成人1型糖尿病及び2型糖尿病患者72例(1型33例、2型39例)を対象として、インスリン誘導低血糖からの治療成功割合に関して、本剤3mg経鼻投与とグルカゴン注射剤1mg筋肉内投与を比較した。治験薬の投与は、空腹時にインスリン誘導低血糖の状態で行った。インスリンを投与し、血漿中グルコース濃度が60mg/dL未満に低下した後、本剤3mg経鼻投与又はグルカゴン注射剤1mg筋肉内投与を受けた。治療成功は、血漿中グルコース濃度を上昇させる他の処置を受けることなく、グルカゴン投与後30分以内に血漿中グルコース濃度が70mg/dL(3.9mmol/L)以上に上昇した場合、又は最低値から20mg/dL以上上昇した場合と定義した。
有効性解析対象(68例)における本剤3mg経鼻投与及びグルカゴン注射剤1mg筋肉内投与での治療成功割合はいずれも100%であった。投与群間の差は0%(95%信頼区間:−1.5%、1.5%)であり、本剤3mg経鼻投与のグルカゴン注射剤1mg筋肉内投与に対する非劣性が検証された。なお、本剤3mg経鼻投与及びグルカゴン注射剤1mg筋肉内投与の治療成功を達成するまでの時間の平均値は、それぞれ12.0分及び11.0分であった
5)。
副作用発現頻度は、本剤3mg経鼻投与(71例)では16.9%(12例)であった。主な副作用は鼻痛8.5%(6例)、悪心5.6%(4例)、血圧上昇5.6%(4例)、嘔吐2.8%(2例)及び耳痛2.8%(2例)であった。[
8.2、
16.1、
16.8.1参照]
小児1型糖尿病患者(4歳以上17歳未満)48例を対象として、本剤2用量(2mg
注1)又は3mg)経鼻投与時とグルカゴン注射剤1mg
注2)筋肉内投与時の薬物動態、薬力学特性及びグルコース濃度上昇作用を評価した。治験薬は、空腹時にインスリンを投与した後、血漿中グルコース濃度が80mg/dL未満に低下した5分後に単回投与した。その結果は、表1のとおりであった
6)。
表1)グルカゴン投与から治療反応を達成するまでの時間(平均値:分)
| 血漿中グルコース濃度の最低値からの上昇 | 4歳以上8歳未満 | 8歳以上12歳未満 | 12歳以上17歳未満 |
| 本剤(12例) | グルカゴン注射剤(6例) | 本剤(12例) | グルカゴン注射剤(6例) | 本剤(12例) | グルカゴン注射剤(12例) |
| 20mg/dL以上上昇 | 10.8 | 10.0 | 11.3 | 12.5 | 14.2 | 12.5 |
| 25mg/dL以上上昇 | 11.7 | 10.0 | 12.9 | 15.0 | 15.8 | 14.2 |
副作用発現頻度は、本剤3mg経鼻投与(36例)では50.0%(18例)であった。主な副作用は嘔吐30.6%(11例)、頭痛22.2%(8例)、悪心16.7%(6例)及び鼻部不快感8.3%(3例)であった。[
9.7、
16.6.1参照]
注1)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、グルカゴンとして1回3mgを鼻腔内に投与する。」である。
注2)体重25kg以上の場合1mg、体重25kg未満の場合は0.5mg