医療用医薬品 : プラノプロフェン

List   Top

医薬品情報


総称名 プラノプロフェン
一般名 プラノプロフェン
欧文一般名 Pranoprofen
製剤名 プラノプロフェン点眼液
薬効分類名 非ステロイド性抗炎症点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01BC09
KEGG DRUG
D01578 プラノプロフェン
KEGG DGROUP
DG01504 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
プラノプロフェン点眼液0.1%「日点」 (後発品) Pranoprofen Ophthalmic Solution ロートニッテン 1319724Q1189 18.5円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)

6. 用法及び用量

通常、1回1〜2滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜回数を増減する。

8. 重要な基本的注意

本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 眼の感染による炎症のある患者
感染症を不顕性化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット:経口投与)で分娩遅延が認められている1)
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1〜5%未満0.1〜1%未満頻度不明
過敏症  発疹、蕁麻疹、接触皮膚炎
刺激感結膜充血、そう痒感、眼瞼炎びまん性表層角膜炎、眼瞼発赤・腫脹、異物感、眼脂、結膜浮腫、流涙
呼吸器  気道狭窄

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・必ず添付の投薬袋に入れて保存すること。

16. 薬物動態

16.3 分布
ウサギの両眼に0.1%14C-プラノプロフェン点眼液を1回0.01mL、3分間隔で4回点眼したとき、各眼組織中放射能濃度の推移は図のとおりであった。
点眼後30分の放射能濃度は、角膜、結膜、前部強膜、外眼筋、前房水、虹彩・毛様体、後部強膜の順に高かった。網膜・脈絡膜、水晶体、血液及び肝臓中放射能濃度は低く、硝子体にはほとんど認められなかった2)
図 各眼組織中放射能濃度の推移
平均値、n=4〜6

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相比較試験-1(結膜炎に対する0.05%デキサメタゾン点眼液との比較)
亜急性又は慢性結膜炎と診断された患者を対象に、0.1%プラノプロフェン点眼液又は0.05%デキサメタゾン点眼液を1回2滴、1日4回、2週間点眼した無作為化二重遮蔽並行群間比較試験で、有効性及び安全性を比較した。その結果、臨床効果の有効率注1)は0.1%プラノプロフェン点眼液群で87.6%(78/89例)、0.05%デキサメタゾン点眼液群92.2%(83/90例)であった。両群間に統計学的に有意な差はみられなかった(P=0.0727、U検定)。
0.1%プラノプロフェン点眼液の副作用は96例中6例(6.3%)に認められ、主な副作用は結膜充血3例(3.1%)、刺激感2例(2.1%)、眼瞼炎、そう痒感、眼痛、眼瞼縁炎、結膜濾胞増殖各1例(1.0%)であった3)
17.1.2 国内第III相比較試験-2(前眼部ブドウ膜炎に対するプラセボとの比較)
術後炎症又はその他の原因による前眼部ブドウ膜炎患者を対象に、0.1%プラノプロフェン点眼液又はプラセボを1回1〜2滴、1日4回、2週間点眼した無作為化二重遮蔽並行群間比較試験で、有効性及び安全性を比較した。その結果、臨床効果の有効率注2)は0.1%プラノプロフェン点眼液群で58.2%(32/55例)、プラセボ群で40.7%(24/59例)であり、0.1%プラノプロフェン点眼液群のプラセボ群に対する優越性が示された(P=0.0068、U検定)。疾患別の0.1%プラノプロフェン点眼液の有効率は、前眼部ブドウ膜炎56.0%(14/25例)、術後炎症60%(18/30例)であった。
0.1%プラノプロフェン点眼液の副作用は認められなかった4)
注1)症状の推移に基づく評価(著効/有効/無効/悪化)から算出した、著効又は有効と判定された被験者の割合
注2)症状の推移に基づく評価[著効/有効/やや有効/無効(悪化を含む)]から算出した、著効又は有効と判定された被験者の割合

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
プロスタグランジン生成抑制作用及びライソソーム膜安定化作用により炎症を抑制するものと考えられている5)6)7)8)9)10)11)
・ラット、ウサギ及びモルモットによるin vitro又はin vivoの試験において、プロスタグランジン様物質またはプロスタグランジン代謝産物の生成抑制が確認され、プロスタグランジン生成抑制に作用すると推定された5)6)7)
・ラット、ウサギによるin vitro又はin vivoの試験において、ライソソーム酵素の遊離抑制が確認され、ライソソーム膜安定化に作用すると推定された8)9)10)11)
18.2 抗炎症作用
18.2.1 ウサギ実験的ブドウ膜炎に対する抗炎症作用
0.1%プラノプロフェン点眼液は、ウサギのウシ血清アルブミン注入による実験的ブドウ膜炎に対する抗炎症作用が認められた5)
18.2.2 ラット実験的結膜炎に対する抗炎症作用
0.1%プラノプロフェン点眼液は、ラットにおけるカラゲニン、アラキドン酸等による実験的急性結膜浮腫や、ナイスタチン、マスタードによる実験的持続性結膜浮腫に対する抗炎症作用が認められた12)
また、ラットにおける卵アルブミン由来レアギン様抗血清による実験的アレルギー性結膜炎に対する抗炎症作用も認められた12)
18.3 生物学的同等性試験
18.3.1 ラット実験的急性結膜浮腫に対する効果
プラノプロフェン点眼液0.1%「日点」とニフラン点眼液0.1%の効果をカラゲニンによるラット実験的急性結膜浮腫を用いて、浮腫重量を指標として比較した結果、両剤に有意差は認められず、生物学的に同等であると判断された(Tukeyの多重比較)13)
カラゲニン結膜浮腫/浮腫重量
18.3.2 ラットIgE結膜炎に対する効果
プラノプロフェン点眼液0.1%「日点」とニフラン点眼液0.1%の効果をラットIgE結膜炎を用いて、浮腫重量及び色素漏出量を指標として比較した結果、いずれも両剤に有意差は認められず、生物学的に同等であると判断された(Tukeyの多重比較)14)
IgE結膜炎/浮腫重量
IgE結膜炎/色素漏出量

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. プラノプロフェン

一般的名称 プラノプロフェン
一般的名称(欧名) Pranoprofen
化学名 (2RS)-2-(10H-9-Oxa-1-azaanthracen-6-yl)propanoic acid
分子式 C15H13NO3
分子量 255.27
融点 186〜190℃
物理化学的性状 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、アセトニトリル、エタノール(95)又は無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→30)は旋光性を示さない。
KEGG DRUG D01578

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は、遮光して保存すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10本、5mL×50本

23. 主要文献

  1. 浜田佑二 他, 医薬品研究, 9, 194-204, (1978)
  2. 小河貴裕 他, 日本眼科紀要, 37, 829-834, (1986)
  3. 北野周作 他, 眼科臨床医報, 79, 432-438, (1985)
  4. 北野周作 他, 眼科臨床医報, 82, 706-714, (1988)
  5. 小河貴裕 他, あたらしい眼科, 5, 1335-1342, (1988)
  6. 今吉朋憲 他, 炎症, 4 (S-1), 223-227, (1984)
  7. 後藤一洋 他, 薬学雑誌, 97, 1211-1215, (1977) »DOI
  8. 中西美智夫 他, 薬学雑誌, 95, 1027-1037, (1975) »DOI
  9. 中西美智夫 他, 薬学雑誌, 95, 672-679, (1975) »DOI
  10. 後藤一洋 他, 薬学雑誌, 97, 382-387, (1977) »DOI
  11. 後藤一洋 他, 薬学雑誌, 96, 1013-1021, (1976) »DOI
  12. 小河貴裕 他, 日本眼科紀要, 33, 1244-1251, (1982)
  13. 社内資料:生物学的同等性試験I
  14. 社内資料:生物学的同等性試験II

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ロートニッテン株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒457-0038 名古屋市南区桜本町40番地の2
電話:0120-691-910
FAX:052-823-9115
製品情報問い合わせ先
ロートニッテン株式会社 医薬情報問合せ窓口
〒457-0038 名古屋市南区桜本町40番地の2
電話:0120-691-910
FAX:052-823-9115

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ロートニッテン株式会社
名古屋市南区桜本町40番地の2

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版