医療用医薬品 : オフロキサシン

List   Top

医薬品情報


総称名 オフロキサシン
一般名 オフロキサシン
欧文一般名 Ofloxacin
製剤名 オフロキサシン眼軟膏
薬効分類名 広範囲抗菌点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01AE01
KEGG DRUG
D00453 オフロキサシン
KEGG DGROUP
DG01549 ニューキノロン系抗生物質
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2023年11月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
オフロキサシン眼軟膏0.3%「ニットー」 Ofloxacin Ophthalmic Ointment 0.3%「NITTO」 東亜薬品 1319722M1064 47.2円/g 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分及びキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

<適応菌種>
<適応症>
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

6. 用法及び用量

通常、適量を1日3回塗布する。なお、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

<結膜炎>
7.1 トラコーマクラミジアによる結膜炎の場合には、8週間の投与を目安とし、その後の継続投与については慎重に行うこと。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 長期間使用しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%未満頻度不明
 びまん性表層角膜炎等の角膜障害、眼瞼炎、結膜炎、眼のそう痒感、眼痛
皮膚発疹そう痒、蕁麻疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
<投与方法共通>
・薬剤汚染防止のため、塗布するとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、本剤を最後に使用すること。その際、少なくとも5分以上間隔をあけること。
<結膜嚢内に塗布する場合>
・患眼を開瞼して結膜嚢内に塗布し、閉瞼して軟膏が全体に広がった後、開瞼すること。
・軟膏が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐにふき取ること。

16. 薬物動態

16.3 分布
16.3.1 生物学的同等性試験
ウサギにおける眼組織内移行
オフロキサシン眼軟膏0.3%「ニットー」とタリビッド眼軟膏0.3%について、ウサギに点眼して眼房水中オフロキサシン濃度を測定したところ、両剤の点眼1時間後の眼房水中オフロキサシン濃度に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された1)
 点眼1時間後眼房水中オフロキサシン濃度(μg/mL)
オフロキサシン眼軟膏0.3%「ニットー」0.0836±0.0523
タリビッド眼軟膏0.3%0.104±0.0424

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)>
17.1.1 国内一般臨床試験
外眼部細菌感染症患者87例を対象に、0.3%オフロキサシン眼軟膏を1回(チューブから圧出した約1cmの長さの量)、1日3回、3日以上(原則として症状消失後2日まで)塗布した結果、有効率は95.2%(79/83例)で、副作用は認められなかった2)
※眼感染症研究会制定の評価判定基準(1985年)に準拠し評価。
17.1.2 疾患別有効菌種別臨床効果
外眼部感染症を対象に実施した0.3%オフロキサシン眼軟膏の臨床試験(国内一般臨床試験、国内症例報告)87例における各疾患別臨床効果は下表のとおりであった。
疾患名有効率(%) 〔有効以上〕
眼瞼炎100.0(6/6)
涙嚢炎85.7(6/7)
麦粒腫87.5(7/8)
結膜炎96.0(48/50)
瞼板腺炎100.0(1/1)
角膜炎100.0(5/5)
角膜潰瘍100.0(13/13)
また、上記87例における有効菌種別臨床効果は下表のとおりであった2)
菌種有効率(%) 〔有効以上〕
ブドウ球菌属94.0(47/50)
レンサ球菌属100.0(11/11)
肺炎球菌75.0(3/4)
ミクロコッカス属100.0(1/1)
モラクセラ属100.0(5/5)
コリネバクテリウム属100.0(10/10)
クレブシエラ属100.0(2/2)
セラチア属100.0(1/1)
インフルエンザ菌100.0(5/5)
シュードモナス属100.0(7/7)
緑膿菌100.0(3/3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
抗菌作用は殺菌的でMIC濃度で溶菌が認められた3)。また、0.3%オフロキサシン眼軟膏はトラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対し、その発育環における原始体を破壊することが認められた4)
18.2 抗菌作用
オフロキサシンの抗菌スペクトラムは広範囲に及び、ブドウ球菌属、肺炎球菌を含むレンサ球菌属、ミクロコッカス属、コリネバクテリウム属等のグラム陽性菌及び緑膿菌を含むシュードモナス属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、モラクセラ属、セラチア属、クレブシエラ属、プロテウス属、アシネトバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であるアクネ菌等の眼感染症の起炎菌に対し、強い抗菌力を示す3)5)6)in vitro)。また、オフロキサシンはトラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対しても抗菌作用を示し、クラミジアはオフロキサシンに対して耐性化しにくいことが認められている7)8)
18.3 その他
18.3.1 生物学的同等性試験
ウサギ緑膿菌角膜感染モデルに対する効果
オフロキサシン眼軟膏0.3%「ニットー」とタリビッド眼軟膏0.3%について、実験的ウサギ緑膿菌角膜感染モデルに対する治癒効果の比較を行った。その結果、両剤とも優れた治癒効果を示し、また、両剤の治癒効果に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された1)
実験的ウサギ緑膿菌角膜感染モデルに対する効果

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. オフロキサシン

一般的名称 オフロキサシン
一般的名称(欧名) Ofloxacin
略号 OFLX
化学名 (3RS)-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H-pyrido[1,2,3-de][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid
分子式 C18H20FN3O4
分子量 361.37
融点 約265℃(分解)
物理化学的性状 オフロキサシンは帯微黄白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
水酸化ナトリウム試液溶液(1→20)は旋光性を示さない。光によって変色する。
KEGG DRUG D00453

22. 包装

3.5gチューブ入×5本、3.5gチューブ入×10本

23. 主要文献

  1. 社内資料:オフロキサシン眼軟膏0.3%「ニットー」の生物学的同等性試験
  2. 井上慎三ほか, あたらしい眼科, 3 (5), 742-752, (1986)
  3. 西野武志ほか, Chemotherapy., 32 (Supp.1), 62-82, (1984)
  4. 三井幸彦ほか, 日本眼科学会雑誌, 92 (6), 973-980, (1988) »PubMed
  5. 三井幸彦ほか, 眼科臨床医報, 80 (9), 1813-1828, (1986)
  6. 三井幸彦ほか, 日本眼科紀要, 37 (7), 1115-1140, (1986)
  7. 三井幸彦ほか, 日本眼科学会雑誌, 90 (8), 1074-1080, (1986) »PubMed
  8. 三井幸彦ほか, 日本眼科学会雑誌, 93 (臨時増刊号), 157, (1989)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086
製品情報問い合わせ先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東亜薬品株式会社
富山県富山市水橋開発277番10
26.2 発売元
日東メディック株式会社
富山県富山市八尾町保内1-14-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版