ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA
2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。
その作用機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制することで、2量体の受容体と結合した場合、リポコルチン等の誘導を介して、炎症を制御すると考えられている。免疫抑制作用に関しては、リンパ球に対する直接的な機能抑制、アポトーシスの誘導によると考えられている
6)。
代表的IV型アレルギー反応モデルである塩化ピクリル接触性皮膚炎を用いて、ベタメタゾン吉草酸エステルローション0.12%「イワキ」及びリンデロン-Vローション塗布後の耳介の平均浮腫率を測定し統計解析を行った結果、ベタメタゾン吉草酸エステルローション0.12%「イワキ」及びリンデロン-Vローションとも同様に浮腫率の低値を示し、両剤の生物学的同等性が確認された
8)。(マウス、n=10)
| | 平均浮腫率(%) | 浮腫抑制率(%) |
| ベタメタゾン吉草酸エステルローション0.12%「イワキ」 | 25.7±2.3 | 83.2 |
| リンデロン-Vローション | 26.3±2.1 | 82.8 |