医療用医薬品 : ブロナンセリン |
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| 総称名 | ブロナンセリン |
|---|---|
| 一般名 | ブロナンセリン |
| 欧文一般名 | Blonanserin |
| 製剤名 | ブロナンセリン製剤 |
| 薬効分類名 | 抗精神病剤 |
| 薬効分類番号 | 1179 |
| KEGG DRUG |
D01176
ブロナンセリン
|
| JAPIC | 添付文書(PDF) |
| 販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| ブロナンセリン錠2mg「DSPB」 (後発品) | BLONANSERIN Tablets | 住友ファーマプロモ | 1179048F1043 | 9.3円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
| ブロナンセリン錠4mg「DSPB」 (後発品) | BLONANSERIN Tablets | 住友ファーマプロモ | 1179048F2040 | 18円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
| ブロナンセリン錠8mg「DSPB」 (後発品) | BLONANSERIN Tablets | 住友ファーマプロモ | 1179048F3046 | 32円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
| ブロナンセリン散2%「DSPB」 (後発品) | BLONANSERIN Powders | 住友ファーマプロモ | 1179048B1033 | 99.2円/g | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
| アドレナリン (アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く) (ボスミン) [2.3参照] | アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 | アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。 |
| CYP3A4を強く阻害する薬剤 イトラコナゾール(イトリゾール) ボリコナゾール(ブイフェンド) ミコナゾール(経口剤、口腔用剤、注射剤)(フロリード、オラビ) フルコナゾール(ジフルカン) ホスフルコナゾール(プロジフ) ポサコナゾール(ノクサフィル) リトナビルを含む製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド) ダルナビル(プリジスタ) アタザナビル(レイアタッツ) ホスアンプレナビル(レクシヴァ) エンシトレルビル(ゾコーバ) コビシスタットを含む製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ) ロナファルニブ(ゾキンヴィ) [2.4、16.7.3参照] | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。外国において、ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用により本剤のAUCが17倍、Cmaxが13倍に増加したとの報告がある。 |
| アドレナリン含有歯科麻酔剤 リドカイン・アドレナリン | 重篤な血圧降下を起こすことがある。 | アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。 |
| 中枢神経抑制剤 アルコール | 相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤及びこれらの薬剤等の中枢神経抑制作用による。 |
| ドパミン作動薬 レボドパ製剤 ブロモクリプチン 等 | 相互に作用が減弱することがある。 | 本剤はドパミン受容体遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。 |
| 降圧薬 | 降圧作用が増強することがある。 | 本剤及びこれらの薬剤の降圧作用による。 |
| エリスロマイシン [16.7.1参照] | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。エリスロマイシンとの併用により本剤のAUCが2.7倍、Cmaxが2.4倍に増加したとの報告がある。 |
| グレープフルーツジュース [16.7.2参照] | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。グレープフルーツジュースとの併用により本剤のAUC、Cmaxが1.8倍に増加したとの報告がある。 |
| CYP3A4阻害作用を有する薬剤 クラリスロマイシン シクロスポリン ジルチアゼム 等 | 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、経口クリアランスが減少する可能性がある。 |
| CYP3A4誘導作用を有する薬剤 フェニトイン カルバマゼピン バルビツール酸誘導体 リファンピシン 等 | 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を誘導するため、経口クリアランスが増加する可能性がある。 |
| 5%以上 | 5%未満 | 頻度不明注2) | |
| 過敏症 | 発疹、湿疹、そう痒 | ||
| 循環器 | 血圧低下、起立性低血圧、血圧上昇、心電図異常(QT間隔の延長、T波の変化等)、頻脈、徐脈、不整脈、心室性期外収縮、上室性期外収縮、動悸、心拍数増加、心拍数減少 | ||
| 錐体外路症状注1) | パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎過多、寡動、運動緩慢、歩行障害、仮面様顔貌等)(33.5%)、アカシジア(静坐不能)(24.7%)、ジスキネジア(構音障害、嚥下障害、口周部・四肢等の不随意運動等)(12.9%)、ジストニア(痙攣性斜頚、顔面・喉頭・頚部の攣縮、眼球上転発作、後弓反張等) | ||
| 肝臓 | AST、ALT、γ-GTP、LDH、ALP、ビリルビンの上昇、肝機能異常 | 脂肪肝 | |
| 眼 | 調節障害、霧視、羞明 | 眼の乾燥 | |
| 消化器 | 便秘、食欲不振、悪心 | 嘔吐、食欲亢進、下痢、上腹部痛、腹痛、胃不快感、腹部膨満感、口唇炎 | 胃炎、胃腸炎 |
| 内分泌 | プロラクチン上昇(21.3%) | 月経異常、乳汁分泌、射精障害、女性化乳房、勃起不全 | |
| 泌尿器 | 排尿困難、尿閉、尿失禁、頻尿 | ||
| 精神神経系 | 不眠(19.6%)、眠気(12.4%)、不安・焦燥感・易刺激性、めまい・ふらつき、頭重・頭痛、興奮 | 統合失調症の悪化、過鎮静、脱抑制、抑うつ、幻覚・幻聴、妄想、被害妄想、睡眠障害、行動異常、多動、自殺企図、脳波異常、躁状態、意識障害、異常感、しびれ感、会話障害、多弁、緊張、痙攣 | 攻撃性、悪夢 |
| 血液 | 白血球増加、好中球増加、白血球減少、リンパ球減少、赤血球増加、貧血、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板増加、血小板減少、異型リンパ球出現 | ||
| その他 | 倦怠感、口渇、脱力感 | 発汗、発熱、体重増加、体重減少、胸痛、咳嗽、過換気、鼻漏、鼻出血、多飲、顔面浮腫、嚥下性肺炎、低体温、CK上昇、トリグリセリド上昇、血中コレステロール上昇、血中インスリン上昇、血中リン脂質増加、血糖上昇、BUN上昇、BUN減少、血中総蛋白減少、血中カリウム上昇、血中カリウム減少、血中ナトリウム減少、尿中蛋白陽性、尿中ウロビリン陽性、尿糖陽性、尿潜血陽性 | 浮腫、水中毒、脱毛、糖尿病、血糖低下、上気道感染、鼻咽頭炎、四肢痛 |
| 投与量(mg) | Tmax(h)a) | Cmax(ng/mL)b) | t1/2(h)b) | AUClast(ng・h/mL)b) |
| 4 | 1.5(1-3) | 0.14±0.04 | 10.7±9.4 | 0.91±0.34 |
| 8 | 1.5(0.5-2) | 0.45±0.22 | 12.0±4.4 | 2.82±1.38 |
| 12 | 1.5(1-3) | 0.76±0.44 | 16.2±4.9 | 6.34±6.34 |
| 投与時期 | Tmax(h) | Cmax(ng/mL) | AUC0-12(ng・h/mL) | MRT(h) | kel(l/h) |
| 空腹時 | 1.8±0.6 | 0.06±0.03 | 0.36±0.17 | 7.19±1.26 | 0.16±0.03 |
| 食後 | 3.8±1.7 | 0.14±0.07 | 0.83±0.38 | 9.63±4.04 | 0.15±0.05 |
| Tmax(h)a) | Cmax(ng/mL)b) | t1/2(h)b) | AUC0-12(ng・h/mL)b) |
| 2(2-2) | 0.57±0.19 | 67.9±27.6 | 3.22±1.10 |
| リスペリドンとの比較試験13) | ハロペリドールとの比較試験14) | |||
| ブロナンセリン | リスペリドン | ブロナンセリン | ハロペリドール | |
| PANSS合計スコア変化量a) (評価例数) | −11.1±17.3 (156) | −11.5±17.4 (144) | −10.0±18.4 (114) | −7.8±18.2 (111) |
| 薬剤間の差の95%信頼区間 | −4.40〜3.48 | −2.61〜7.00 | ||
| 改善率 (中等度改善以上の例数/評価例数) | 51.0% (79/155) | 56.6% (81/143) | 61.2% (74/121) | 51.3% (60/117) |
| 薬剤間の差の95%信頼区間 | −5.7〜16.9 | −2.7〜22.4 | ||
| 平均1日投与量 | 16.3mg | 4.0mg | 15.8mg | 8.1mg |
| 長期投与試験(1)b) | 長期投与試験(2)c) | 長期投与試験(3)c) | ||
| 改善率 (中等度改善以上の例数/評価例数) | 0週a) | 3.9%(2/51) | 24.6%(15/61) | 24.6%(79/321) |
| 28週後 | 75.9%(22/29) | 75.0%(36/48) | 51.9%(137/264) | |
| 52〜56週後 | 70.6%(12/17) | 86.8%(33/38) | 55.5%(86/155) | |
| 最終評価時 | 60.4%(29/48) | 68.3%(41/60) | 48.1%(153/318) | |
| 平均最終1日投与量 | 14.4mg | 12.8mg | 13.0mg | |
| 投与群 | 例数 | PANSS合計スコア | プラセボ群との比較 | ||
| ベースライン | 投与6週後におけるベースラインからの変化量a) | 群間差 [95%信頼区間] | p値b) | ||
| 平均値±標準偏差 | 最小二乗平均値±標準誤差 | ||||
| プラセボ | 47 | 89.8±10.41 | −10.6±2.78 | − | − |
| 8mg | 51 | 86.5±13.53 | −15.3±2.76 | −4.7 [−12.49,3.03] | 0.230 |
| 16mg | 52 | 88.7±13.81 | −20.5±2.71 | −9.9 [−17.61,-2.25] | 0.012 |
| 評価時期 | 例数 | PANSS合計スコア | ベースラインからの変化量 |
| 長期試験のベースライン | 106 | 68.7±16.01 | − |
| 12週後 | 95 | 62.0±15.26 | −5.6±11.34 |
| 28週後 | 81 | 60.3±16.12 | −6.7±13.51 |
| 52週後 | 63 | 56.1±15.29 | −9.7±16.18 |
| 最終評価時(LOCF)a) | 105 | 62.9±18.82 | −6.0±15.77 |
| 作用の種類 (動物種、投与経路) | EDあるいはED50(mg/kg) | 備考 | |
| ブロナンセリン | ハロペリドール | ||
| 条件回避反応抑制作用 単回投与(ラット、経口)17) 反復投与(ラット、経口)17) | ED50:0.55 耐性なし | ED50:0.62 耐性なし | 抗精神病効果と相関 |
| 側坐核内ドパミン投与による運動過多の抑制作用(ラット、経口)20) | ED:0.3〜3 | ED:1、3 | ドパミン仮説に基づく統合失調症の病態モデルへの作用 |
| メタンフェタミン誘発前頭前皮質自発発火障害の改善作用(ラット、静脈内)20) | ED:1 | − | ドパミン仮説に基づく統合失調症の病態モデルへの作用 |
| メタンフェタミン誘発運動過多抑制作用(ラット、経口)21) | ED50:0.446 | ED50:0.287 | 陽性症状改善作用の指標 |
| フェンシクリジン誘発無動改善作用(マウス、経口)17) | ED:0.3、1 | − | 陰性症状改善作用の指標 |
| アポモルヒネ誘発プレパルス抑制障害改善作用(ラット、経口)17) | ED:0.3〜3 | ED:1、3 | 認知障害改善作用の指標 |
| カタレプシー惹起作用(ラット、経口)17) | ED50:16.4 | ED50:5.63 | 急性期錐体外路系副作用の指標 |
| SKF38393誘発異常口唇運動増強作用(ラット、経口)17) | 10mg/kg/dayで作用なし | ED:3 | 慢性期錐体外路系副作用の指標 |
| [ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/10/22 版 |