医療用医薬品 : ジフルプレドナート

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医薬品情報


総称名 ジフルプレドナート
一般名 ジフルプレドナート
欧文一般名 Difluprednate
製剤名 ジフルプレドナート製剤
薬効分類名 外用合成副腎皮質ホルモン剤
薬効分類番号 2646
ATCコード D07AC19
KEGG DRUG
D01266 ジフルプレドナート
KEGG DGROUP
DG01955 副腎皮質ステロイド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年4月 改訂(第5版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ジフルプレドナート軟膏0.05%「MYK」 Difluprednate Ointment 0.05%"MYK" MAE 2646725M1228 13円/g
ジフルプレドナートローション0.05%「MYK」 Difluprednate Lotion 0.05%"MYK" MAE 2646725Q1076 13円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 細菌、真菌、ウイルス皮膚感染症[感染症を悪化させるおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]

4. 効能または効果

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、脂漏性皮膚炎、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹、結節性痒疹を含む)、虫さされ、乾癬掌蹠膿疱症、扁平紅色苔癬、ジベルばら色粃糠疹、薬疹・中毒疹、慢性円板状エリテマトーデス、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑、遠心性丘疹性紅斑)、特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑、シャンバーク病、紫斑性色素性苔癬様皮膚炎)、紅皮症、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、円形脱毛症、アミロイド苔癬(斑状アミロイドーシスを含む)、肥厚性瘢痕・ケロイド

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法及び用量

通常1日1〜数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。[9.59.79.811.1.1参照]
8.2 本剤の使用により症状の改善をみない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
8.3 症状改善後は速やかに使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物実験(ウサギ:連日皮下投与)で催奇形作用が報告されている。[8.1参照]
9.7 小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。[8.1参照]
9.8 高齢者
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。[8.1参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明)
眼瞼皮膚へ使用した際に眼圧亢進及び緑内障を起こすおそれがある。また、大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により後嚢白内障、緑内障があらわれるおそれがある。[8.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
皮膚の感染症注1)細菌感染症(毛嚢炎等)細菌感染症(伝染性膿痂疹)皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬等)、ウイルス感染症
その他の皮膚症状ステロイド皮膚(毛細血管拡張、皮膚萎縮、紫斑)注2)、ざ瘡様発疹注2)、刺激感、乾燥軟毛の濃色化注2)色素脱失注2)
過敏症接触皮膚炎 紅斑
内分泌系  下垂体・副腎皮質系機能の抑制注3)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
化粧下やひげそり後等に使用しないよう、患者に指導すること。
14.2 薬剤使用時の注意
眼科用として使用しないこと。

16. 薬物動態

16.2 吸収
ラット又はウサギにジフルプレドナートを正常皮膚に塗布(ODT)した場合、表皮に速やかに浸透し、長時間角質層に貯留した。また、角質層を除去すると吸収が増強された1)2)
16.3 分布
16.3.1 血清蛋白結合率
動物種1)3H-ジフルプレドナート血清添加時の結合率3H-ジフルプレドナート皮下投与時の結合率
ヒト73.0%(該当資料なし)
ラット82.3%80.0%
ウサギ92.4%79.9%
16.3.2 組織移行性
ラットではジフルプレドナートは経皮吸収された後、塗布部皮膚内に最も多く分布し、そのほかの臓器としては小腸、肝臓、腎臓、大腸、副腎、肺、下垂体に分布が認められた1)2)
16.4 代謝
ラットではジフルプレドナートは経皮吸収された後、表皮及び真皮内で21位のアセテートが加水分解され、体循環に入り、次いで17位のブチレートが加水分解されると考えられる3)
16.5 排泄
ラット又はウサギではジフルプレドナートは代謝された後、主として胆汁を経て糞中に排泄された1)2)3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
コルチコステロイドは、標的細胞の細胞質内に入り、そこに存在するレセプターと結合後、核内に移行して遺伝子を活性化し、合成されたメッセンジャーRNAが細胞質内に特異的蛋白リポコルチン合成する。
細胞膜を形成するリン脂質に含まれるアラキドン酸は、ホスホリパーゼA2(PLA2)により遊離後、代謝を受けて各種のプロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンとなり炎症に関与するが、リポコルチンはこのPLA2を阻害することにより、抗炎症作用を発現するものと考えられている。
18.2 血管収縮作用(健康成人)
マイザー軟膏0.05%は密封法(ODT)においてベタメタゾン吉草酸エステル軟膏に比し強く、マイザークリーム0.05%は単純塗布法においてベタメタゾンジプロピオン酸エステルクリームと同等の血管収縮能を示した4)5)
18.3 肉芽増殖抑制作用(ラット)
ジフルプレドナートは局所投与により、クロトン油及びコットンペレット肉芽増殖を有意に抑制し、その際の局所抗炎症作用と全身作用の分離度はヒドロコルチゾン酪酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル及びフルオシノニドよりも大きかった6)7)
18.4 生物学的同等性試験
ラットを用いたクロトン油耳浮腫抑制試験、ヒスタミン血管透過性亢進抑制試験、カラゲニン背部皮膚浮腫抑制試験及び肉芽増殖抑制試験(ペーパーディスク法)において、ジフルプレドナート軟膏0.05%「MYK」とマイザー軟膏0.05%の効力比較を行った。その結果、ジフルプレドナート軟膏0.05%「MYK」は著明な抗炎症作用を示し、マイザー軟膏0.05%との比較においても両剤間に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。また、同様に、ジフルプレドナートローション0.05%「MYK」は著明な抗炎症作用を示し、マイザークリーム0.05%との比較においても両剤間に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された8)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジフルプレドナート

一般的名称 ジフルプレドナート
一般的名称(欧名) Difluprednate
化学名 6α,9-Difluoro-11β,17,21-trihydroxy-1,4-pregnadiene-3,20-dione 21-acetate 17-butyrate
分子式 C27H34F2O7
分子量 508.55
物理化学的性状 白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
アセトニトリルに溶けやすく、エタノール(95)又は1,4-ジオキサンにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01266

22. 包装

<ジフルプレドナート軟膏0.05%「MYK」>
ポリエチレン製容器
500g
<ジフルプレドナートローション0.05%「MYK」>
ポリエチレン製容器
10g×10

23. 主要文献

  1. 藤野明治,他, 応用薬理, 29 (5), 687-699, (1985)
  2. 藤野明治,他, 応用薬理, 29 (5), 701-712, (1985)
  3. 藤野明治,他, 応用薬理, 29 (5), 713-723, (1985)
  4. 石原 勝, 皮膚科紀要, 80 (4), 359-366, (1985)
  5. 渡辺 靖, 西日本皮膚科, 47 (6), 1105-1111, (1985) »DOI
  6. 高橋和雄,他, 応用薬理, 29 (3), 343-353, (1985)
  7. 高橋和雄,他, 応用薬理, 29 (3), 355-362, (1985)
  8. 前田薬品工業(株)社内資料:生物学的同等性試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本ジェネリック株式会社 お客さま相談室
〒108-0014 東京都港区芝五丁目33番11号
電話:0120-893-170
FAX:0120-893-172
製品情報問い合わせ先
日本ジェネリック株式会社 お客さま相談室
〒108-0014 東京都港区芝五丁目33番11号
電話:0120-893-170
FAX:0120-893-172

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社MAE
富山県富山市向新庄町一丁目18番47号
26.2 販売元
日本ジェネリック株式会社
東京都港区芝五丁目33番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版