通常成人には、1日3カプセルを3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
なお、トコフェロールニコチン酸エステルとしての用法及び用量は、通常成人1日300〜600mgを3回に分けて経口投与する。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 二重盲検試験及び一般臨床試験(高血圧症)
二重盲検試験及び一般臨床試験において高血圧症の随伴症状の改善が認められた。特に手足のしびれ感、めまい感、首すじや肩のこり、頭痛、不眠、耳鳴、息切れ、抑うつ、四肢冷感などの随伴症状を改善した
3)4)。
17.1.2 一般臨床試験(高脂質血症)
高脂質血症を対象とした一般臨床試験において、本剤投与2カ月後の臨床成績は、投与前の各検査値に比し、総コレステロール高値例では有意な減少が、HDL-コレステロール低値例では有意な上昇が認められ、過酸化脂質は有意な減少が認められた
5)。
18.1 作用機序
抗酸化作用による脂質代謝改善、微小循環系賦活作用、血管強化作用、血小板凝集抑制作用を示すことが確認されているが、作用機序は明確ではない。
18.2 脂質代謝改善作用
18.2.1 加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させる。これは本薬がコレステロールの異化・排泄を高めるためと考えられる。さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させる
6)7)。
18.2.2 ヒトの血中総コレステロールを低下させ、リポ蛋白代謝において血中HDL-コレステロールを上昇させる
5)。
18.3 微小循環系賦活作用
18.3.1 本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用し、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められている
8)。
18.3.2 ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れている
9)。
18.4 血管強化作用
ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善し、紫斑数を減少させることが認められている
10)。
18.5 血小板凝集抑制作用
18.5.1 ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められている
11)。
18.5.2 ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示した
12)。
18.6 血中酸素分圧上昇作用
ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められている
13)。
20.1 PTP包装はアルミ袋開封後、高温、湿気を避けて遮光して保存すること。高温、湿気によりカプセルが軟化することがある。
20.2 長期間にわたる予製及び投薬に際しては、高温、高湿を避けて保存すること。カプセル皮膜が癒着することがある。