医療用医薬品 : アルキルジアミノエチルグリシン

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医薬品情報


総称名 アルキルジアミノエチルグリシン
一般名 アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
欧文一般名 Alkyldiaminoethylglycine Hydrochloride
製剤名 アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩製剤
薬効分類名 外用殺菌消毒剤
薬効分類番号 2619
KEGG DRUG
D04734 アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年11月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アルキルジアミノエチルグリシン消毒液10%「日医工」 (後発品) Alkyldiaminoethylglycine Hydrochloride Disinfectant Solution 日医工 2619716Q1258 0.68円/mL

4. 効能または効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

6. 用法及び用量

アルキルジアミノエチルグリシンとして下記の濃度になるように水で希釈して、次のように使用する。
効能又は効果用法及び用量
手指・皮膚の消毒0.05〜0.2%溶液で約5分間洗った後、滅菌ガーゼあるいは布片で清拭する。
手術部位(手術野)の皮膚の消毒0.1%溶液で約5分間洗った後、0.2%溶液を塗布する。
手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒0.01〜0.05%溶液を用いる。
医療機器の消毒0.05〜0.2%溶液に10〜15分間浸漬する。
結核領域においては、0.2〜0.5%溶液を用いる。
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒0.05〜0.2%溶液を布片で塗布・清拭するか、又は噴霧する。
結核領域においては、0.2〜0.5%溶液を用いる。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹、そう痒感等

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤で消毒したカテーテルで採取した尿は、スルホサリチル酸法による尿蛋白試験で偽陽性を示すことがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は必ず希釈し、濃度に注意して使用すること。
14.1.2 本剤は下記の濃度(アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩として)に希釈し、水溶液として使用すること。
濃度0.01%0.05%0.1%0.2%0.5%
希釈倍数1,000倍200倍100倍50倍20倍
14.1.3 混濁している場合は、加温により溶解してから使用すること。[20.参照]
14.1.4 炎症又は易刺激性の部位に使用する場合には、正常の部位に使用するよりも低濃度とすることが望ましい。
14.1.5 深い創傷に使用する本剤の希釈水溶液は、調製後滅菌処理すること。
14.1.6 繊維、布(綿、ガーゼ、ウール、レーヨン等)は本剤の成分であるアルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩を吸着するので、これらを溶液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下とならないように注意すること。
14.1.7 金属器具を長時間浸漬する必要がある場合は、腐食を防止するために0.1〜0.5%の割合で亜硝酸ナトリウムを溶解すること。なお、銅製の器具は亜硝酸ナトリウムを添加しても腐食を防止できないので長時間浸漬しないこと。
14.1.8 次の医薬品等が混入すると、沈殿を生じるので注意すること。
ヨードチンキ、硝酸銀、フェノール、過酸化水素、過マンガン酸カリウム等
14.2 薬剤使用時の注意
14.2.1 外用にのみ使用すること。
14.2.2 原液又は濃厚液が眼に入らないように注意すること。入った場合には眼球、瞼のすみずみまで水がよく行きわたるように、清浄な水で15分以上眼を洗浄した後、直ちに適切な処置を行うこと。
14.2.3 飲み込んだ場合は、水でよく口を洗い、無理に吐き出させず、水又は牛乳を飲ませ、直ちに適切な処置を行うこと。
14.2.4 散布消毒の場合はマスクを着用するなど注意すること。
14.2.5 濃厚液の使用により、皮膚・粘膜の刺激症状があらわれることがあるので、注意すること。
14.2.6 粘膜、創傷面又は炎症部位に長期間又は広範囲に使用しないこと。
14.2.7 血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は、十分に洗い落としてから使用すること。
14.2.8 石けん類は本剤の殺菌作用を減弱させるので、石けん分を洗い落としてから使用すること。
14.2.9 皮膚消毒に使用する綿球、ガーゼ等は滅菌保存し、使用時に溶液に浸すこと。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩は、陽イオン界面活性剤としての殺菌作用と、陰イオン界面活性剤としての洗浄作用を併せもつ両性界面活性剤である。
18.2 殺菌作用
アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩は使用濃度において、栄養型細菌(グラム陽性菌、グラム陰性菌)、結核菌、一部の真菌等には有効であるが、芽胞及び大部分のウイルスに対する効果は期待できない。
18.3 生物学的同等性試験
18.3.1 最小発育阻止濃度(MIC)
アルキルジアミノエチルグリシン消毒液10%「日医工」について、日本化学療法学会標準法(微量液体培地希釈法)を準用し、菌株3種を用いて最小発育阻止濃度試験を行った結果、アルキルジアミノエチルグリシン消毒液10%「日医工」はテゴー51消毒液10%と同等性が認められた1)
菌株MIC(%)
Staphylococcus aureus(ATCC29213)0.005
Escherichia coli(ATCC25922)0.005
Pseudomonas aeruginosa(ATCC27853)0.02
最小発育阻止濃度は、有効成分の希釈回数、時間、試験日等の試験条件により異なる可能性がある。
18.3.2 殺菌力試験
アルキルジアミノエチルグリシン消毒液10%「日医工」についてMTP法(Microtitration Plate法)を準用し、菌株3種を用いて殺菌力試験を行った結果、アルキルジアミノエチルグリシン消毒液10%「日医工」はテゴー51消毒液10%と同等性が認められた2)
菌 株濃度(%)接触時間(分)
2.551015
Staphylococcus aureus(ATCC29213)0.04
0.02
0.01
0.005
Escherichia coli(ATCC25922)0.04
0.02
0.01
0.005
Pseudomonas aeruginosa(ATCC27853)0.02
0.01
0.005
0.0025
殺菌力の有効成分濃度は、有効成分の希釈回数、時間、試験日等の試験条件により異なる可能性がある。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩

一般的名称 アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
一般的名称(欧名) Alkyldiaminoethylglycine Hydrochloride
化学名 N-[2-({2-[alkylamino]ethyl}amino)ethyl]glycine
分子式 C19H42ClN3O2
(アルキル基の平均分子式をC13H27として)
分子量 380.01
理化学知見その他 [RNHCH2CH2NHCH2CH2NHCH2COOH]・HCl
(RはC8H17〜C16H33、主としてC12H25及びC14H29からなる。)
KEGG DRUG D04734

20. 取扱い上の注意

本剤は色調に多少の濃淡が生じることがあり、また、寒冷時にわずかに混濁することがあるが、殺菌効果に影響はない。[14.1.3参照]

22. 包装

500mL[ポリ容器]

23. 主要文献

  1. 社内資料:最小発育阻止濃度
  2. 社内資料:殺菌力試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948
製品情報問い合わせ先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版