医療用医薬品 : ハルトマン

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医薬品情報


総称名 ハルトマン
薬効分類名 乳酸リンゲル液
薬効分類番号 3319
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年10月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ハルトマン輸液pH8「NP」 Hartmann's Solution pH8 ニプロ 3319534A4186 231円/袋 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
高乳酸血症の患者[高乳酸血症が悪化するおそれがある。]

4. 効能または効果

循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正、代謝性アシドーシスの補正。

6. 用法及び用量

通常成人、1回500〜1000mLを点滴静注する。投与速度は通常成人時間あたり300〜500mLとする。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心不全の患者
循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 高張性脱水症の患者
水分補給が必要であり、電解質を含む本剤の投与により症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者
水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
水分、電解質代謝異常、高乳酸血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症紅斑、蕁麻疹、そう痒感
大量・急速投与肺水腫、脳浮腫、末梢の浮腫

14. 適用上の注意

14.1 全般的な注意
14.1.1 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2 薬剤調製時の注意
薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
14.3.2 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.3 残液は使用しないこと。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
乳酸リンゲル液は細胞外液と電解質組成が近似していることから、各種の侵襲時及びショック時にみられる機能的細胞外液を補い、循環血液量を安定させショックを防止する1)2)3)4)。また、乳酸ナトリウムは体内で代謝されてHCO3となり、体内のHと結合して代謝性アシドーシスを補正する2)
18.2 代謝性アシドーシスの補正とpH
イヌの出血性ショック時の治療に対し、pH8.2〜8.5に調整した乳酸リンゲル液は、pH6.5の乳酸リンゲル液より優れるという結果が得られている5)。また、ヒトにおいてもpH6.5の乳酸リンゲル液に比較してpH8の乳酸リンゲル液は酸塩基平衡の変動を押さえるという結果が得られている6)

20. 取扱い上の注意

20.1 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2 品質保持のためにガスバリア性の外袋で包装しているので、使用時まで開封しないこと。
20.3 以下の場合には使用しないこと。
・外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
・容器から薬液が漏れている場合
・性状その他薬液に異状が認められる場合
・ゴム栓部のシールがはがれている場合

22. 包装

500mL×20袋[プラスチックバッグ]

23. 主要文献

  1. 藤田達士ほか, 臨床と研究, 45, 142-156, (1968)
  2. 山村秀夫, 綜合臨床, 16, 1210-1215, (1967)
  3. 田中茂稔, 呼吸と循環, 15, 479-482, (1967)
  4. Shires T,et al., Arch.Surg., 88, 688-693, (1964) »PubMed
  5. Dillon, J. et al., Arch. Surg., 93, 537-555, (1966) »PubMed
  6. 藤田達士ほか, 麻酔, 16, 1161-1167, (1967) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939
製品情報問い合わせ先
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
電話:0120-226-898
FAX:050-3535-8939

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版