版