医療用医薬品 : メマンチン塩酸塩

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医薬品情報


総称名 メマンチン塩酸塩
一般名 メマンチン塩酸塩
欧文一般名 Memantine Hydrochloride
製剤名 メマンチン塩酸塩口腔内崩壊錠
薬効分類名 NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤
薬効分類番号 1190
ATCコード N06DX01
KEGG DRUG D04905 メマンチン塩酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2021年8月 改訂 (第3版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
メマンチン塩酸塩OD錠5mg「クラシエ」 (後発品) Memantine Hydrochloride OD Tablets 5mg「Kracie」 日本薬品工業 1190018F4138 41.9円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
メマンチン塩酸塩OD錠10mg「クラシエ」 (後発品) Memantine Hydrochloride OD Tablets 10mg「Kracie」 日本薬品工業 1190018F5134 74.7円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
メマンチン塩酸塩OD錠15mg「クラシエ」 (後発品) Memantine Hydrochloride OD Tablets 15mg「Kracie」 日本薬品工業 1190018F7030 95.7円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」 (後発品) Memantine Hydrochloride OD Tablets 20mg「Kracie」 日本薬品工業 1190018F6130 133.4円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

効能効果に関連する使用上の注意

アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。

本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。

アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。

用法用量

通常、成人にはメマンチン塩酸塩として1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

1日1回5mgからの漸増投与は、副作用の発現を抑える目的であるので、維持量まで増量すること。

高度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満)のある患者には、患者の状態を観察しながら慎重に投与し、維持量は1日1回10mgとすること(「1.慎重投与」の項参照)。

医療従事者、家族等の管理の下で投与すること。

本剤は口腔内で速やかに崩壊するが、口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する薬剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。

使用上の注意

慎重投与

てんかん又は痙攣の既往のある患者[発作を誘発又は悪化させることがある。]

腎機能障害のある患者[本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能障害のある患者では排泄が遅延する(「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照)。]

尿pHを上昇させる因子(尿細管性アシドーシス、重症の尿路感染等)を有する患者[尿のアルカリ化により本剤の尿中排泄率が低下し、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]

高度の肝機能障害のある患者[使用経験がなく、安全性が確立していない。]

重要な基本的注意

投与開始初期においてめまい、傾眠が認められることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、異常が認められた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、これらの症状により転倒等を伴うことがあるため、十分に注意すること。

通常、中等度及び高度アルツハイマー型認知症では、自動車の運転等危険を伴う機械の操作能力が低下することがある。また、本剤により、めまい、傾眠等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。

本剤投与により効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。

相互作用

併用注意

ドパミン作動薬
レボドパ等
ドパミン作動薬の作用を増強させるおそれがある。本剤のNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体拮抗作用が、ドパミン遊離を促進させる可能性がある。
ヒドロクロロチアジドヒドロクロロチアジドの血中濃度を低下させる。機序は不明である。
腎尿細管分泌(カチオン輸送系)により排泄される薬剤
シメチジン等
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤は一部が尿細管分泌(カチオン輸送系)により排泄されるため、同じ輸送系を介する薬剤と競合する可能性がある。
尿アルカリ化を起こす薬剤1)
アセタゾラミド等
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。尿のアルカリ化により、本剤の尿中排泄率が低下するため。
NMDA受容体拮抗作用を有する薬剤
アマンタジン塩酸塩、
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物等
相互に作用を増強させるおそれがある。両薬剤ともNMDA受容体拮抗作用を有するため。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

痙攣

痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

失神、意識消失

失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

精神症状(激越、攻撃性、妄想、幻覚、錯乱、せん妄)

精神症状(激越、幻覚、錯乱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸

AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

横紋筋融解症

横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

完全房室ブロック、高度な洞徐脈等の徐脈性不整脈

完全房室ブロック、高度な洞徐脈等の徐脈性不整脈があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
過敏症発疹、顔面浮腫、眼瞼浮腫
精神神経系めまい、頭痛、傾眠、不眠、徘徊、不穏、易怒性、不安、歩行障害、不随意運動(振戦、チック、ジスキネジー等)、活動性低下、鎮静
腎臓頻尿、尿失禁、尿潜血、BUN上昇
肝臓肝機能異常
消化器便秘、食欲不振、消化管潰瘍、悪心、嘔吐、下痢、便失禁
循環器血圧上昇、血圧低下、上室性期外収縮
その他血糖値上昇、転倒、浮腫、体重減少、CK(CPK)上昇、貧血、倦怠感、発熱、コレステロール上昇、トリグリセリド上昇、脱力感

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ウサギ)で胎児への移行が認められている。また、動物実験(ラット)で胎児及び出生児の体重増加抑制が認められている。]

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

症状(外国人における報告)

メマンチン塩酸塩400mg服用患者において、不穏、幻視、痙攣、傾眠、昏迷、意識消失等があらわれ、また、メマンチン塩酸塩2,000mg服用患者において、昏睡、複視及び激越があらわれ、それぞれ回復したとの報告がある。

処置

過量投与に対する特異的な中和剤は知られていない。過量投与と考えられる症状がみられた場合には、投与を中止し、適切な対症療法等を行うこと。なお、尿の酸性化により、わずかに排泄が促進したとの報告がある。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

服用時

本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。

その他の注意

ラットの高用量投与実験(メマンチン塩酸塩100mg/kg単回経口投与、25mg/kg/日以上14日間反復経口投与、又は100mg/kg/日14日間混餌投与)において、脳梁膨大皮質及び帯状回皮質に神経細胞の空胞化又は壊死が認められた。

薬物動態

生物学的同等性試験2)

メマンチン塩酸塩OD錠5mg「クラシエ」・メマンチン塩酸塩OD錠10mg「クラシエ」・メマンチン塩酸塩OD錠15mg「クラシエ」

メマンチン塩酸塩OD錠5mg「クラシエ」、メマンチン塩酸塩OD錠10mg「クラシエ」及びメマンチン塩酸塩OD錠15mg「クラシエ」は「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。

メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」

メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(メマンチン塩酸塩として20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与(水なしで服用及び水で服用)して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

水なしで服用

 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-240(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」2345.499±476.01129.151±6.4785.7±1.664.08±11.33
標準製剤(OD錠、20mg)2288.865±468.65027.797±5.1235.7±2.463.76±8.71
(Mean±S.D.,n=18)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

水で服用

 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-240(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」2201.763±293.15926.795±4.0566.4±2.060.51±7.84
標準製剤(OD錠、20mg)2165.192±290.65026.290±4.2545.9±1.961.82±8.13
(Mean±S.D.,n=19)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬効薬理

3)

メマンチン塩酸塩はNMDA型グルタミン酸受容体の非競合的拮抗薬である。チャネルのMg2+結合部位と相互作用し、正常な機能を保持しつつ、過度の活性化を抑制する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名メマンチン塩酸塩
一般名(欧名)Memantine Hydrochloride
化学名3,5-Dimethyltricyclo[3.3.1.13,7]dec-1-ylamine monohydrochloride
分子式C12H21N・HCl
分子量215.76
性状白色の粉末である。ギ酸又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にやや溶けやすい。
KEGG DRUGD04905

取扱い上の注意

製剤の特性上、吸湿により錠剤表面がざらつくことがある。

5mg錠、10mg錠は、それぞれ錠剤表面に使用色素による赤色、黄色の斑点がみられることがある。

安定性試験4)

メマンチン塩酸塩OD錠5mg「クラシエ」・メマンチン塩酸塩OD錠10mg「クラシエ」・メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」

PTP包装[PTPシートをアルミピロー包装したもの(乾燥剤入り)]及びバラ包装[ポリエチレン瓶に充てん(乾燥剤入り)]を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

メマンチン塩酸塩OD錠15mg「クラシエ」

PTP包装[PTPシートをアルミピロー包装したもの(乾燥剤入り)]及びバラ包装[ポリエチレン瓶に充てん(乾燥剤入り)]を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

包装

メマンチン塩酸塩OD錠5mg「クラシエ」

PTP14錠(14錠×1シート)

PTP56錠(14錠×4シート)

バラ100錠

メマンチン塩酸塩OD錠10mg「クラシエ」

PTP14錠(14錠×1シート)

PTP56錠(14錠×4シート)

バラ100錠

メマンチン塩酸塩OD錠15mg「クラシエ」

PTP14錠(14錠×1シート)

PTP56錠(14錠×4シート)

バラ100錠

メマンチン塩酸塩OD錠20mg「クラシエ」

PTP56錠(14錠×4シート)

PTP112錠(14錠×8シート)

バラ100錠

主要文献


1. Freudenthaler S,et al.,  Br J Clin Pharmacol.,  46 (6),  541-546,  (1998) »PubMed »DOI
2. 日本薬品工業株式会社:生物学的同等性に関する資料(社内資料)
3. 高折修二ほか監訳,  グッドマン・ギルマン薬理書,第12版,  786,  (2013)  廣川書店,東京
4. 日本薬品工業株式会社:安定性に関する資料(社内資料)

作業情報


改訂履歴

2020年6月 改訂
2021年8月 改訂 (第3版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
クラシエ薬品株式会社
108-8080
東京都港区海岸3-20-20
03-5446-3352

お問い合わせ先

クラシエ薬品株式会社
108-8080
東京都港区海岸3-20-20
03-5446-3334

業態及び業者名等

発売元
クラシエ薬品株式会社
108-8080
東京都港区海岸3-20-20

製造販売元
日本薬品工業株式会社
東京都千代田区岩本町2丁目2-3


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/9/22 版